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1971-12-17 第67回国会 衆議院 運輸委員会日本国有鉄道に関する小委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十六年十二月十七日(金曜日)     午後一時十八分開議  出席小委員    小委員長 徳安 實藏君       宇田 國榮君    加藤 六月君       關谷 勝利君    古屋  亨君       内藤 良平君    田中 昭二君       松本 忠助君    河村  勝君  出席政府委員         運輸省鉄道監督         局長      山口 真弘君  小委員外出席者         運輸委員長   小峯 柳多君         日本国有鉄道総         裁       磯崎  叡君         日本国有鉄道経         営計画室長   森垣 常夫君         運輸委員会調査         室長      鎌瀬 正巳君     ————————————— 十二月十七日  小委員松本忠助君同日小委員辞任につき、その  補欠として田中昭二君が委員長指名で小委員  に選任された。 同日  小委員田中昭二君同日小委員辞任につき、その  補欠として松本忠助君が委員長指名で小委員  に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  日本国有鉄道に関する件      ————◇—————
  2. 徳安實藏

    徳安委員長 これより運輸委員会日本国有鉄道に関する小委員会を開会いたします。  日本国有鉄道に関する件について調査を進めます。  ちょっと速記をやめてください。   〔速記中止
  3. 徳安實藏

    徳安委員長 速記を始めて。  これより懇談に入ります。      ————◇—————   〔午後一時二十二分懇談に入る〕   〔午後一時三十九分懇談を終わる〕      ————◇—————
  4. 徳安實藏

    徳安委員長 これにて懇談を終わります。  加藤君。
  5. 加藤六月

    加藤(六)小委員 この小委員会に四党からそれぞれ四案の国鉄再建に関する案をお出しいただいたわけでございます。  そこで、私たちは、たとえば自民党案に対して——私の案に対して各党皆さんから御質問いただければ御質問いただく。また私たちも、案をお出しになられました社会党さん、公明党さん、民社党さんの案に対して納得いかないところは質問さしていただく。いろいろ本委員会に対する報告のしかたはあると思いますが、この際二つの問題をまず提起さしていただきたい、こうお願いするわけでございまして、そのうち一つは、できれば最大公約数に近いものがまとまるならまとめていただきたい。あるいはもうすでに各党の中で、四案の中で共通している問題は共通している問題としてピックアップして、これをなにしたい。この問題は本委員会に報告する問題でございます。なお、本委員会に報告するとともに、共通の問題としてはぜひ政府にも要求いたしたい。また、これは各党先生方にもお願いするわけでございますが、共通しておる問題として出てきた問題については、これは当委員会問題外の問題でございますけれども各党先生方も共通した問題については政府にそれぞれ別個にも折衝をしていただいて、国鉄再建のなにを出していただきたいというまでの念願を持っておるわけでございます。その第一段階が、当委員会において各党まとまるものだけはまとめていく過程において質問各党案に対してさしていただきたい。そこで、御答弁がないあるいはまたそれは意見が違うということ等もはっきりさしていただければ非常にありがたい、こう思うわけです。  そこで、私からまず社会党案について一番の再建期間につきまして私の案と社会党、公明、民社の案との違いは、再建期間を五十三年度までにするか五十六年度までにするかという問題が一つあるわけでございます。私は、この五十六年度までにしようといたしましたのは、国鉄再建に中途はんぱな手術を加えようとしたのではございません。やはり抜本改正を加えてやっていこうと思いましたけれども、しかし、その間において解決しなくてはならない公共負担是正の問題、運輸収入の問題あるいは人件費の問題あるいは地方交通線の問題、そういう問題等を種々考慮いたしまして、国鉄の性格からかんがみまして、大手術はでき得ないということ等から、その他償却後の国鉄収入というものがどのようになるかという問題等考えまして五十六年としたんですが、まず社会党さんに御質問いたしたいのは、五十三年までということにされた説明はあったのですが、あるいは公明党さんもあるいは民社党さんも五十三年までにされたわけですが、五十三年までに収支とんとんになり、現在持っておる三兆一千億になんなんとする債務あるいはまた現在持っておる七千億の累積赤字、こういうものが五十三年度までに解決できるというお考えであったのかどうかということを一点、大ざっぱでいいですが、まず承っておきたい、こう思うわけです。
  6. 河村勝

    河村委員 自民党さんのほうに逆に伺いたいんだけれども、別段これは五十三年度に建て直せるものをわざわざ五十六年度までに延ばすつもりはないだろう、そう思ってよろしいですな、できるものならばね。
  7. 加藤六月

    加藤(六)小委員 そうそう、できるものならばね。河村先生、私たちも最初五十三年度までに特別措置法に従ってどうしても再建の軌道に乗せたかったのです。そこで、この案をつくった場合に、案をつくって二年間でなぜこんなに大きく狂うたか。あの経過措置を見ますと、去年も四十五年度も四十六年度も赤字は出るはずはなかったのです、あの計算でいきますと。ところが、現実には非常な赤字が出てくる。これはどこどこにその理由があったか。一つは、政府のてこ入れが悪かった、一つは、運賃収入予定より入らなかった、一つは、人件費予定外のオーバーがあった、ほかにも理由がございますが、大きな理由としてはその三つがあったわけです。そこで、五十三年度までにはいろいろ狂いがあったのでこれはでき得ない、簡単に申し上げますと、こういう立場等から五十六年にしたわけです。
  8. 河村勝

    河村委員 ですから、私どものお答えを申し上げれば、長期の収入試算表出してある。ごらんのとおりです。政府施策がこのとおりやられれば五十三年で償却後黒になる、そういう推定ですということです。
  9. 松本忠助

    松本(忠)小委員 私のほうは、試算表はまだ皆さんのお手元に配ってございません。しかし、試算表として私やってみましたので言うと、かなり強力な政府補助がなければできない。大体、私の手元のものでは五十三年度でも三百十六億の赤字になっちゃうんです。それで、私もとんとんの線まで持っていきたいというところから、きょうも提出を見送っておるわけでありますけれども試算表を実はやってみました。その結果は三百十六億という赤字が私の案では出るんですね、五十三年度について。その点について私も非常に苦慮しているわけです。いろいろもっともっと強力なものをやればいいわけでありますけれども値上げ問題等も、私自身としてはこの程度はやむを得ないのではなかろうかというふうな考えを持っておりましたけれども、党といたしますと全面的に値上げ反対ということです。松本私案の面においては一〇%程度値上げは認めなければやむを得ないのではなかろうかということで、再建計画にあるところの四十八年度、五十二年度の一〇%の値上げということは、私は考えました。ところが現実党自体と党の運輸部会としてこれを正式に認めるわけにはいかない、絶対的に反対である、値上げはもう認められない、こういうふうな党の見解であります。したがいまして、私自身がいかにがんばってみましても、これ以上、党の方針とすると値上げはたとえ一〇%でも認めることはできない、こういう考えであります。したがいまして、三百十六億以上赤字が出てくる、それを解消するためにはどうしたらいいかということをもう一ぺん練り直さなければいかぬ。私自身考え方からすれば、この程度はしょうがないという考えを持っておりました。しかし党としてはこれはいけない、もう引っ込めるべきだ、こういう強い意見がございました。党としても最終的な段階にはかかっておりませんけれども、そういう意向が私の手元に、あらゆる検討を願っておる党内の機関から寄せられておりますので、これ以上、私もこの運賃値上げの問題、これについてがんばり切れないということがありますので、そういう点で実施計画については五十三年度で何とかとんとんにしたいと思いましたけれども現実にはできないでいる。こういうところから資料も配れないでいるのです。もう一ぺんそれは検討してみたい、と私は思っております。
  10. 内藤良平

