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1971-07-21 第66回国会 参議院 災害対策特別委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十六年七月二十一日(水曜日)    午後一時十一分開会     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         小柳  勇君     理 事                 増田  盛君                 上林繁次郎君     委 員                 熊谷太三郎君                 中津井 真君                 濱田 幸雄君                 八木 一郎君                 安田 隆明君                 若林 正武君                 中村 英男君                 松本 英一君                 宮崎 正義君                 高山 恒雄君                 塚田 大願君    事務局側        常任委員会専門        員        宮出 秀雄君        常任委員会専門        員        中島  博君    説明員        内閣審議室長   青鹿 明司君        内閣総理大臣官        房参事官     高橋 盛雄君        気象庁予報部通        信参事官     須田  建君        気象庁予報部主        任予報官     大野 義輝君        建設省河川局長  川崎 精一君        建設省道路局国        道第二課長    川上 賢司君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○災害対策樹立に関する調査  (兵庫相生市等における集中豪雨による被害  に関する件) ○委員派遣承認要求に関する件 ○継続調査要求に関する件     —————————————
  2. 小柳勇

    委員長小柳勇君) ただいまから災害対策特別委員会を開会いたします。  災害対策樹立に関する調査を議題とし、兵庫相生市などにおける集中豪雨による被害に関する件について調査を行ないます。  まず、総理府から本件についての説明を聴取いたします。内閣審議室長青鹿明司君。
  3. 青鹿明司

    説明員青鹿明司君) 去る七月十八日の、兵庫南西部におきます集中豪雨による災害につきまして、その概況を御報告申し上げます。  初めに気象状況でございますが、七月十六日ごろから本州をおおう大気が不安定となりまして、局地的に上昇気流が起こりやすい状況になっておりましたのですが、十八日には関東地方中部地方近畿地方中心に各地で雷雨が群発いたしました。特に兵庫南西部におきましては、十八日昼過ぎから局地的に一時間約六十ミリ、総雨量約二百ミリに達する強い雨が降りまして、山くずれ、浸水などの被害が生じたわけでございます。  この集中豪雨による被害は、一般被害といたしまして死者二十二名、負傷者九十九名、建物の全半壊二十七棟等となっております。  次に、施設関係等被害といたしましては、県の報告によりますと、公共土木施設、約七億二千万円、農地等、約一億五千万円となっております。  この災害に対しまして、消防、警察及び自衛隊では被害者の救出、搬送、水防活動等実施いたしました。また、被害の大きかった相生市及び御津町に対しましては災害救助法を発動いたしまして、避難所の設置、医療等実施した次第でございます。  以上でございます。
  4. 小柳勇

    委員長小柳勇君) 続いて、気象庁及び建設省から補足して説明を聴取いたします。大野主任予報官
  5. 大野義輝

    説明員大野義輝君) 補足説明を申し上げます。  特に雨の降り方について調べますと、当日十四時から十五時、この一時間に五十一ミリ、続いて十五時から十六時の一時間でございますが、ここに六十ミリの集中的な雨が降る。続いてその次の十六時から十七時の間でございますが、ここで四十六ミリ、合計百ミリをこす雨が、わずか三時間の間に集中的に降った。しかも、これの事後調査でございますが、大きさを調べてみますと、ほぼ百ミリ以上の雨の降ったところが十キロ以内というふうに、非常に狭い、典型的な集中豪雨であったわけでございまして、そのほかの地方では大体七十ミリあるいは八十ミリ程度の雨でございまして、いかにこの地方が規模も狭く、しかも激しく降ったところではないかと、こういうふうに考えております。まあ、この季節にこのような激しい、しかも雷雨性の雨が降ったということはたいへん珍しいことで、従来この方面の、相生付近で大雨の降ったというような過去の記録はございません。  以上でございます。
  6. 小柳勇

