○須田
説明員
お答えいたします。ただいまのことでございますが、各
大学、学部、学科によりましてそれぞれ配分の方式が違っておりますので、一がいに画一的に何月にどうなるということは言えないかと思いますが、一わたり学部、学科に至る学内の
予算の配分がどういう方式でどういう経路で回っていくかというあたりからまず御
説明を申し上げたいと存じます。
まず
予算が成立いたしますと、
文部省といたしましては、四月一日付で各
大学に対する
予算の配分案を作成いたします。これはたとえば基幹的な
経費が、教官当たり積算校費ないし学生当たり積算校費が経常的な
経費としましては一番大きい金額になっておりますので、こういうものに例をとりまして御
説明申し上げますが、この教官当たり積算校費につきましては、講座制、修士講座制、学科目制というような別がございます。それは博士講座を持っている学部、学科、講座につきましてこれは博士講座と呼びますし、修士課程を持っておりますものは修士講座というランクにいたしてございます。その他は学科目制、そのほか短期
大学、高等専門学校研究所、研究
施設によりましてそれぞれ単価が違います。それから同じ講座でございましても、実験講座と非実験講座、それから医学部の臨床講座によりまして、これまた単価に相違がございます。
それから同じ修士講座ないしは学科目制の非実験、実験におきましても、教授、助教授、講師、助手というふうにそれぞれ単価に差がございます。それぞれの積算単価とそれから当該
大学の教官定員の数、この積算基礎によりまして各
大学に配分案をつくるわけでございます。さようにしましてできました配分案を、四月一日付で、実際通知が行くのは若干おくれますが、一日付で各
大学に示達をいたします。もちろんその前に各
大学は自分の
大学の積算を
文部省にございます帳簿から写し取りまして、大体自分の
大学ではどのくらいの金額が配当になる予定ということを事前に
承知をいたしております。そういうことで、実際問題といたしましては、学科まで金の配当が正確にきまりませんでも、おおよその見当はつくわけでございますので、多くの
大学におきましては、前
年度の
予算の範囲内とか、あるいは前
年度予算の五〇%以内とかいうようなことで事実上の執行が可能になるような措置は暫定的にとられております。
そういうことで、今度
大学に伝達されました
予算が学部、学科にどのように配分されるかということでございますが、これまた
大学によっていろいろ事情を異にいたしておりますが、ごく一般的な例につきまして御
説明を申し上げたいと存じます。
これも総合
大学ないしは単科
大学等の
規模により、また
大学の態様、あるいは従来からの方式、こういうことによりましていろいろと相違があるわけでございますが、まず、
本部本省から参りました積算基礎に従いまして一応各学部別に配当案をかりにつくりまして、同時に共通的な
経費、これも
大学によりまして若干相違がございますが、光熱水道費でございますとか、通信運搬費、あるいは事務局、学生部の
経費その他
大学の共通的な
施設に要する
経費、あるいは環境
整備費、図書館維持費といったようなものにつきまして、俗に
本部とめ置きと称しておりますが、
本部で留保をする部分を除きまして、その他の残りの金額につきまして先ほど申しましたような積算に従いまして各学部に案分をする、さような作業を伴う事務局の原案作成が大体四月から五月の上旬にかけて行なわれます。そうしまして事務局原案ができました場合に、これまた
大学によって違うのでございますが、それを学内の
予算配当
委員会、あるいは学
部長会議ないしは
部長局
会議、こういった学内の諸
機関にこの事務局原案をはかりまして、御審議をいただいた上で、最終的には評議会で決定をいたします。ごくレアケースといたしましては、評議会に報告という
大学もございますが、これはほんのわずかでございまして、大部分は評議会で決定をされる。その評議会決定の時期でございますが、都内の十数
大学について調べてみたわけでございますが、評議会決定の時期が、早い
大学で五月の中旬ないし下旬、一般的には六月から七月ごろということで学部に配当される
予算がきまるわけでございます。
そこで、それがきまりますと、今度はそれぞれ学部段階で、やはり学部で共通的にとめ置く
経費がございますと、それを差し引いて、学科、教室、講座というふうに配分になるわけでございますが、
大学によりましては、学部で全部留保しておきまして、必要のつど学科からの
要求に基づいて
支出をするというところもございますし、学科、教室の末端まで配当する
大学もございます。学科、教室等に配当になることをきめます教授会の決定の時期が、早い
大学で六月の上旬、大かたは七月ないし八月、ある
大学では、これは特殊事情があったようでございますが、九月に入っておる
大学も一、二ございます。
さようなことで、先生の御
指摘の教室、講座までおりる時期はいつかという点につきましては、いま申し上げましたように七、八月ごろが一般的でございます。