    内藤委員 わがほうは、これはもう党議できまったのですから、試案のようにこれを動かすようなことは、いまのところ考えられませんから。五十三年、五十六年、これはまたいろいろな因子のとりようによるでしょう。運賃値上げの問題だって、政府助成がどの程度出るかによって変わってくるのですから。極端なことをいいますと、防衛費でも大幅に削減して思い切って国鉄なり健康保険なり米のほうに回せば、五十三年を五十年度に繰り上げることができるかもしれないでしょう。これはぼくらのほうから言うならば、いろいろ議論が出るわけですから。五十三年というのは、おそらくこの前の再建対策も五十三年でしたね、終期が。そこら辺をめどにしたということだと思います。
  11. 加藤六月

    加藤(六)小委員 そうすると、社会党さんの五十三年はわかります、社会党さんの五十三年度。それから公明党さん、民社党さんの意見もわかりました。  次の「二 輸送量運輸収入」の問題については、内藤さん、積算は社会党さんおやりになったのかおやりにならなかったのか、やって出ないのか、それとも収支バランス考えずに案だけを出していかれたのか。これはどうなんでしょう。
  12. 内藤良平

    内藤委員 運賃値上げはぼくらは反対なんですね。前回も猛烈に反対しましたし、今回も反対に変わりないですよ。また運賃値上げしてもはたして実収入に、増収になるかどうかということも、これは問題でしょうしね。だから、国の大幅な助成というものがやはり先行しなくちゃならぬのじゃないかということですよ。
  13. 加藤六月

    加藤(六)小委員 その点はわかりました。私がいま御質問した二番目の、そうすると運輸収入というものは入れたので、「二」から最後までの全体を考えてのバランスシートをお出しになって運輸収入は据え置きにされたのでしょうか。どうでししょうか。この資料では空白になっているものですから。
  14. 内藤良平

    内藤委員 積算したものはうちのほうにもあります。いま持ってきておりませんが、試算表はあります。
  15. 加藤六月

    加藤(六)小委員 出してもらいましょう。空白なものですから。いまの第一の運賃値上げは認めないという前提での再建案ということは一つわかりましたが、運賃値上げを認めなくて、しかし期間は五十三年度まで、こうあるわけですから。そうすると、その間において、試算した場合にどういう数字が出てくるかということは当然計算されておると思うわけです。
  16. 内藤良平

    内藤委員 おあげしましょう。出すように部会と相談してみます。試算表はございます。
  17. 徳安實藏

    徳安委員長 二項についていかがですか。公明党さん、民社党さん、何かほかのほうに対する質疑があれば……。
  18. 松本忠助

    松本(忠)小委員 私自体、ここにも書いてあるように——国鉄運賃値上げには基本的に反対ということはこれは党の方針でありますけれども、私はさっき申し上げたように、国鉄財政緊要性にかんがみて再建計画に載っているところの四十八年度と五十二年度の一〇%、これもやむを得ないと思っていますけれども社会党さんがこの欄が空白ということですね。その点から考えて、これはもう私ども解釈に苦しむわけで、反対なら反対というふうにはっきりしていただいたほうがいいんじゃないかと思うのです。この点が明確でないためにどうにも——一番問題点だと思うのです。この「輸送量運輸収入」が基礎になる問題で、この点をはっきりしないで討議しても無理だと思うのですよ。反対なら反対というふうに社会党さんは明示していただきたい。私も基本的に反対なんです。
  19. 内藤良平

    内藤委員 この問題は整理してまいりますと、ここの欄は、国鉄運賃値上げには反対である、こういうぐあいに整理していただけばいいですね。
  20. 宇田國榮

    宇田委員 それに関連して申し上げるが、内藤さん、松本さんにお願いするが、この長い期間にあらゆる物価推移から、あるいは情勢変化などがあるし、これを値上げをされないという前提に立つことは、これはどうか。これはあなた方が基本的に社会党なり公明党としての方針だといったところで、いまの物価推移や、それから情勢変化ども起こってくることだし、あらゆる物価が上がっておって、鉄道運賃だけをくぎづけにしておくということはあり得ないということを前提としわれわれは考えていかなければならぬ。それだから、これを空白にするのは内藤さんこれはよく考慮していただいて……。
  21. 松本忠助

    松本(忠)小委員 それは宇田さん、おことばを返すようですけれども社会党さんが反対なら反対でいいと思うのですよ。私は反対でいいと思うのです。うちも基本的には反対なんです。私も実はいま宇田さんが言われるようなことから考えてみて、消費者物価指数から考えてみれば、たとえば四十四年を一〇〇とした場合には四十八年には、私の計算では一二三・三七になるのですよ。ですから、これで一〇%程度値上げ物価の点から考えてもやむを得ないのじゃないか。またさらに、四十八年は一二三・三七という数字が出てきますけれども、そこをかりに一〇〇として五十二年はどうなるかということを考えると、これも一一八・七〇という数字が出てきますので、やはりこれは一〇%程度値上げはやむを得ないのじゃないかというふうに私自身考えるわけです。そうしなければ、再建はできないだろう。国民もある程度負担をしていただかなければ、利用者負担をしてもらわなければしょうがないだろうというのが私の個人的な見解なんです。ですけれども、残念ながら、党としてはこれはあくまで反対だというふうにきめられると、私もそれに従わざるを得ない。こういうところに私自身の苦慮があるわけです。そういうことです。
  22. 宇田國榮

    宇田委員 そうすると、いわゆる大きな国の補助、バックというものがない以上は再建策が立っていかないということがまず基本的に考えられる。鉄道収入というものはそんなにふえるものじゃないのだ、そこを前提としてこの再建考えていかないと、これはなかなか容易じゃございません。これは私の意見だから、申し上げておきます。
  23. 河村勝

