運営者
Bitlet
姉妹サービス
kokalog - 国会
yonalog - 47都道府県議会
nisalog - 東京23区議会
serelog - 政令指定都市議会
hokkaidolog - 北海道内市区町村議会
aomorilog - 青森県内市区町村議会
iwatelog - 岩手県内市区町村議会
miyagilog - 宮城県内市区町村議会
akitalog - 秋田県内市区町村議会
yamagatalog - 山形県内市区町村議会
fukushimalog - 福島県内市区町村議会
ibarakilog - 茨城県内市区町村議会
tochigilog - 栃木県内市区町村議会
gunmalog - 群馬県内市区町村議会
saitamalog - 埼玉県内市区町村議会
chibalog - 千葉県内市区町村議会
tokyolog - 東京都内市区町村議会
kanagawalog - 神奈川県内市区町村議会
nigatalog - 新潟県内市区町村議会
toyamalog - 富山県内市区町村議会
ishikawalog - 石川県内市区町村議会
fukuilog - 福井県内市区町村議会
yamanashilog - 山梨県内市区町村議会
naganolog - 長野県内市区町村議会
gifulog - 岐阜県内市区町村議会
sizuokalog - 静岡県内市区町村議会
aichilog - 愛知県内市区町村議会
mielog - 三重県内市区町村議会
shigalog - 滋賀県内市区町村議会
kyotolog - 京都府内市区町村議会
osakalog - 大阪府内市区町村議会
hyogolog - 兵庫県内市区町村議会
naralog - 奈良県内市区町村議会
wakayamalog - 和歌山県内市区町村議会
tottorilog - 鳥取県内市区町村議会
shimanelog - 島根県内市区町村議会
okayamalog - 岡山県内市区町村議会
hiroshimalog - 広島県内市区町村議会
yamaguchilog - 山口県内市区町村議会
tokushimalog - 徳島県内市区町村議会
kagawalog - 香川県内市区町村議会
ehimelog - 愛媛県内市区町村議会
kochilog - 高知県内市区町村議会
fukuokalog - 福岡県内市区町村議会
sagalog - 佐賀県内市区町村議会
nagasakilog - 長崎県内市区町村議会
kumamotolog - 熊本県内市区町村議会
oitalog - 大分県内市区町村議会
miyazakilog - 宮崎県内市区町村議会
kagoshimalog - 鹿児島県内市区町村議会
okinawalog - 沖縄県内市区町村議会
使い方
FAQ
このサイトについて
|
login
×
kokalog - 国会議事録検索
1971-10-29 第67回国会 衆議院 決算委員会 第1号
公式Web版
会議録情報
0
本
国会召集日
(
昭和
四十六年十月十六日)(土曜日) (午前零時現在)における本
委員
は、次の通りであ る。
委員長
福田
繁芳
君
理事
白浜 仁吉君
理事
菅波 茂君
理事
濱野
清吾
君
理事
森下
元晴
君
理事
綿貫
民輔
君
理事
華山
親義
君
理事
鳥居
一雄
君
理事
吉田 賢一君
阿部
文男
君
石田
博英君
笠岡
喬君
菅野和太郎
君
椎名悦三郎
君
中川
俊思君
中村
弘海
君
中山
利生
君
丹羽
久章
君 北山
愛郎
君
高田
富之
君 中澤 茂一君
坂井
弘一
君
瀬長亀次郎
君 ————————
—————————————
昭和
四十六年十月二十九日(金曜日) 午前十時十四分
開議
出席委員
委員長
福田
繁芳
君
理事
濱野
清吾
君
理事
森下
元晴
君
理事
綿貫
民輔
君
理事
華山
親義
君
理事
鳥居
一雄
君
阿部
文男
君
中川
俊思君
中村
弘海
君
中山
利生
君
丹羽
久章
君
高田
富之
君
坂井
弘一
君
瀬長亀次郎
君
出席政府委員
大蔵政務次官
田中
六助君
大蔵大臣官房日
本
専売公社監理
官 福間 威君
委員外
の
出席者
会計検査院事務
総局
第一
局長
中村
祐三君
会計検査院事務
総局
第五
局長
鎌田 英夫君
会計検査院事務
総局
第五局参事 官 石島 芳夫君
日本専売公社総
裁 北島 武雄君
日本専売公社総
務理事
黒田 実君
日本専売公社総
務理事
園部 秀男君
日本専売公社理
事
斎藤
欣一君
日本専売公社営
業本部
副
本部長
永井 幸一君
日本専売公社生
産本部
副
本部長
斎藤
慶二君
国民金融公庫
総 裁 澤田 悌君
日本開発銀行
総 裁 石原 周夫君
日本輸出入銀行
総裁
石田
正君
決算委員会調査
室長 池田 孝道君
—————————————
委員
の異動 十月二十二日
辞任
補欠選任
阿部
文男
君
愛知
揆一君
笠岡
喬君
賀屋
興宣
君
中山
利生
君
草野一郎平
君 同月二十三日
辞任
補欠選任
中村
弘海
君
松浦周太郎
君 同日
辞任
補欠選任
松浦周太郎
君
中村
弘海
君 同月二十九日
辞任
補欠選任
愛知
揆一君
阿部
文男
君
賀屋
興宣
君
中山
利生
君 同日
辞任
補欠選任
阿部
文男
君
愛知
揆一君
中山
利生
君
賀屋
興宣
君
—————————————
十月十六日
昭和
四十四
年度
一般会計歳入歳出決算
昭和
四十四
年度
特別会計歳入歳出決算
昭和
四十四
年度
国税収納金整理資金受払計算書
昭和
四十四
年度
政府関係機関決算書
昭和
四十四
年度
国有財産増減
及び現在額総
計算
書
昭和
四十四
年度
国有財産無償貸付状況
総
計算書
は本
委員会
に付託された。
—————————————
本日の
会議
に付した案件
国政調査承認要求
に関する件
昭和
四十四
年度
一般会計歳入歳出決算
昭和
四十四
年度
特別会計歳入歳出決算
昭和
四十四
年度
国税収納金整理資金受払計算書
昭和
四十四
年度
政府関係機関決算書
昭和
四十四
年度
国有財産増減
及び現在額総
計算
書
昭和
四十四
年度
国有財産無償貸付状況
総
計算書
(
大蔵省所管
、
大蔵省関係政府関係機関
) ————◇—————
福田繁芳
1
○
福田委員長
これより
会議
を開きます。 まず、
国政調査承認要求
に関する件についておはかりいたします。 すなわち、
決算
の適正を期するため、
本会期
中において、 一、
歳入歳出
の実況に関する
事項
二、
国有財産
の
増減
及び現況に関する
事項
三、
政府関係機関
の経理に関する
事項
四、国が
資本金
を
出資
している
法人
の
会計
に関する
事項
五、国または
公社
が直接または間接に
補助金
、
奨励金
、
助成金等
を
交付
しまたは
貸付金
、
損失補償等
の
財政援助
を与えているものの
会計
に関する
事項
以上各項につきまして、
関係
各方面からの
説明聴取
、小
委員会
の設置及び資料の
要求等
の方法によりまして
国政調査
を
実施
するため、規則の定めるところにより、議長に
承認
を求めることにいたしたいと存じますが、これに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
福田繁芳
2
○
福田委員長
全員御
異議
ないと認めまして、さように決定いたしました。 ————◇—————
福田繁芳
3
○
福田委員長
次に、
昭和
四十四
年度決算
外二件を一括して議題といたします。 本日は、
大蔵省所管
及び
大蔵省関係
の各
政府関係機関
について審査を行ないます。 まず、
大蔵政務次官
より
概要
の
説明
を求めます。
田中大蔵政務次官
。
田中六助
4
○田中(六)
政府委員
昭和
四十四
年度
大蔵省主管一般会計歳入決算並び
に
大蔵省所管
の
一般会計歳出決算
、各
特別会計歳入歳出決算
及び各
政府関係機関収入支出決算
につきまして、その概要を御説明いたします。 まず、
一般会計
の
歳入決算
について申し述べます。
昭和
四十四
年度
の
歳入決算額
は、六兆八千三百五億六千二百二十一万円余でありまして、これを
歳入予算額
に比較いたしますと千五百九十一億八千七百三十五万円余の
増加
となっております。 以下、各部について簡単に申し述べます。 第一に、租税及び
印紙収入
でありますが、その
決算額
は、五兆八千七百四十三億四百六十一万円余で、これを
予算額
に比較いたしますと八百八十三億四千五百六十一万円余の
増加
となっております。これは、
法人税
及び
所得税
を中心として
課税額
の伸びが
予定
を上回ったことによるものであります。 第二に、
専売納付金
でありますが、その
決算額
は二千五百五十八億四千四百十四万円余で、これを
予算額
に比較いたしますと二十一億四千八百五十三万円余の
増加
となっております。これは、
日本専売公社
における
製造たばこ
の
平均売り上げ単価
が上昇したこと、
国内製造たばこ
の
製造原価
が
予定
より節減されたこと等により、
たばこ事業
の純利益が
増加
したこと等によるものであります。 第三に、
官業益金
及び
官業収入
でありますが、その
決算額
は三十三億四千百二十九万円余で、これを
予算額
に比較いたしますと七億三千百八十三万円余の
増加
となっております。これは、
印刷局特別会計
における
決算
上の利益が
予定
より多かったことによるものであります。 第四に、
政府資産整理収入
でありますが、その
決算額
は二百四十九億六千三百九十七万円余で、これを
予算額
に比較いたしますと四十一億千四百十一万円余の
増加
となっております。これは、
土地等
の
国有財産
売り払い
収入
が
予定
より多かったこと、新
庁舎建設
に要する用地の
特別会計
への
有償所管
がえがあったこと等によるものであります。 第五に、雑
収入
でありますが、その
決算額
は千三百六十七億六千七百九十八万円余で、これを
予算額
に比較いたしますと五十九億百九十四万円余の
増加
となっております。これは、
土地等
の
国有財産貸し付け収入
、
日本銀行納付金等
が
予定
より
増加
したことによるものであります。 第六に、
公債金
でありますが、その
決算額
は四千百二十六億八百六十万円で、これを
予算額
に比較いたしますと三百七十三億九千百四十万円の減少となっております。これは、
租税収入等
が
予定
より増収となることが確実に見込まれたこと等により、公債の
発行額
を
予定
より減額したことによるものであります。 第七に、前
年度
剰余金受け入れ
でありますが、その
決算額
は千二百二十七億三千百六十万円余で、これを
予算額
に比較いたしますと九百五十三億三千六百七十万円余の
増加
となっております。これは、
予算額
が、
昭和
四十二
年度
の
新規発生剰余金
から
昭和
四十三
年度
への
繰り越し歳出予算財源充当額
を控除したものであるのに対しまして、
決算額
は、
昭和
四十三
年度
の
財政法
第四十一条の
剰余金
のうち
一般会計昭和
四十四
年度
歳入繰り入れ
にかかる額を
受け入れ
ていることによるものであります。 次に、
一般会計
の
歳出決算
について申し述べます。
昭和
四十四
年度
の
歳出予算
現額は五千六百八十四億三千二百十四万円余でありまして、
支出済み歳出額
は五千五百五十二億五千八十六万円余、翌
年度
へ
繰り越し
た額は百十七億百五十三万円余でありまして、
差し引き不用額
は十四億七千九百七十四万円余となっております。 以下、経費のうちおもなものについてその概要を申し述べます。 まず第一に、
国債費
につきましては、
国債整理基金特別会計
へ
繰り入れ
るため二千七百五十三億三千三百四十二万円余を
支出
いたしましたが、これは、
一般会計
の負担に属する
国債
の
償還
及び
利払い財源
並びに
事務取り扱い費
に充てるためのものであります。その内訳は、
国債
の
償還財源
として、
財政法
第六条の規定に基づく前々
年度決算
上の
剰余金
の二分の一に相当する額並びに
国債整理基金特別会計法
第二条第二項の規定に基づく前
年度
首国債総額
の百分の一・六に相当する額及び同法第二条の三の規定に基づく
繰り入れ額等
千二百十九億三千四百六十万円余、
国債
の
利払い財源
として千五百三億千四百二万円余、
国債
の
事務取り扱い費
として三十億八千四百七十九万円余となっております。 この
国債費
に関連して、
一般会計
の負担に属する
国債
の状況について申し述べます。
昭和
四十四
年度
首における
既往年度
からの
繰り越し債務額
は、
内国債
で二兆六千七百六十九億三千九百六十九万円余、
外国債
で
邦貨換算額
にして百十億二千五百十四万円余でありましたが、
昭和
四十四
年度
中における
内国債
につきましては、
財政法
第四条第一項の規定に基づく六分半
利国庫債券
の
発行
四千二百六億円、
引揚者特別交付金国庫債券等交付国債
の
発行
五百四十二億四千八百四十二万円余、
国際開発協会等
に対する
通貨代用国庫債券等
による
出資
及び拠出二百六十七億五千五百二十万円並びに
満期到来国債
の借りかえ
発行
百九十六億円、計五千二百十二億三百六十二万円余が
増加
いたしましたが、一方、五分半
利国庫債券
及び六分半
利国庫債券
の
償還
三百六十億五千二十七万円、農地被
買収者国庫債券等交付国債
の
償還
四百八十一億五千六百六十一万円余、
国際通貨基金等
の
通貨代用国庫債券等
の
償還
三百五十一億五千九百八十万円、その他の
国債
の
償還等
九千三百三十二万円余、計千百九十四億六千一万円余が減少いたしましたので、翌
年度
以降への
繰り越し債務額
は三兆七百八十六億八千三百三十万円余となっております。 また、
外国債
につきましては、
昭和
四十四
年度
中に八億二千六百三十一万円余の
償還等
をいたしましたので、翌
年度
以降への
繰り越し債務額
は百一億九千八百八十二万円余となっております。 第二に、
政府出資金
につきましては三百六十九億円を
支出
いたしましたが、その内訳は、
中小企業信用保険公庫
に対しまして、
信用補完制度
の強化をはかる
資金
に充てるため百五億円、
海外経済協力基金
に対しまして、東南アジアその他
開発途上
にある海外の地域に対する
経済協力
の促進をはかるための
資金
に充てるため二百二十四億円、新東京国際空港公団に対しまして、空港の
建設資金
に充てるため四十億円となっております。 第三に、
海運業再建整備費
につきましては、
海運業
の
再建整備
に関する
臨時措置法
に基づき、
日本開発銀行
が
外航船舶
の
建造融資
にかかる利子の
支払い
を猶予することに伴い、その猶予する額に相当する金額を
日本開発銀行
に交付するため八億六千八百九十八万円余を
支出
いたしました。 なお、この経費は
昭和
三十九年以降五カ年にわたって
支出
してきたもので、
昭和
四十四
年度
をもってその交付を終わりました。 第四に、
特殊対外債務等処理費
につきましては二百九十三億八千六百九十六万円余を
支出
いたしましたが、その内訳は、
賠償等特殊債務処理特別会計法
に基づき、
連合国等
に対する
賠償等特殊債務
の
処理
に充てるための財源を同
会計
へ
繰り入れ
るため百四十一億八百八十万円、ビルマに対する
経済技術協力
の実施のため三十九億五千百二十九万円余、韓国に対する
経済協力
の実施のため九十億五千七百八万円余、マレーシアに対する
経済協力
の実施のため十八億八千百六十万円、シンガポールに対する
経済協力
の実施のため三億八千八百十七万円余となっております。 以上の
支出
のほか、
相手国
の
国内事情等
のため六十八億千六百八十八万円余が翌
年度
へ
繰り越し
となっております。 第五に、
経済協力費
につきましては三十九億千四百七十八万円余を
支出
いたしましたが、その内訳は、
ラオス外国為替操作基金
へ拠出のため六億千二百万円、
ナムグム開発基金
へ拠出のため三億六千万円、
開発途上国
である
セイロン
、
ラオス
、
インドネシア
及びアフガニスタンに対する
食糧等特別援助
のため二十六億六千四百三十四万円余、
アジア開発銀行技術援助特別基金
へ拠出のため七千二百万円、
プレクトノット計画
へ
特別援助
のため二億六百四十三万円余となっております。 以上の
支出
のほか、
対外食糧等特別援助費
につきましては、
相手国
との交渉の
関係等
のため四十四億六千四百三十二万円余、
プレクトノット計画特別援助費
につきましては、
相手国
の
国内事情等
のため四百三十一万円余、計四十四億六千八百六十三万円余が翌
年度
へ
繰り越し
となっております。 第六に、
産業投資特別会計
へ
繰り入れ
につきましては、同
会計
の行なう
産業投資支出
の財源に充てるため七百八十一億円を
支出
いたしました。 第七に、
アジア開発銀行出資
につきましては、
アジア開発銀行
への加盟に伴う措置に関する法律に基づき、その
出資払い込み
に必要な経費として三十六億円を
支出
いたしました。 なお、同
機関
に対しましては、以上の
現金出資
のほかに
通貨代用国庫債券等
をもって百八億円を
出資
及び拠出いたしましたが、これはいずれも同
機関
の目的たる
アジア地域
の
経済成長
と
開発促進
に資するためのものであります。 第八に、
国民金融公庫補給金
につきましては、
国民金融公庫
の業務の円滑な運営に資するために必要な
補給金
を交付するため一億円を
支出
いたしました。 以上申し述べましたおもな経費のほか、
国家公務員共済組合連合会等助成費
につきましては、旧
令共済組合年金等交付金
その他の経費として四十七億二千七十六万円余、
国庫受け入れ預託金利子
につきましては、
日本国有鉄道
、
日本電信電話公社
及び
資金運用部
の
国庫預託金
に対する利子として二十一億三千八百六十五万円余、
公務員宿舎施設費
につきましては、
国家公務員
のための宿舎を設置するため九十三億七千六百四十二万円余を
支出
いたしました。
公務員宿舎
につきましては、その不足の状況にかんがみ、逐年その増設をはかっているものでありますが、以上の
支出
によりまして、
昭和
四十四
年度
新たに七千五十六戸を設置いたしました。 なお、
公務員宿舎施設費
につきましては、敷地の選定その他工事の
関係
から五百七十六戸分、金額にして四億千六百一万円余が翌
年度
へ
繰り越し
となっております。 そのほか、
一般行政
を
処理
するための経費といたしましては、
大蔵本省
において六十三億七千二百二十一万円余、財務局において百八億五千六百三十七万円余、税関において九十八億二千二百六十万円余、国税庁において八百三十七億五千九百六十六万円余、計千百八億千八十五万円余を
支出
いたしましたが、この経費のおもなものは、
人件費
及び
事務費
でありまして、
人件費
の占める割合は約七五%であります。 次に、各
特別会計
の
歳入歳出決算
について、それぞれの
会計
の
事業実績
の概要を御説明いたします。 まず第一に、
造幣局特別会計
につきましては、この
会計
のおもな事業である
補助貨幣
の製造について申し述べますと、百円
白銅貨幣
ほか四種の
補助貨幣
を十四億三百万枚、
額面金額
にして四百五十九億四千万円を製造し、その全額を
補助貨幣
として
発行
いたしました。 この結果、
昭和
四十四
年度
末の
補助貨幣発行
現在高は三千三百二億七千八百七十万円余となっております。 第二に、
印刷局特別会計
につきましては、この
会計
のおもな事業である
日本銀行券
の製造について申し述べますと、一万円券ほか四種の
日本銀行券
を二十三億六千万枚、
額面金額
にして三兆三千七百五十億円を製造し、その全量を
日本銀行
に引き渡しました。 なお、この
会計
の
昭和
四十四
年度
損益計算
上の利益は三十六億五千七百六十五万円余でありまして、そのうち、
固有資本
の
増加
に充てる額五億八千九百四十万円余を控除した残額三十億六千八百二十四万円余と、過
年度
の未
納付益金
のうち二億三千百十八万円余を、それぞれ
一般会計
へ納付いたしております。 第三に、
資金運用部特別会計
