○土橋委員 彼は、保護水域というものも制限水域というものも全然知らないで答えておるわけなんです。制限水域は、先ほど言う
ように、横須賀の軍港の中の、埠頭の中の近くにその船舶がくっつくために必要な地域を認めているのだ。保護水域というものは全然
規定がないわけなんだ。地位協定の
規定は合意議事録の中にないわけなんだ。そういう発想は、これは記録によってはっきりしておるのですよ、吉野さん。あなた、そんな、ごまかしたってだめですよ。ちゃんとはっきり書いてあるのですよ。そういううそを
国会で
答弁するということはもってのほかであります。こういうあいまいな
答弁。また、いま申し上げまする
ように、合意議事録の一項から六項までも全然勉強していない。ただ、地位協定の二条の
規定と三条の一項の
規定へいきます、という
ような簡単な説明をしておる。合意議事録の内容について、明らかにこれは国内に限りという制限がないからやむを得ないと
答弁をしておるわけなんだ。こういう法規の拡大解釈によってこの
アメリカの、台湾と
沖繩との海底ケーブル施設を認め
ようとしておる。まことに不都合千万といわなければならない。まことに乱暴な解釈であって、私は直ちにこれを撤去しなければならぬというふうに思っておる。また、わが国が主権を持っておる限りは、その海底ケーブルについては、私が申し上げるまでもなく
総理大臣もよく御承知でしょう。これがどういう国際的な作用をするものであるか、電波の場合とは違うわけです。それは、先ほど申し上げた引込線の例とかパイプラインの例とかトンネルまで敷いていいという
ような結論をつけてくるならば、ゆゆしき問題である。ですから、私はここのところを明確にする
ように何回も聞いておるけれ
ども、条約
局長、とぼけたかなんか知らぬけれ
ども、全然
答弁になっていない
答弁をしておる、こういうことであります。
私は、時間がもうございませんので先を急いで、
総理大臣に最後にお聞きしたい。郵政大臣は答えていないけれ
ども、お聞きをしたい。
国際ケーブルの設置というのはまことに重大な主権行為であります。また、国家が委任をした、たとえば国際電電株式会社という
ような特定のもの以外にはこれを設置をしてはならない。特に事由があるときは郵政大臣が許可をする。これ以外に国際海底ケーブルは設置する方法がないわけです。
政府はこの
沖繩-台湾間の軍事ケーブルの
ような国際的なケーブルを今後は決して認めないという
ように、福田外務大臣もこの前も
答弁をし、今日もそういう
答弁だというふうに私は思うのです。この
答弁で明らかな
ように、今度の
沖繩と台湾との海底軍事ケーブルがいかに不当なものであるか、どういう解釈を下しても、合意議事録の三条のいわゆる五項の
規定から見ても解釈にならないことをして、これを認め
ようとしておる。しかもVOAなど、まことに違法な放送施設についても、これは全くその取り扱いを異にしておる。これは御承知の
ように、韓国というところへつながってしまうわけなんだ。この海底ケーブルを無期限に存続させ
ようとしておるわけなんだ。何という不当なことだ。
日本の主権を持っておる現
政府がこんなことをやっていいのかどうか、私はこの点について非常に遺憾に思うわけだ。また、いまの
答弁を見ても、
国民を納得させる
ような
答弁は何
一つない。条約
局長も
アメリカ局長も適当な
答弁をしてしまっておる。私、
日本共産党が繰り返しこの問題について糾弾をしておるおもな理由は、この海底ケーブルは、
沖繩の施政権返還ということを通じて、
日本全土をあげて
アメリカあるいは韓国、さらには台湾などのアジアの多角的な軍事同盟に直結をさせる、そういう内容のものであります。このことは、
沖繩県だけではなく、新たに
日本本土を、
沖繩が返ってくることによって
日本全土を太平洋のいわゆるキーストーンに仕上げるという、こういう内容のものであります。この無法、不当なケーブルを、
政府が地位協定のこじつけの解釈でこれを是が非でも置こうとしておるのも、このケーブルの存続という問題がまことに重大な問題であるからそういうことをやろうとしておるのであります。
さらに、このケーブルは、中華人民共和国に敵対をして設けられている台湾の
アメリカの軍事基地と結んで、そしてこの軍事ケーブルが一環をなしておる、こういう事実であります。御承知の
ように、これは中華人民共和国に対する乱暴な国家主権の侵害であります。中華人民共和国の領土のうちにこんなものをつけて、そうしてやるということは、国家主権の侵害である。こうした米軍のケーブルを、
日本政府があくまでも国際法規を無視をし、さらにその合法性を与え
ようということは、いま
国民が非常に要望しておる日中国交回復という全
国民の願いに文字どおり反対をして、これを是が非でも認め
ようとしているという結論にならざるを得ないのであります。
こういうケーブルが
日本の主権行為に将来どういう影響を及ぼすのか、あるいはどういう害悪を及ぼすかということは、もう私がたくさん説明しなくても、いま申し上げた
ような事由によってきわめて明瞭なものであります。わが国を
アメリカの極東戦略の中に一そう深く組み入れてしまって、そうしてわが国がのっぴきならない
ような状態を、この海底ケーブル
一つを通じても、
佐藤現
政府はやろうと、こういう結論にならざるを得ないのであります。
政府はこの不当、不法な
沖繩-台湾間における
アメリカ軍事ケーブルを撤去しなければならない、すみやかにこれをなくする
ようにしなければならぬと思うのであります。
〔金丸(信)
委員長代理退席、
委員長着席〕
まだ、
委員長、先ほどの討論でおわかりになります
ように、外務当局は、この海底ケーブル
一つについても正しい解釈もできない、また説明がとんちんかんな説明をしておる。こういう事実から見ても、私は討論をもっと継続させる必要があると考えておるのであります。