    河村委員 ちょっと公明党さんに伺いたいと思うのですが、私どものほうだって、運賃値上げをやって、国が再建施策を何もやらぬということであれば、これは運賃値上げ反対ですよ。だけれども、国がこれだけ助成をやって、再建策を尽くして、なおかつバランスがとれないときには、その分は運賃改定をやらざるを得ないというのがわれわれの主張なんであって、そういうことであるならば、公明党さんでもそういう条件つき改定賛成ならいいのじゃないかと想像するのですが、いかがです。
  24. 松本忠助

    松本(忠)小委員 いまの河村さんのお話の点については、私も党の部会とよく研究をしてみます。そうしないとここでは何とも言えない。私の個人的な見解はいま申し上げたように、物価指数から考えると当然やらなければならぬのじゃないかというふうには考えておりますけれども、現在これ以上これをやらないとするならば、もっと国から補助も大幅にふやさなければならない。はたしてそれだけのものを国として出してくれるかどうかという点もあります。  それから、やはり一般会計からそれだけのものを出すというよりも、利用者として利用者負担もある程度は認めねばならぬのじゃないかという私の見解と党の見解とはまっこうから対立しておるわけです。そこに私の苦しみがあるわけです。その点ひとつ河村さんも御了承願いたいと思うのです。
  25. 徳安實藏

    徳安委員長 河村さん、あなたのほうはここに書いてありますから、これでよくわかりました。  それで自民党のほうに野党の諸君から、自民党のこの紙に書いてありますから、何か質疑はありませんか。
  26. 内藤良平

    内藤委員 三回行なうというふうに限定したわけですか。加藤さん、運賃改定は……。
  27. 加藤六月

    加藤(六)小委員 三回というのは、先ほど申し上げましたように、われわれは昭和五十六年度までに再建期間を「一」の項目の中で延ばしたわけです。そして四本の柱というものを考えたわけであります。それは国の援助地方公共団体援助国鉄内部努力受益者負担、この四つを——いままでは三本だったが、四本の柱をどうやって均衡あるものとして伸ばしていくかという立場と、それからまた実際における運輸収入というものが企業全体に占めるバランスというか、内訳はどの程度になるかということ等々を考慮しまして、これは理由はたくさんほかにもあるわけでございますけれども、五十三年までに二回ということになっております。それから五十六年にするということ等をいろいろ勘案しまして、帳じりを合わせて、最終的に再建でき、国鉄職員が将来の自分の国鉄に対し希望を持ち、日本国民国鉄再建に対して安堵感を持てるという一つの大きな線を出すために三回ということをやったわけです。ただ、私たち輸送量運輸収入の点で誤解があってはいけないので、この席ではっきり申し上げておきますが、国家の応援といま申し上げました四本柱がそれぞれ均衡ある応援をして再建措置をしてもらわない限り、運輸収入だけ、運賃改定だけをやって国鉄再建しようという気持ちはさらさらございません。端的に申し上げますと、国、地方公共団体、あるいは国鉄自身努力というものがはっきりわかるまでは、運輸収入運賃改定はやらせないという決意はあります。これは各党共通したものであろうと思う。そこはひとつ社会党のほうも公明党のほうも御理解いただいておきたい、こう思うわけです。
  28. 河村勝

    河村委員 加藤さんに伺いますが、これはずっと通覧してみまして、三回運賃値上げをしなければならぬようになっておるけれどもうちのほうの案との差は、既存の債務のたな上げの場合に、一般国鉄債を、自民党の場合には五%をこえる部分を利子補給、私どもの場合は全額政府債務肩がわり、ここだけの差がおそらくそこに出てくるのだろうと思うので、もしほかのほうを全然変えずに債務のたな上げだけを全額政府債務肩がわりする、そうすれば二回で済むはずだと思うが、そうでしょう。
  29. 加藤六月

    加藤(六)小委員 それは四の「債務の取扱」というところに、「その他債務利子補給額」というので、ここの一覧表に出ておりまして、初年度三百八十億の施策効果というのがあらわれるようにいたしております。この政府管掌債務とその他一般債務本質論、性質論等やりまして、これはやはり返していかなければいかぬものだろう。しかも、金利を完全たな上げしてしまうという政府管掌債務と同じ扱いにはできないということから、これはそのときに御説明申し上げますが、これは四十七年度からやっていきまして、五十三年度までの金額と、それから五十三年−五十六年までの金額を入れますと、民社党さんの案とわが党案の違いは、いまおっしゃったとおりのような三百八十億初年度からスタートラインで違うというところになってくると思います。
  30. 松本忠助

    松本(忠)小委員 加藤さんにお伺いしますけれども運賃法改正を要するということの、具体的にはどういうふうな改正考え方をしていらっしゃるのですか。
  31. 加藤六月

    加藤(六)小委員 これはいろいろ考えておりまして、逆にさらに詳しく言いますと、もう財政法改正もやらしてもらおうかとまで、率直に言うと思うております。しかし、それがどうかということが、あとに、これはぼくは運賃法改正という説明をしましたか……。
  32. 松本忠助

    松本(忠)小委員 第二の最後の点に。
  33. 加藤六月

    加藤(六)小委員 これはいわゆるそのままとっていただけばいいと思います。
  34. 松本忠助

    松本(忠)小委員 そのままにとって、要するに国会議決をするのですか、しなくなるのですか、どうなんですか、その辺のところは。運賃法改正というそのポイントは。
  35. 加藤六月

    加藤(六)小委員 これは私自身の案ですから。私たちがいろいろ見ております場合に、たとえばあれほど騒がれておる、国民が一日も食わずにはがまんできない米でさえも国会議決を要しないようにしておる。そうすると運賃というものはどうかという、これは疑問点一つ持っております。完全に解明していかなくてはいけないので、これは運賃法だけじゃございません、ほかの関連、いま申し上げました財政法その他の問題も出てくるわけですが、そこら辺どう取り組もうかという考え方出しておるわけです。
  36. 松本忠助

    松本(忠)小委員 そうすると、どうしようという考えじゃないのですか。こうやるんだ、こうやらなければいまの運賃法ではだめなんだから、何かこれはもっと抜本的に改正するとか、そういうことまでお考えなんですか、その点いかがでしょうか。
  37. 加藤六月

    加藤(六)小委員 おまえ、加藤の衣の下によろいがあるんじゃないかと言われちゃ困るのですけれどもよろいは持っていません。衣だけですが、十二ひとえの着物をもう少し簡単にして、三枚か四枚くらいの着物にしてみたいという考え方はあるということは申させていただきます。
  38. 松本忠助