    委員長小柳勇君) 次に、川崎河川局長
  7. 川崎精一

    説明員川崎精一君) 建設省関係災害について補足説明をさしていただきます。  被害発生状況でございますが、相生市を中心といたします豪雨によりまして、河川関係といたしまして、相生市内を流れております二級河川の大谷川、普光沢川及び佐方川が溢水、はんらんをいたしまして、かなりの床上浸水被害を出しております。  それから道路につきましては、一般国道の二五〇号線が相生市の千尋地先におきまして、山側の斜面の崩落によりまして、バス並びに乗用車三台が約二十メートル下に転落いたしまして、このために死亡四名、重傷十六名等を出す事故発生いたしております。  それから次に急傾斜地のがけくずれ関係でございますが、一つ御津町の黒崎地先におきまして土砂崩壊が起こりましたために、旅館、休憩所等三戸が全壊しまして、死者十名、重傷九名、その他の被害を出しております。  それから次に同じく急傾斜崩壊による事故でございますが、相生市の網ノ浦地先土砂崩壊が起こりまして、このために住宅二戸が全壊して、死者五名並びに重傷者一名を出す事故発生をいたしております。  で、これらの対策並びに措置といたしまして、公共土木施設災害復旧につきましては、直ちに査定官現地派遣をいたしまして、災害調査あるいは応急復旧工法指導等に当たらせておりまして、現地状況を待って査定をあらためて行なうようにいたしたいと考えております。  それから二五〇号線の復旧状況でございますが、これにつきましては、発生後、県の道路補修課並び上郡土木事務所並びに地元警察署、こういったところで救助復旧作業に従事をいたしまして、大体の排土作業を終わっておりますけれども、なお若干後続的な崩落の危険がございますので、交通の開放につきましては二十一日の夕刻になろうかと存じます。これらの復旧工法につきましても、道路局から係官を派遣をいたしまして、県当局を指導して、現在応急的な復旧工法等検討いたしておる次第でございます。  それから御津町の黒崎並びに網ノ浦の土砂崩壊に伴う事故でございますが、これにつきましても県の現地土木事務所、消防署、警察署等地元関係者協力によりまして救助作業が行なわれましたが、十九日の十九時までに大体死者の収容を了しまして、現在あと片づけの概略が終わったところでございますが、今後これらにつきましては、できるだけ急傾斜崩壊防止に対する工事実施するように指導してまいりたい、こういうふうに考えております。  以上でございます。
  8. 小柳勇

    委員長小柳勇君) 以上で説明が終わりました。  これより本件について質疑を行ないます。質疑のある方は順次御発言を願います。
  9. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 ただいま委員長から、二十六日、二十七日に調査現地に参りますので、その後にまた詳しく質問すると、こういうお話が参りました。そこで、そういうふうにしたいと思うので、一、二伺ってみたいと思う。  それは、七月の五日に大崩海岸崩壊がありました。そこでそのときに道路局長通達が出ているわけですね。その通達を見ますと、一つには、危険道路の再総点検、それから二つ目には、危険道路パトロール励行三つ目には、異常気象における交通規制実施と、こういうふうに通達が出されているわけなんですが、その後に起きた問題は、それはいわゆる新舞子相生、これが七月の十八日に起きた。そこで、こういう道路局長通達が出て、その後に起きた問題、それが新舞子であり、相生である。その間にこれらの通達がどのくらいまで徹底しておったのかということが私は問題じゃないかと、こう思います。  そこで一つずつ申し上げるならば、危険道路の再総点検、こういったものはどの程度まで進められたのか。また、危険道路パトロール励行、こういったことがほんとうに行なわれておったのかどうか。異常気象時における交通規制実施、こういう問題が実際にこの新舞子だとか、相生の事件について、これらが励行されておったかどうか、こういった点をまずお尋ねをしてみたいと思います。
  10. 川上賢司