につきましては、
資金運用部資金
の調達及び
運用
の実績について申し述べますと、
資金
の調達は、
郵便貯金
、
厚生保険
、
国民年金等
の
預託金等
二兆四千五十六億六百十五万円余であり、
運用
は、
特別会計
、
政府関係機関
、
地方公共団体等
への
貸し付け
または債券の
引き受け等
二兆二千五百五十一億六千四百四万円余であります。 なお、
運用額
を当初の
予定
に比較いたしますと、千六百十二億六千四百四万円余の
増加
となっております。これは、
中小企業
への
金融対策等
について意を用いたためであります。 第四に、
国債整理基金特別会計
につきましては、
収納済み歳入額
は一兆八千九百五十五億七千九百十九万円余、
支出済み歳出額
は一兆八千七億四千九百二十六万円余であります。
収納済み歳入額
のうちおもなものは、
一般会計
及び各
特別会計等
からの
国債
、
借入金
及び
短期証券
の
償還財源
並びに
利子等
の
支払い財源
の
受け入れ
として一兆八千四十九億四千三百六十五万円余、
満期到来内国債
のうち一部を借りかえするための
公債発行収入
として百九十二億二千七百六十万円、前
年度
剰余金
の
受け入れ
として六百七十一億八千六万円余となっております。
支出済み歳出額
のうちおもなものは、
国債
、
借入金
及び
短期証券
の
償還
として一兆五千二百五十億八千二百七万円余、
国債
及び
借入金
の利子並びに
短期証券割引料
として二千七百二十四億五千三十万円余となっております。 なお、以上申し述べました
収納済み歳入額
から
支出済み歳出額
を差し引いた残額九百四十八億二千九百九十三万円余は、
昭和
四十四
年度
における
国債
の
償還
及び
利子支払い
の
未済額
並びに
国債整理基金
の
基金残
に相当する額でありまして、この額は翌
年度
以降の
支払い財源
に充てるために
繰り越し
となっております。 第五に、
貴金属特別会計
につきましては、この
会計
で取り扱った
金地金
の売買について申し述べますと、
輸入金地金
、没収
金地金
等合わせて五十五・二トン余、金額にして二百四十六億六千二百十七万円余を買い上げております。 他方、
国内産業用
の
金地金
の不足を緩和するため、
輸入金地金
のうち三十三トン余を
産金業者
に売却いたしております。 この結果、この
会計
における
昭和
四十四
年度
末の
金地金保有量
は六十三・四トン余となっております。 第六に、
外国為替資金特別会計
につきましては、
収納済み歳入額
は三百九十六億九千四十四万円余、
支出済み歳出額
は二百二十七億二千五百三一十七万円余であります。
収納済み歳入額
のうちおもなものは、
外国為替等
の売買に伴う
差益収入
として六十五億七千二百三十五万円余、
保有外貨資産等
の
運用収入
として三百三十一億千八百五万円余となっております。
支出済み歳出額
のうちおもなものは、
外国為替資金証券
の
割引料等
を
国債整理基金特別会計
へ
繰り入れ
として二百二十四億七千五百九十七万円余を
支出
しております。 第七に、
産業投資特別会計
につきましては、
一般会計
より
受け入れ
七百八十一億円及び
運用収入
二百五十一億九千七百六十一万円余等の
自己資金
をもって、
日本輸出入銀行
ほか七
機関
に対し八百八十四億二千八百六十万円の
出資
をし、
電源開発株式会社
に対し二十四億円の
貸し付け
を行ないました。 この結果、この
会計
における
昭和
四十四
年度
末の
貸し付け残高
は、
日本開発銀行
ほか二十四
機関
に対し九百八十二億二百九十九万円余、
出資残高
は、同銀行ほか十八
機関
に対し一兆三百二十五億七千八百六十万円となっております。 第八に、
賠償等特殊債務処理特別会計
につきましては、
収納済み歳入額
は百九十七億二千万円余、
支出済み歳出額
は百六十七億七千二百五十四万円余であります。
収納済み歳入額
の内訳は、
賠償等特殊債務処理特別会計法
に基づき、
連合国
に対する
賠償等特殊債務
の
処理
に充てるため、
一般会計
より
受け入れ
として百四十一億八百八十万円、前
年度
以前における
賠償費
の
未払い等
による前
年度
剰余金受け入れ
として五十六億千百二十万円余となっております。
支出済み歳出額
の内訳は、フィリピン及び
インドネシア
の二カ国に対する
賠償費
として百四十一億七千二百五十四万円余、
タイ特別円処理費
として二十六億円となっております。 なお、以上のほか、
相手国
との
実施計画
に関する交渉がおくれたこと等のため、二十八億四千七百十五万円余が翌
年度
へ
繰り越し
となっております。 第九に、
特定国有財産整備特別会計
につきましては、
収納済み歳入額
は百三十八億五千百八十七万円余、
支出済み歳出額
は七十二億二千七十五万円余であります。
収納済み歳入額
のうちおもなものは、警察大学校ほか三十四官署の
庁舎等
の売り払い
収入
として八十九億千九百九十二万円余、前
年度
剰余金受け入れ
として四十四億三千四百九十五万円余となっております。
支出済み歳出額
のうちおもなものは、
御料牧場
ほか二十二施設の
整備費
として七十一億九千七百九万円余となっております。 なお、この
会計
は、
昭和
四十三
年度
までの
国有財産特殊整理資金特別会計
が
昭和
四十四
年度
より改組されたものであります。 第十に、地震再
保険特別会計
につきましては、
収納済み歳入額
は二十一億七千七百六万円余、
支出済歳出額
は九百四十四万円余であります。
収納済歳入額
のうちおもなものは、
地震保険
に関する法律に基づき締結した
地震保険超過損害額
再
保険契約
による再
保険料収入
として十八億五千三百七十四万円余、
資金運用部預託金
に対する
利子収入
として三億千三百八十万円余となっております。
支出済み歳出額
は、再
保険金
の
支払い
がなかったので、地震再
保険事務
の
取り扱い
に必要な経費のみであります。 以上が、各
特別会計
の
事業実績等
の概要であります。各
会計
の
決算
上の計数につきましては、さきに提出いたしました
昭和
四十四
年度
の
決算書
によって御承知いただきたいと存じます。 最後に、各
政府関係機関
の
決算
について、それぞれの
機関
の
事業実績等
の概要を申し述べます。 まず第一に、
国民金融公庫
につきましては、
資金運用部
からの
借入金
二千百八十五億円及び
簡易生命保険
及び
郵便年金特別会計
からの
借入金
百五十億円並びに
貸し付け回収金等
の
自己資金
をもって、六十六万千件余、金額にして四千七百三十六億三千百九十六万円余の
貸し付け
を行ないました。 この
貸し付け額
を当初の
予定
に比較いたしますと、三百十七億四千五百九十六万円余の
増加
となっております。これは、
中小企業者
に対する年末
資金等
の融資のため、
政府資金
の追加が行なわれたことによるものであります。 この結果、この公庫における
昭和
四十四
年度
末の
貸し付け残高
は、五千九百二億二千九百八十二万円余、件数にして百五十二万件余となっております。 第二に、住宅金融公庫につきましては、
資金運用部
からの
借入金
千七百四十八億円及び
簡易生命保険
及び
郵便年金特別会計
からの
借入金
百六十四億円並びに住宅金融公庫宅地債券の
発行
による
収入
金十六億二千九百四十八万円余及び
貸し付け回収金等
の
自己資金
をもって、住宅の建設二十四万五千戸余、金額にして二千百五十四億五千七百三万円余、並びに宅地の取得及び造成二千百六十七ヘクタール余、金額にして三百四十億五千四百二十二万円、合計二千四百九十五億千百二十五万円余の
貸し付け
を行ないました。 この結果、この公庫における
昭和
四十四
年度
末の
貸し付け残高
は、九千四百七十七億二千六百五十三万円余、件数にして百三十一万二千件余でありまして、この公庫創設以来の住宅
貸し付け
の総契約戸数は、二百三十三万戸余となっております。 また、住宅融資保険業務につきましては、金融
機関
との間に保険
関係
が成立した保険価額は百九十三億五千十九万円余でありまして、この業務開始以来の保険価額の総額は、四百六十七億千百八万円余となっております。 第三に、農林漁業金融公庫につきましては、
資金運用部
からの
借入金
千三百八十六億円及び
簡易生命保険
及
郵便年金特別会計
からの
借入金
七十億円並びに
貸し付け回収金等
の
自己資金
をもって、十万七千件余、金額にして千九百八億九千百十二万円余の
貸し付け
を行ないました。 この
貸し付け額
を当初の
予定
に比較いたしますと、百十一億八百八十七万円余の減少となっております。これは、農林漁業者の経営維持安定のための
貸し付け
が少なかったこと等によるものであります。 この結果、この公庫における
昭和
四十四
年度
末の
貸し付け残高
は、八千五百九十億三千五百五十二万円余、件数にして百三十二万六千件余となっております。 第四に、
中小企業
金融公庫につきましては、
資金運用部
からの
借入金
千七百七十五億円及び
簡易生命保険
及
郵便年金特別会計
からの
借入金
二百億円並びに
中小企業
債券の
発行
による
収入
金三百九十九億九千八百三十一万円及び
貸し付け回収金等
の
自己資金
をもって、四万八千件余、金額にして三千八百二十一億三千三百八十万円余の
貸し付け
を行ないました。 この
貸し付け額
を当初の
予定
に比較いたしますと、五百四十九億八千九百八十万円余の
増加
となっております。これは、
中小企業者
に対する年末
資金等
の融資のため、
政府資金
の追加が行なわれたこと等によるものであります。 この結果、この公庫における
昭和
四十四
年度
末の
貸し付け残高
は、七千七百四十八億八千六百九十九万円余、件数にして十六万件余、
出資残高
は、九億八千八百万円、件数にして三件となっております。 第五に、北海道東北開発公庫につきましては、
産業投資特別会計
からの出
資金
五億円及び
資金運用部
からの
借入金
六十五億円並びに北海道東北開発債券の
発行
による
収入
金二百四十九億八千六百五十二万円余及び
貸し付け回収金等
の
自己資金
をもって、二百九十六件、金額にして四百四十六億千万円の
貸し付け
を行なうとともに、件数にして三件、金額にして三億九千万円の
出資
を行ないました。 この結果、この公庫における
昭和
四十四
年度
末の
貸し付け残高
は千七百二億九千百万円余、件数にして千九百七十五件、
出資残高
は十六億千五百五十万円、件数にして二十四件となっております。 第六に、公営企業金融公庫につきましては、
産業投資特別会計
からの出
資金
二億円並びに公営企業債券の
発行
による
収入
金七百四十八億五千七百四十八万円余及び
貸し付け回収金等
の
自己資金
をもって、千七百六十三件、金額にして八百八十七億五百十万円の
貸し付け
を行ないました。 この
貸し付け額
を当初の
予定
に比較いたしますと、二十三億九千四百九十万円の減少となっております。これは、
昭和
四十四
年度
の公庫融資にかかる地方債許可が減少したこと等によるものであります。 この結果、この公庫における
昭和
四十四
年度
末の
貸し付け残高
は三千八百四十六億二千三百八十二万円余、件数にして一万千件余となっております。 なお、以上のほか、この公庫は、農林漁業金融公庫の委託を受けて、地方公共団体の行なう公有林整備事業及び草地改良事業に対し、千五百九十六件、金額にして四十一億六十万円の融資を行なっております。 第七に、
中小企業信用保険公庫
につきましては、
一般会計
から保険準備基金として四十億円及び融資基金として六十五億円の出
資金
並びに
貸し付け回収金等
の
自己資金
をもって、保険業務におきましては、七十六万四千件余、金額にして一兆六十一億九千二百八十八万円余の保険の引き受けを行ないました。 この保険引き受け額を当初の
予定
に比較いたしますと、二千三百五十八億七百十一万円余の減少となっております。これは、保険に付された保証が少なかつたためであります。また、
貸し付け
業務におきましては、信用保証協会に対し、千四百五十件、金額にして四百一億九千四百万円の
貸し付け
を行ないました。この
貸し付け額
を当初の
予定
に比較いたしますと、十三億六百万円の減少となっております。これは、短期
貸し付け
等が減少したためであります。 この結果、この公庫の
昭和
四十四
年度
末の保険引き受け残高は、一兆三千八百七億四千六百二十四万円余、件数にして九十七万三千件余となっており、また
貸し付け残高
は、五百五十八億八千五百万円、件数にして千四百九十八件となっております。 第八に、医療金融公庫につきましては、
資金運用部
からの
借入金
二百七十億円及び
貸し付け回収金等
の
自己資金
をもって、四千六百二十四件、金額にして三百二十億円の
貸し付け
を行ないました。 この結果、この公庫の
昭和
四十四
年度
末の
貸し付け残高
は、千二百九十二億四千六百三十五万円余、件数にして二万二千件余となっております。 第九に、環境衛生金融公庫につきましては、
資金運用部
からの
借入金
五百十億円及び
貸し付け回収金等
の
自己資金
をもって、六万千件余、金額にして五百二十五億二千四百六十四万円余の
貸し付け
を行ないました。 この
貸し付け額
を当初の
予定
に比較いたしますと、十五億二千四百六十四万円余の
増加
となっております。これは、ホテル及び旅館業等の防災設備に対する融資のため、
政府資金
の追加が行なわれたことによるものであります。 この結果、この公庫の
昭和
四十四
年度
末の
貸し付け残高
は九百四十七億千五百三十八万円余、件数にして十五万件余となっております。 第十に、
日本開発銀行
につきましては、
資金運用部
からの
借入金
二千二百八十六億円及び
貸し付け回収金等
の
自己資金
をもって、二千九百二十一億八千五百万円の
貸し付け
を行ないました。この内訳は、電力二百二十一億千四百万円、海運九百八十三億二千二百万円、地方開発四百五十億六千四百万円、その他千二百六十六億八千五百万円となっております。 この
貸し付け額
を当初の
予定
に比較いたしますと、二百二十一億八千五百万円の
増加
となっております。これは、海運、技術開発等に対する融資のため
政府資金
の追加が行なわれたことによるものであります。 この結果、この銀行の
昭和
四十四
年度
末の
貸し付け残高
は、一兆五千五百八十九億八千八十七万円余、件数にして四千九百八十七件となっており、このほか、外貨
貸し付け
金の残高は五百四十九億七千三百二十九万円余、件数にして十九件となっております。 なお、この銀行が
昭和
四十四
年度
の利益のうち国庫に納付した金額は百七億九千三百五十七万円余となっております。 第十一に、
日本輸出入銀行
につきましては、
産業投資特別会計
からの出
資金
六百三十五億円及び
資金運用部
からの
借入金
二千七百億円並びに
貸し付け回収金等
の
自己資金
をもって、三千六百八十四億千六百二十六万円余の
貸し付け
を行ないました。この内訳は、輸出金融二千九百五十五億九千五百七十万円、技術提供金融七千百二十万円、輸入金融百二億二千八百二十万円、投
資金
融二百十億三千十万円及び直接借款四百十四億九千百六万円余となっております。 この
貸し付け額
を当初の
予定
に比較いたしますと、五十五億八千三百七十三万円余の減少となっております。これは、直接借款について政府間交渉の成立時期がずれたこと、借り入れ国側の事情により
貸し付け
のおくれたものがあったこと等によるものであります。 この結果、この銀行の
昭和
四十四
年度
末の
貸し付け残高
は一兆三千百四十五億五千四百六十三万円余、件数にして三千二百五十六件となっております。 以上が、各
政府関係機関
の
事業実績等
の概要であります。各
機関
の
決算
上の計数につきましては、さきに提出いたしました
昭和
四十四
年度
の
決算書
によって御承知いただきたいと存じます。 これをもちまして、
昭和
四十四
年度
における
大蔵省所管
の
決算
の概要説明を終わります。 なお、
会計
検査院の検査の結果、不当事項として、一部税務署において租税の徴収に過不足があった旨の御指摘を受けましたことは、まことに遺憾にたえないところであります。これらにつきましては、すべて徴収決定等適切なる措置を講じましたが、今後なお一そう当該事務の合理化と改善につとめたいと思います。 何とぞ御審議のほどお願い申し上げます。
福田繁芳
5
○
福田委員長
次に、
会計
検査院当局より検査の
概要
説明
を求めます。
中村
会計
検査院第一
局長
。
中村祐三
6
○
中村
会計
検査院
説明
員
昭和
四十四
年度
大蔵省の
決算
につきまして検査いたしました結果の
概要
を
説明
申し上げます。 書面並びに実地検査の結果、検査報告に不当
事項
として掲記いたしましたものは、
租税
の徴収にあたり徴収額に過
不足
があったものでございます。 これらの徴収過
不足
の事態は、納税者が申告書等において所得
金額
、税額の
計算
等を誤っていたのに当局の調査が十分でなかったこと、当局が法令の適用、税額の
計算
等を誤っていたこと、課税資料の収集、活用を適確にしていなかったことによって生じたものでございます。 以上、簡単でございますが、
説明
を終わります。
福田繁芳
7
○
福田委員長
次に、鎌田
会計
検査院第五
局長
。
鎌田英夫
8
○鎌田
会計
検査院
説明
員
昭和
四十四
年度
政府関係機関
決算
のうち
日本専売公社
、
国民金融公庫
、住宅金融
公庫
、農林漁業金融
公庫
、
中小企業
金融
公庫
、北海道東北開発
公庫
、公営企業金融
公庫
、
中小企業信用保険公庫
、医療金融
公庫
、環境衛生金融
公庫
、
日本開発銀行
及び
日本輸出入銀行
の
決算
につきまして検査いたしました結果、特に不当と認めた
事項
はございませんが、検査の結果、本院の質問に対して当局において是正または改善の処置を講じたものが次のとおりございます。 一つは、
日本専売公社
における葉たばこ倉庫の運営に関するもので、これはたる詰め葉たばこの積み付け方法が効率的な積み付けになっていなかったりしたなどのため、倉庫の貯蔵力が減殺している事例が見受けられましたので注意いたしましたところ、
日本専売公社
において積み付け方法の改善等の処置を講じたというものでございます。 他の一つは、住宅金融
公庫
が委託金融
機関
に経理させている預託金に関するもので、この預託金は
貸し付け
資金
として必要な額を保有させていれば足りるのに、
償還
金の
公庫
に対する納付についての処置が十分でなかったなどのため必要な
資金
に比べて常時多額に保有されていましたので注意いたしましたところ、住宅金融
公庫
において預託金の経理について改善の処置を講じたというものでございます。これらについてはいずれも検査報告に記載いたしております。 以上、簡単でございますが、
説明
を終わります。
福田繁芳
9
○
福田委員長
次に、
日本専売公社
、
国民金融公庫
、
日本開発銀行
及び
日本輸出入銀行
各当局の
資金
計画及び
事業
計画について順次
説明
を求めます。 まず、北島
日本専売公社総
裁。
北島武雄
10
○北島
説明
員
昭和
四十四
年度
の
日本専売公社
の
決算
及び業務につきまして、その
概要
を御
説明
申し上げます。 四十四
年度
における
収入
済み額は七千九百五十六億二千百六万円余、
支出
済み額は五千三百四十五億八千五百六十五万円余でありまして、差し引き二千六百十億三千五百四十万円余の
収入
超過となっております。 これを
損益計算
から申し上げますと、総収益は七千九百七十七億九千三百九十万円余、総損失は五千三十六億五千三百十三万円余でありまして、純
利益
は二千九百四十一億四千七十七万円余となっております。 この純
利益
から
利益
積み立て金三百八十二億九千六百六十二万円余を控除いたしまして、
専売納付金
は二千五百五十八億四千四百十四万円余となりました。これは、
予定
に比べ、百十九億四千八百五十三万円余、率にいたしまして四・九%の
増加
となっております。この
専売納付金
