○松尾
政府委員 研修病院につきましては、過去の例から見れば、ちょうどインターン
時代の歴史がございまして、その当時のいろいろな病院の指定そのものの
基準と申しますか、内容が必ずしも高くないではないかといったような不満が
一つございましたことは、御存じのとおりだと存じます。したがいまして、新しく発足しました研修病院の指定にあたりましては、研修審議会が設けられておりますけれ
ども、そこでは過去のそういうような例を踏まえまして、やはりできるだけ
整備された、きびしい条件のもとに
整備をすべきだ。そしてまた、そういう目標に向かって他の病院もレベルアップしてくるように指導すべきだということが
一つの基本
方針になりまして、
個々の病院の
個々の医者についても、その経歴あるいは学会等の業績というものもチェックするというような、かなりきびしい形で選定をしていただいておるわけでございます。したがいまして、御指摘のように、そういう
意味から、
日本の病院全体を
一つの教育的な機能という面から見ますと、かなりのものがやはりどこかに欠陥を持っておるということで落とされていく。こういう結果が、御指摘のようにかなり少ない数に落ちついてしまったわけでございます。しかしながら、研修問題は次第に定着をしてまいりました。ただいま私が申し上げましたような
一つの条件というものは、
一つの病院についてあらゆる角度から見て、いわば百点満点をとらなければいけませんというような
基準でございますけれ
ども、
日本の実態から見て、たとえば眼科とか泌尿器科というようなところに、すべての病院にその指導力のある人を求めるということは、非常に不可能に近い問題でございます。
一般大学が協力しろといっても、大学自身がそれだけの病院に人を出せば自分の教室がからになるというような実態も端的にございまして、ここいらが、いわば病院の数をふやすについての具体的な隘路であろうというふうに私は
考えております。したがって、先般行ないました研修審議会におきましても、従来の
考え方をさらに少し拡大をいたしまして、中心になるようなそういう病院の性格というものは変えないといたしましても、
個々の研修病院と相互に提携しながら、たとえば結核という問題を取り上げました場合に、結核患者の診療というものは、
一般病院の中では十分にできないことはもう御承知のとおりでございます。そういった場合に、適切な療養所というものが研修病院とタイアップをいたしまして、その部分は引き受ける。あるいはこういう部分については非常にすぐれた病院があるというならば、そういう部分的なものを取り上げながら、
一つのグループとして研修機能が果たせるような指定のしかたなり、ものの
考え方はできないであろうか、こういうような
考え方がいま出てまいりまして、ただいまそれを具体的に当てはめたらどうなるかということを、現実にいろいろ現地の状況を置きながら、その具体的な条件の
整備を検討してみたい、こういうふうにいたしておりますので、そういうものが出てまいりますれば、御指摘のような線をさらに広げることは、私は可能だと存じます。また基本的には、そういう研修機能を持った病院が多くなるようにふやしていくということは、これはもう当然必要不可欠の問題でございますので、そういう
方向に病院の指導もいたしたい、かように存じております。