    説明員川上賢司君) 七月五日の大崩海岸事故に引き続きまして、七月十八日再び相生千尋地先におきまして土砂崩壊によりましてとうとい人命を失いまして、さらに多数の死傷者を出しましたことは、まことに遺憾にたえないところに存じております。ただいまお話しのように、七月五日の大崩海岸事故のあと、直ちに御指摘のような通達を出しまして、さらにその通達徹底をはかるために、七月十三日に関係各県の道路管理者担当維持課長でございますが、そういった人たちを、責任者を集めまして、その趣旨徹底をはかるようにやったばかりの、やさきのことでございました。  その趣旨につきましては、これは、危険個所は、四十五年の調査におきましては全国で県道以上で約二万一千カ所という危険個所がございましたわけでございますが、これにつきまして大崩のような気象条件においても——一応防災工事が施されて、しかも雨が上がってからも二日以上たっての事故と、そういうことでございますので、一応防災工事が施してあったところについても、それからまた、従来、危険個所と考えられておらなかったところについてももう一回総点検をしまして、徹底的にこの危険個所を洗い直せということで、通達の第一点の趣旨はそういうことでございます。  それから通達の第二点、これはパトロールはやってはおりますけれども、それを異常気象時等の状況にかんがみまして、これを重点的に、効果的にできるように再検討すると、それから特に県におきましては、残念ながら予算とか、あるいは人員、機材と、そういった関係で十分の管理体制ができておりませんので、この際、さらにその管理体制強化をはかって、効果的なパトロールができるように考えなさいと、そういう実施計画をつくって、それを実行いたしなさいということ。  それから第三点は、大崩のときも一応規制基準には達してはおりましたが、当時の気象条件から考えると、まあそれほど危険ではないというふうに判断したので規制がおくれたというふうな関係もございますので、現地気象条件に合わせた規制基準の再検討をし、これを強化する方向にというふうなことで、この三点につきまして通達を出したわけでございます。  それに対しまして、それらの趣旨徹底をはかりまして、八月末までに危険個所の提出を求め、それからどういうふうなパトロール基準、あるいは規制基準をつくったかということを具体的に報告してもらうような段取りになっておりまして、目下、その作業中のできごとであったわけでございます。  それから二五〇号線の相生地先事故は、これはそういうやさきではございますが、ここは、この場合は異常な集中豪雨でございまして、相生地先においては百八十五ミリ、しかも三時間の連続雨量が百五十ミリをこえるというふうな、ほんとうの局地的な集中豪雨であったわけでございます。すぐ隣の赤穂市におきましては、わずか三十ミリしか降っておりません。それからこの地先担当いたしますところの、上郡土木事務所がございますが、その土木事務所におきましては七十七ミリという雨でございまして、この地先の危険を予知しまして土木事務所連絡が入ったのが十三時三十分でございます。それから直ちに規制に入ったわけでございますが、その連絡が間に合わないうちに、十三時四十分ころに事故が起きたというふうなのが実情でございます。  以上でございます。
  11. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 ある程度説明はわかりましたけれども、それで具体的にちょっとお尋ねしてみたいのですけれども、このパトロール励行ですけれども、たとえばこの日、この事故が起きるころ、この時間には高取峠ですね、これは二キロぐらい車が渋滞しておった。こういうふうに新聞等では見るわけですけれども、そうするとそういう渋滞の中でいわゆる局長通達交通規制であるとか、あるいはパトロール励行、こういったものが相当強力に行なわれておった場合には、ここまで事故は起きなかったのではないか、こういうような感じがするわけですね。そうなってくると、せっかく局長からこういう通達が出ておりながら、そういったものがどこまで励行されておったのかということが私は大きな問題だろうと思う。で、間に合わないとかどうだとかという物理的な問題もあろうと思うけれども、その辺はどの辺まで、どの程度手が打たれておったのか、たとえばパトロールという問題については、パトロールのために車を幾ら出した、人員はこのくらい出したというような具体的なもの、それから交通規制はどういうような形で行なわれておったのかというような具体的な点についてちょっとお答えを願いたいと思います。
  12. 川上賢司