のうら、八百七十億円は
昭和
四十五年三月三十一日に概算納付し、
残額
千六百八十八億四千四百十四万円余を
昭和
四十五年五月三十日に精算納付いたしました。 次に、業務の内容について申し上げますと、
たばこ事業
の売り上げ高は七千五百四十億二千五百五十一万円余でありまして、
予定
に比べ、百三十九億二千三百九十四万円余、率にいたしまして一・九%の増収となりました。これは前
年度
に比べ、七百二十九億八千五百十万円余、率にいたしまして一〇・七%の増収となっております。この増収は主として、ホープ十本詰め、セブンスター、ハイライト等、フィルターたばこの売れ行きが順調であったことによるものであります。 本
年度
のたばこ売り上げ数量は二千百三十五億本命となり、前
年度
に比べ、百四十七億本余、率にいたしまして七・四%の
増加
となりました。特にフィルターたばこは千八百三十九億本余となり、前
年度
に比べ、二百二十六億本余
増加
し、このため総売り上げ数量に占めるフィルターたばこの割合は前
年度
の八一・二%から八六・一%に
増加
しております。 地方税法に基づき、
公社
が都道府県及び市町村に納付いたしましたたばこ消費税は二千百九十九億三千四百二十六万円余でありまして、これは前
年度
に比べ、三百九十六億九千八百六十二万円余、率にいたしまして二二・〇%の
増加
となっております。 このような
状況
で、
たばこ事業
の純
利益
は二千九百六十六億千六十三万円余となり、さきに申し上げましたたばこ消費税を合わせますと、総
利益
は五千百六十五億四千四百八十九万円余となります。これは
予定
に比べ、三百十四億七千五百七十七万円余、率にいたしまして六・五%の増益となり、前
年度
に対しては、五百二億七千二百七十二万円余、率にいたしまして一〇・八%の増益となっております。
製造
面におきましては、前述のようなフィルターたばこの需要
増加
に対処いたしまして、郡山、鹿児島両工場を改設してフィルターたばこの
製造
能力を
増加
させる一方、所要機械の購入、製作を行ない、
製造
設備の改善充実をはかり、作業の合理化と能率の向上並びに需要に適合した生産体制の確立につとめました。 葉たばこの生産におきましては、耕作面積が七万五千六百七十二ヘクタールとなり、前
年度
に比べ六千七十七ヘクタール減少いたしましたため、総収量も一億七千三百五十万キログラム余となり、前
年度
に比べ、千九百八十八万キログラム余、率にいたしまして一〇・三%減少いたしました。この結果、購入代金は九百九十二億千八百二十七万円余となりまして、前
年度
に比べ、三十八億三千九百二十七万円余、率にいたしまして三・七%の減少となっております。 塩
事業
におきましては、売り上げ高は四百三億五千五百十二万円余でありまして、
予定
に比べ十五億三千三百七十三万円余、率にいたしまして三・七%の減少となりました。これはソーダ用塩の売り上げ単価が当初の
予定
金額
には達しなかったためであります。 売り渡し数量は六百八十二万トン余で、このうち一般用塩は百四十五万トン余でありまして、
予定
に比べ三万トン余、率にいたしまして二・二%
増加
しております。 一方、ソーダ用塩は五百三十七万トン余でありまして、
予定
に比べ二万トン余、率にいたしまして〇・四%
増加
しております。 このような
状況
で、塩
事業
損益は二十四億六千九百八十万円余の損失となり、これは
予定
に比べ七〇・八%にとどまりました。 国内塩の生産におきましては百二万トン余となりまして、
予定
に比べ九万トン余、率にいたしまして九・八%
増加
しております。 次に、
会計
検査院の
昭和
四十四
年度決算
検査報告におきましては、特段の指摘を受けることはありませんでした。 また、綱紀の粛正につきましては、特に意を用いているところでありますが、今後とも
公社
の予算執行並びに
会計
経理につきましては、細心の注意を払い、諸法規を順守することにより、専売
事業
の健全にして能率的な運営をはかってまいりたいと存じます。 以上、簡単ではございますが、
昭和
四十四
年度
の
決算
及び業務の内容につきまして御
説明
いたしました。
福田繁芳
11
○
福田委員長
次に、澤田
国民金融公庫
総裁。
澤田悌
12
○澤田
説明
員
国民金融公庫
の、
昭和
四十四
年度
の業務の計画及び
実績
について御
説明
申し上げます。 当
年度
中の
貸し付け
計画は、当初四千四百十八億八千六百万円を
予定
し、その原資といたしましては、
資金運用部資金
の借り入れ金一千七百三十億円、
簡易生命保険
及郵便年金の借り入れ金百五十億円及び
貸し付け回収金等
二千五百三十八億八千六百万円を
予定
しておりましたが、その後におきまする
資金
需要の
増加
に伴い、
資金運用部資金
の借り入れ金四百五十五億円が追加された結果、
貸し付け
総額は前
年度
に比し、一四・五%増の四千七百三十六億三千百九十六万円余の
実績
を示したのでございます。 以上により、当
年度
末におきまする
貸し付け残高
は百五十二万一千件余、五千九百二億二千九百八十二万円余となり、前
年度
末に比較しまして、十万六千件余、一千二十一億三千五百九十六万円余、率にいたしまして、件数で七・五%、
金額
で二〇・九%の
増加
となったのでございます。 そのおもなる
内訳
は、普通
貸し付け
百四万七千件余、五千五百二十五億九千五百七十五万円余、前
年度
末残高に比し四万三千件余、九百九十六億七千五十三万円余
増加
し、件数で四・三%、
金額
で二二・〇%の
増加
となっております。 このうち、生鮮食料品等小売り業近代化
資金
貸し付け
は四万件余、二百六十七億四百九十三万円余、流通近代化
資金
貸し付け
は一千件余、二十二億三十四万円余が当
年度
末残高となっております。 恩給担保
貸し付け
は二十六万八千件余、二百九十五億一千百三十四万円余、前
年度
末残高に比し、件数で九・七%、
金額
で一・〇%の
増加
となっております。 そのほか記名
国債
担保
貸し付け
及び更生
資金
貸し付け
の当
年度
末残高は二十万五千件余、八十一億二千二百七十一万円余となっております。 また、環境衛生金融
公庫
からの受託業務の
状況
は、当
年度
中における
貸し付け
五万九千件余、四百四十六億六千三百三十六万円余、同回収は四千件余、百六十七億五千五百六十一万円余となり、当
年度
末
貸し付け残高
は十四万六千件余、八百十三億九千七百二十五万円余となっております。
貸し付け
金の延滞
状況
は、四十四
年度
末におきまして最終期限を六カ月以上経過したものが三十億八千四百四十万円余で、前
年度
に比べ五億二百二十二万円余の
増加
となっておりますが、全
貸し付け
に対する割合は前
年度
と同率の〇・五%にとどまったのでございます。
収入
支出
について申し上げますと、
収入
済み額は、
収入
予定
額四百十九億八千八百七十二万円余に対し四百三十八億四千八百六十一万円余、
支出
予算額
四百二十五億二千五百十三万円余に対し四百十八億三千六百九万円余となりました。 損益の
状況
について申し上げますと、収益は、
貸し付け
金利息
収入
が四百四十九億七千四百十万円余、その他
運用収入
等二十七億三千四百三十五万円余があり、合計四百七十七億八百四十五万円余となり、年前度
実績
の二四・七%増となりました。 なお、四十二
年度
から計上することになりました未収
貸し付け
金利息は、経過
措置
の終了により、総額二十九億七千五百八十一万円余を収益として計上いたしました。 また、損失におきましては、借り入れ金利息三百三十一億一千二百三十八万円余、事務
経費
七十七億八千三百九十七万円余、業務委託費等三十五億五千九百五十五万円余、合計四百四十四億五千五百九十一万円余となり、前
年度
実績
の二二・五%増となりました。 したがいまして、最終的には、差し引き三十二億五千二百五十四万円余の償却前
利益
となりましたが、これを滞り貸し償却引き当て金へ三十億六千四百十九万円余、固定資産減価償却引き当て金へ一億八千八百三十四万円余を
繰り入れ
ました結果、
利益
金は生じなかったので、国庫納付金はございませんでした。 以上をもちまして、
昭和
四十四
年度
の業務概況の御
説明
を終わらせていただきます。
福田繁芳
13
○
福田委員長
次に、石原
日本開発銀行
総裁。
石原周夫
14
○石原
説明
員
昭和
四十四
年度
におきまする
日本開発銀行
の業務の
概要
につきまして御
説明
申し上げます。 まず、四十四
年度
の
資金
運用
計画は、当初
貸し付け
規模二千七百億円を
予定
しておりましたが、その後財政投
融資
計画の改定により、
資金
需要の特に強い海運、電子
計算
機、大都市再開発等に対しまして二百三十六億円の追加が行なわれ、最終的には二千九百三十六億円の
貸し付け
計画と相なりました。 これに対する
貸し付け
実行額は、電力二百二十一億一千四百万円、海運九百八十三億二千二百万円、地方開発四百五十億六千四百万円、その他一千二百六十六億八千五百万円、合計二千九百二十一億八千五百万円となっております。 次に、四十四
年度
の
貸し付け
運営の特色を申し上げますと、電力については、政府の国産重電機メーカー育成策及び石炭対策の線に沿って引き続き、重電機延べ払い
融資
及び石炭火力
融資
を行なったほか、原子力発電の本格化に伴い原子力発電機器国産化
融資
を拡大したこと、海運については、わが国
海運業
の経営基盤の確立と国際競争力の強化に資するため、計画造船の一そうの推進をはかり、また本
年度
より海運非集約企業にも
融資
の道を開いたこと、地方開発については九州、四国、中国、北陸の四地方の開発のための
融資
を引き続き強化するとともに、新産業都市、工業整備特別
地域
等、拠点となる地区の開発整備、過密
地域
からの工場分散について特に留意したこと、その他の
融資
においては、四十一
年度
より行なっている大都市再開発及び流通機構近代化
融資
及び四十三
年度
より行なっている国産技術振興
融資
をそれぞれ拡充したことなどがあげられます。 次に、四十四
年度
における既往
貸し付け
の回収は、外貨
貸し付け
金の回収六十三億九千二百九十五万円余を含めまして一千二百十五億四千七百四十九万円余となっております。 この結果、
年度
末における貸付残高は、国内
資金
貸し付け
一兆五千五百八十九億八千八十七万円余、外貨
貸し付け
五百四十九億七千三百二十九万円余の合計一兆六千百三十九億五千四百十七万円余となりました。 また、四十四
年度
において外貨債務の保証を行ないました額は、航空、原子力及び電子
計算
機に対する四百四十七億六千二百四十三万円余であり、
年度
末保証残高は二千二百三十三億一千四百三万円余となっております。 最後に、四十四
年度決算
の
概要
について
説明
いたしますと、二百二十億九千百二十五万円余の純
利益
を計上し、このうち百十二億九千七百六十七万円余を法定準備金として積み立て、
残額
百七億九千三百五十七万円余を国庫に納付いたしました。 以上、簡単でございますが、四十四
年度
における本行業務の内容につきまして御
説明
申し上げた次第でございます。
福田繁芳
15
○
福田委員長
次に、
石田
日本輸出入銀行
総裁。
石田正
16
○
石田
説明
員
日本輸出入銀行
は、わが国の民間業者に対する輸出、輸入、技術提供、
海外
投資等についての各種の金融のほか、外国政府等に対する直接借款の供与などの業務を行ない、わが国の貿易の振興、
海外
資源の開発を中心とする
海外
経済協力
の推進につとめてまいっております。
昭和
四十四
年度
における本行の業務概況につき御
説明
申し上げますると、まず、当
年度
の
貸し付け額
は三千六百八十四億千六百二十六万円で、船舶及びプラントの輸出並びに資源開発
関係
の貸し出しが
増加
いたしましたことから、四十三
年度
の
貸し付け額
三千三十三億八千百九十二万円を六百五十億三千四百二十四万円上回り、
年度
末の
貸し付け残高
は一兆三千百四十五億五千四百六十三万円に達するに至りました。
貸し付け額
三千六百八十四億千六百二十六万円の
内訳
は、まず輸出
資金
の
貸し付け
が二千九百五十五億九千五百七十万円で、このうち輸出船
関係
の
貸し付け
が千七百九十一億二千三百四十万円で引き続き大宗を占めております。次いで
開発途上
にある諸国等に対する直接借款が四百十四億九千百六万円、本邦業者の
海外
投資に必要な
資金
の
貸し付け
が二百十億三千十万円、
海外
から銅精鉱等の重要物資を開発輸入するために必要な
資金
の
貸し付け
が百二億二千八百二十万円、本邦業者が
海外
に対し技術提供を行なうために必要な
資金
の
貸し付け
が七千百二十万円となっております。 当
年度
の
貸し付け額
三千六百八十四億千六百二十六万円の原資としては、政府
出資
六百三十五億円、政府借り入れ金二千七百億円のほか、
自己資金
三百四十九億千六百二十六万円をもってこれに充てました。 最後に、
昭和
四十四
年度
の
決算
におきまして−は、貸し倒れ準備金の
繰り入れ
ば五億九千四百八十六万円にとどまり、ここ数年間の
決算
と同様、
利益
金を計上するには至りませんでした。 以上をもちまして、
昭和
四十四
年度
における本行業務の概況に対する
説明
を終わらせていただきます。
福田繁芳
17
○
福田委員長
この際、
委員
諸君におはかりいたします。 ただいままでで
日本専売公社
、
国民金融公庫
、
日本開発銀行
、
日本輸出入銀行
の
資金
計画と
事業
計画の概略の御報告は終わったわけであります。これから質疑に入るわけですが、今朝の
理事
会の申し合わせによりまして、当
委員会
の効果の上伸をはかる意味合いにおいて、本日は
日本専売公社
に各位の御質問を集中して、残る三当局への御質問は、いずれ次回の
理事
会におはかりして、順次鋭意御質疑を繰り返していきたいと思うわけです。 そこで、本日、
日本専売公社
当局への質疑に入るわけでありますが、ほかの三当局には御自由にお引き下がりいただくことに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
福田繁芳
18
○
福田委員長
御
異議
ないようなので、ほかの三当局はしかるべくよろしくどうぞ。 そこで、専売
公社
に関する質疑の申し出が多数ありますので、
委員長
は順次これを許したいと思います。まず第一番に
森下
元晴
君。
森下元晴
19
○
森下
(元)
委員
初めに、専売制度の目的につきまして、北島総裁にお尋ねしたいと思います。 資本主義経済におきましては、国有国営企業は民営企業に比べまして非常に少のうございますけれども、国家、国民いわゆる国益のためには、専売制度いわゆる独占企業によって国民の福利をはからなければいけない。会社はもちろん直接国家
事業
でございませんけれども、全部国家資本でやっておる
関係
もございまして、その点、初めに目的について総裁の御所見をお伺いしたいと思います。
北島武雄
20
○北島
説明
員 お答え申し上げます。一口に専売と申しましても、ちょっとあげてみますと、大きく分けまして財政専売と公益専売、こういうことになるわけでございます。 現在、専売
公社
が国からお預かりいたしております専売
事業
は、御承知のごとくたばこの専売と塩の専売、この二つの
事業
でございますが、最初のたばこの専売
事業
は、これはもちろんいわゆる財政専売に属するものでございまして、たばこの耕作から販売までの権能を国に専属させまして、そして販売価格の中に消費者が
負担
する税金相当額があるわけでありますが、そういうことによりまして、現在国と地方に財政的な非常に大きな寄与をいたしておるわけであります。もちろん、全体の財政
収入
に占める地位は年々若干減ってはおりますが、それでも絶対額といたしましては、
昭和
四十五
年度
におきまして、地方たばこ消費税と国に対する
専売納付金
を合わせまして五千百五十億円程度の財政的貢献をいたしておるわけであります。 一方、塩の専売
事業
でございますが、塩のほうは明治三十八年の日露戦争のときに創設されたものでございますが、当初はやはり軍
資金
調達
ということで、財政専売的な意味があったわけであります。一方、それとともに国内産業の保護というような意味もあったようでありますが、それが塩のほうはだんだん財政専売的色彩が薄れまして、大正七、八年ころからは全くこれは公益専売であるということになっております。そのねらいは国内塩業の保護と塩の全国的な需給の調整、価格の安定、こういったものをはかるということでもって公益専売ということになっているわけでございます。
森下元晴
21
○
森下
(元)
委員
それでは、先ほど御
説明
をいただきました
決算
並びに業務の内容につきまして少しお尋ねしたいと思います。 四十四
年度
の国庫への
専売納付金
は二千五百五十八億四千四百十四万余円ということになっておりまして、それに地方税法に基づく都道府県及び市町村に納付しておりますたばこ消費税二千百九十九億三千四百二十六万円余、これを加えますと、五千百六十五億四千四百八十九万円余。前
年度
に比べまして五百二億七千二百七十二万円余と一〇・八%の増収になっており、いわゆる専売
事業
の大きな功績をあげておるように思います。 それで、いま総裁が専売
事業
の目的についてお考えを発言されましたけれども、いわゆる塩のほうは財政専売から公益専売になっておるのだ。その言を裏づけするように、この内容を見ましても、たばこは非常な収益をあげておりますけれども、塩の
事業
のほうは二十四億六千九百八十万円余いわゆる赤字になっておりまして、これも
昭和
三十一
年度
から三十六年、三十九年を除いて全部赤字になっております。これにつきまして、まあ公益のためには赤字になってもやるのが専売
事業
の精神でもある。しかしながら、現在の塩の需給
関係
を見ました場合、国内塩は外塩に比べまして非常に少のうございます。この
決算
内容を見ましても、売り渡し数量は六百八十二万トン余、もちろんこれは一般用と工業用でございますけれども、そのうちで国内塩の生産は百二万トン余である。もうほとんどが外塩である。こういう情勢下でいつまでも赤字経営をしていいかどうか。これにつきまして、近代化、合理化の方策につきまして御所見をお伺いしたいと思うのであります。
北島武雄
22
○北島
説明
員 塩業につきましては、御案内のとおり、ただいま塩業の整備及び近代化の
促進
に関する
臨時措置法
に基づきまして、塩田製塩から大規模なイオン交換製塩への転換が進められつつあります。本年中には長い間貢献してまいりました塩田というものが一掃されまして、そのあとにはイオン交換製塩ということに変わるわけでありますが、これによりまして塩の生産費というものは非常に下がってくるというわけであります。現在並み塩はトン当たり一万二千五百円で専売
公社
で購入いたしておりますが、これが五年後におきましては七千円見当になるという見込みでありまして、これはすでに
法律
に基づく合理化目標価格として掲げております。
昭和
五十年におきましては、四月からトン当たり七千円ということになるわけでありますが、こうなりますと、塩
事業
の経常的な赤字も年々減少してまいりまして、おそらく
昭和
五十年におきましては大体赤字がなくなる、解消されるだろう、こういうふうに考えておるわけでございます。
森下元晴
23
○
森下
(元)
委員
ただいま総裁から塩業の整備並びに近代化についてのお話がございました。約五年間でスケジュール的に価格を下げて、五十年には七千円、すなわち国際価格まで持っていく、こういうことでございます。そのためには従来の流下式から電気製塩、すなわちイオン交換膜製塩に切りかえて合理化をすれば、国際価格と競争できるだけの合理化された塩業の体制になる。 それで、私も塩業審議会から答申されております内容を読んでおりますけれども、これの「塩産業の将来展望」として、こういう「近代化が達成された暁において、塩専売制度は廃止されるべきものと考えられる」まあいろいろ近代化と同時に、外国塩も特にオーストラリアとかメキシコは日本を市場としてかなり大きな計画で塩田の開発をやっておる。そういう国内、国外のいわゆる供給体制を考えました場合に、いつまでも専売制度で置いておくのがいいかどうか。いわゆる専売制度を塩については廃止すべきでないだろうかということがこの答申にも最後に書いてございます。ただ問題は、「塩の需給調整、価格安定等のため必要な