    松本(忠)小委員 国鉄運賃法改正するということは、そうすると国会の審議を経ないでやれるようにするということですか。
  39. 加藤六月

    加藤(六)小委員 そこまで考えていないと言うたらうそになるかもわからず、またそこまで案がまとまっていないと言うたら誠意がないととられるかもわかりませんが、具体的には——これは私自身ですよ、誤解があっては困りますから。加藤六月個人はいろいろ検討してみました。
  40. 松本忠助

    松本(忠)小委員 ぼくはここの辺が自民党考え方をはっきりして、まあ自民党考え方というよりも加藤さんの考え方をはっきりしてもらわないとこれは無意味だと思うのですよ。一五%でも二〇%でも、それは必要とあればどんどんできるんだというやり方にしてしまったのでは、国民の生活というものをどこでチェックするのかということが何もなくなっちゃうと思うのですね。ですから、やはりこの辺のところの運賃法改正をするのだという御意思ならば、これはまつこうからわれわれとしては反対しなければならぬと、この点だけは明確に申し上げておきます。
  41. 徳安實藏

    徳安委員長 それでは第二項の質疑はこの程度でよろしゅうございますな。  次に第三項に移りましょう。これについて御発言、御質疑があれば自由にやっていただきたいと思います。
  42. 河村勝

    河村委員 これはほとんど変わらないでしょう。変わらないから適当に整理していただけばいい。
  43. 加藤六月

    加藤(六)小委員 これは社会党さんにお伺いしたいのですが、公共負担法という法律は次の通常国会にお出しになるでしょうか、ならぬでしょうか。それを質問しておきたいと思います。
  44. 内藤良平

    内藤委員 そこまで作業進んでおりません。
  45. 松本忠助

    松本(忠)小委員 私いまと同じような質問になるのですけれども公共負担法というものをどこまで社会党さんがお考えになっているのか。「(仮称)」とありますけれども内藤さんのいまのお話ですと、これはまだまだ無理だし、草案もできていないという段階でしょうか。
  46. 内藤良平

    内藤委員 そうですね、率直に言って。
  47. 松本忠助

    松本(忠)小委員 すぐ次の通常国会に出すという考えではないようでございますね。そうすると、あくまで私ども考えというものは、現行の法律はなるべく変えないで、要するに再建計画既定計画どおりでいくのだ、これはもう基本的な考え方、しかもいろいろな法律はなるべく変えたくない。悪法といわれるものについては徹底的にこれは改正しなければならないと私ども思っております。要するに鉄道敷設法、これは抜本的な改正を早急に行ないたい、こういう考えでございますけれども、この公共負担法というものの内容もお示しにならないと、社会党さんの運賃に対する考え方というものが私は非常に甘過ぎるのじゃないかと思うのですけれども、その点いかがでしょうか。
  48. 内藤良平

    内藤委員 結局、大ざっぱに言いますと、いろいろ割引していますね、あれをいわゆる国で負担する、こういう考え方だと御理解願えばいいのです。
  49. 加藤六月

    加藤(六)小委員 内藤さん、国で負担するという案と、受益者負担してもらうのと、両方の考えを加味してわが党の公共負担是正というのはあるわけでございます。私のほうとしてはそこをはっきりいたしておきたいと思うのが一つと、これは当委員会で別途検討しておいていただきたいと思うのですが、議運の理事会へ私三回ほど、この公共負担是正の問題にからめまして、国会議員のパスという問題を提起いたしております。その国会議員のパスの問題を提起した場合、私は国会議員のパスは廃止すべしという点で提起いたしております。ある人は、国会議員のパスについては衆議院事務当局から大蔵省へ要求すべきであるという意見も出てきております。またある人は、国会議員にパスを出すというのは法律できまっておるのだから、公共負担是正というても、この是正は法律できめてあるところ、法定限度額まで是正するということであるから、この際は国会議員のパスは取り上げるべきでないという御意見もございました。私は当委員会においては少なくとも国会議員のパス問題は取り上げ、そしてできるならば廃止という方向に、当委員会が公共負担の是正を率先してやる場合には姿勢として強く打ち出していただきたい。これは要望いたしておきます。
  50. 徳安實藏

    徳安委員長 三項はこの程度で御質疑はありませんね。  では今度は第四項に移ります。
  51. 加藤六月

    加藤(六)小委員 第四項の問題で、これは社会党さん案の場合は数字はおはじきになったのでしょうか。
  52. 内藤良平

    内藤委員 試算したのはあります、いまここに持ってきていませんけれども。  これは加藤さん、あなたのほうで、「その他債務は五%を超える部分を利子補給」と、五%と区切ったのはどういうわけですか。
  53. 加藤六月

    加藤(六)小委員 政府管掌債務の場合とその他債務の場合の、先ほどちょっと河村委員にも御説明申し上げましたが、性質が違います。これは当然返さなくてはならないわけです。そしてまた利子も払わなくてはならないものでございます。それまで全部国が負担するのはどうかという気持ちが一つございました。それから、その他債務の年平均金利を見ますと、大体七・一%ないし七・二%になっておるようでございます。そこで、五%になるまでの分を国鉄に対して利子補給をいたしますと、非常に国鉄は荷が軽くなるという立場でやったわけで、その分まではたして国が全部保証するというのが正しいか、正しくないかという議論等もいたしまして、私の場合は、まずその前提として、政府管掌債務とその他債務の分を一括してやるかやらないかという議論からいろいろやっていきまして、ここの「債務の取扱」につきましては、これは加藤六月試案ではございません。自民党の全部意見がこういう扱いにしようということで完全に一致いたしました。
  54. 河村勝

    河村委員 現実的に扱うというその自民党考え方もわからぬことはないけれども、実際現実に、もうイギリスの国鉄再建案なんというのは、ひっくるめて残らず過去債務はたな上げしている。だから、十分に先進国で例があるものなんだから何も遠慮することはない、そう考えますが、いかがです。
  55. 加藤六月

    加藤(六)小委員 私たちも、イギリス、フランス、ドイツの国鉄再建案その他を詳細に検討いたしました。国民の皆さま方の御理解があるならそこへ持っていきたいという気持ちでいろいろやりましたけれども、先ほどの性質論からいきまして、一ぺんにいけるかどうかで非常に苦悩したところです。
  56. 松本忠助

    松本(忠)小委員 いま河村さんからも御質問がありましたけれども、実際この問題はちびちびやっていたのじゃだめだと思うのですよ。わが党のようにすっきりしてしまったらどうですか。「元利とも全額国庫負担」こうおっしゃって、これから四十六年度末に出てくる三兆一千億に対してはこうするんだ。民社党さんの考えのように、わが党の考えのように、ひとつそれまで思い切らなければとてもできません。私はそんなふうに確信をもって申し上げておきます。
  57. 加藤六月

