○島本
委員 関連して。
いま
長官が言ったことは、
海洋汚染防止法を審議するにあたってわれわれが言ったことなんです。それをいま
長官が得々として
大原委員に対して
答弁をしていなさる。ですから、われわれはその必要性、これじゃのろいぞ、したがって一年もほっちゃらかしておいて、その間いいのか、またこれは抜けた点もあるぞ、抜けた点に対しては、これはすぐ修正をする必要があるぞと言ったのです。それでやれると言ったのは
運輸省——それで聞きますが、この際に、法案作成の
段階で
運輸省の原案では石油業者などへ廃油
処理施設の設置を義務づけるという規定を削除したままで法案を出してきたのですね。ですから、まず第一
段階としてこれが抜けている。これは強く指摘しておった。それと、この海洋汚染についての
漁業についてのいまの
新潟みたいなあんばい、こういうような場合に対しての補償、こういうようなものに対しても全然ないから、海洋汚染によるところの
漁業被害に対する補償にもこれまた触れていない。そういう
措置もない。こういうようなことで強力にこの底抜け、しり抜けをわれわれが主張したのに対して、
運輸省当局のほうでは通報
措置、
海上保安、こういうようなことについては監視を厳重にすることによって法律施行までの間に万遺憾なきを期することになっていた。ところがその間にこれが起きた。これをやる場合には、公害行政としてはわれわれとしては一歩一歩先んじてやらないといつも手おくれになるということです。いま
長官がほんとうにいいことを言ってくれたけれ
ども、残念ながらこれは審議の過程で野党のわれわれが言ったことばです。こういうようなことからして、私としてはこの法律の抜け道そのものと保安庁の
責任というものはこれに対してはっきりあるということで、いま保安庁
関係はどうしているんだということをちょっと一、二聞いておきたいのです。これは大臣も聞いておいてください。
というのは、この法の趣旨、
船舶からの油の排出禁止、これは当然です。それから
船舶からの廃棄物の廃棄の禁止、これもあたりまえなんです。それから海洋施設からの油及び廃棄物の排出禁止、これはいま流している、これだってこれでやっていけるんだ、国際的基準だと言っていた。何が基準ですか。違うのです。それと同時に緊急時の防除
措置、こういうようなものに対しては今回みたいに大量の油が排出された場合の
措置としては完全かということに対して、これは通報とその
措置、これは
海上保安庁長官の監視の義務づけがあるはずなんですよ。これは起きてからまたやろうといったって、同じことを繰り返すことにすぎない。いまこれからいろいろ言おうとすることは、義務として保安庁にあるはずです。法の施行が一年後であって、これは施行規則や政令、省令ができてからやる。それ以前に法の精神は生きているのです。これを考えたならば、これは怠慢のそしりを免れない。
それと同時に、保官庁
長官、あなたのほうで、私と
委員長あたりが招待されて、一大偉観を私も感じておった皆さんの訓練の
状態を拝観する機会を得たわけです。あのときに私は、これで公害行政は完全かと言ったら、だいじょうぶだ、千二百メートルのあの
オイルフェンスあたりは、これがあるなら全部防げるんだ、こういうようにおっしゃった。われわれは心強く思った。
新潟のあのようなしけの場合には、
オイルフェンス、こういうようなものは有効なのかどうか。そしてこれに対して
消火剤が十分間に合う
状態にあるのかどうか。こういうような点に対してはやはり通報とその
措置との義務は
海上保安庁長官にありますから、こういうような点も十分に監視しておかないとだめなはずです。それでないと監視の義務を怠ったということになる。だからこそ、
運輸省のほうでは行政管理庁のほうから五%の削減をやると、全部
海上保安庁のほうの人員を削減しているのですが、こういうようなことをしないように強く要請しまたそのとおりやると言っていた。しかしながらまだ法の精神は生きておらない。これは環境庁もそうですが、
運輸省も含めて
海上保安庁あたりもっともっとこれに熱を入れてやらないといけないと思うのです、法の精神からして。抜け道からして当然いままでに対する
対策の手抜かりな点、こういうような
事故に対して何ともまだ手の出しようのない
状態になったのじゃないかと思います。私はこれについて今後がっしりしてもらわないとだめだと思うのですが、しけの際の緊急の
措置というものはできているのですか。千二百メートルくらいの
オイルフェンスでこれはだいじょうぶなんですか。それから
措置として、通報として保安庁としては万全を期するようになっているか。いまの体制でだいじょうぶなんですか。
環境庁長官も、いまのような
状態ですから、こういうような法律とあわせて公害
関係の法律はもう一回洗い直してみる必要がいまこそまた出てきた、こう思います。ひとつそれぞれの立場で御意見を拝聴したいと思います。