措置
を含めて、この問題の取扱い方については、政府において慎重に検討すべきものである」こういうような付則が書いてございますけれども、この塩の専売制度廃止問題につきまして総裁の御所見をお伺いしたいと思います。
北島武雄
24
○北島
説明
員 塩業の近代化は、塩業というものが自力でもってこれから存立、発展できるような基盤をつくっていこう、こういった趣旨のものでございますので、国がこれに保護を加えたりあるいは規制を加えておるということはかえって自由な発展を阻害するのではないか、こういった見解もあるわけでありまして、それが専売制度の廃止という問題につながるわけでありますが、ただ、御承知のごとく、ただいま塩の価格並びに需給につきましては、現在の制度で非常に安定を得ております。これを一挙に廃止することについては、消費者保護の面等から申しましても問題があろうかと存じますが、これは今後生産方面並びに流通方面の近代化を達成しつつ十分な慎重な検討を加えていくべき問題であろう、こういうふうに考えておるわけであります。この点は塩業審議会の指摘にもあるようでございますが、そういう点を含めて政府のほうにおいて十分慎重に検討せられたい、たしかそういうような決議になっておると存じます。私どもも、政府と協議いたしまして、現在の近代化の推移を見守りつつ十分慎重な検討を加えたいと思っております。
森下元晴
25
○
森下
(元)
委員
専売制度の廃止については慎重に、しかも前向きで考えていきたい、こういう発言であったように私は理解します。 それでは塩業また塩田整備の問題につきまして、先ほど御答弁ございましたいわゆる
臨時措置法
の内容につきまして、これは
理事
さんのほうでけっこうでございますのでお答えを願いたい。 まず塩田、塩業廃止のための整備内容、それから新しい
事業
発足にあたって、新会社の
製造
塩についてのトン当たり七百円の納付金、これが第六条ですね。第六条に、「(納付金)」「一トンにつき七百円をこえない範囲内において政令で定める」云々と書いてございます。このいわゆる「七百円をこえない」ということばでございますけれども、これをもう少し具体的に、なぜ「七百円をこえない」というような、多少ぼかしたようなことばであらわしておるのかどうか、これをちょっと御
説明
願いたいと思うのです。
園部秀男
26
○園部
説明
員 法六条に指摘しております納付金七百円をこえざる範囲内というのは、今次塩業の整備を行なうにあたりまして、今年の十二月末までに廃止を申し出た企業及び従業員等を含めまして、整備
交付
金を
支出
するその総額が約百八十九億円ということになっております。かつはまた、法に基づきまして、明年の一月以降引き続き近代化企業として七千円へ向けて発足する企業の選定を行ないまして、その企業が今次整備
資金
の一部を
負担
するという趣旨でこの納付金がつくられたものでございます。 七百円の範囲内ということにつきましては、政令で定められるべき
事項
でございますので、政府において最終的には決定さるべきものでございますが、現在の段階ではまだきまっておりません。
森下元晴
27
○
森下
(元)
委員
これは政令できめる、いろいろな情勢の変化によってきめ得る弾力性のある
金額
であると私は解釈をいたします。 先ほど御
説明
をいただきましたけれども、
昭和
五十年には一トン当たり七千円までコストを下げることによって買い入れ価格を下げる、それだけ合理化できるのだとおっしゃいましたけれども、これが確実にいけばいいわけでございますけれども、いろいろ物価の上昇とか賃金の上昇等によりまして、万一いけない場合も考えられるわけなんです。そういうことで、ただいたずらに、せっかく新会社が意欲を持って発足いたしましても、これだけの納付金を
負担
しなければいけないということは、かなり私は
負担
になるような感じもいたします。三十四年、三十五年のあの整理の際も、二百円と言っておったのが最終的には五十円になったようにも聞いております。そういう意味で、現在の段階では七百円くらいでいけるのだろうけれども、先例もあったし、またいろいろな経済事情、また物価、賃金等の事情によって、七百円を三百円とか二百円に下げることもあるのだ、こういうふうに解釈してよろしいでしょうか。
園部秀男
28
○園部
説明
員 七百円につきましては、先ほど申しましたとおりでございますが、三十四年、三十五年の整備と、今次の塩業の整備及び近代化の性格というものの違いも一つございます。と申しますのは、三十四年、三十五年の整備のときは、残る企業についての合理化といいますよりも、過剰塩の整理といいますか、過剰塩を整理すべく、とにかくやめる企業を見つけるということに重点が置かれたという点が一つございます。 それから、今次塩業の整備におきましては、
法律
に基づきまして近代化計画書を出させまして、その近代化計画書の中にも、一応七百円の
負担
にたえ得るということを計画書の中に提出をさせまして、内容を慎重審議した結果選定をきめた次第でございます。 したがいまして、三十四年、三十五年の整備と今次塩業整備との違いと、それから近代化企業選定にあたっての経緯と、今後の推移の
状況
、この三点をにらんで
状況
を把握し、政府とも十分連絡をとって処置をしてまいりたい、かように思います。
森下元晴
29
○
森下
(元)
委員
新しく発足する会社はそういうような
負担
を覚悟して近代化、合理化のために協力する一つの使命があるわけでございますけれども、この近代化
促進
に関する
臨時措置法
の中でいわゆる新しい業者を選定する場合には、
事業
近代化計画書を作成して、これを
公社
に提出しなければならないと、いろいろ条件があるようでございますけれども、現在何社がこの該当者として認定を受けておるかどうか。 それと、その規模です。私は、大体一社で十五万トンですか、これは一つの効率ということがございまして、一社に十五万トンくらいを何社かで、総額で何十万トンか何百万トンか知りませんけれども、それだけのいわゆる割り当てをするように聞いておりますけれども、その内容について簡単に
説明
を願いたいと思います。
園部秀男
30
○園部
説明
員 近代化計画書の提出につきましては、十一企業が提出をいたしました。そのうち三企業については臨時塩業近代化審議会の審査におきまして不適格と認められましたが、後、残りの八社のうちの二社が統合して一社として申請をしてまいりました。その内容を審査した結果、適格と認められましたので、明年一月以降七千円へ向かっての近代化企業として七社にきまった次第でございます。
森下元晴
31
○
森下
(元)
委員
その七社で一社大体十五万トン、百五万トンですか、それが新会社に課せられた数量である。その七社のうち六社は従来あった会社のように聞いております。新しい一社は、これは香川県の讃岐塩業という会社ですか、これは新規の会社でしょうが、どういう能力を持っておるか、また歴史的に何かつながりがございましたら、これも簡単でけっこうでございますから……。
園部秀男
32
○園部
説明
員 先生御案内のとおり、六社につきましては、従来からイオン交換膜を一部入れながら製塩をしてきた企業でございます。あとの一社の讃岐塩業につきましては、新規の企業として、香川県の
関係
者及びイオン交換膜メーカーとの共同によって近代化企業としてたえ得るということできまったものでございます。
森下元晴
33
○
森下
(元)
委員
私は、この七社が現在置かれております塩業の実態を認識されまして、十分国際価格に競争できる近代的な合理化された新会社として発足して活躍されることを希望するわけでございますけれども、あと時間がよけいございませんので、二つ三つまとめて御質問をいたしますので、簡単にお答え願います。 初めに、借り入れ金の返却、これは農林漁業金融
公庫
から貸り入れておりましたのが、今回廃止で、
公社
のあっせんがなくなるわけでございます。いわゆる
公社
の保証がなくなるわけでございますので、おそらく繰り上げ
償還
を命じられる。やはりそれによる金融的な何か肩がえとか方法を講じておるかどうか、これについて一点。 それから、新しい方法によりますと、収納塩の
支払い
方法、大体月四回収納して、これも仮収納ということです、そして翌月の十日に
支払い
する。これも前と違ってかなり
資金
繰りに困るということも聞いております。この点御質問したいのと、もう一つ、これは希望でございます。きょうは私、国税庁の方を呼んでおらないので、
公社
の方に申し上げまして、将来この問題でひとつ御検討、御研究を願いたい。 それは、塩田を廃止いたしまして、将来、土地として先祖伝来持っておった財産を処分するために、個々に処分するには非常に不利であるというので、組合等をつくりまして、埋め立て
事業
、また都市計画法に基づく道路をつくったり、それから下水
処理
場をつくったり、そういう
事業
をやって、そして少しでもそういう土地を価値づけて売却したい。これは当然のことでございますけれども、その場合に譲渡所得についての、いわゆる長期譲渡という恩典が受けられないきらいがあるように私は思うのです。現在でございましたら、五年以上の土地を持っておる場合には低率の税率の恩典があるわけでございますけれども、
事業
をすることによってそれが長期譲渡の恩典を受けられない。いわゆる雑所得とか一時所得のような形に落とされる場合がございます。塩田近代化のために協力したそういう方々に、やはり税の恩典を受けさしてもらうようにするために、国税庁のほうと
公社
のほうとお話いただきまして、具体的にひとつその点を明快にしていただきたいと思います。 その問題と、もう一つは、やはりこれも要望でございますけれども、いわゆる買いかえ資産でございます。この特別
措置
法の中できめられておりますのは、二年以内にやらなければいけない、二年以内に売らないと買いかえ資産として認められない、一般所得と同じように
所得税
を取られる、こうなっておるのです。二年ではとうてい売り切れない場合がございますので、これをもう少し延長していただくような
措置
がとれないかどうかということでございます。 あとの二点は要望でございまして、初めの収納塩の
支払い
方法といわゆる借り入れ金の繰り上げ一
償還
に対するお考えをお尋ねしたいと思います。
園部秀男
34
○園部
説明
員 塩業を廃止している企業のいままでの借り入れ金の返却につきましては、御指摘のように、農林漁業金融
公庫
と十分連絡をとりながらやってまいっておりますが、御案内のとおり、整理
交付
金の中に減価補てん費等がございますので、ほとんど大部分の点については、この返却について特段の
措置
をするような必要はなく返却ができるもの、かように推察をしております。 それから収納方法の改善につきましては、今次近代化企業が自立しでいくためには、専売制度下にあっても、法の許す限り、できるだけ一般産業並みの
取り扱い
のしかたはできないか、いままでが過保護に過ぎないかというような御指摘もありましたので、近代化計画書作成にあたって、そういった改善についての点を前提として、したがいまして、そういった
資金
繰り、金利等につきましても、十分検討の上審査したつもりでございます。しかしながら、まだそういった収納方法の具体的な要綱、手続等の細目についてはきまっておりませんが、その辺の適正を期するために十分検討してまいりたい、かように思っております。 御要望の、やめていく企業の廃止塩田の問題につきましては、私どもとしても十分に調査いたしまして、御要望の趣旨を国税庁なりあるいは主税局のほうに十分伝えるようにいたしたい、かように思います。
森下元晴
35
○
森下
(元)
委員
塩の問題はそれで終わりまして、たばこ専売
事業
について簡単に御質問をしたいと思います。時間の都合でできるだけ簡明にお答えを願いたいと思います。 先ほど総裁がおっしゃいましたように、たばこのほうは、公益専売ではなしに、むしろ財政専売的な機能を持っておるし、年々増収増収で、その目的を達しておるわけでございますけれども、最近、公害問題、特に喫煙と健康の問題が世界的に取り上げられた結果、そのとばっちりが、外国のたばこのほうは非常にニコチン、タール分が少ないのだ、どうも国産のたばこの葉っぱは多いのだというようなムードができまして、たばこ耕作
関係
者は年々非常に人口も減少しておるし、また耕作面積も減っておる、そのことを実は申し上げたいのです。 農村地帯の中でも、山村といわれる
地域
、いわゆる急傾斜
地域
の農作物というのは、桑をやるか、たばこをやるか、林業をやるか、それ以外にはこれはという産業はございません。その中でも、長い歴史、伝統をもって急傾斜
地域
にたばこ一筋に生きてきた方々が、そういうムードの中で非常に戸惑っております。わずか三反、四反で、しかも工場等に通う時間的距離も遠いし、結局たばこ耕作にしがみつかなければいけない、これをやめればいわゆる出かせぎ以外に生活を支える方法がないというような
地域
が非常にあると私は思うのです。特に四国山間部におきましては、たばこをたよりに生きてきた、そういう
地域
が、その影響を受けまして非常に戸惑っておる。困っておる。私は、専売
事業
というものは安い製品をまたいい製品を均一価格で販売する、また嗜好してもらうという目的、そればかりではなしに、やはり
地域
産業、特に山村
地域
の開発とかまた福祉、そういう面に寄与してもらって初めて、公益的な機能をも財政専売の上に加味することによって、専売
事業
の特徴も出てくるような気もするのですが、いま申し上げましたように、どうも公害問題が変なところに飛ばっちりを受けて困っておる。もう少しこの国産のたばこ耕作についても、そういうものが少ないようなひとつ技術指導というものをしていただきたい、このように実は思っておるのです。統計を見ましても、
昭和
四十年三十二万であった耕作人口が、四十五年では二十万になってしまっておる。それから面積でも、
昭和
四十一年で八万七千ヘクタールが四十五年では七万ヘクタールになっておる。それから生産量でも、四十一年の二十一万トンが四十五年では十六万五千トンに下がっていっておる。こういう
状況
なんです。 それと、私もう少し、おかしいと思うのは、いわゆるフィルターつきのたばこが非常にふえております、統計を見ましても。これは、人間ですから、できるだけタール、ニコチンを吸いたくない。しかし、考えてみたら、ニコチンの少ないたばこは、われわれがたばこを吸ってみましても、きついといわれておったたばこに比べて倍、三倍吸うような気がします。その点、何か専売
公社
がたばこをよけい売るためにニコチンの少ないたばこ、すなわちよけい吸うたばこが出る。何か魔術にかかっておるような気もせぬでもないわけです。たとえば、あのピース、一番ニコチンがありますけれども、われわれが吸いましても、一日一箱吸えばもうそれで終わりですが、どうもハイライトになりますと、三箱ぐらい吸うくらい何かこう体質的にニコチンを要求する。これは私の場合だけなんですが、そういう経験もございました。何かフィルターつきのたばこがふえるということは、一本一本にはタールとかニコチンが少なくても、よけい吸えば結局一緒じゃないかと思うのですね。そこに、よけい売るためにやはり公害の問題ともからみ合ってこれは日本だけではございません、世界的な風潮ですけれども、そういう研究をなさっておるかどうか。量を多く吸えば同じような害があるような気がするのです。そういうところから、外国の葉っぱがどんどん入って、最近は外国の品種と日本の品種を交換して、いわゆるクロスライセンスの問題で、ますます国内耕作者の方々は戸惑っておる、こういうことを私は言いたいわけなんです。それについてひとつ御所見を
理事
さんのほうからお伺いしたいと思います。
黒田実
36
○黒田
説明
員 御指摘のように、最近のたばこの消費、嗜好と申しますのは、全体的に味が軽くて、緩和と申しますか、そういうものに全体の嗜好が向いているということと、御指摘の健康と喫煙問題ということを背景にいたしまして、低ニコチンというようなものがやはり強く要請されております。したがいまして、そういう
関係
からまいりまして、原料の葉たばこにつきましても、やはり喫味が軽くてニコチンの少ないものという要請が非常に強いわけでございまして、私ども、そういう立場から、国産の葉たばこ品質につきましても、低ニコチンで軽いものをということで、そういうものの生産にいま努力しているわけでございます。 日本の葉たばこのニコチンが多いというようなことでございますが、これは実は、国産の葉たばこのうちの約六割を占めております黄色種につきまして特にそういうことが言えるわけでございまして、残りの四割の在来種、バーレー種と申しますたばこにつきましては、格段にニコチンが多いということはないわけでございます。したがいまして、問題になりますのは六割を占める黄色種でございまして、これにつきましては、単純な耕作法の改変等では、なかなかそのニコチンを落とすということも大幅にはむずかしゅうございますので、来年からニコチンの少ない品種に大幅に切りかえていく、こういうことでニコチンを落とすということをなるべくすみやかに実現したい、こういうことを考えております。 で、在来バーレーにつきましては、先ほど申しましたように特別のニコチン問題はございませんので、これにつきましてはなるべく従来どおり耕作を奨励していきたい、かような立場で、現在も産地にもお願いしているわけでございまして、先ほどお話しの山間僻地の特に傾斜地の耕作というような面になりますと、主として昔から耕作されております在来種が主だろうと思うのでございますが、このような種類につきましては、まあ物理性がいいとか、ニコチンも多くないとかいうような特性もございますので、私どもとしましては、現在もなるべく生産を維持していただきたい、こういうようなことで産地へもお願いしているような
状況
でございます。
森下元晴
37
○
森下
(元)
委員
最後に、締めくくりとして総裁にお尋ねしたいと思います。 私ども、この
委員会
、
決算
でございますけれども、
決算
の目的は国家財政において不当不法、そういうものがないかどうか、また効率的に国家予算が使われておるかどうか、それを監視監督する役目もあるように思うわけでございますけれども、その精神はいわゆる国家
利益
に合致するやいなや、そのように私理解しておるわけなんです。現在のような国際間で経済戦争が非常に盛んである時代において、外国のものがいいからどんどん入れるのだというのも、私は一考を要する問題であると思う。たとえば、農産物のレモンを安いからといって入れておるうちに、国内でレモンをつくる者がおらなくなった。そして、外国製品に独占せられて、最後には価格を上げられて困っておる。まあ木材なんかもそうでございます。六割以上をもう外材が占めて、製材工場なんかでも内地材は製材にかからない、こういうような時代になりまして、大きな木材が山の奥まで林道を伝って上がっていっておる。こういうような事例があるわけなんです。それから、たとえば港湾ストなんかで船が来ない、非常に迷惑を及ぼす。なかなか、国際化、自由化の時代でございますけれども、そう簡単には国際間の問題は、国内問題ほどスムーズにいかないようでございます。 そういう意味で私は、塩もたばこもやはりできるだけ国産でできるものは少々高くてもまかなうというのが国家
利益
につながるのだということでございます。幾ら専売
事業
でございましても、やはり国家
資金
でやっておるわけでございますので、ただ財政専売ばかりじゃなしに、やはりいわゆる国益的な専売精神を発揮していただいて、ひとつこのたばこも、在来種をうんと品種改良して、山村の方が安んじて山の中で生活ができるようにお願いするとともに、新しく発足する新会社も、スケジュール価格にのっとって、しかも
利益
があがるように、こういうふうに希望いたしまして私の質問を終わりたいと思いますけれども、最後に総裁の御所見をお伺いしたいと思います。
北島武雄
38
○北島
説明