    加藤(六)小委員 おっしゃるとおりだと思います。国鉄再建には英断をもってやりたいと思うのでございますが、その両方合わせまして国に完全保証さすということになりますと、その分だけでも一ぺんに二千億近くになるわけです。国鉄債務の利子関係だけで二千億というものを一般会計あるいはそれに類するものから出すことは、国鉄利用者が一億国民全部であれば、これは異議はないと思いますけれども、御存じのような乗客の利用率、貨物の利用率等から考えまして、全部、二千億近くのものをやっていいか悪いかということでは非常に苦しんだわけでございます。公明党さん、民社党さんの御意見を承りましたので、さらに検討してみたいと思いますけれども、ただ、来年度は間に合わぬのじゃないかと思います。
  58. 河村勝

    河村委員 一言だけ。過去債務の利子というのはふえていかない。二千億なら二千億で、ずっと将来とも二千億。だから実質的価値は下がってくる。そういう落差があるということをつけ加えて申し上げておきます。
  59. 加藤六月

    加藤(六)小委員 これ以上言いたくないのですけれども、総収入一兆円のうちの二千億の金利分を国がというのも、これはまた考えものでございます。しかし、つぶれた会社ならもう切り捨てですよ。ましてや利子なんて払わなくてもいいというところまでいかなくてはいかぬので、国鉄を思い切ってそこまで持っていくということなら、また考えようは別でございます。
  60. 松本忠助

    松本(忠)小委員 いまの、再建をほんとうにしようという考え方自民党にあるのかないのか、この辺のところでこれは私は判断できると思うのですよ。ほんとうに国鉄のために再建をしてやるというなら、過去の債務はたな上げするのが当然だと私は思う。そのぐらいの思い切った施策政府自民党がやらないで、何が国鉄再建かとこう私は言いたいわけです。
  61. 加藤六月

    加藤(六)小委員 いまのは松本忠助個人の案ですか、公明党の案ですか。
  62. 松本忠助

    松本(忠)小委員 公明党の案であります。また、松本忠助の私案としてここに書いてあるとおりであります。
  63. 加藤六月

    加藤(六)小委員 運賃値上げをやらぬでそういうことをおっしゃるということには、私はもとへ返りたくないですけれども、この「債務の取扱」のところだけで全部やれと言われて、それで今度は運賃改定とかその他の問題について——あとで地方交通線の問題が各党いろいろ出てくるわけですけれども、あるいは鉄建公団のA・B線の問題も出てくるわけです。こういう問題にどういうメスのふるい方をするかということも、先ほど申し上げた四本柱で再建ということなんですから、これは案でございますから、そう手きびしゅうおっしゃらずに……。
  64. 徳安實藏

    徳安委員長 それでは、大体四は御意見が出尽くしたと思いますから、この程度にしましょう。  次に、第五項でございます。
  65. 加藤六月

    加藤(六)小委員 これについては、私きょう資料も何も一切持ってこないので、ここに配っていただいたものしかないのでございますけれども、私が前に提案申し上げました「地方閑散線は原則として道路輸送に転換、存続する場合は経費の三分の一を地元負担とし、残余の損失を国が負担する。」、地方交通線全部についてこういう措置をする、いわゆる幹線系一万キロと残余一万一千キロを地方交通線にするという趣旨を申し上げたわけでございます。本日も内藤先生あるいは斉藤先生等に、最近進捗いたしております地方交通線の整理問題に関して御説明申し上げておいたわけでございますけれども、これは各党の間において相当な差が今後出てくると思いますので、決定も何もいたしておりませんが、最近の動きを大ざっぱにこの席で申させていただきたいと思います。  これは加藤六月試案の訂正でもなければ何でもございません。私たち地方交通線あるいは地方閑散線の問題についてずいぶん取り組みました。そして地方交通線の中の定義の解釈としまして、地方閑散線というものを、これは諮問委員会等にも出ておったことばでございますが、これを浮き出しまして、これをどういうようにして処置していくかという問題でずいぶん議論いたしまして、地方閑散線の廃止基準、整理基準というものをつくろうというので、これは運輸関係を担当しておる交通部会、大蔵省を担当しております財政部会、自治省を担当しております地方行政部会、三者がたびたび会合を開きまして、地方閑散線の整理基準というものをいま八、九割方まとめてきつつあります。その内容等はいずれまた当委員会先生方の御意見等も承っていきたいとは思っておりますが、その内容は、この経費の三分の一を地方公共団体で持っていただく、三分の一を国で持ってもらう、三分の一は国鉄がかぶるという方法で、大ざっぱに申し上げまして、地方閑散線を五年間で処置してしまおう、こういう合意をいま自民党内の交通部会、財政部会、地方行政部会出しつつあるということを、この席を借りまして報告させていただきます。  そこで、今度は社会党さん、公明党さんにちょっと御質問しておきたいのですが、この社会党案は「地方交通を受持つ地方線区は運行の維持をはかりつつ経営再建をはかるべきである。(八三線区の撤去には賛成しない。)」といわれておるのですが、これまた試算表、考課表はつくってあるのだけれども、いまここへは持ってきておられないというので、全体の帳じりがわからぬので、質問は非常にしにくいのですけれども、これは原則論でしょうが、また事情によっては、たとえばいま私が御説明申し上げましたような、大蔵省、自治省、国鉄負担していくというような考え方に従っての案なら絶対反対じゃないけれども、検討すればそういう案もやむを得ないなというようなお気持ちがおありなんでしょうか、どうでしょうか。この社会党案を読んで、私そこら辺にちょっと心配する点があるものですから……。
  66. 内藤良平

    内藤委員 これはここに書いたとおりです。やっぱり地方線区をただ切るだけじゃなく、いわゆる毛細血管のように生かすべきじゃないかという考え方ですね。ただ、いま加藤さんの微妙な御質問だけれども、われわれの判断としては、地元の賛成のないものは撤去すべきじゃないという、いままで運輸委員会等で政府当局とやりあってきたような経緯がありますね。だから、やはり地元で撤去反対するものを撤去すべきじゃない。これはまた地元の住民の皆さんの御意見も強くとらえなくちゃならぬ。それを逆に解すると、地元の賛成のあるものは撤去をされつつあります。現在三線区ぐらいありますね。そういう経緯ですから、そこら辺を判断の資料としてお考え願えればいいと思います。
  67. 加藤六月

    加藤(六)小委員 内藤さん、地元はよほど折衝に折衝を重ねていって賛成するところが出てくるかもわからぬですが、原則として廃止に反対じゃないのですか。
  68. 内藤良平