    説明員川上賢司君) ただいま御指摘の点でございますが、まず、今回の事故のときの管理の実態でございますが、これはちょうど日曜日のわけでございまして、管理体制の手薄なときでございましたが、たまたま七月の上旬におきます集中豪雨によりまして、兵庫県内、特に上郡土木事務所担当地域におきましては山地部に非常な災害がございましたので、これの応急復旧対策、そういうことで事務所の所長以下職員、それから県の道路維持課長以下担当官が総出でその調査に、検討にまいっておったわけでございます。それで、その調査も一応一段落しまして、幹部だけが事務所に戻ってきたのが大体十二時ころでございます。それで事務所には宿直が一名と、それから維持担当主任が一名おったわけでございますが、そういうことで、午前中が全然雨が降っておらない、しかも海水浴ができるような非常な好天だったということで、雨が降り出しましたのが十二時過ぎからでございます。それで初めのうちは一時間八ミリ、それからその次が十五ミリというふうなことで、まだ警戒態勢にも入らないという状況下にありまして、二時から三時までの間に急に五十一ミリという降雨があったのでございます。その直後に連絡がありまして規制に入ったわけでございますが、その規制が間に合わなかった。  それからなお、こういった地域につきましては、一々パトロールが行くこともかないませんので、まあ災害予知すればもちろんやるわけでございますが、モニター委嘱いたしまして、モニター情報に基づいて交通規制をするという段取りにしておったわけでございますが、これは相生市に一名、赤穂市に一名と計二名のモニター委嘱してあったわけでございますが、そのモニターからの通報ももちろんなかった。しかも雨の状況はそういうふうな状況でございましたので、もちろんパトロールもやらなかったというのが実情でございます。パトロールカーはこの土木事務所管内には二台ございまして、大体異常気象時を中心パトロールをやることにいたしております。  それからもう一つ申し上げたいのは、この今度の事故にかんがみまして、再び直ちに、前回の大崩のときの通達にあわせましてもう一つ通達を追っかけ出しまして、これとあわせまして管理強化をはかるということにいたしておりますが、この一つは、まず今回の事故が日曜日ということでございまして、どうも災害というものは比較的管理体制の薄い日曜日とか祝祭日、そういったときに非常によく起こりますので、こういった日曜、祝祭日、そういった日につきましても、必要な場合にはパトロールをやるように、そういう体制を固めるようにまずきめております。  それからモニター委嘱はしてあったわけでございますが、そのモニターも役に立たなかったということは、それぞれの、相生市内それから赤穂市内というところにございますので、現地に即してないわけでございますので、今度はすぐその情報通達できるように、たとえば峠の茶屋とかあるいはドライブインとかあるいはその近くの一般の民家の方に、ふだん道路事情に詳しい地域の人に依頼しまして、そしてその効果をあげるというふうなことでモニターの適切な委嘱というもの、それからもう一つは、これは気象庁からもお話がありましたが、こういった集中豪雨は、局地的な集中豪雨は非常に把握が困難です。事前に、これが二、三時間前にでも把握ができればこれは措置できるわけでございますが、これが非常にむずかしいということで、今回もその規制が間に合わなかったわけでございますが、そういった連絡道路管理者にも一応やられることにはなっておりますが、どうもそれが連絡体制がうまくできておりませんので、こういった点につきましても、気象庁協力を得まして、まず道路管理者にひとつ情報をいただくようにというふうなことをお願いいたすことにいたしております。  それとなお、これは通達にはございませんが、そういう災害を、未然に事故を防止するための雨量観測とかあるいは移動予知、山の移動予知、そういったものができるような方法をいま検討中でございますが、一部実施いたしているところもございますが、そういった予知もあわせて今後真剣に考えていくというふうなことをきめております。
  13. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 気象庁のほうはこの日はどういう処置をとられたのですか。これは全然予測できなかったということなんですか。その点どうですか。
  14. 須田建

    説明員須田建君) お答えいたします。  この日は、先ほど大野主任予報官から説明がありましたように、本州の空気が非常に不安定で、方々で雷雲が起こりやすいという気象状態になっておりましたものですから、大阪管区気象台では十一時からレーダー観測体制強化いたしまして毎時連続観測を始めたわけでございます。大阪レーダー大阪市東方の高安山というところにございます。そうしてそれから大阪管区気象台情報が入りまして、それをレーダー情報といたしまして、いま問題になっております神戸とか姫路とか、そういうふうな気象官署に送るわけでございますが、それで見てまいりますと、十五時、つまり午後三時でありますけれども、姫路付近にかなりはっきりしたレーダーエコー、つまり雲のかたまりがレーダーの上に映し出されたわけであります。ところが神戸海洋気象台としましては、付近からの情報を集めてみましたところ、それほど強い雨は付近に降っていなかったというふうな状態でありましたが、レーダー観測でもってだいぶこれはあぶないというふうに考えまして、それで注意報の発表を十六時五分にやっております。ところが非常に残念ながら、これは相生付近で非常に強く雨が降りました直後のことでありました。この集中豪雨は、先ほどから何べんも話が出ておりますけれども、非常に強く、そして非常に小範囲の現象でございまして、レーダーで監視しておりましても、ごくわずかの雲しか見えないというような、非常に大きな豪雨をもたらしそうな雲が発達してからわずか一時間であるというふうなこと、こういうふうな現象は特徴として言えることでございます。不幸にしてこのたびはそれが起こりまして、そうして事前に探知するというふうなことができなかったわけでございます。  以上です。
  15. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 気象庁のほうでもはっきりこれはつかめなかったというお話ですけれども、これは先ほどから話を聞いておりまして感ずることは、最近の事故は特に行楽客ですね、そういう場合に多いということが言えるわけですね。そこで行楽というのは大体土曜、日曜、こういう日が選ばれておる。そこでやはり先ほどお話によりますと、日曜日はどうしても体制が手薄になるというような点、こういった点は十分にやっぱり考えなくちゃならぬと思います。こまかい点について、突っ込んだ点については二十六日以後にしたいと思いますけれども、いまのお話を伺っても非常に手ぬるい、手薄であるという感じかするわけです。そこで、そういった点を、特に土曜、日曜などという場合には特にその体制強化していかなければならないというふうに、いままでと逆の考え方に立たなければならぬのじゃないか、こう思いますね。高取峠の場合でも、いわゆる観光地といいますか、車か二キロもじゅずつなぎになるという、これに対しても、それほどの、これという手が打たれていないという状況です。これでは事故が起きてもやむを得ない、こういう感じがするわけなんですけれども、そういった点を十分に——特にいまの事実は、いつこういうふうな災害が突発して起きるかわからない、そういう時期でもあるので、十分に本格的な体制ができるまではしようがないのだということではなくて、いまから本腰を入れてできる限りのやはり体制をつくっていくということが大事だろうと、こういうふうに思います。あと突っ込んだ点については二十六日以後にお尋ねをしたい、こういうふうに思うのです。きょうはこれで終わります。
  16. 宮崎正義