員 たばこ需要につきましては、御案内のように消費がおかげさまで毎年百億本程度ずつふえてまいっております。しかも消費者の嗜好は、喫味の緩和な、しかも喫煙と健康問題からいってニコチンの軽い、こういうようなものを要求なされるわけでございます。ところが一方、はなはだ残念ながら、現在の日本の国産の葉っぱそのままでは非常にニコチンが多い。急増する需要に対応し、しかも緩和の葉ということになりますと、どうしても外国のそういったものを当面ひとつ入れてやらないと間に合わないわけであります。しかし、もちろん私どもといたしましても、国産の葉に見切りをつけているのでは毛頭ございません。ただいま黒田総
務理事
が申しましたように、現在の第二黄色種のニコチンの少ないものを何とかしてひとつ新しい品種、これは
公社
で十年間苦労して開発した新種でございますが、M・Cという葉種に転換いたしたいとただいま考えております。来年から一応三年間、できればこれは二年に縮めてやってみたいと思っております。これによりますと、ニコチンが第二黄色種だと現在よりも四割以上減る見込みであります。そういう方途を講じまして、できるだけ国産葉の利用をそういった方面でひとつ現代の新しい嗜好に合ったようなものにしていきたい、こういうように考えておりますので、何とぞ御了承願いたいと思います。 また、塩につきましても御案内のように今度の七企業が全部国内企業でございまして、これによって将来外国の塩に対抗できるようにしたい、こういった考え方で始めたものでございますので、何とぞ御了承いただきたいと思います。
丹羽久章
39
○
丹羽
(久)
委員
委員長
のお許しを得ましたので、ちょっと関連でお尋ねいたしたいと思いますが、先輩の
森下
委員
からもすでに質問もあったようでありますが、特に総裁にお尋ねいたしたいと思います。 総裁が就任せられて以来、
日本専売公社
のたばこの販売に対して総力をあげていただいておることはわかるのですけれども、特に私が尋ねたいと思いますことは、先日も飛行機の中でお目にかかったように私記憶いたしております。あのときにアメリカへ立ち寄られたかどうかと思いますが、アメリカでは日本のような専売
公社
的な販売ではありませんけれども、たばこの有害性、ガンにかかりやすい、こういうことに対する表示をいたしておることは総裁御存じのはずだと思うのです。それはしばしば問題にもなりましたし、日本でもそういうことをある程度意識していただきながら、のんでいただいたほうがいいじゃないかということで、そのような方向へ進んでもらうよろに、というようなことが論議せられたように私は記憶をいたしております。そのときの答えとしても、そういうことは十分これから考慮をしていきたいというような答弁があったように思っております。それが一向そういうような進み方をいたしていない。これは一体どういうふうに総裁はお考えになっているのか。実際医学者が言うようにガンになるのか、あるいは有害であるということには間違いないのか、それを否定せられるのか、どうだということになるわけでありますが、おそらくニコチンが含まれているそのことに対して有害であるということは、これは認められるだろうと思う。しかしその量のいかんにあるという答えになってくるだろうと私は思うけれども、それよりもたばこそのものに対してそういうような一つの責任上としての表示をするということが必要でないかということで、しばしば論議がせられたと私は思っております。そういう意味から、あえて私はこれは絶対にしなさいというわけではありませんけれども、総裁の心境がどういうようなお考えであるかということをこの際関連的でありますけれどもひとつ、
理事
ではいけませんから責任者の、総裁としてのお答えをいただきたいと思います。
北島武雄
40
○北島
説明
員 実は喫煙と健康の問題につきましては、昨年大蔵大臣が大蔵大臣の諮問
機関
でございます専売
事業
審議会に御諮問なさったわけでございます。喫煙と健康の問題について専売
公社
の運営をどうしたらいいかということを御諮問なさって、これに対しましてことしの三月に専売
事業
審議会の答申があったわけでございます。もちろん専売
事業
審議会といたしましても、こういった問題についての専門者はおりませんので、当時といたしまして特別
委員
を大蔵大臣は任命なさいました。ガン研究所の吉田富三先生、元東大病院長の上田英雄先生、それから心理学者の宮城音弥先生、それから臨床家でありかつ評論家である近藤宏二先生、それと国立公衆衛生院長の曽田長宗先生、この五人の先生に特別
委員
をお願いいたしまして、五人の先生がさらに御検討になり、また
委員会
におきましても参考人として各界の大家、医学の大家並びに、何といいますか、一応世論を代表すると思われる方々の懇談会なども開きまして、その結果、特別
委員
としては御見解を出されたのであります。それによりますと、疫学的な統計でありますが、統計的には喫煙と健康の問題についていろいろ指摘がされているけれども、病理学的にはこれはまだ解明を要すべきものが多々ある。ことに臨床の面を考えると、さらに簡単に片づく問題ではないし、それから、もともと喫煙というものが安らぎを求めてすっておるのに対して、これに有害表示をするということはかえって心理的葛藤を起こさせてよくない面もある。あるいはまた、日本においては未成年者喫煙禁止法があるのだから、各国の事情とはだいぶ事情が違う。それで有害表示を行なわないで、煙の中に含まれているニコチン、タールの量を包装に表示するようにしたらというような御答申であります。それを中心とする御答申。結局有害表示は行なわないでパッケージに煙の中に含まれているニコチン、タールの量を表示するようにせよというお答えであります。 実はこういう御答申がございまして、あと大蔵大臣から私どもに御指示があるということになるわけでございますが、いろいろな問題から、ただいままでまだ御指示ございませんので、実は専売
公社
としても、私自身もただいま申し上げるようになかなかむずかしい問題がございます。ただ、ただいまのお話のように、おまえ個人の考えはどうだ、こういうお尋ねでございますと、私個人の考えを申し上げますと、私はむしろ有害表示というものはするのはおかしいという考え。と申しますのは、いろいろ特別
委員
の諸先生の御意見を承りますと、かりに有害という場合にはやはり量の問題に
関係
するといわれる。酒とたばこは全く同じだというのがおもな先生方の、特に病理学者の御意見でございます。酒とたばこは全く同じだ、だからたばこに有害と書くなら酒にも書かしたらどうだ。それから特に砂糖などというものはとり過ぎたらからだに非常に悪い。一日三十グラム程度が大体人間の許容限度である。五十グラムとると心筋梗塞にもなりかねない。こういった先生もございます。そういった点をいろいろ考えて、そしてこれは嗜好品であるという点から、そういうことはいかがなものであろうか。こういった大先生方の御意見を伺いますと私はやはりそのように感ずるのでございまして、もしたばこにすれば酒にもさせなければならない、その他の砂糖にももちろん、というような感じでございまして、これはやはりいろいろこういった有害表示の問題が出てまいりましたアメリカ、英国においては、私は国民性の背景と、それからガン問題の背景があると存じます。私が申し上げるのはどうかと思いますが、国民性の差異は確かにあると思います。アメリカはかつて禁酒法を実行したような国柄でございます。いいとなればそういった世論に押されて禁酒法もやってみる、そういったお国柄、これはとにかく頭に入れなければならぬと思っております。それから肺ガンに対する恐怖は欧米人は非常に強いのでございます。と申しますと、わが国ではガンといえば胃ガンでございます。ガンのうち約五〇%は胃ガンでありますが、欧米、ことに英国におきましては三七、八%が肺ガン、それからアメリカにおきましては二四、五%が肺ガン。ガンといえば肺ガンということになるわけでありまして、たばこの煙が肺ガンをもたらすとなれば、これは非常な恐怖になるわけであります。 私も、実は専売
事業
審議会の審議の経過におきまして、いろいろ病理学者の方々の精細なる御講義を伺ったのですが、ちょっとしろうと考えで私もおかしいなと思いましたのは、たばこの煙がもしガンを発生させるならば、まず口の中のガンが一番まっ先にできるのじゃなかろうか。というのは、口に一番強く当たるわけです。口で吸う。そして煙が肺に入るのと鼻から出るものとあります。口の中が一番強くできる、それから喉頭、それから気管支、それから肺ということになります。たばこの煙がすぐ肺のほうに行って肺ガンを起こすというのはどういうものであろうか、こういうのが私の疑問でありますが、病理学者の先生も、そういう質問に対しては私ども実は答えられないのだ、こういうふうに申されております。 いろいろ議論のあることではございますが、おまえ個人の意見はどうかと、しいてのお尋ねでございますのでお答え申し上げた次第でございます。もし失礼に当たりましたらお許し願いたいと思います。
丹羽久章
41
○
丹羽
(久)
委員
総裁は医学博士以上の理論で、有害にあらずというような方向づけのお話をなさいますが、御商売熱心なあなたのことでありますから、そういうような御答弁をせられることは、あえて私は批判するものではありません。 しかし話の過程におきまして、もしたばこがいかぬとすれば酒もだめだ、砂糖もだめだ。こういう飛躍的な話をせられるなら、私どもの日常のお米でも、よけい食べればからだがいたんでくるというようなことは、総裁おわかりになるわけでしょう。そういう飛躍的な話でなくて、さらに、あなたの所管であるたばこというものに対するお考え方を私は尋ねたものであるが、そういうような例を引いて、あなたが私のお尋ねすることに反駁的なお答えをせられるなら、私はこの際お願いいたしたいと
委員長
に申し上げることは、ひとつたばこが有害であるのか有害でないのかということについて、権威ある、専門的な方々に参考人としておいでをいただいて、ここで論議をひとつしてもらいたいと思う。私は、なるほど国民性から考えてみても、体質も違うでありましょう、総裁のおっしゃるように。アメリカ人と日本人の体質論からいっても、大きい小さいだけでも、見たところ違ってくる。食べものにおいても、日本食と牛肉食とを食べておればそれはやはり違う。それにたばこが関連があるだろうかということになってくると、これは専門的見解でもっての判断をしなければならないでしょう。そういう意味から、私はいろいろ考えてみると、いままで論議の焦点になってきたことは、ニコチンというものを中心にして、ガンにかかりやすい、たくさんのみ過ぎるとそれはよくない、そういうことはもうだれでも知っておることでないかしらんと思うのです。だれでも知っておることを、やはり責任者として、たくさんおのみになるとそれはからだに害を及ぼしますよという表示をすることは、一つの親切さである。そういう意味から、有害にもいろいろの書き方はあろうけれども、健康を守っていくために、あまりたくさん取り入れないようにという方向づけるような指導的なことをし、販売をしていくところに、総裁の善良なあり方があるのではないかしらん、私はこう考えてお尋ねをしたのです。しかしまっこうから、私は有害ではないと思いますとおっしゃるならば、有害であるかないか今後の問題に残して、参考人としてそれぞれ専門的立場の方に来ていただいて、国民の前で論議をしてもらって、議事を通じて、有害でなければけっこうなことであります。われわれは、たばこはある程度有害だと思っておるから、そういう表示をせられたらどうかと申し上げたのであります。
委員長
、私は
理事
をやめて一
委員
にすぎませんから、
理事
会でひとつおはかりをしていただきたいことをお願いいたしておきます。この問題で時間を費やすことはできませんから、総裁の意見は意見として聞いておきましょう。 第二の問題をちょっと総裁にお尋ねいたしたいと思いますが、小売り販売の問題ですけれども、これは専売法にもより、販売の行政指導にもよっていろいろの規則で制限せられております。これは総裁からじかに御答弁いただくというのでなくて、
理事
からでもけっこうですが、私は、ひとつ総裁に御答弁いただきたいと思いますことは、最近、どうしてもたばこの小売りがやりたいということでお願いに行く。そのお願いに行く最初は、あなたのほうの便法というのか、協力している団体の組合がある、その組合へ書類を出す。そこで受け付けてもらう。あるいは見てもらう。そうして支部長さんが、これならよろしいでしょうというようなことから、あなたのほうの出張所へそれが提出せられる。そこから、いよいよ地方の、何と申しますか、支社のほうに出まして、そうしてそこで現地調査をしていただく。その後、いい悪いの判定が出てくる。その判定が、これだけ都市の周辺というものに建築が次から次へできてくると、きのう二軒だったのに、十日たった後には十軒もできるという状態にある。ところが、その書類の受け付け方。そうして受け付けて、これはだめですよと言って返す。そうすると、今度は新しい人が出てくる。新しい人が今度は優先になる。その人は返されてきょろきょろしているうちに、新しい人が出てくるとそれが優先になって、優先順位として取り扱われていくという、そういうところに非常に不公平的なものができてくる。これは、御承知のとおり許可をもらいますと、利害得失が大きく影響することなんです。そういう点から、もう長年の間ずっと来た一つのあなた方の指導方針というものを、距離的に考えてみても、いろいろの面から改革する時期が来たのじゃないかと私は思っている。そういう点について、総裁、これをいかに国民にうまく配分して、そうして販売上どのようにやっていくかということも、あなたの一つの責任だろうと私は思う。そこには利害得失が伴いますから、できるだけ公平に、そうして政治的にやってもらうという考え方からいくと、現状におけるような行き方でなくて、もっと何か新しいものを考え出さなければならぬときが来たように思っておりますが、この点について今後研究して、不適当と思うところは是正していこうという考えありゃなしやということを、ひとつ総裁のお考えを率直にお聞かせいただきたい。
北島武雄
42
○北島
説明
員 小売り店の配置の問題、まことにごもっともでございます。実は小売り店には指定の基準がございまして、
地域
によりまして隣の店舗との距離等、いろいろ標準があるわけでございますが、この標準が現在の情勢の変化に即応しているかどうかという点にまず問題がございます。そういった点については、私どもも新しい情勢に応じまして検討いたしてまいりたいと思います。 なお、現在小売り店の指定申請は小売り組合を通す必要はもちろんないわけであります。通しておりませんで、直接専売
公社
に参っておるわけでありますが、これは小売り店との利害とも
関係
するわけでありますが、私どもも公平に新しく指定ができるよう、そういった面で基準は十分見直してみたい、こう考えております。
丹羽久章
43
○
丹羽
(久)
委員
委員長
、ありがとうございました。総裁、ありがとうございました。それでは、いま二つの問題を申し上げましたが、第一点の問題は
理事
会でひとつおはかりいただくことにしたい。第二点の問題は、ひとつ考慮に入れていただいて、そうして実情に合わない点は直すようにお考えいただきたいと思います。どうもありがとうございました。
福田繁芳
44
○
福田委員長
この際、私から
丹羽
君に申し上げます。 あなたの前段の御意見あるいは御要望はしごくもっともと思いますので、御趣旨に沿うように次回の
理事
会で御協議しまして、相なるべく意に沿うよう検討を加えてみたい、かようにお約束申し上げます。
丹羽久章
45
○
丹羽
(久)
委員
どうもありがとうございました。
福田繁芳
46
○
福田委員長
華山
君。
華山親義
47
○
華山
委員
私は、政府の納付金を中心にいたしましてお尋ねをいたしたいと思っております。 納付金につきましては、
法律
によりまして「
公社
は、毎
事業
年度
の
決算
上の総収益から総損失を控除した
金額
から左の各号に掲げる
金額
を控除して得た
金額
を翌
年度
五月二十一日までに国庫に納付しなければならない。」これは
事業
年度
が終わらなければそういうことはできないわけでありますから、その間二カ月の余裕を置いて国庫に納付しろということだと思うわけであります。ところが
会計
令の十一条に「大蔵大臣は、法第四十三条の十三第一項の
規定
による
専売納付金
の一部を、月一回の回数をこえない範囲において、概算で納付させることができる。」こういうふうに書いてあるわけでありますけれども、
法律
的にいいまして、本法のほうでは五月三十一日までに納めるのだ。三十一日までというのは、締め切ったあとの精算をして、
決算
をして、そして納付金が出てくるから五月三十一日までときめてあると思うのです。そう
法律
にきめてあるわけでありますけれども、政令におきましては、毎月概算で納めさすことができる。これは
法律
上おかしいように思うのですけれども、総裁、
法律
論としてどうお考えになりますか。あるいは総裁にお聞きするのは無理かもしれませんが。
斎藤欣一
48
○
斎藤
(欣)
説明
員 問題は若干
会計
技術的なことも含んでおりますので、お許しをいただきまして私からお答えさせていただきます。 いま
華山
先生の御指摘になりました
専売納付金
、国庫納付金の
規定
でございますが、専売
公社
法の第四十三条の十三に
規定
してございます。実はその第四項に「大蔵大臣は、第一項の
規定
による
専売納付金
の一部を、政令の定めるところにより、当該
事業
年度
中において概算で納付させることができる。」と、
法律
のほうに
規定
がございまして、この項を受けまして、先ほど御指摘になりました
会計
令の
規定
があるわけでございます。
華山親義
49
○
華山
委員
私は第四項もおかしいと思うのです。概算納付というものは、わかるわけないのですよ、毎月一回といいましても。そういうふうなことで、
法律
のほうが私はおかしいと思いますが、まあ一応おきまして、一つ伺いますが、四十二
年度
におきましては、納付金の総額が一千七百七十億であるのに対して概算は百億であった。それから四十三年には二千五百億の
専売納付金
があったわけでありますけれども、その前に、概算といたしましては八百二十億と飛躍的に多くなっておるわけであります。その後四十四年は八百七十億、四十五
年度
は一千二十億というふうになっておるそうでありますが、どういうわけで四十三年に飛躍的に百億から八百二十億というふうに増したのでしょうか。
斎藤欣一
50
○
斎藤
(欣)
説明
員 数字のことでございますので、多少やっかいでおわかりにくいかと存じますが、これはもともと概算納付と申しますのは、確かに先生の御指摘のございましたように、
決算
が結了いたしまして、その数字でもって納付金が確定いたします。そこでもって国庫に納付する。これがたてまえでございます。しかし
年度
の途中においてある程度、この程度の納付金はできるであろうという見当はつくわけでございます。その中でその一部をあらかじめ納付する。なぜそういうことをやりますかと申しますと、国庫のほうの
資金
状況
に応じて、先に納付してほしいといったような理由、これが概算納付のもともとの理由であろうかと思います。 そこで、実はこの概算要求の
関係
、非常にからくりがややっこしくなっておりますが、
専売納付金
の額をどういうふうに
計算
いたしますか、と申しますのは、先ほど先生がお読みになりました
公社
法の
規定
によっております。したがいまして、
決算
上の
利益
を納付するというのが原則になっております。その中から
公社
の当該
年度
中における資産の
増加
額、この分は引いてあげましょうというのが、これは原則と申し上げるのは多少行き過ぎかもしれませんが、そういったたてまえが一つございます。 そこで、
公社
が
事業
をやっております場合に、先ほどからお話がございましたように、だんだん
事業
が大きくなってまいります。したがいまして、毎
年度
固定資産なりたなおろし資産なりがふえてきておるという、こういう現実があるわけでございます。そこで、このふえてまいりました資産の額、当該印度にふえました資産の増というものをどうやってまかなっていくかということがたいへん大きな問題になっております。御承知のとおり、民間の企業でございますと、
