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久保委員 法務大臣のことばじりをつかまえるわけじゃありませんが、異民族にさばかれたという感情が残るというようなものではないのですよ、これは。私はそう思っている。そういうものではないと思う。異民族にさばかれた感情じゃなくて、その裁判の確定裁判なんだ。判決なんですよ。処分なんですよ。それに不満を持っているということなんですよ。もしも、ほんとうに感情的なものが残るだろうというふうに軽く見ておられるなら、これは
沖繩には理解されないだろうと私は思います。
いずれにしても、こういう裁判の効力についての
措置は不当であります。これは憲法にも違反する疑いがあります、はっきり言って。こんなものもやって、どうして
アメリカ施政権下におけるところの裁判を引き継がなければならぬのか、私は疑問であります。もっと努力すべきだ。刑事
局長からさっき答弁あったが、ああいうのは普通でもあるんでしょう。別にふしぎな話じゃないですね。再審の方法なんというのは普通でもあるのですね。そうでしょう。
特別な方法じゃないでしょう、これは。そういうものを出してきて、何か
特別に計らっているような話をされたのでは、
県民は、何というか、納得できないじゃないですか。私は、いずれにしてもこの問題は問題があるので、会期が終わるまであるいは
審議が尽くされるまでの間に、もう一ぺん
お尋ねをしたいと思います。どうかそれまで十分
考えてほしい。野党の
質問だから受け入れるのは、これはどうもうまくないというのじゃなくて、
沖繩県民の声を、
一つでも二つでも、基本的なものぐらいは受け入れたらどうかという
考えを私は持っておりますから、ぜひ御
再考を
願いたいと思う。
次に、航空協定の了解覚書について
お尋ねします。
これは時間も切迫しておりますから簡単に
お答えいただきたいのでありますが、この協定了解覚書ということでありますが、この
質問に入る前に、了解覚書とか取りきめとか書簡とか、いろんな形でわれわれの国会の
審議にかからぬものがたくさんある。大事なものは全部これで
処理されている。
返還協定一本だけ。これを裏づけるものが、いま
質問しようとする了解覚書であり、あるいは愛知書簡であり、
久保・カーチス取りきめであり、いろんなものが出てきている。あるいは合意議事録である。みんな国会の
審議には、正式には付されていない。外交官僚等
政府の一存でやってこられてしまう。それに基づいて関連法はみんな出てきている。この航空協定に関する了解覚書もその
一つであります。そういうところに、われわれ自身も
沖繩の
県民も不満があるのですよ。
それで、この協定の了解覚書で
お尋ねしたいが、
返還後も、
アメリカの乗り入れている
企業四つありますが、この四つの
企業を五年間は無条件でそのまま続行させる、いわゆる継続させるということであるようでありますが、これは単純に
考えても、いま日米間の航空協定は不平等である。従来から不平等。これはもともと
日本が民間航空を始めて以来、その不平等は、占領国と被占領国との間の
関係は依然として
解消しない。それがわが国のいまの対米の航空協定の基本をなしている。そこにいかなる
理由があるかわかりませんけれども、五年間
沖繩に乗り入れている。しかも、その中の二つ、コンチネンタルあるいはトランスワールド、この二つは、いまだ
日本には乗り入れていない航空
企業なんです。それを含めて四つの
企業が新しく
沖繩に乗り入れが可能になるということは、どう
考えても、
国民感情からいっても納得しがたい。これはもちろん交渉の
姿勢によるものだと思うんだが、こういうものをどうして了解してくるのか。しかも、五年たつ前の時限において、この
アメリカ企業の運輸権は初めてそこで評価されてどうバランスをとるか、それによって
日本にいかなる運輸権を与えるかをきめるというのです。五年先のことをわかりますか、運輸大臣。航空協定は商売ですぞ。五年先、先付け手形をもらっていて不確定な要素がたくさんある、これには。こういう協定が屈辱的だとお思いになりませんか。ちっとも屈辱的でない、いま乗り入れているんだから既得権は認めるんだ、こういうことであります。既得権は認めるならば、わがほうもこれに応じての運輸権を
要求すべきであったと思うんだが、なぜ運輸権を
要求しなかったか、お聞きしたい。