    内藤委員 それは原則はそうでしょう。
  69. 加藤六月

    加藤(六)小委員 しかし、われわれが考えておるのは、いわゆる国民経済効果から見て、道路輸送に転換したほうが地域住民にも喜ばれ、国民経済的に見ても安くつく、あるいはまた代替道路があるとかいろいろな基準等があるわけで、豪雪地帯に対する扱いとか何やかやがあった立場で、地域住民をないがしろにしない、地域住民の生活程度、あるいは地域経済活動をより一そう活発にできるという前提のもとにいくわけですから、私は必ずや社会党さんにもその趣旨を解していただいて賛成していただけるようになるという期待を持っておるので、あとからまたよく御説明いたしますけれども、そこの点はよろしくお願いしたいのですよ。
  70. 松本忠助

    松本(忠)小委員 加藤さんの御質問もありまして、私のほうのこれは、地方協議会をそれぞれ線区別に設けよう、そこでいずれにしても存続ということが出てくる可能性が強いと思うのです。そういう観点から私も積算をしてみました。その結果、四十七年度初年度においては千七百二十四億、四十八年度が千九百四億、四十九年度は二千百十九億、五十年度は二千三百五十一億、五十一年度二千六百五億、五十二年度二千八百二十八億、五十三年度三千百三十二億、合計一兆六千六百六十三億という補助金をすれば全部存続できるということなんです。しかし、やはり地方の実情からして、寒冷地でもかなり大幅ないろいろの助成があって、むしろこの際もう撤去して自動車にかえたほうがいいのじゃなかろうか、そういう点もありますので、個々に私どもは実際の問題について地方の議員さんにも御相談をしてみました。これは、特別豪雪地帯を指定している三十一年の総理府の告示で、豪雪地帯に指定されたところ、そういうところはかなり大幅の補助が出るようにも見受けられますし、また積雪寒冷地域における道路交通の確保に関する特別措置法、そういうものから考えても、除雪費の三分の二、あるいは道路の維持修繕費の三分の二出る。こういうことをよく話してあげて、もう何も鉄道に依存しないでもいいのだというような考え方が出てくれば、この初年度、四十七年度においてはいま申し上げたような金額、千七百二十四億でありますけれども、そういうことが理解されていくように言えば、最後においては、何でもかんでも五十三年度が三千百三十二億なんということにはならないだろう。これから七年間、ますますモータリゼーションは四通八達してくるだろうと思います。そういう点から考えれば、積算としてはいま申し上げたような数字で一兆六千六百六十三億出ますけれども、この辺が地方の人がよく理解できれば、一番冒頭に申し上げました三百十六億の通算しての赤字なんというものも消えるのじゃなかろうか、それだけ補助をしないでも済むのだ、こういうような傾向に持っていく以外にないだろうと思っていま私のほうは考えております。そういうことです。
  71. 加藤六月

    加藤(六)小委員 よくわかりました。
  72. 徳安實藏

    徳安委員長 河村君、あなたは御意見ないですか。
  73. 河村勝

    河村委員 ありません。  ただ、自民党に伺いたいけれども、閑散線区以外の地方交通線、これを永久に地元あるいは国家負担にしていくつもりですか。将来ほんとうに総合交通政策というものが成り立つならば、これは生きて、ペイしてくるはずだとぼくは思うのだけれども、その点は触れなかったのか、とても脈がないと思っているのか、どっちですか。
  74. 加藤六月

    加藤(六)小委員 非常に痛いところを言われますが、党内におきまして大激論をやりました。それで一万一千キロ廃止してしまえという意見から、幅広い意見があって、一万一千キロ全部に手をつけてはならないという、右から左までの意見がありましてやったわけでありますが、御存じのように、政府並びに党の総合交通体系の決定が非常におくれておりまして、ようやく政府のほうは本日の閣議、党のほうは一昨日の総合の全体委員会で、昭和六十年度を目標とする全体のシェア、それから鉄道、自動車別の分担機能、あるいは大都市、あるいは大都市と大都市を結ぶもの、あるいは過疎地帯あるいは地方中核都市という問題についてのそれぞれの交通の分野というのをようやく打ち出してきましたので、その辺に従いまして閑散線以外の地方交通線につきましてはもう一度当たってみよう、こう思っております。
  75. 徳安實藏

    徳安委員長 それでは、五項は大体この程度にいたします。  次に、六項の人件費について。
  76. 松本忠助

    松本(忠)小委員 この問題が、社会党さんがまたもやここに空白なんです。この点、私も社会党さんのお家の事情はわからないじゃありませんけれども、これはやはりここですっきりしないと、再建というものは実際問題としてできなくなってしまうのじゃなかろうかと思うのです。その点で内藤さんいかがでしょうか。
  77. 内藤良平

    内藤委員 これはわが党のほうは人員削減は考えておりませんよ。
  78. 松本忠助

    松本(忠)小委員 削減は考えてないなら考えてないとここではっきりわれわれのように——われわれのところは条件つきですが、馘首によるところの人員削減は行なわないということですから、社会党さんのほうも人員の削減は行なわないというふうな書き方はできないものですか。なぜ空欄になさっておくのか。
  79. 内藤良平

    内藤委員 空欄にしたわけでもないのです。整理したら空欄になったわけです。人件費の問題に触れてないことは触れてないわけであって……。
  80. 加藤六月

    加藤(六)小委員 内藤さん、私きょうも申し上げましたように、かりに自民党出しておるような、まず十一万人削減、五十三年度末、この趣旨をよく御説明申し上げたいのは、おまえのところは再建計画を五十六年にして、そうして五十三年まで十一万人というのはどういうことだという疑義があるかもわかりませんから、まず誤解のないようにこれから申さしていただきます。  五十三年までに十一万人というのは、まず第一は、大体一年平均一万四千人ぐらい定年退職があるというように聞いております。その中で、民社党案にも若干似るわけでございますけれども、職員の適正な年齢構成を維持するためという問題等考えて、減員不補充の線での十一万人削減でございまして、これは公明党さんの馘首による人員削減を行なわないというのと性質は同じでございますということを申さしていただきます。したがって、五十四年度以降の人員削減、要員縮減については、別途さらに検討していきたいというのが第一点。  それから、内藤さん、人件費に触れない国鉄再建というのはあり得ないのですよ。それは一%アップしますと、本年度のなにでいって八十億円でしょう。一二・八%アップしただけで、私ども試算した数字が一千億です。運賃値上げを私らがこの案に出しているように一五%実施とすると、千七百億です。国民の皆さま方に一生懸命お願いしてかりに運賃アップしたところで、一千億円はベースアップ分だけで食われるのです。なくなっていくのです。それなら十一万人削減、かりに一年一万人国鉄職員の数から減っていったとして、一人が百七十万円、そうすると一万人やめれば百七十億円ですよ。そういう観点等から見て、これは国鉄内の努力という四本柱のところで私申し上げましたけれども昭和四十二年の国会を通った再建計画が非常に狂ったのは、あれは九%しか人件費のアップを見ていなかった。それがある年は一四%、ある年は一五%と上がって、一%狂うごとに、その当時は七十五億前後だったのですが、それが年間七百億、八百億というように一千億近かったわけですよ、再建措置に対して。それで、人件費を取り上げない国鉄再建策というのはあり得ないのですよ。そういういろいろな問題から見て、ぜひ真剣に検討した案というものを、社会党さんのほうでも一応お出し願いたい、これを要望しておきます。
  81. 内藤良平

