○内藤
委員 だから、
運輸省のワク外にはずれる問題が多いと思いますけれ
ども、船の
関係として、操船
関係等を考えると、われわれしろうとのような者でも、北西の風が強かった場合は、へさきをそっちへ向けて微速前進をするとか、あるいはそっち側のほうにいかりをおろしてやるとか——ただ、砂地だけれ
ども、テトラポットといういぼいぼした大きいものをずっと、
海岸が浸食されるからやっておるわけでしょう。そういう地形は、やはり台湾人、中華民国の方にはわからなかったかもしれないですね。だから、そこら辺は、
新潟の港の方でも、
水先案内でなくても、
新潟港の責任者でも注意できなかったものか。
事故が起きる前の防御を極力
推進したいから、こう言うわけだ。
日本の油の出入りというものはたいへんなものでしょう。ほとんど船で、年間の扱いが四億二千万トンくらいといわれますね。しかも、
タンカーを含めて
船舶の海難
事故は、あるパーセンテージがあるわけだ。すると、
タンカーの四億二千万トンをパーセンテージではじき出して、万一の場合は、何万トンの油が日本の港あるいは周辺の海域に流れ出る、こういうことはもう想定されるわけだ。しかし、これはどうして防ぐか。出る前に防ぐ。これはいろいろまた、狭い
水道の場合の
措置でもあるわけですよ。
運輸省としていまここで必要なのは、
タンカーの
船体の
構造的な面の強化といいますか、これはやはり世界でも一番油を運ぶのが多い日本ですから、
タンカーの
構造の強化ということは必要じゃないか。
時間がありませんから、私、べらべら申し上げますけれ
ども、たとえば液化のガスですね、あれは非常に高圧ですから、
船体とタンクが別になっているんじゃないかと思います。こういう場合でありますと、やはり
タンカーの場合でも、それに準ずるような
構造的なものを
規制しなくちゃならぬのじゃないか。これは私、必要なことじゃないかと思うのですね。今回も座礁でしょう。もし
船体が割れても、タンクに支障がなかったならば、あるいは油は
海底に沈んだかもしれないし、出なかったかもしらぬ。コンテナ船のような
考え方もありますし、あるいはラッシュ船のような
考え方もありますね。これはひとつ、ぜひ運輸当局として考えていただかなくちゃならぬ問題じゃないかと思います。
それから、この問題で、運輸じゃなくて
政府として考えなくちゃならぬというぐあいに思いましたのは、
手塚長官から率直にお話があったように、やはりいまの保安庁、
運輸省の手に余る。一例でございますけれ
ども、いま五十万トン近い
タンカーもできようとしている。この
ジュリアナ号の例でまいりますと、大ざっぱにいいまして十万トン以上の
原油が出るかっこうになる。たいへんなことでございますね。と同時に、はるばる外国から来ました貴重な資源、それを単に中和するだけではあれでしょうから、これは何か回収する
方法も考えなくちゃならぬのじゃないか、私はそう思います。その場合に、やはり拡散しないで、うまくこれを捕捉して、それを回収する
方法ですね。これは
運輸省で考えることかどうか。通産省のほうの
関係もあるかもしれません。あるいは技術的には、科学技術庁長官のほうの
関係もあるかもしれません。どうもいろいろ、この問題に関連して考えられることが多いわけであります。
実はきょう、本
会議でも、緊急
質問を私のほうで要求しております。やはり総理という立場といいますか、
政府全体でこういう問題——しかも、ほぼ一定の率をもって日本の近海で起こる可能性のある問題ですから、
運輸省だけにまかしておかないで、
政府全体として取り組む、石油の
関係業者もあるいは
船舶業者その他もこれに取り組む、こういう
考え方がぜひ必要じゃないかと思うわけであります。
中和剤の問題につきましても、これはいろいろ議論があるようでありますので、準備のことも確かにこれは不十分であったと思います。ですから、今後
中和剤なりあるいは消火剤あるいは
オイルフェンスですか、あるいはそれにかわるべき新規に開発された、油を捕捉するような方策とか、そういうものを整えて備蓄の体制を強化する。同時に、やはり
中和剤の性能といいますか成分といいますか
効能といいますか、
中和剤によっては油がまた凝固して油だまりになって逆に困る場合もあると聞いております。けさの新聞では毒性を持つ
中和剤もある、そんなようなこともございますので、いろいろ技術指導、開発なり
研究、そういうものを含めた非常に広範な行政的な体制的なものが必要であると私も痛感いたしました。
でございますから、
タンカーという、船を持つという場合ばかりではありません、海洋の汚染
防止という立場でどうかひとつ
運輸省の積極的な、
政府部内における御発言なり御
対策なり、あるいは
関係閣僚に対する働きかけなり、あるいは総理
大臣に対する直言なり、そういうものをひとつ早急にやっていただかなくてはならぬ。あしたにもまたこういう
事故ができるかもしらぬ。この
事故が起こってから
瀬戸内海で揮発油でございましたか、五百トンくらいございました。ただ、これは揮発油のせいか蒸発をして、あまり
被害はなかったというふうに聞いております。
以上のような
考え方でございますが、
大臣いかがでございますか。私も建設的な気持ちで申し上げております。ひとつ率直なお考えを伺いたい。