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小笠原貞子君 そういうことで、ここのところ私たちとしてもぜひ生かして、とにかく三十人までいかないでいま苦しんでいるのを何とか措置して、こういう赤ちゃんが死ぬなんということがないようにということからも、たいへんしつこいほどに申し上げたわけでございます。
もう時間がございませんので最後に申し上げますけれ
ども、保育理論になりますといろいろな考え方があると思います。しかし、私たちとしましては大きいものほどいいというわけじゃなくて、やはり
保育所というものは小さくて、心の通い合うよい保育をしたいと思っております。これは一度
局長さんにもこの間お話ししましたけれ
ども、無認可保育でどういう保育をしておるか、そこで私たちは子供に教育した結果、子供から教えられて、この小規模だけれ
ども、貧しい
施設だけれ
ども、ここで子供たちをこんなによく育てられるという喜びがあるから、借金をかかえながら今日まで努力をしてきたわけなんです。そういうことを申し上げましても私たちのほうの立場でございますので、御納得いただけるかどうかわかりませんけれ
ども、もう十年にもなりますけれ
ども、国際公教育学会というのがございましたですね。各国文部省に対する勧告というのが出されているわけで、私もいろいろ国際的な立場からどういうふうに見ていらっしゃるかと思って、勉強させていただいたわけで、いろいろ参考になりました。その中で、この小規模保育の問題で私が考えましたところは、(34)のところですけれ
ども、「子
どもたちの安全を確保するために、あらゆる可能や手段が取られねばならない。すなわち町においては、就学前教育
施設は、交通の危険を減じ、交通機関を使用することを避けるために、両親の家のそばに位置すべきである。」とこう書かれているところ。私は、十年前に出されたものだけれ
ども、いま日本にはこれが一番大事なものだと、そう思いました。
またこの次の機会にお話したいと思いますけれ
ども、子供の
交通事故を見ましても、幼児なんかずいぶん犠牲になっております。そういうことから、
保育所がそれこそ社会のニードによって多様化されていくと一緒に、非常に
地域的にも分散して小規模化していく
傾向というのは、これはもう好ききらいじゃなくていなめないと思うのです。そういう立場から、おたくのほうでも、今年度企業内の
保育所というものに対しても新たに予算をつけられるというようなことにもなったと思うので、そういうことから見ても、理論上から見ても、やっぱりもう近所に、
保育所というものは
地域保育が原則で、職場
保育所におかあさんと一緒にラッシュで子供も連れていくというのじゃなくて、
地域地域に、私たちはこれはポストの数ほど
保育所をという運動をしてきましたけれ
ども、そういう
保育所が私は望ましい。また、保育の教育の内容からいっても、子供さんを
集団でたくさん
保育所に入れて、その中でさっと給食を並べるというのじゃなくて、いろいろな教育の面から考えても、小規模がほんとうに保育の
効果を上げるというふうな確信を持っているわけなんです。そうしますと、この五十八条の十五人というのが、決して保育理論上これが悪いというのじゃなくて、むしろ保育理論上もこれをもっと裏づけるものとしてやっていただきたいと、そう思うわけなんです。それは要請になると思います。これはもう早急にすぐというわけにはいかないかもしれませんけれ
ども、
保育所、特に無認可保育に対して、委託費という形でいま
地方自治体で出されているような形で、何とか国としても早急に予算をつけていただけるということを考えられないだろうかということですね。
最後にお伺いしたいのは、残念ながら今年度には一銭も出てないんです。企業内保育というのは予算ついていますよね。企業内保育よりも、この無認可保育のほうが歴史が古くて苦労してきているわけです。だから、企業内保育に予算をつける検討をされるときに、無認可保育はどうだろうかと検討されたのかどうか、全然無視されてきたのか――それじゃあもっと運動しなければなりませんから。そこのところを聞かしていただきたいし、いまお話しても、無認可保育は必要だということはわかっていただいたと思いますけれ
ども、これについての、財政的な措置をとっていただくという見通しですね、私は今年度の予算ではどうしても――まだ決定でないから――無理だろうけれ
ども、これからでもつけていただきたいと思いますし、その辺のところ、具体的に財政的な措置を考えていただけるか、どういうことなら考えていただけるかということを、大臣の決意と
局長さんの、具体的な、その問題をお答えいただいて終わりにしたいと思います。