    内藤委員 真剣に検討すればするほどむずかしいんだ。これは、だからベースアップだってどういう数字になるか。物価の上昇もあるでしょうし、どこで押えていいかわからない。また財政の中で大きいとは思うけれども、あるいはこれは考えてもらったと思うのですが、なかなか固定しがたいのでしょうけれども再建策として一つの平均率を出さなければならぬこともわかります。たしかそれは試算の中に出ていたと思いますから、あとからそれはお知らせいたします。
  82. 徳安實藏

    徳安委員長 いかがですか。人件費の問題についてはほかに御質疑はありませんか。——では、一応この程度にしましょう。  次に第七項の市町村納付金、これに対して御質疑をお願いいたします。
  83. 松本忠助

    松本(忠)小委員 河村さんにちょっとお伺いしておきたいのですが、廃止した場合に、自治省の反対、地方の反対というものをお考えになっておるのでしょうけれども、その場合に見返りのものは別にございましょうか。廃止してしまったら全然何もないのですか。
  84. 河村勝

    河村委員 要するに国鉄の納めるものは廃止して、あとは国が考えればよろしいので、国が肩がわりしようと、あるいはなくしっぱなしにしようと、われわれの考える範囲外のことである、こう思います。
  85. 加藤六月

    加藤(六)小委員 わが党の場合は「五との関連において検討する。」ということにいたしましたのは、先ほど来出た地方交通線の問題にからんだ問題でございまして、この市町村納付金問題では、過去三回私たち国鉄再建というか、国鉄の予算をつくるときに、市町村納付金の全廃あるいは国の肩がわり論を展開しているわけでございますけれども、林野庁あるいは電電公社、そういったものの納付金等の問題がありまして、自治省の全市町村長をあげてくる抵抗というのが非常に強かった。しかし、先ほど御説明した地方閑散線の整理基準、あるいはわが党の地方行政部会、財政部会等の過程におきましてこの問題をいま処理してきつつあります。地方公共団体に相当思い切った応援等をしてもらうならば、この市町村納付金はこの際はあまり大幅に手をつけずにおこうかという気持ちがあることを、あわせてこの席で報告させていただいておきます。
  86. 徳安實藏

    徳安委員長 では、これもこの程度にいたしまして、今度は八項の政府出資です。
  87. 河村勝

    河村委員 この点は社会党が珍しく自民党と同じで、私どもが違うようなのですが、これは妥協してもけっこうです。三・五%、結論は同じようなことになるのじゃないかと思います。
  88. 加藤六月

    加藤(六)小委員 その場合、公明党さんのは新幹線の建設と都市通勤鉄道の建設については全額国が出資で、あとは自民、社会、民社、大体同じなのですが、松本さん、これは大体似たようなことで、ただ全額出資ということがあるんだが、これだけは一本にまとめるわけにいきませんか。
  89. 松本忠助

    松本(忠)小委員 その点は私ももう少しこまかい計算をしてみたいと思っておるのですけれども、おっしゃる御趣旨の点はよく承っておきましょう。
  90. 徳安實藏

    徳安委員長 じゃそれでいいですか。  次は第九の工事規模。
  91. 松本忠助

    松本(忠)小委員 工事規模の点につきまして、三党はっきりと金額をここで明示されて五千億、わが党の試算によりますと、約三千五百億しか出せない。その点非常に私も苦慮しているところです。各党が五千億となっているのに、なぜ公明党が三千五百億になっておるか。私が試算した範囲においては数字的には三千五百億しか出ない、こういうことで、この点についても少し、あと千五百億出せればたいへんけっこうなわけでありますけれども、これらの点についてはいま私も再検討している段階です。中間報告的になりますけれども数字を出せとおっしゃれば三千五百億というのが私のほうの数字でございます。
  92. 徳安實藏

    徳安委員長 次に、第十の新幹線建設。
  93. 河村勝

    河村委員 これはいいんじゃありませんか。
  94. 徳安實藏

    徳安委員長 内藤さん、あなたのほうもいい……。
  95. 内藤良平

    内藤委員 このとおりです、わが党は。
  96. 徳安實藏

    徳安委員長 じゃこれは別に御意見もないようですから、十一の鉄建公団のA・B線の扱い。
  97. 加藤六月

    加藤(六)小委員 この十一の扱いについて違いますのは、民社党さんだけじゃないかと思うのです、大ざっぱに見まして。あとは自民、社会、公明ほとんど同じじゃないですか。ただ、鉄道敷設法を廃止するかしないかというところに触れるか触れないかという違いは若干ありますけれども、精神は同じじゃないでしょうか。
  98. 河村勝

    河村委員 私も同じですよ。やらないのが原則なんだから。どうしてもやる場合には国が負担しろということになっておる。
  99. 加藤六月

    加藤(六)小委員 同じですね。
  100. 松本忠助

    松本(忠)小委員 ちょっと加藤さんに伺いますが、これは仮定の話ですけれども、たとえば、十一の項目等に見られるように、四党の意見が一致しておるものについては、自民党はその四党の意向に沿って積極的に進めよう、政府に対してやろうという腹がありますか。そろったものは……。
  101. 加藤六月

    加藤(六)小委員 非常にその決意は強く持っておりますし、さらに先ほど私がお願いしたように、各党においても四党意見一致したものについては政府、大蔵省へやかましく声をかけていただきたい、これはお願いしておきたいくらいの気持ちです。
  102. 徳安實藏

    徳安委員長 それでは、十二の関連事業。
  103. 河村勝

    河村委員 これは書き方はいろいろあるでしょうけれども社会党さんのほうを除けば同じだと思います。
  104. 松本忠助

    松本(忠)小委員 国鉄法六条の改正をしようという考えは私は持っておりますけれども、これは自民党さんはどうお考えですか。立法措置を整備するのですか。
  105. 加藤六月