自己資金
でまかなうという部分と、ほとんどの企業がやはり多かれ少なかれ一部借り入れ金でもってまかなっている……。
華山親義
51
○
華山
委員
時間がありませんから……。その百億から八百二十億になぜ増したかということを聞いておるのです。
斎藤欣一
52
○
斎藤
(欣)
説明
員 これは四十三
年度
は御承知のとおりたばこの定価改定がありまして値上げがありました。これはおおむね名目一九%ぐらい。したがいまして専売
公社
としてかなり増収がございました。それで実は先ほどの四十三条の十三の
規定
でございますと、これは概算納付をいたしますためには、専売
公社
にはその当時金がございませんので借り入れ金をするわけでございます。その借り入れ金が前
年度
に対してふえた分だけ納付金がふえる、そういう
計算
方式になっております。
華山親義
53
○
華山
委員
あなたがお答えになっていることはあとからお聞きしますから、なぜふえたかということだけ答えてくれませんか。
斎藤欣一
54
○
斎藤
(欣)
説明
員 そこで、この納付金をどの程度にするかという場合に、納付金は予算で一応この程度ということになっておりまして、それからそういうものを確保するためにはどの程度の借り入れ金をふやしたらよろしいか、そういうことになるわけでございます。その場合に、概算納付をどれだけさせれば納付金がどういうふうになるかということで、この二千五百億という程度の納付金を納めさせます場合に、この程度の概算納付をすればこういった納付金に落ちつく、そういうことになるわけでございます。概算納付の制度はもともとございますけれども、四十一
年度
から始まりまして、四十二
年度
は第二年目でございます。
華山親義
55
○
華山
委員
たばこの値上げをしたのは四十二年ですか。
斎藤欣一
56
○
斎藤
(欣)
説明
員 四十三年です。
華山親義
57
○
華山
委員
千七百七十億の納付金があって、そのうちで概算が百億だ。その次のときには二千五百億で、そんなに納付金は多くなってないわけです。八百億ぐらいしか多くなってない。ところが概算納付のほうは八百二十億というふうに飛躍的に多くなっておりますから、
計算
の基礎というものは一体どういうことから出すのかということなんです。ただ、総裁の意見を聞いて納めるということになっておりますけれども、大蔵大臣がきめるということになっておりますけれども、この
計算
の基礎というものはあるのですか、ないのですか。ただ目安でやっているのですか。
斎藤欣一
58
○
斎藤
(欣)
説明
員 御指摘のございましたように、概算納付をいつ幾らさせるかということは、大蔵大臣が専売
公社
総裁の意見を聞いてきめることになっております。したがいまして、その場合にどういう
金額
にするかということにつきましては、もちろん当てずっぽうにやるわけではありません。一般的な考え方を申し上げますと、そのときにおきます国の
資金
事情、それからもう一点は
公社
側の
資金
の事情と申しますか、そういうものをにらみ合わせまして、幾らにするかということをきめておるわけでございます。
華山親義
59
○
華山
委員
そういうふうなことを私いろいろお聞きしておりますのは、この納付金の
金額
というものは、総収益から総損失を引いた純
利益
、純
利益
から、大体のことを申せば資産増、資産増から長期借り入れ金の増を引いたもの、そういうものを純
利益
から引いて納付
金額
が出される。これが
法律
の
規定
でありますから、長期借り入れ金が
増加
すればするほど純
利益
というものは多くなる、こういう
計算
が成り立つわけですね。それは間違いありませんか。
斎藤欣一
60
○
斎藤
(欣)
説明
員 私の聞き違いかもしれませんが、長期借り入れ金が
増加
するだけ純
利益
が
増加
するという……(
華山
委員
「そうすれば
増加
するのじゃありませんか」と呼ぶ)ということはございません。純
利益
は純
利益
として出てまいります、長期借り入れ金に
関係
なしに。長期借り入れ金が
増加
すれば純
利益
が
増加
するということはございませんで、納付金のほうが
増加
いたします。
華山親義
61
○
華山
委員
間違えました。純
利益
ではなく、先ほどのことを言いますと、納付金が増してくる、こういう
計算
が成り立ちますね。私言い間違えましたので、訂正いたします。そういたしますと、長期借り入れ金が
増加
する、そういうことによって納付金が増す、そういうふうなことで、しかもあなた方のほうの稟請を見ますと、納付金の概算払いをしたから、あるいはするから長期借り入れ金が要るんだと大蔵大臣に稟請していますね。私はどうもおかしいと思うのですよ。概算払いをしなければ長期借り入れ金というものは要らないわけです。あるいは少なくて済むわけですね。それを概算払いをしたために長期借り入れ金をしなければいけない。長期借り入れ金をするというと納付金が多くなる。矛盾じゃないですか。何かそこに私は割り切れないものがある。それで先ほどからしつこいようですけれどもそれをお聞きしている。そうしたら財政のための専売だとおっしゃいますから、財政のためには幾らいろいろなことおやりになってもいいと思いますけれども、こういうふうなことが結局専売のいろんな面のできるだけの合理化をしようという面をあいまいにし、あるいはこういうふうなことが積み重なってたばこの値上げになるかもしれない。ある程度節度がここになければいけないんじゃないか。政府のほうの金が困るから概算払いをする、概算払いをするというと納付金が多くなる、こういうやり方というものについては、これは改めるべきじゃないのか。総裁どうでございましょう、これは。
福田繁芳
62
○
福田委員長
専売
公社
の諸君に伺うが、
華山
先生の御質問の御要点おわかりになるかね。 そこで
華山
先生にちょっと申し上げるが、これはいま伺っておる中で大体わかっておるように思いますが、できますれば御質問を飛躍なさらないように、一問一答の形式で進行さしてもらうと、明快な頭を持っておる大蔵省の連中だから御得心がいくようにお答えできると思う。 そこで、まず北島総裁。
北島武雄
63
○北島
説明
員 お答え申し上げますが、ただいまの
専売納付金
制度、これは法条にございますように、一応純益金から
公社
に何がしの留保をさせて納付するというわけで、何がしの留保というのは結局資産の
増加
額に見合うものから長期借り入れ金
増加
額を引いたもの、こういったものを留保させて、そうして納付せよ、こういうことでありますが、そこが率直に申しまして概算納付とからんでいるわけでございます。 ただ、こういったやり方は、
公社
の経営といたしましても実ははっきりした目安がないわけで、
公社
の経営責任の明確化という問題についても、いままでのやり方は問題があると存じまして、実は
公社
といたしましては、数年前にたばこ消費税制度というものをぜひやってもらいたい、こういつておったわけです。 ところがいろいろ考えてみますと、たばこ消費税制度ということではなくても、納付金
利子
というものを大体専売
公社
と大蔵省との間できめておくと、売り上げの何%は一応消費税と考えましょう、それからあと残った、
計算
しました純益の幾ら程度は政府に納めましょう、こういったものがあらかじめ協定できておりますと、覚え書きができておりますと、これは専売
公社
としても経営責任がはっきりするわけでありまして、政府のほうもやはり財政
収入
の目安がつくということで折衝いたしました結果、この四十六
年度
からとりあえずそういったかっこうで三年間ひとつ
運用
してみようじゃないか、こういうふうに覚え書きでできたわけでございます。 これによりまして、現在の
規定
を
運用
いたしまして財政
収入
のほうは確保をはかるとともに、しかも専売
公社
の経営責任ははっきりさせて、そして専売
公社
が合理化によって得たものはできるだけ留保へ回せるように、こういうふうに考えてこういった制度を両者の間で協定したわけでございます。
華山親義
64
○
華山
委員
詳しく承らないと、今度の新しいやり方というものは私これから申し上げるようなことが言えないのかもしれませんが、それは現在の
法律
を改正しなくてもできるのですか。
斎藤欣一
65
○
斎藤
(欣)
説明
員 実は
法律
を改正するということではございませんで、先出御指摘になりましたような、そういうただいまの
規定
では、たとえば借り入れ金がふえますと長期借り入れ金のふえた分だけ納付金がふえる、そういった算術ができるような仕組みになっております。したがいまして、この仕組みをうまく
運用
いたしまして、そしてただいま総裁からお答えいたしましたようなことで、留保なりあるいは納付なりがおさまるような方法でこの
法律
を
運用
するということはできるのではないかということで、いままでやったことはないわけでございますが、今
年度
の
決算
からやってみて、その結果を見てはたして
法律
の改正が要るのかどうかというようなことも検討してみたいと思っております。
華山親義
66
○
華山
委員
これは
委員長
、私もあまり学者じゃありませんし、純経理学みたいなものですから、話がややこしくなりますから、私の部屋ででもよくお聞きしたいと思いますが、とにかく概算払いというものをあまりやりますと、結局多くなればなるほど納付金が多くなってくる。こういう矛盾は私はやはり何らかの方法で解決されたほうがいいと思って申し上げたわけであります。 ただいまたばこ消費税というふうな問題もあるというふうなお話もございましたけれども、そうであるならば民営でもいいじゃないかというふうな問題も出てくるわけでありますけれども、民営の問題についてはときどき耳にいたしますが、総裁、そういうことについてどういうお考えを持っていらっしゃいますか。
北島武雄
67
○北島
説明
員 民営問題は戦後何回か繰り返し出たわけでございますが、そういう点につきましては、かつてその問題を検討するための審議会ができまして、その御結論として、専売
公社
については専売
事業
のもとにおいて能率的な運営、
実施
をはかるべきである、こういう結論が出ておりまして、その際に民営論は一応否定されたことでございます。
華山親義
68
○
華山
委員
経過はわかりますが、総裁も民営論にもちろん反対ですね。どうなんでございますか。
北島武雄
69
○北島
説明
員 現在の専売制度の利点というものは多々あるわけであります。しかも民営ということになりますと、はたしてそれがいままでの利点に対して非常に大きな利点になるかどうか、利点を消すような利点ができるかどうか、これはたいへん疑問だと思います。これがもし終戦直後の時代だったらいざ知らず、現在こう固まったときにおきまして、はたしてその民営というものが簡単にできるものであるか、かりにとしてもできるものであるか、これはたいへん私は疑問に思っております。
華山親義
70
○
華山
委員
非常に重大な問題でありますから、きょうはここでとめておきます。 それから今度のドルですね。ドルのあの
関係
で平価調整といいますか、日本の円の切り上げという問題があり、現実的にも切り上げられた形になっているわけでありますが、これが葉たばこの輸出なり輸入なり、あるいは製品としての輸出なり輸入なり、そういうことについて現在のままで、現在の数量において専売局の
会計
にどういう影響を与えますか。輸出するほうはしにくくなるし、輸入するほうは安くなるわけですからね。そこに葉たばこの輸入等もありますし、私は葉たばこの輸入等について
計算
をしてみますと、三十億から五十億くらい違うんじゃないかという気もするわけなんでありますけれども、そういうふうな試算をなすってごらんになったことありますか。
斎藤欣一
71
○
斎藤
(欣)
説明
員 平価の問題、いま先生から御指摘がございましたような問題は確かに含んでおります。輸出も若干やっておりますが、輸出はだんだんむずかしくなると思います。逆に通貨の弱い国からの輸入というものについては安く輸入できるというふうなことになるかと思います。まだ政府のほうでどういうふうに平価というものをお変えになるのかといったことも伺っておりませんし、どういう落ちつきになりますか私たちも見当がつきませんが、少なくともアメリカから輸入をいたします葉たばこにつきましては、その分だけ安く買、えるという
計算
には相なると思います。 ただ問題といたしまして、アメリカのほうにおきましても、いろいろな事情から葉たばこの値段がだんだん上がってまいってきております。したがいまして、その辺のことも考えながら私たちがたばこを買いますときは、そういった世界の各マーケットの品質的な制約があるわけでございますから、できるだけ有利なところから買おうということでやっておりますもので、アメリカがだんだん上がってまいりますと、アメリカのたばこをどちらかほかの安いほうにシフトできないかといった問題をいま考えております。したがって、今度の通貨の問題でそういったアメリカから買う場合に買いにくかったということが若干楽になるかというような感触でもってこの問題に臨んでおる次第でございます。
華山親義
72
○
華山
委員
詳しい
計算
は、私概算はやっておりますけれども、私どもの概算では、おっしゃるとおりどういうふうに平価の調整が落ちつくかわかりませんが、私は三十億から五十億くらい違うんじゃないか、安く買えるのじゃないかと思うんです。 それで、私ここでそういうことをお願いするのは、これはもう先ほどのお答えもあったとおり、外葉のほうが軽くて現在の嗜好にも適するといってだんだん外葉の輸入が多くなる傾向にあるのに加えて、いま申しましたようなことから円が上がる、そういうことによって外葉が輸入しやすくなる、あるいはそのほうが
利益
が上がる、こういうふうなことから、先ほどの御質問にもあったとおり日本の葉が圧迫される、それによって日本のたばこをつくる人が圧迫される、そういうことを私心配するからお聞きするのですが、総裁にお願いいたしますけれども、そういう観点からひとつ外葉をたくさん入れていこうというふうなことはやめていただきたい、できるだけやはり内地の葉でやっていただきたい、こういうことを私お願いするわけでございます。 それで、どうも専売局まで言われちゃ私困るんですが、石油についても何についても、輸入するほうが下がるんじゃないかと言うと、あっちのほうが上げるでしょうから同じです。石油のほうでも言うし、たばこのほうでも言うし、どこでも言われたんじゃ、これはちょっと困るんだな。 それはそれとして、ひとつ総裁、そういう点は重大な関心を持って、たばこの買い入れが外葉のほうに向くことはできるだけ抑制するようにお願いしたい。ちょっとお答え願いたい。
北島武雄
73
○北島
説明
員 私もできることなら国産葉をできるだけ使用してまいりたい、こういう考えでございます。ただ、先ほど申しましたように、国産葉については今後の嗜好に適さないものがございますので、これはできるだけニコチンの少ない品種に転換してもらって、そしてできるだけ国産葉を活用していく、こういった基本精神は毛頭変わりございませんからどうぞ……。
華山親義
74
○
華山
委員
それから、私たばこのことにつきまして非常に困る陳情を受けるんですよ。と申しますことは、老人の人が刻みをのもうと思っても刻みたばこがなくて困るという訴えなんですね。私もどうも答えようもないでいるのです。そうして、いただいた資料によりますと、刻みたばこの生産量といいますか販売量といいますか、もうひどく減っているのですね。これは何か刻みたばこというものはつくってももうからないから減らしているのか、需要が減ったから減らしているのか。 〔
委員長
退席、
森下
(元)
委員長
代理着席〕 これはどういうことでこんなに減って、そしてほんとうにのみたいという老人の人の手に渡らないという現象が起きているのでしょうか。その点ひとつ御
説明
を願いたい。
永井幸一
75
○永井
説明
員 お答えを申し上げます。刻みは一かつて明治の終わりごろには全体の消費量の八割をこえるような消費がございましたが、その後逐年消費量が減少してまいりまして、昨
年度
の
実績
では〇・二%という数字に相なっております。そういうことで全体として、傾向といたしましては消費がだんだん減ってまいっておるという傾向がございますが、その上に原料の確保の上でたいへん問題がございまして、刻みは在来種の中で、在来種の一部をのし葉と申しまして、手でのしまして、それをわれわれのほうで買い上げまして、それを刻みに使っていたわけでございますが、最近農村における人手
不足
の影響から、のし葉が全く生産できないような
状況
になっておりまして、現在手持ちのストックから
製造
をしているという
状況
でございます。そういった
状況
でございますので、片一方では店をなるべく重点的に、刻みの消費の多い
地域
でたくさん売り出すというような方策を一方でとりますと同時に、なるべく長い期間そういう刻みたばこを吸っていただけますように、計画的に長い期間長もちするような売り方をしておるということで、多少ある
地域
によっては御不便が残る
地域
もあるのは実情だろうかと思っております。
華山親義
76
○
華山
委員
いろんな事情で、特に葉をのばす人がいなくなったというのが主たる原因なのかもしれませんけれども、こんなにひどくいろんな商品で減ったものというのはめずらしいんじゃないでしょうか。十年前の三十六年には二百三十七万キログラムですか、つくっているわけですね。ところが、四十五年には三万キログラムになっていますね。これはたいへんな減り方だと思うのですよ。それでまた年によってはがたっと減ったりしているんですね、四十二年から四十三年にかけて。四十三年は四十二年の半分になっている。前のたばこが売れ残ったわけでもない。こういうふうに減ったからいままでのんでいた人の手に入らない。これは老人ですよ。先ほどおっしゃったとおり、明治ですか、大正のころまでは八割まで刻みだったというのですから、そういう人に渡っていないのです。しばしば私は老人の人から陳情を受けるわけなんです。しかし、いまおっしゃったような事情でどうしても出せないんだというならば、必要な人には渡るような方法を考えてもらいたいと思うのです。 たとえば、私考えるのですけれども、昔はあの包みというものはもっと大きかったのですね。何匁入りとかいって、このくらいだったでしょう、刻みの売る袋というのは。いまはこんなでしょう。何べんも買わなければだめなようになっている。あの包みを大きくすることもいいでしょうし、ほんとうに刻みでなければいけないような人はひとつ付近のたばこ屋さんにでも登録してもらって、そしてその人には特に優先して渡るようにしてあげるとか、何らかの方法をして、これは老人を大事にする一つの方法なんですから、これは単に経済的な原則だけで割り切れない面もありますので、総裁ひとつこの点気をもんでくださいませんか、どうでしょう。
北島武雄
77
○北島
説明
員 最近刻みは非常に手に入りにくくなっているという実情につきましてはこれは御指摘のとおりでございまして、刻みが年々大幅に減っておりますのは、これは私は生活の激変ということがまずあろうかと思います。国民生活がずっと変わりまして、刻みはやはり木炭と非常に密接な
関係
があるわけでありますが、そういった火ばちが使われなくなるということになりますと、やはり刻みというものはだんだん売れなくなるというのは、これは当然のことかと存じます。しかも、一般に若い人は吸わない。昔からの明治時代の人が大体吸うことになっております。需要が年年減っておりますのは当然だと思いますが、需要が減りますと、したがって全国的にすべての店舗に置くわけにまいりませんので、重点的に置くようになります。そうしますと、なかなかむずかしい問題で、離れたところにちょこっといらっしゃる刻みの愛煙家には渡りにくいということになりますので、地方におきましてもできるだけ頭を働かせていただきまして、あるいは登録などの方法を願うなり何とかして、御老人の刻みの愛煙家には行き渡るようにいたしたい、こういうように考えておるつもりでございます。 一方、生産のほうはどうかと申しますと、先ほどたびたび