    宮崎正義君 関連。  大崩のほうは、これは急傾斜地地域指定されてあったところでしょうか、これは建設省のほうに。
  17. 川崎精一

    説明員川崎精一君) 大崩個所につきましては、そういう指定はございません。
  18. 宮崎正義

    宮崎正義君 指定がないのですか。
  19. 川崎精一

    説明員川崎精一君) はい。
  20. 宮崎正義

    宮崎正義君 急傾斜地のついでに申し上げてみたいと思うのですが、片方の相生町の場合は、これは非常に勾配がゆるいという、大崩のほうは四十五度から六十度程度傾斜をなしているということですが、先ほどの二万一千カ所ですか、その危険個所というのが大体わかっているということですが、急傾斜地に対する振り合いというか、割合はどんなふうになっておりますか。
  21. 川崎精一

    説明員川崎精一君) 急傾斜地崩壊を防止するために危険区域指定を行なっておるわけでございますが、これは、道路は別にいたしまして、そういったがけくずれ等のおそれがあって、しかも、その結果、山すそにある人家等に影響を与えるというようなところを選びまして、道路の問題とは別に、四十二年と四十四年の二度にわたって過去、調査をいたしておりますが、その結果、全国で約一万三千カ所、そういった調査の中から浮かび上がっておるわけでございます。大崩海岸につきましては、これは施設といたしましては道路だけでございまして、そういった私どもの一般的ながけくずれの調査区域対象からははずれておるようでございます。したがって、道路危険区域として対象になっておるのじゃないかと思いますが。
  22. 宮崎正義

    宮崎正義君 時間の問題もありますから次に譲りますけれども、この急傾斜地のほうが結局人命を含んでおるわけでありますし、集中豪雨というものは予想されないところに出てくるわけです。大体二万一千カ所に対する一万三千カ所と、こう見ていいわけですか。
  23. 川崎精一

    説明員川崎精一君) 対象は全然別にしておりますから、足し算になると思います。
  24. 高山恒雄

    高山恒雄君 関連でちょっと質問したいのですが、この相生市の長さ三十メートル、幅約十五メートルですか、これは危険個所に入っておったのですか。危険個所というのは、一体どういう点を目標にした危険個所なのか。たとえば道路に面した場合か、あるいは民間でも危険場所があるのか、そういう点、ちょっと詳しくしてもらいたいと思う。
  25. 川崎精一

    説明員川崎精一君) 道路のほうはまた道路施設の保全上危険区域調査を行なっておるわけでございますが、一般的ながけくずれの、急傾斜地崩壊による災害防止の法律に関します危険区域と思われる場所調査対象といたしましては、大体人家が五戸以上ある、それからのり高が五メートル以上ある、こういったものを一応対象にいたしまして危険区域調査したわけでございます。その中から各市町村等の判断によって非常に大事なものはこれを正式に法律上の危険区域指定をする、こういう手順を踏んでおるわけでございます。今回の兵庫県のがけくずれの場合には、御津町の、新舞子海水浴場のところにありますがけにつきましては、これは地元の町からの報告、県に対する申請が全然ございませんで、そういった調査対象にもなってなかったという地点でございます。  それから、いま一つ相生市の網ノ浦で民家が倒壊を二戸したわけでございますが、これにつきましては兵庫県下の調査対象区域に入っておりましたが、しかし、県から文書で市に照会をしたわけでございますけれども、そういった危険区域に特に指定を今回はしてもらわなくてもけっこうだというような回答がきておりまして、したがって、危険区域指定する場合には、知事は市町村長の意見を聞いた上で指定をする、こういう手順になっておりますので、そういったところからも漏れておったということでございます。
  26. 小柳勇

