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鈴木美枝子君 いまプライバシーの問題でその映画の上映はストップになっているということと、それからその学者の方たちのお集まりによってのストップということがうかがわれているのでございますけれ
ども、その一つずつを分析してみますと、プライバシーの問題でしたら、もう五年ぐらい前にその映画に登場の方で二十一人の方たちのうち十一人の方は身元がわかりまして、そして十一人の方は確認をとって、御自分たちのその苦しみを乗り越えたところで平和に貢献したい、公開することは平和に貢献したいという意味が含まれているというお返事をいただいておりますし、それから五人の方が死亡していらっしゃいまして、その死亡した方の親族を調べましたところによりますと、その死亡した人たちのことですから、親族の方がかわりに、どうぞ公開してください、これが平和のためならば公開していただきたいというようなお返事をいただいているわけでございます。そして
あとの行方不明の方がございます。
それから学者の方たちがお集まりになっておきめになった三十分に省略した映画の置き場所なんでございます。仁科財団法人ですか、それは科学的な場所、映画というものはフィルムを通して見るものでございますから、科学的な資料はすでにフィルム以上に、平和原子力にお使いになるそういう科学はどんどん御研究になっていると思いますし、それからまた広島
大学の
医学部にあるとしたならば、それは広島
大学の医学的な
立場、ABCCの
立場から人体に及ぼす影響をもう研究していらっしゃると思いますし、フィルムの持っている効果は人体にさわるということではございませんから、これは平和に貢献するという意味において、医学の
立場と別個のところですでに公開してもいいのじゃないか、というふうに、長崎
大学の
医学部と広島大の医学研究所にあるのはもう少し発展的にもう一度学者の方とそれから一般大衆の私たちを含めて討論されなきゃいけないのじゃないか。学者はやっぱりあくまでも学問ということでありまして、
文化にかかわる問題は人間にかかわる問題ですから、平和ということは人間を中心に
考える問題として私はそのことをお願いしたいというふうに思っております。それは、以前にきめられたプライバシーの問題以後の発展的な資料でございまして、それをどうぞもう一度発展的に平和に貢献する、アメリカで二時間何分の映画が原子力における効果、原爆を落したときの人体における効果、それからいろいろな資料における効果ということを世界の平和的な問題への効果というふうな形に原爆の映画も置きかえることができるのじゃないかというふうに思います。それはなぜかといいますと、この間も申し上げましたように、アメリカのコロンビア
大学の中のマスコミセンターでは五百本のフィルムを世界に売っておりますし、売っておるということは二十六年前の原爆を落したときのことではなくて、原爆時代、科学時代における原爆の効果という
立場、そうでなくて平和の
立場、こういうふうに私は世界的に受けとめているのでございます。だから、
日本の場合にもそれを若い学生さんたちに公開するということによってより以上に、アメリカの公開以上に世界の平和に貢献するのだという一つの勇気を持つことが必要なんじゃないかというふうに思うのは、この
教育基本法の中にあります第二条なんですけれ
ども、「
教育の目的は、あらゆる
機会に、あらゆる場所において実現されなければならない。この目的を達成するためには、学問の自由を尊重し、実際生活に即し、自発的精神を養い、」——まあ自発的精神によってそれを公開していただきたいし、「自他の敬愛を協力によって、
文化の創造と発展に貢献するように努めなければならない。」私は、映画の大衆的
文化に参加している人間でございますけれ
ども、もし
文化の貢献に参加するということができるとしたら、この原爆映画をほんとうに、それはどこで上映しろという形を指定されてはちょっと困るのですけれ
ども、場合によってはそのくらいまでいって、自分がそれを手に持って巡回して歩いてもいいからそういう形の中で平和への貢献、
文化への貢献ということをしたいというふうに望んでおります。どうぞその点についてお願いしたい、これはお願いしたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
それから、きょうは被爆者の人がおいでにならないので、被爆者の人のかわりというのでなくて、十年この方、広島にたびたび行きましてABCCの中で、被爆者の人と見学に行ったことがございます。それは全くの映画の俳優が一人の被爆者を表現する場合には、ここでは、映画の中ではABCCのことが出てこなくてもつまりここでは勉強して、そしてその事実の中、真実の中、私に真実があるというわけではないのでございますけれ
ども、その真実に迫るといいましょうか、自分に真実がないために真実へ迫る、そういう意味で勉強する
機会がものすごく必要になってまいります。そこで、ABCCの中へ入りまして、そのお話をABCCの方でなくて被爆者、あそこにいらっしゃる被爆者のお話によりますと、広島の二十万の方たちのリストがつくられていて、そして人体について調べていらっしゃる、被爆者の人のお気持ちからしましたら、自分たちが調べられても放射能による被害ですね、肉体の被害です、放射能の原因によって一番このごろ悪くなるところはやっぱりガンだそうですね、ものすごく放射能の影響ではガンが悪くなる、あるいは内臓が悪くなるというようなことで、ABCCがあるからには、また
日本の厚生省と共同してつくっているからには、早くそういう治療の薬を発見してもらいたいのだ、そうして、もちろん自分たちもなおりたいけれ
ども、それが世界にまた貢献する、原爆が世界に落ちるようなことがあってはいけませんけれ
ども、ABCCがあって研究している限りはその発明される薬によって世界の人にも貢献したいという、そういうことを言っておりました。そしてまた、調べられることによってより大きな原爆ができることを自分たちは危惧する、だけれ
ども調べられることによって世界の平和のために貢献したいのだというようなことを言っていらっしゃいました。そして、二十万の人たちが——あるいはこういうことをまた私は聞いたことがあります、つまり、お葬式代を払う、なくなった方に対してお葬式代を払う、そうすると解剖したものから内臓をもらってくる。そして内臓のものでもやっぱり放射能の結果を調べている。近ごろのことでは、死産した子供を調べている、やっぱり放射能の結果を調べているというようなこと。これは広大でもやっていらっしゃるそうです。となりますと、原爆を受けた一代目の方、それからその二代目の人、今度生まれた赤ん坊となりますと、三代目の人、三代にわたって放射能の結果、それを調べているということは、早く治療する、ガンになる以前の白血球の問題を治療する薬が発明されて、その人たちに治療ができる、と同時に、世界の平和のために貢献すると、二十六年苦しんだその上にそのぐらいまでに
考えていらっしゃる被爆者の人たち、だからこそ参考人としてお呼びしたがったし、そしてまた私は原爆を受けていないから、傷が違うから、同質に傷がなることはできないけれ
ども、そういう平和を願っている人が写っている映画を、イデオロギーを越えて
日本が先頭に立って平和のために貢献するためにも、二時間四十分の映画を、もし場所を選んでやらなきゃならないなら、また選んでやるという形の中で、上映するという方向へぜひ持っていっていただきたいんです。これは
高見先生に伺いたいんじゃなくて、やる方向をつくってくださるという御返事をいただ奏たいと思います。どうぞ答弁をお願いをいたします。