説明
いたしましたように、もうすでに農家ではのし葉ができない。そういったようなことを考えますとたいへんジレンマがございますが、少ない原料ではございますが、できるだけ刻みのほんとうの愛好者の方には行き渡るような方法を考えてみたい、またできるだけそうしなければならぬのではないかというふうに私ども考えております。
華山親義
78
○
華山
委員
お願いしておきます。私も老人ですが、老人をひとつ大事にしてください。
森下元晴
79
○
森下
(元)
委員長
代理
坂井
弘一
君。
坂井弘一
80
○
坂井
委員
私は、たばこの
製造
それから販売に
関係
いたしまして、専売
公社
が従来ややもするといわゆる財政専売という制度に依存いたしまして、合理的な経営、運営には少し配慮の欠ける点があったのではないか。こういうことにつきましては、すでに
公社
が出されました長期経営計画の中にもこれは率直に認めていらっしゃるところでございますけれども、しかしながら、今日におきましてもなおそのようなきわめて合理的な運営に欠ける、経営の面においてきわめてあいまいである、そういう点が見受けられますので、そうした事例をいささか提起しながら質問をしていきたい。同時に、そのことによって、少なくともいまあなた方が目ざしていらっしゃる体質の改善なりあるいはこうした経営の合理化に脱皮していく、そういう方向を強く進めていっていただきたい。そういう意図でもって質問をいたしますので、どうか答弁は率直にかつ簡明にお願いをいたしたいと思います。 そこで問題は、私は一点にしぼってお尋ねをしたいと思いますが、いわゆる原料葉たばこの貯蔵に関しまして、貯蔵保管が二つの倉庫に保管されております。一つは専売
公社
の所有するところのいわゆる社有庫、それからもう一つは民間の倉庫会社に寄託いたしますいわゆる営業倉庫、この二つに原料葉たばこの貯蔵、保管がなされるわけでございますけれども、最初にお伺いしたいのは、原料葉たばこの四十五年末の在庫数量、これを社有倉庫と営業倉庫に分けて示していただきたい。
斎藤慶二
81
○
斎藤
(慶)
説明
員 四十五
年度
末の在庫でございますが、社有庫が二億六千四百万キロ、それから保管寄託が二億一千万キロ、こういうことに相なっております。
坂井弘一
82
○
坂井
委員
営業倉庫が二億一千万、社有庫が二億六千何がし、比率から見ますと大かた半分、いささか営業庫は少ないようでございますけれども、営業庫に依存する度合いがきわめて高いわけですね。大かた五〇%に達しようとしておる。 そこでお尋ねしますが、しからば
公社
がこうした営業倉庫に対する保管の契約
事項
、契約方法は、一体、どういう方法で行なわれますか。
斎藤慶二
83
○
斎藤
(慶)
説明
員 契約の方法でございますが、契約の保管寄託の料率というものは、いわゆる倉庫業界のほうの届け出によりまして運輸省が決定いたします。その価格によって保管寄託をいたしております。そういうことでございます。
坂井弘一
84
○
坂井
委員
競争入札ですか、随契ですか。
斎藤慶二
85
○
斎藤
(慶)
説明
員 随意契約でございます。
坂井弘一
86
○
坂井
委員
随意契約で契約がなされるということであります。 それでは、この営業倉庫に対する保管料の
支払い
額、
実績
でけっこうでございますが、四十
年度
から四十五
年度
まで、その間どれくらいの寄託保管料が支払われたか、それをひとつ伺いたいと思います。
斎藤慶二
87
○
斎藤
(慶)
説明
員 四十
年度
の
実績
は十七億六千二百万、それから四十一
年度
が二十二億、四十二
年度
が二十五億七千五百万、四十三
年度
が二十九億四千四百万、四十四
年度
が三十二億二千万、こういうことに相なっております。
坂井弘一
88
○
坂井
委員
年々額がかなり上がってきております。いずれにいたしましても、その比率がまず半々というところですね。相当な額でございます。ですから、このバランスは私は決して適正ではないと思います。これは私なりの断定です。 そこでお尋ねをいたしますけれども、
公社
のほうでは葉たばこの倉庫整備計画、これを策定されたと思います。したがって、それによって今後は社有庫をふやしていこう、こういうお考えのようでございますけれども、一体拡充計画はどうなっておりますか。
斎藤慶二
89
○
斎藤
(慶)
説明
員 社有庫の拡充につきまして、前々から検討いたしておりましたけれども、本
年度
におきましてこれを決定いたしまして、これを実行に移してまいりたい、このように考えております。
坂井弘一
90
○
坂井
委員
簡単でけっこうですけれども、少し具体的にお答え願いたい。 どれくらいの拡充をされる計画でございますか。まず四十六
年度
予算において、社有庫拡充等のための予算要求をなさったかどうか、額ないしどれくらいふやすかという、その量に対する算定の根拠をひとつ簡単に示していただきたい。
斎藤慶二
91
○
斎藤
(慶)
説明
員 総額におきまして五年間で六十四億ということでございます。それで、四十六
年度
におきましては、五億程度のものを建設する、こういうことでございます。
坂井弘一
92
○
坂井
委員
それによって、先ほどの社有庫と営業倉庫、これのバランスがどの程度社有庫が拡充されますか。この計画によりますと何%くらいの程度になりますか。
斎藤慶二
93
○
斎藤
(慶)
説明
員 社有庫は七で営業倉庫が三、こういう形になります。
坂井弘一
94
○
坂井
委員
わかりますがね、その辺の考え方は。決してこの計画に対して私は異論は申しません。ただ、しかしあえて言わしていただきますが、しからば今日までなぜ社有庫を拡充してこなかったのですか。裏返せば、私をして言わしめれば、営業庫にたより過ぎている。こういう状態が在庫量がうんとふえてきて、社有庫が足らない足らないということをあなた方が常におっしゃりながら、そしてその計画をつくらなければいけない、そうしなければ——昨年ようやく計画ができて、本
年度
において初めて予算の要求だ。今日までなぜ放置したのか、その辺のところをひとつ明らかにしてもらいたい。
斎藤慶二
95
○
斎藤
(慶)
説明
員 葉たばこの生産は年々
増加
しておるわけでございますが、したがいまして、過去の
実績
を見てみますと、三十八
年度
におきまして、
年度
末におきましては社有庫が七、営業庫が三、こういうことになっておるわけでございます。ところが、それが急激な葉たばこの生産によりまして、四十
年度
におきましては五五対四五というふうな形になり、四十四
年度
においては大体五〇対五〇、こういう形になってきている、こういうことでございます。 社有庫と営業庫の倉庫の運営をどういうふうにするかということでございますが、基本的には、これは農産物でございまして、年に一回収穫いたします。収穫いたしますとそのときが在庫のピークということになりまして、それからあとはどんどん使っていきまして、七月末あるいは八月ごろには最低になる、こういう形で、したがいまして、その最高時で社有庫を持つということはきわめて非能率でございます。そこで社有庫と営業庫の併用によってやっていくという考え方でございますが、この場合、あくまでも考え方としては適正な在庫、いわゆる過剰在庫がかりにあるとするならば過剰在庫は頭の中から一応抜きまして、適正在庫に対して適正な社有庫と営業庫の比率のものをつくらなければならない、こういうことで考えておるわけでございます。 そこで、実は社有庫の整備につきましては、前々から必要性を感じてきておるわけでございますけれども、ただ、その実行にあたりまして、どうしても
製造
工場あるいは原料工場の整備というものが先になってきておった、そのために倉庫の計画がおくれてきておるということはある程度事実であろう、このように考えております。
坂井弘一
96
○
坂井
委員
いまおっしゃったことも一つの理由ではございましょう。しかし私は、それはより根本的ないしは本質的な理由ではない、そう見ております。したがって、そういう問題について、私がこれにガンがあるという点についてこれから論証していきたいと思います。 順序としてお尋ねいたしますけれども、いわゆる原料葉たばこが倉庫に保管される。原料葉たばこが
製造
工場に回るまでのいわゆる熟成期間というのがあるのですね。すぐには使えないのですね。大体熟成期間というのはどれくらいの年月を要するのですか。
斎藤慶二
97
○
斎藤
(慶)
説明
員 黄色種につきましては二十四カ月、それから在来につきましては二十カ月ということで一応
予定
しています。
坂井弘一
98
○
坂井
委員
二十カ月ないし二十四カ月というと約二年ですね。その間倉庫に保管しなければならない。非常に特殊なそういう保管といいますか、いわゆる貯蔵の期間を置かなければならぬという保管ですね。そういたしますと、なおさらそういう特殊性から考えても、いまあなた方おっしゃいました、示していただきました五〇対五〇、営業倉庫に五〇も依存するというこの割合はきわめて高過ぎるのではないかということなんです。同時に、それほどの長い期間を倉庫に寄託するわけでありますから、これは倉庫としてはかなりいい荷物が入るということにもなろうかと思います。 そこで問題の根本に入ります前に、大蔵省お見えになっておりますか。——ここでひとつこの問題に対して、いわゆる拡充計画、整備計画を持ちました、いまもお答えございましたけれども、五年間で六十四億、四十六
年度
は一応五億の要求をしたというのですけれども、私がいま言ったように、非常に社有庫が
不足
しておる。ひっくり返して言えば営業庫に依存する度合いが高い。ここら辺のところに非常に問題がありまして、
会計
検査院等からも、社有庫のこの積み方が悪い、ロスがあるというわけで指摘をされた
事項
もございます等々から考えましても、これはどうしてもやはり少なくともこの社有庫は増強をしなければならぬ。これに対して大蔵省はどうですか。この予算の要求に対して大蔵省の考えはどうですか。
福間威
99
○福間
政府委員
ただいま先生から御意見のありました点も十分頭に入れまして、
公社
の拡充計画の具体的な中身をよく検討いたしまして結論を出したいと思っております。
坂井弘一
100
○
坂井
委員
これは答えは出ないでしょう。きょうは大臣も政務次官もお見えでないのでやむを得ません。これはまた後ほどに譲ります。 そこで、さきに返りまして、要するに、熟成期間約二年を要するということでございます。そうしますと、いま倉庫に保管しておる一番古い葉、これはどれくらいの期間入っておりますか。同時に、量をおっしゃってください。
斎藤慶二
101
○
斎藤
(慶)
説明
員 倉庫にあります一番古い葉、これはいろいろあろうかと思いますけれども、考え方としては二年程度のものが一番古い、こういうふうに考えております。
坂井弘一
102
○
坂井
委員
私のほうで調べましたら、古いものはまだ四十年くらいの葉があるんですね。これは倉庫をひとつお調べください。これは、
公社
のほうでわかっていないというのはおかしいんです。毎月受け払いがあるんでしょう。受けて払って、そして月末の在庫残がありまして、翌月に繰り越す。翌月においても、同じく受けて払う。
繰り越し
、
繰り越し
とくるんでしょう。だから、毎月末は社有倉庫、営業倉庫に分けて、
公社
ではつかんでいらっしゃるはずなんです。しかも、葉というのは、何十種類もあるでしょう。それをまぜて
製造
工場で
製造
する際には、各種の葉をおのおの持ってきて
製造
するわけですね。本社では、これは一括してわかっていなければならないはずですね。 お尋ねしますが、四十五
年度
の末でもけっこう、それが出なければ四十四
年度
の末でもけっこうです。四十五
年度
末といいますと、四十六年の三月ですね。四十六年の三月における前月、すなわち二月から持ち越した
繰り越し
量、それから四十六年の三月中の受け払い、と同時に四十六年三月末の在庫量、これをひとつお教えください。
斎藤慶二
103
○
斎藤
(慶)
説明
員 四十五
年度
末の社有庫の在庫量でよろしゅうございますか。(
坂井
委員
「いずれも」と呼ぶ)二億五千六百万キロでございます。それから、二月から三月までの越しは、二億六千五百九十万四千キロ、こういうふうになっております。
坂井弘一
104
○
坂井
委員
その三月中の受け払いはわかりませんか。幾ら受けて幾ら払ったか、幾ら入って幾ら出たか。——直ちに出ないようならば、けっこうです。あとでひとつ資料を提出していただきたい。 ただ、私あえて申し上げておきますが、いま申し上げたことは何かといいますと、要するに、毎月の受け払いがはっきりしなければ、一体どこの倉庫に一番古いもので何年のものが入っているか、新しく入ったのは、それはいつのものなのか、状態がつかめないじゃありませんか。そこを問題にしているのです。しかも、二年間という熟成期間を要するだけに問題なんです。営業倉庫に五〇%たよっているだけに、なお問題なんです。
公社
の本社ではそれがっかめていなければ、これはまるつきりおかしいじゃありませんか。そういう意味で質問しているわけでありますので、いますぐに答えられないのはおかしいですね。しかし、けっこうです。これは資料としては出るはずでございますから、あとで出してください。 問題を進めてまいりますが、
公社
の本社の退職者で、過去十年間、課長該当者以上で営業倉庫に就職したその会社名と役職、氏名、就職年月日、それから
公社
退職時の役職、
公社
の退職年月、それをひとつ聞かしていただきたい。
斎藤欣一
105
○
斎藤
(欣)
説明
員 事人事の
関係
にも関連いたしますので、担当の私のほうからお答え申し上げます。 非常に至急に調べろというお話でございましたので、手を尽くしましたからたぶん完全だと思いますが、あるいは漏れがあるかもしれませんけれども、お答え申し上げたいと思います。 倉庫会社は七社ございまして、渋沢倉庫、ここには
公社
の金沢地方
局長
をいたしておりました中内丈夫という方が参与で就職いたしております。就職年月は、三十八年五月に
公社
を退職いたしまして、直ちに就職いたしております。 それから京浜倉庫でございますが、これは
理事
をしておりました加藤多計男という方が顧問として三十八年六月から就職いたしております。 次は三井埠頭株式会社、これは札幌地方
局長
をいたしておりました古山新三郎という方が四十一年七月に就職いたしまして、現在取締役営業部長をやっております。 次は篠崎倉庫株式会社、これは徳島の地方
局長
をいたしておりました佐々木正逸という方が四十五年二月に就職をいたしまして、大阪支店長をつとめております。 次に日塩株式会社、これは監事をしておりました請川歌という方が四十五年六月に就職をいたしまして、専務取締役として勤務いたしております。 次は富士倉庫株式会社、これは岡山地方
局長
をいたしておりました石橋直治という方が四十一年六月に入社いたしまして、取締役をつとめております。 最後に日本通運株式会社、これは総
務理事
をいたしておりました高橋時男という方が四十年十二月に入社いたしまして、現在専務取締役をいたしております。 以上でございます。
坂井弘一
106
○
坂井
委員
私の資料では、葉たばこの営業倉庫に寄託した額は、四十四
年度
においては九十三社、三十二億二千万、四十五
年度
は九十社、二十九億三千七百万でございますが、間違いございませんか。
斎藤慶二
107
○
斎藤
(慶)
説明
員 そのとおりでございます。
坂井弘一
108
○
坂井
委員
それでは、この葉たばこ倉庫業者に対します保管寄託料の
支払い
実績
で、上位一位から五位までの会社名をあげてください。
斎藤慶二
109
○
斎藤
(慶)
説明
員 四十四
年度
の
実績
におきましては、一位が日本通運でございます。それから二位が渋沢倉庫、三位が篠崎倉庫、四位が京浜倉庫、五位が三井埠頭、明治製糖、これは大体同じでございます。
坂井弘一
110
○
坂井
委員
そうしますと、上位五社というのは、
公社
の元幹部が就職した会社ばかりですね。天下り会社、それが上位五社を占める。これはどうもまことにけげんなことでございます。 また、これは私の資料でございますけれども、いま示していただきました七人の七社、この七社は上位二十社——ここに抽出してございますけれども、その中に全部入っております。しかも、このうちの五社は、一位から五位まで上位五社を占めて、他の二社につきましては九位と十六位ですね。しかも、これは私は額まで申しませんが、この七社中の五社までが保管寄託料がふえているのです。いまおっしゃいました七社中五社、保管寄託料が四十四
年度
に比べて四十五
年度
はふえておる。間違いございませんか。
斎藤慶二
111
○
斎藤
(慶)
説明
員 そのとおりだと思います。
坂井弘一
112
○
坂井
委員
そうしますと、先ほど申しましたとおり、四十四
年度
の
支払い
実績
が三十二億二千万、四十五年は二十九億三千七百万、約三億の減額です。減じております。にもかかわらず、いまあげられました会社についてはふえておる。これは天下り会社です。これはどういうわけですか。
斎藤慶二
113
○
斎藤
(慶)
説明
員 ただいまのその前の御質問でございます。私ちょっと間違えましたが、四十四
年度
と四十五
年度
の比較におきまして篠崎倉庫といろのが約一千万減っております。それから日本通運が約一億五千万減っておるわけでございますが、ちょっとそこを訂正させていただきます。 それから、
支払い
の非常に大きい会社についてちょっと申し上げますと、日本通運というのは通運
事業
が本来の業務でございまして、それと関連して倉庫を全国的に数多く持っております。したがいまして、私どものほうは全国的にたばこの生産地に
製造
工場を持っているわけでございますが、原料工場なども持っておるわけでございますが、そういう意味で
地域
によりますと、日本通運にどうしてもたよらざるを得ないというふうな
地域
もございますし、また運送の過程でこの倉庫を使うということもございまして、結果的には非常に数が多いということから、使いやすいということから、こういった大きな額になっておるわけでございます。それから、あと京浜倉庫それから渋沢倉庫、篠崎倉庫あるいは三井埠頭というような会社につきましては、これはすべて横浜、神戸にございまして、輸入葉の
取り扱い
をいたしておりまして、それの輸入の
増加
とともにこの倉庫の
取り扱い
もふえてきておるという
実績
でございます。
坂井弘一
114
○
坂井
委員
もっともらしい御答弁です。 ではお伺いしますけれども、それでは上位二十社の中でいまの七社を引きましてあと十三社、その十三社中ふえているのはわずかに三社ですね。これはどういうわけですか。四十四年に比べて四十五年がふえている会社はわずかに三社しかありません。
斎藤慶二
115
○
斎藤
(慶)
説明
員 三社とおっしゃいますのは、そうでございますね、京浜と渋沢、大体輸入港に所在する倉庫がふえておって、国内葉を主として扱っている倉庫は、おそらくこれは国内葉の減産との関連もあろうかと思いますが、必ずしもそれほどはふえていない、あるいは減っているというものもございます。
坂井弘一
116
○
坂井
委員
総裁、お聞きになったとおりなんですが、私はここであえてこの問題についてこれ以上の議論を進めようとは思いませんが、どうですか。これは私は決して好ましいとは言えないと思う。これは明らかに天下りの弊害が出ている端的な事例だ、こう見ているのですが、好ましいことではないと思います。総裁、お考えはいかがですか。
北島武雄
117
○北島
説明
員 かつて専売
公社
に奉職しておった者が就職しているからといって、これに対して専売
公社
は、いやしくも他から非難を招くことのないよう注意いたしているつもりでございます。こういった点は私どもも庶民感情を考慮して厳重に戒めなければならぬと思っておりますので、いやしくもそういったお疑いを受けることがないよう今後とも十二分に注意いたしたいと思います。
坂井弘一
118
○
坂井
委員
私、先ほど前の
決算
委員会
