○
大出委員 一昨日の
質問のときに、
皆さんは何もおわかりにならぬ、
お答えにならぬ。だから私が問題点をあげて、調査を願いたい、あなた方、調査するとおっしゃった。そこでお
調べになって回答いただいたわけであります。現状把握ができないで、返還後と、こうおっしゃるけれども、対処のしようはないはず。
だから、もう一ぺん整理すれば、
責任者金城五郎さんという方が
琉球通信を五四年におつくりになった。そして那覇の中央郵便局に百四十九号という私書箱の申請をされた。住所は浦添市屋富組三百五十六という番地。そして御自分の電話が軍電の(九)七六一二三、こういう電話を正式に届け出ている。これが
一つ。
ところで、
ジャパニーズ・
ブランチなるものが、先般お聞きしたら、おわかりにならぬとおっしゃったが、きょうはわかっておられるけれども、第七
心理作戦部隊の中の十五分遺隊の中に
ジャパニーズ・
ブランチというものがある。いま
外務省の訳によると、
日本語班になる。ここの電話が、何と、
琉球通信が中央郵便局に届け出た電話の(九)の七六一二三と同じ電話。
ジャパニーズ・
ブランチの電話は(九)の七六一二三。同じ電話。ここの
責任者はアレックス・N・ヨリチと申します。こういう人であります。全く同じところのビル。このビルを
調べてみたら、九百十号というビルであります。電話をかければ、
琉球通信ですか、とかければ金城さんが出てくる。
日本語班ですか、とかければヨリチさんが出てくる。こういうことであります。これ自体がまことに奇怪な話でありますが、しかも
ジャパニーズ・
ブランチを通じて人を募集しているのであります。
琉球通信が募集したのじゃない。
ジャパニーズ・
ブランチ、
日本語班の名前に基づいて募集している。その
資料もここにあります。つまり、第七
心理作戦部隊第十五
分遣隊の
日本語班、こういうことで、ここが雇いますということで人を雇った。
構成員九人。だから、この九人は第十五
心理作戦分遣隊の
職員名簿に載っているわけであります、十月現在。この構成の九人の
方々を
調べてみると、この
名簿によると、
金城五郎さん、田仲康清さんから始まりまして、全部一人残らず
名簿に載っている。そして、
琉球通信が作成しているとあなたはいまおっしゃいましたが、つまり十五
分遣隊の
日本語班の
職員がニュースをいろいろ分析をするのでありますが、これは情報分析課という課が別にある、
日本語班じゃなくて、十五
分遣隊の中に。この情報分析課のほうで、日本のニュース、
沖繩のニュースあるいは世界各国のニュースを分析をいたしまして、これを分析をした結果がいまここにございます、日本に
関係のある、
沖繩に
関係のあるものは
ジャパニーズ・
ブランチに回す、ここでお隣の情報分析課が
調べた中身というものを持ってまいりまして、これに対して反論をする。日本のNHKならNHKのニュースがこうこうであった、どうもベトナム戦争の
問題等について少し攻撃が過ぎるというようなことになりますと、少しこれを手直しをする。ここに向こうの
米軍がございますけれども、ここにリサーチ・インテリジェンス・ディビジョンというのがございます。この中に実はいま申し上げましたジャパン・オキナワ・デスクというのがもう
一つある。つまり、情報分析、インテリジェンス、情報を分析いたしまして、それをここにあるジャパン・オキナワ・デスクがいろいろチェックをする。そうしてこれをレイディオ・プロパガンダ・ディビジョン、
日本語班のあるこっちに回す。こっちで、チェックされた、ここはまずい、ここはまずいというのを入れかえて直していって、ベトナム戦争というのは正当なものだという調子に直していってニュースをつくる。これをつくっている中心が、さっき申し上げました
日本語班の主任アレックス・N・ヨリチさんと
金城五郎さん、ここでつくる。そうしてそれをそこから上の部長さんのところに上げて点検をいただいて、それがニュースBとかニュースFとかいう名がついているわけでありますが、そこで許可になったものを、これは英語に翻訳して持っていくわけでありますが、許可になったものを持ってまいりまして、事もあろうに、
金城五郎さんが自分で
極東放送の
解説者として
解説をする、こういう仕組みになっておるのですね。これは日本だけじゃありません、
沖繩だけじゃありません、各国に及んでいる。ずいぶんたくさんございます。ジャパン、
沖繩だけではない、中国も入っておりますし、ベトナムも入っておりますし、朝鮮も入っておりますし、ずいぶんたくさん入っている。キューバまで入っている。こういうことになっているのが第十五
分遣隊です。だから私はその意味で、これはサイミントン報告にございますように、明確な灰色の宣伝、グレイ・プロパガンダである。あたりまえのことであります。しかも、先般申し上げましたように、サイミントン議事録の中では、