    加藤(六)小委員 私たち国鉄法六条はぜひことしの通常国会にも出すべく準備までいたしたわけでございまして、各党応援をいただきましてぜひ実現いたしたいと思っております。  それからさらに、出向制度を整備する。ここでまたおしかりを受けるかもわかりませんが、立法措置を講ずるといいましたのはどういうことかといいますと、これは電電公社が電話交換手から自動交換に変わりまして、いろいろな問題等がありました場合に、特別立法措置等を講じた。そして、出向やいろいろ出ていく方法を講じたりなんかいたした経過もあり、出向問題と減員不補充によっておやめいただく方々、あるいはその他の生活権を守るという意味の立法も考えておる、こういうふうにおとりいただけばよろしいので、六条だけじゃなしに、さらにそれよりか幅広い職員に対する優遇措置を考えよう、こう思っております。
  106. 徳安實藏

    徳安委員長 内藤君、あなたはありませんか。
  107. 内藤良平

    内藤委員 ここにありますように消極的ですね、この関連事業には。現状を再検討しようということで、ここに書いたとおりです。
  108. 徳安實藏

    徳安委員長 では、次の第十三のその他。
  109. 河村勝

    河村委員 これはこういうのを書けばいろいろなことがまだたくさんあると思います。ですけれども、直接共通の、比較対象して議論するものからはこれは除いてもいいのじゃありませんか。これは書けば私はたくさんあると思います。
  110. 加藤六月

    加藤(六)小委員 私のほうもこの十三の「その他」の中にはいってませんけれども、三つ、四つ実はあるわけです。これはたとえばとしてお聞きいただきたいと思いますが、国鉄の施設を利用しておるいろいろの方々から、国鉄再建期間中は特別に一%程度の納付金をもらったらどうなのか。各種売店やいろいろなものがありますね。こういうものから一%程度の納付金をもらったらどうかとか。その他いろいろな問題で、その他というところにも三点ほど問題を出して議論いたしておりますので、ひとつそういう点もこの小委員会委員皆さん方御認識しておいていただきたい、こう思います。
  111. 徳安實藏

    徳安委員長 おおよそ各党の出された、これは党議できまったのもあればそれを根幹にしておられる党もありますから、全部党議とはいえませんけれども、そうしたものに対するいまの再検討をいまお互いにし合ったわけでありますが、そこでどうしましょう、これを一応鉄道のほうにも意見を聞いたり何かするような必要はもうございませんか。まとめていく上においてですね。
  112. 内藤良平

    内藤委員 だから、これはどういうぐあいに持っていくかということになると思いますけれども、私は冒頭申し上げましたように、これをまたいろいろ取捨選択してまとめてというふうなことは、加藤さんのほうは加藤さんの試案だし、だけれども与党ということで有力者だから、これはまあそのとおり——また私案の面もありますし、まとめるといってもこれ運輸委員会の小委員会のまとめだということで、運輸委員会にこれを出して、それをまた全会一致でまとめて、そうして政府にでもそれを出そうというわけですか。
  113. 徳安實藏

    徳安委員長 そういうことは今後のことでお考え願うということであります。内藤君のおっしゃることはわかりますけれども、しかし、小委員会をこしらえたということは各党がただ思い思いのものを出してもらえばいいんだということだけで小委員会をこしらえたのではないと私は思っています。先ほど言ったとおり一致すべきものはこういう結論に一致しました。しかし、この問題は各党一致しませんで、その他はこういう御意見でございましたということをつけて本委員会に報告をするというぐらいな責任はあるんじゃないかというように思っておりますので、最後の締めはそこに持っていきたい、こう思っているんです。
  114. 内藤良平

    内藤委員 私どもは小委員会をもしまとめるなら、こういう状態になったということを小委員長あるいは小委員会でまとめて、運輸委員会出していいのではないかという考えです。これ以上まとめる必要はないんじゃないか。
  115. 河村勝

    河村委員 委員長もこれ以上まとめると言っているのではないのであって、一致点は一致点、違う点は違う点、そういうものを交通整理して報告しよう、こういうことですから、これはかまわぬじゃありませんか。社会党立場を少しも阻害するものではないと思います。
  116. 徳安實藏

    徳安委員長 社会党は御意見があれば堂々と述べてもらって、その要旨を本委員会に私は報告しますから……。
  117. 松本忠助

    松本(忠)小委員 委員長の御意見で私もよろしいと思います。こういう状態であったということについて、一応小委員会としては、審議の状況をそのままの姿で運輸委員会に報告するということについては私は差しつかえないと思います。  あくまで、私のほうも公明党案として出せれば一番よかったわけでありますけれども公明党の党の機関にはかるのに時間的な余裕がなくてここに松本私案として提出した次第でございますので、これを即公明党案とおとりになることはないと思いますけれども、この点だけは松本の案であるということで一応御報告していただく分には一向差しつかえございません。
  118. 徳安實藏

    徳安委員長 それでは、きょうの速記を調べ、これを基本にいたしまして、そしておおよそこれで、この線だけは一本になりそうだというものはそういうぐあいにずっと整理いたしまして、そして次回に御相談をして、それでまとまるものとまとまらぬものと二つに分けて、そして結論を得て、委員会に報告するということにしたらいかがでしょう。
  119. 加藤六月

    加藤(六)小委員 私はその前にどうしても社会党さんの試算表をもらいたいんです。これを見ないと再建をほんとうにできるのかできないのか。あとの党のは試算があるのですけれども社会党さんのは試算がないのです。試算がなくてはたしてどうかということをはっきりさせておきたいので、委員長、ぜひ試算をもらってみていただけませんか。そして次の機会にまとめるならまとめるで大賛成でございます。
  120. 徳安實藏

    徳安委員長 内藤さんさっき出してもいいとおっしゃっておりましたから、なおそういうことに御努力願って、なるべくひとつお願いいたします。
  121. 内藤良平

    内藤委員 それは出しましょう、作文ですからねこれも。
  122. 松本忠助

    松本(忠)小委員 先ほど私、発言の中で申し上げておきましたように、現実に現在私が手元に持っておりますのは赤三百十六億という試算表でございます。したがいまして、私の考えからするならば、当然五十三年度においては収支バランスのとれた形に、もうからぬでもいいけれども、若干の黒になって再建ができたという証拠を出したいためには、さっき申し上げたような点を是正すればできるんじゃなかろうか、こういうふうに考えておりますので、それを私もう一度検討した上で、試算表を出すことについては私もお約束はいたします。
  123. 内藤良平

    内藤委員 あとで委員長手元出しますから、各委員に配付していただければ……。
  124. 徳安實藏

    徳安委員長 社会党出してくださるそうだし、公明党のほうもそういうことですから至急お出しをいただきまして、きょうの速記を整理をし、御意見等をちゃんと整理しまして、そうして次回にこれを御報告して、御相談を願う。そして一致するものは一致する、一致しないものはしないで仕分けをしまして、最後の整理をするということに御了承いただきたいと思います。  では、きょうはこれで散会いたします。     午後二時五十一分散会