での議事録を読みました。そうしますと、総裁のいまの答弁は前回の答弁に比べますときわめて前向きであろうとは思います。問題は別でございましたけれども、こういう問題ではございませんが、その点は私はわかりますが、しかしなお具体的に、どういう方向に持っていくのだということについての強い決意は示されない。好ましいとは言えないとお認めになった。では一体どうするのか。おそらく前の答弁を繰り返すわけではございませんけれども、これは天下りとかどうとかいっても、政府の直接の
機関
、いわゆる
国家公務員
ではないのだから、三
公社
の場合は法的には規制されていない、職業選択の自由もある、あるいは技能の問題、あるいは民間会社から招かれていく場合においてそれをとやかく言うべき筋合いのものではない等々の議論がかわされておるわけでございますけれども、いまあなたはそういうことをおっしゃいませんから、私はそれなりに評価いたします。前向きに取り組もうという。では、もう少し具体的に一体どうするのか。これほど多くの
公社
の幹部が直接
関係
のある倉庫会社、しかも五〇%依存するという営業倉庫に就職をする、決していいことではない、世間の常識からいってもおかしい。今後一体どうするのか。もう少し具体的に総裁の決意をひとつ伺いたいと思います。
北島武雄
119
○北島
説明
員 私は、現在の職員のやめたあとの生活をどうするかという問題については、
公社
の幹部としてもふだんからやはり気を使っておりませんと、
公社
の職員が十二分に安心して職場を守れないわけであります。こういった点は定年制その他の問題もあるわけでございますけれども、退職いたしまして、十二分な退職年金であと余生を送れるということになればたいへんいいことでありますが、現在のところではなかなかそうまいらないわけでございまして、そういう場合におきまして、従来の特殊な経験を買われてその道の会社から招聘を受けるという場合に、私どもとしてこれを阻止するというようなことはもちろんできないことであると思いますので、そういった点は、あるいは前回申し上げましたような御答弁の繰り返しになると思いますが、個人の就職選択の自由という点も憲法上保障されておりますし、それからいま言ったような
関係
で、できれば男一匹、やめた場合に専売
公社
の
関係
のないところへ行けるような人間になってほしいのです。しかしそれは実際は言うべくしてなかなか行なわれないことでありますので、従来の経験を買われていくということについて、私どもやめろということはただいま申しましたような理由によってできないわけであります。ただ、もしいやしくも
公社
のOBが参りました先で
公社
との特殊
関係
から云々されて、ただいま御指摘のような非難を受けること、疑惑を受けるようなことは、これは
公社
としては絶対に戒むべきことでありますので、そういった点についての
公社
の姿勢はどうぞ御信用いただきたいと思います。今後ともそういった御疑惑をいただくことのないよう契約の内容についても、どなたからおっしゃられても——もちろん私どもえこひいきをいたしているとは思いません。思いませんが、いやしくもそういった御非難、御疑念を招くことのないように十分注意いたしたいと思います。
坂井弘一
120
○
坂井
委員
総裁、世間的にはすでに非難を受けているわけですね。その点の世間的な常識の責任を踏まえなければいけない。これは法的な問題、
法律
的な問題ではないのです。まずそこをお考えになっていただきたいと思います。同時に、いまも申しておりますように、これは非常に密接な
関係
にあるわけですよ。言うならば、これは専売一家みたいな
関係
の中に入ってきておるのが倉庫ですね。そこに非常に好ましくないものが生まれると私は言うのです。しかも五〇%も依存しておる。年々コンスタントにそういう会社がふえているのですよ。ほかの会社は減っている。こういう数字を見ましてもこれは歴然なんですね。だから、そこら辺はおのずからそうならざるを得ないようなことになる。当然
公社
の元幹部が天下った、ということばを使うのをどうもおきらいなようですが、私をして言わせれば、むしろ天上りですね、給料が上がっているのですから。好ましいとは言えません。そういう状態だからこそ年々
支払い
額もふえていく、この会社の
実績
は上がる。職業選択の自由はありましょう。だから、その先までいじめようなんていう、そういうやぼったい気持ちは私は毛頭ございません。しかし、あなたがいまおっしゃるように、こういう
公社
に
関係
のない、ほかの職場に進出していこうという、そういう姿勢というものは大事だ。また、それをそう向けていくのが総裁御自身、あなたの姿勢になる。したがって、あなたの決意を求めたというわけでございます。 なお、
会計
検査院、きょうは大蔵大臣も見えておりませんから、
会計
検査院にも伺いますけれども、いまの点についてはいかがですか。こういう状態は好ましいとは思いませんが……。
石島芳夫
121
○石島
会計
検査院
説明
員 お答えいたします。いま先生のおっしゃった問題につきましては、不明朗な事態が起きるようなことがありますれば、これは非常にまずいかと思いますが、先ほど総裁もおっしゃいましたように、職業選択の自由もあろうかと思いますので、まあ私のほうとしましては、その点につきまして意見を保留さしていただきたいと思います。
坂井弘一
122
○
坂井
委員
保留していただいてけっこうです。 もう一つ言いましょう。言いたくないのですけれども、あえて私は申し上げます。 それは、先ほど七人の方がこの七つの会社に就職をされた、そのとおりであります。それでは、それ以前に
公社
から、いまおっしゃった七つの会社に就職をされて、おやめになった方、それをおっしゃってください。
斎藤欣一
123
○
斎藤
(欣)
説明
員 渋沢倉庫につきましては、
中村
寿夫さんという方がかつて入られまして、これはなくなっております。それから、京浜倉庫につきましては磯野正俊という方が相談役をしておったということになっております。それから、三井埠頭でございますが、これもすでにおやめになりました藤原武さん、岡克治さんという方、それから高橋俊夫さんという方はまだ現在おいでになります。それから、日本通運につきましては、監査役として松尾俊次、冠木四郎という二人の方がかつてつとめられたことがあります。これもさっき申し上げましたように、漏れがあるかと思いますが、できるだけ調べているということでございます。
坂井弘一
124
○
坂井
委員
三井埠頭を見ますと、藤原さん、三十一年の六月に就職しまして三十六年の十月退職ですね。しばらく期間を置きますが、そのあと岡さん、三十八年三月、退職は四十一年九月。その二カ月ばかり前ということになっておりますが、同じ四十一年の七月にいまの古山さんが就職。あるいは日通を見ますと、松尾さんが三十四年の十一月退職。そうすると同時に冠木さんが同じ三十四年十一月就職。冠木さんの退職が四十年の十一月。直後、四十年の十二月に現在の高橋さんが就職。これはダブっておるのじゃありませんか。席はきまっているのです。これは非常に不明朗といいますか、こういうことは好ましくありませんね。だからこそこういう形の天下りに対してはき然たる態度が必要だ。いつまでもいつまでも続くじゃありませんか。おそらくはこの次はだれだということは、これならばきまっているんじゃなかろうかと疑われたって、これは反論の余地はございません。総裁の温情はよくわかります。しかし、このような形が今後も続くとするならば、これは世間がいまでも非難しているわけです、そういう世間の非難を納得させることはできないでしょう。さらにつのっていくでしょう。好ましいことでは決してないから、もっともっとき然たる態度でもって臨まなければいけませんよということを、私はあえて忠告を申し上げているわけです。その点はどうですか、総裁。御理解いただけると思うのですけれども、いかがですか。
北島武雄
125
○北島
説明
員 御批判、御忠告はありがたく拝承いたしました。
坂井弘一
126
○
坂井
委員
ずいぶん、この営業倉庫に対する契約の方法にも私は問題があろうかと思います。この辺は、きょうは深く触れる時間がございません。まず、そのつど、この寄託契約書、通知書ですか、これによって行なっているようでございますけれども、つまり年間の総量というものは契約しておらないのですね。しかし年々コンスタントにこの契約量がもう一定しておりますね。その辺はどういう仕組みになっているのか、これにも非常に問題があろうと思いますが、これは触れません。 〔
森下
(元)
委員長
代理退席、
委員長
着席〕 もう一つお尋ねしておきたいことは、四十四
年度
に収納した葉たばこの数量、それから総使用数量を差し引きますと在庫量が残りますね、これはどのくらいございますか。
斎藤慶二
127
○
斎藤
(慶)
説明
員 ちょっと手元に完全な資料はございませんが、四十四
年度
の収納数量は一億七千三百五十一万キロでございます。使用数量はちょっと調べないと、手元にございません。
坂井弘一
128
○
坂井
委員
在庫量が四十三万トンございますね。間違いございませんか。国内産の葉たばこの
年度
末在庫数量です。
斎藤慶二
129
○
斎藤
(慶)
説明
員 四十三
年度
末でございますね。四十三
年度
末の総在庫は四億九千五百万キロでございまして、その中で国内産の在庫は四億三千九百万キロ、こういうふうになっております。
坂井弘一
130
○
坂井
委員
それは何カ月分の使用数量に該当するのでしょうか。
斎藤慶二
131
○
斎藤
(慶)
説明
員 四十三
年度
の在庫は三十一カ月でございます。
坂井弘一
132
○
坂井
委員
そうしますと、
公社
の標準在庫月数は何カ月になっておりますか。
斎藤慶二
133
○
斎藤
(慶)
説明
員 黄色種につきましては二十四カ月、在来種につきましては二十カ月でございます。
坂井弘一
134
○
坂井
委員
三十一カ月分を持っている。標準在庫月数は二十四カ月、七カ月分持ち過ぎているという勘定になるわけですね。
斎藤慶二
135
○
斎藤
(慶)
説明
員
計算
上はそういうことになろうかと思います。
坂井弘一
136
○
坂井
委員
これも
公社
の
資金
を固定化する、あるいは金利の問題があるでしょう、あるいは保管料がかさむでしょう。在庫数量は決して正常であるとは言えませんね。在庫数量の正常化につとめるような具体的な
措置
は講じておられますか。
斎藤慶二
137
○
斎藤
(慶)
説明
員
実績
を申し上げますと、四十三
年度
の
年度
末におきましては三十一カ月ございました。その後在庫の適正化につとめまして、四十四
年度
末におきましては三十カ月、それから四十五
年度
末におきましては二十八カ月、こういうことになってまいっております。
坂井弘一
138
○
坂井
委員
いずれにしましても在庫量が非常に多いわけですね。それにもかかわらず、この社有倉庫の利用効率がきわめて悪い。
会計
検査院から指摘を受けた。私はきわめて遺憾だと思う。ですから、そういう中で営業倉庫に寄託する量を、いま申しましたようなさまざまな観点からいたしまして、大幅に営業倉庫の利用を減らす、そして社有倉庫を最大限に効率的に活用する、そうすべきだと思うのですが、総裁どうお考えですか。
北島武雄
139
○北島
説明
員 ただいまお話しのような意図のもとに、ただいま倉庫整備五カ年計画を策定いたしまして、これを
実施
しようといたしておるわけでございます。
坂井弘一
140
○
坂井
委員
では、さらに念を入れてお尋ねしますけれども、営業倉庫の分は減らす、こういうお考えですね。
北島武雄
141
○北島
説明
員 現在の割合を七対三程度に減らしたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
福田繁芳
142
○
福田委員長
ちょっと
坂井
君にお願い申し上げたいのだが、きょう御承知の本
会議
が定刻からありますので、そうして当
委員会
におけるところの専売
公社
問題は、先ほど
丹羽
君からの御発言もありましたので、次回にぜひ催さなければいけないことになりますので、そのもろもろのことは
理事
会で御協議いたしまするが、きょうはちょうど瀬長君が出席されて、御質問が専売
公社
にありますので、瀬長君を終わっておいて、残余の質問は次回にごゆっくりやる。同時に、専売
公社
のほうも大体先生たちの御質問が那辺にあるかということがお察しがつきましょうから、十二分に頭の用意をしておいてもらうということにして、きょうはさようにいたしとうございますので、あともう一問お許しいたしますから、どうぞ。
坂井弘一
143
○
坂井
委員
委員長
からの要望でございますし、本
会議
の時間も近づいておりますので、私はあえて一問も行ないません。ただ、最後に要望だけ申し上げておきますが、どうか、いま申しましたような点につきまして、こうした原料倉庫の適正にしてかつ効率的な
運用
、運営、この配慮につとめると同時に、いま指摘しました
事項
につきまして、ぜひともひとつ是正されるように強く私要請いたしまして、質問を終わります。
福田繁芳
144
○
福田委員長
専売
公社
の諸君に申しておきますが、次に発言を許すのは瀬長代議士でございまするが、同君は沖繩県の選出でございますので、勢いたばこ耕作者に関連する質問があるかと承っておりまするから、丁寧親切に御回答あらんことを願います。
瀬長亀次郎
君。
瀬長亀次郎
145
○瀬長
委員
時間がございませんので、かいつまんで、沖繩のたばこ産業と製塩産業についてお聞きしたいと思います。 御承知のとおり、沖繩では、復帰近しという声とはうらはらに、復帰不安が非常に高まりつつあります。その復帰不安を抱いておる人々は特に
中小企業
、さらに
中小企業
につとめている労働者、これであります。とりわけ、復帰いたしましたら仕事をやめなくちゃいけないといったような専売
公社
関係
、さらにその労働者は、一体われわれの仕事と生活はどうなるだろうかということを真剣に考えております。そこで、たばこ産業につきましては、三つの点にしぼって一括してお伺いいたします。 第一点は、琉球煙草、オリエンタル煙草、さらに沖繩煙草、この三社の従業員が約六百人余っておりまして、その家族を含めますと二千五百から三千人といわれておる。これが仕事と生活についての不安が非常に大きい。したがって専売制になりました場合に、六百人余りの従業員についての仕事の保障、生活の保障、これをどういうふうにしてやられるかという方針。 もう一つは、三社の卸売り業者が百三十軒、さらに小売りが約二万軒に及んでおる。こういったようなたばこの卸、小売りの制度を現在のまま認められる方針であるか。さらに整理、統合される方針であるか。これが第二点。 第三点は、三つのたばこ会社から、やめる場合にいわゆる補償金として、琉球煙草が八十八億、オリエンタルが五十億、沖繩煙草が二十七億、合計百六十五億円の補償金が要求されているはずであります。これは現在の国会に出されておる沖繩復帰に伴う特別
措置
法、この中に
交付
金を出すとかいうふうなことになっておりますが、これにつきまして、この
交付
金として、三つの会社から要求しております百六十五億円の金をどういうふうにして国は出される方針であるか。専売
公社
と
関係
があるので、この三つについてぜひ方針を具体的に
説明
をお願いしたい。これは特に総裁のほうからお答えいただきたいと考えます。
北島武雄
146
○北島
説明
員 沖繩の復帰に関しまして、専売
公社
におきましても御指摘のような重大な問題があるわけでございまして、この点につきましては、当初からこの問題に没頭いたしております
斎藤
理事
から、詳細にひとつ御
説明
申し上げさせたいと思います。
斎藤欣一
147
○
斎藤
(欣)
説明
員 お答え申します。三つ御指摘の点があるわけでございますが、第一の、三つのたばこ
製造
会社に勤務しております六百人の従業員に対してどういう手当てをするか、これは私どもが一番心配をし、重点を置いて検討いたしておる問題でございます。大体次のような考え方でもって考えてまいりたいというふうに考えております。 第一に、この三つの会社がやめることになるわけでございますが、その場合の、従業員の中でこれを機会にやめて家に帰るというふうな方、あるいはほかの企業に行くといった方には、そういった転退職を助成するために、後ほど申し上げますたばこの三社に
法律
に基づいて
交付
金を
交付
するわけでございますが、その中で従業員に対する退職金につきましては、できるだけ手厚い配慮をしながら助成をしてまいりたいというふうに考えております。この何がしの助成をするかということにつきましては、今後大蔵省といろいろ折衝をするという段取りになります。 それから第二に、現地のたばこ一二社はやめるわけでございますけれども、従業員の中で
公社
に採用してほしいとおっしゃる方もおありかと思います。そういう方は、戦前もそうでございましたけれども、いずれ復帰いたしますと、
公社
としても沖繩に出先
機関
を置くことになります。その出先
機関
の要員ということでもって採用をするという方もおありかと思います。それからまた、御本人の希望によって本土のほうに、本土の工場その他に配転をするといったような場合も考えられると思いますが、そういった御希望のあります際は、できるだけ御希望をいれて本土のほうに採用したいというふうに考えております。 それから三番目に、どうも本土にもどうしても行けないといったような特殊の事情の方もおありになるかと思いますが、そういった場合、そういう方がどれだけおいでになりますか目下見当がつきませんが、かりにそういった方を現地でもって工場を建てて吸収していくというふうなことを考えます場合にも、沖繩の市場というものは御承知のような市場でございますので、まずそう大きな規模の工場を置くということは考えられません。せいぜい百五十人程度の従業員というものを収容するような工場というものが限度ではないかというふうに考えております。 第二点の販売
関係
でございますが、卸売り、これは本土にない制度でございますが、復帰いたしました場合に、沖繩におきましては卸売りの方が仕事を続けられますように現状の制度を認めていこうというふうに考えております。それから小売りが二万人おりまして、これも本土に比べますとたいへん過剰配置になっておりますが、復帰の際には現状をそのまま追認して小売り人として扱ってまいりたいというふうに考えております。 それからたばこの
製造
三社、経営者側に対する補償でございますが、この問題、予算の問題でございまして、経営社のほうから沖繩・北方対策庁のほうへいろいろ御陳情のあることも聞いております。沖繩の問題は、専売
公社
と大蔵省だけということではございませんので、中に対策庁も対策をとっておられますし、それからこういった問題につきましては、ほかの各省にもいろいろ同じような問題がございます。そういったような動きをいまいろいろ調べておるわけでございますが、私たちのほうもそういったことを検討いたしました上、数字を固めまして大蔵省に予算要求をいたしたいというふうに考えております。
瀬長亀次郎
148
○瀬長
委員
委員長
にお願いしたいのですが、時間があと五分しかありませんので、このお答えに対するさらに質問は保留いたしまして、次の機会に、製塩業も一緒に含めて次の
委員会
でやりたいと思いますので、その節はぜひ優先して質問させてほしいということを
委員長
に御要望いたしまして終わりたいと思います。
福田繁芳
149
○
福田委員長
この際、諸君におはかりいたします。 こういう事情でございますので、いずれ明日か明後日の
理事
会で各党と御協議しまして、専売
公社
に関する
委員会
は至って近いうちにやることにいたしまして、その時分に残余の質問、いま申されました瀬長君のことはもちろんでございまするが、各党諸君からの関連質問を鋭意御検討加えて願いとう存じ上げます。したがって、ごらんのように本
会議
の予鈴ももう鳴りましたので、本日はこれをもって散会いたしとうございます。御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
福田繁芳
150
○
福田委員長
御
異議
ないようですから、さようにいたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後一時五十五分散会