政府機関ではない、
政府の補助機関ではない、そういう機関からニュースを放送をしているということを明確にしている。つまり、ここに灰色の宣伝というように書いてある。したがって、明確に
極東放送は第七
心理作戦部隊が行なう灰色の宣伝機関、こういうことになる。この
現実を正しく御認識をいただいた上で、
極東放送に対する愛知書簡というものが一体正しいのかどうかという点、ここまで言及をしていただかぬと、現地
沖繩県民の
皆さんの疑惑は解けない。
だから、作戦的に心理的にいろんなことが
沖繩県民の
皆さんにこの十年間与えられてきていることは事実なんだ。
このことが実は
沖繩タイムス等を通じて世の中に出た時期がございます。出た時期は、一九七一年、本年の三月十九日、「
心理作戦部隊と連携」ということでタイムスが取り上げた。取り上げた時期は、民
政府がやがて
復帰とともになくなる、ランパート氏のいる民
政府がなくなる、したがって、そのかわりにUSIAが
沖繩に入ってくるということで、とりあえずUSIAの
沖繩支部というものをつくった。これはどこにつくったかといいますと、つまり、国頭のVOAの個所にUSIAの
沖繩支部をつくった。USIAは、御存じのとおり、アメリカの広報庁でございます。広報庁の役割りは、第七
心理作戦部隊、国連軍放送その他を、CIAも入っておりますけれども、調整をする役割りを持っている、これは
皆さん御存じのとおりだと思う。ところが、事もあろうに、このサイミントン報告には
——三月十九日、ここにこんな大きな
沖繩タイムスがございますが、このときに支部ができたことになっているのです。ところが、そうじゃない。実はこのUSIAというものの司令部は、サイミントン報告によりますと、旧来から
沖繩にあった。どこにあったかわからない。いいですか。クーパーという議員が、USIAの主要な司令部は
沖繩にあると理解していいか。ピンカスという担当の役人は、そのとおりであると答えている。何と、サイミントン報告ははるかいにしえであります。支部ができたというのは、三月十九日の新聞に載ったこのとき、本年です。ところが、サイミントン報告は、アジアにおける司令部は
沖繩にあると、これは一年前の一月の段階で明確にしているのです。そうでしょう。そういうからくりがあっては困るというのでタイムスが取り上げて、このときに何といっているかというと、
沖繩にはUSIAと密接な
関係があるVOA、FBIS、外国放送情報センター、これは読谷村のボロー・
ポイントです。FEBC、つまり
極東放送です、ファー・イースト・ブロードキャスティング・カンパニーですから。FEBCなどの対外宣伝機関があり、これを第七
心理作戦部隊が全面的にバックアップしている、こういうふうに書いてある。
これは
総理にお聞きいただきたいのですが、書いたらどういうことが起こったかということ。たいへんな騒ぎが起こった。何が起こったかというと、渡久山寛三さんが
沖繩の工業会の
理事長さんで、今度は新しい財団法人
極東放送の
責任者、
理事長、こういうことで申請を
出しています。渡久山寛三さんの工業会に激しい攻撃が起こり、
沖繩タイムスに抗議が出てくる、第七
心理作戦部隊からも出てくる、
沖繩経営者連盟からも出てくる、たいへんな騒ぎが起こった、真実を明らかにしたから。だがしかし、これは動かせない真実をすでにマスコミ五社の方が握っていた時期、こういうわけであります。
そうすると、
沖繩の
皆さんは、このことが表に出ましたから、
極東放送に対するたいへんな疑惑を今日持っているのですよ。そうすると、本土並みだといって
復帰する、VOAもさることながら、
極東放送なるこの怪しげなものも、財団法人
極東放送の名前に肩がわりをし、衣がえをして置いておかれる、とんでもない話ではないかということになってきている。
現実です、これは。だとすると、この問題が、愛知書簡で世の中にない財団法人
極東放送というものを頭越しで認めてしまっているという
協定の
関連取りきめ、これをこのままに見過ごすわけにはいかないのですよ。だから、なぜ一体こういうものができたのかということを、ことばは悪かったが、
佐藤さん一枚かんでいるのじゃございませんかということまで実は申し上げたのです。そうでしょう。だから、この点を、
総理、御理解をいただいて、
極東放送というものは
沖繩においてかくのごとき状態にあるのだから、これは
政府に、愛知書簡を改めるなり、
極東放送は抜いていただくなり、しかるべき処理をお
考えいただかなければ、単に
復帰後こうするからいいという問題じゃない。
総理、いかがでございますか。