    委員長小柳勇君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  27. 小柳勇

    委員長小柳勇君) 速記を始めて。
  28. 高山恒雄

    高山恒雄君 そうすると、危険個所に該当していなかったということですね。  もう一つ聞きたいのですが、建築法からいって、最近は山へ山へと住宅も建つ傾向がございますね。しかも、長さ三十メートル、幅十二メートル——私、先ほど十五メートルと言いましたけれども、十二メートルだと思いますが、それだけの高台をつくる石垣に対して、申請もしないでつくらすというところに危険性があるのじゃないかという感じがするのだが、町側の自主性でやっておけば、もうそんなことは問題はないのだ、こういう考え方なんですか、ちょっとその点が問題だと思うのですよ。
  29. 川崎精一

    説明員川崎精一君) 私どもといたしましては、できるだけ法律上の危険区域指定をして、防止工事なりあるいは避難体制等をできるだけ整えていただきたいという方針で督促はいたしておるわけでございますが、いろいろやはり地元におきましては、かなりこれは個人の私権を制限するというような面とか、あるいは地価を抑制するとかいったような面だとか、いろいろな事情があるのじゃないかと察せられるわけでございまして、非常に実質上の区域、正式の法律上の危険区域に対する指定というのは遅々として進んでいないのが実態でございます。全国では大体現在、約千四百カ所ばかりが指定をされております。
  30. 高山恒雄

    高山恒雄君 そういう御答弁をされると、もっと突っ込んだ話をしないといかぬ。それも調査の結果にしますけれども、下になんでしょう、海水浴場ということで仮施設があるわけでしょう。そこには何百人という人がいるわけですね。たとえば豪雨でなくても普通の場合はそこに集まるはずですよ、荷物も置いているでしょうし。そういう場所にある石垣に排水溝もなかったというのでしょう。したがって、そういうものを見のがすならば、一万三千の危険個所というのはもう問題にならないのじゃないか、私はそう思いますね。その点は、法律上には何もその拘束がないから見のがしておいてもいいんだというふうに聞こえるわけです。もっと市町村に対して責任ある工事をやらすとか、何かもっと締まりがなければ、一万三千の危険個所があるとおっしゃっても、これはやはり架空のものではないかという感じすらするのですが、その点どうですか。
  31. 川崎精一

    説明員川崎精一君) 私どもは、危険区域に入っていないから、ほっておけばいいとかという姿勢では全然ございませんで、むしろ、どしどしそういうものに指定をすれば非常に目も届くし、手当てもできるのじゃないかということを期待しておるわけでございます。まあ結果論的になりますが、当然指定されてよかった場所じゃないかというふうに思いますので、今回の事故もございましたし、県のほうともよく協議、指導いたしまして、急いでそういった地区に指定させるような手順を進めるように現在指導をいたしております。
  32. 小柳勇

    委員長小柳勇君) 私、二、三質問しましょう。  一つは、死者二十二名、負傷者九十九名も出ていると報告されておりますが、死者に対する見舞い金なり、弔慰金の支給、及び負傷者に対する見舞い金なり医療金の支給についてはどのように処置されておりますか。
  33. 高橋盛雄

    説明員(高橋盛雄君) お答えいたします。  この事件後に、直ちに兵庫県におきまして、今回のなくなられた方、それから家屋全壊、半壊、床上浸水等の被害にあわれた方々に見舞い金を支給すべく、総額二百九十万の支出をいたしております。
  34. 小柳勇

    委員長小柳勇君) それはどこから……。
  35. 高橋盛雄

    説明員(高橋盛雄君) 兵庫県でございます。
  36. 小柳勇

    委員長小柳勇君) そうすると、負傷した方、あるいはなくなった方の責任は県が責任だという判定ですか。なお原因を調査した上で、正式の弔慰金の支給なり、負傷者に対する見舞い金なり支給するのですか。
  37. 高橋盛雄

    説明員(高橋盛雄君) ケースはいろいろあると思いますが、まず道路につきましては、いろいろ事情を調査しなければいけないという点が多々あると思います。それから一般被害につきましては、すべての自然災害によるこのような犠牲者の方々に対する弔慰金、見舞い金として、従来県、地方公共団体が見舞い金を実施しているところでございまして、その例によりまして、今回のように見舞い金支給がなされたと、このように存じております。
  38. 小柳勇

    委員長小柳勇君) 二十二名なくなった方があるのに二百九十万円では、これはほんとうの見舞い金程度だけれども、一体あとはどうなるのですか。  その前に大崩海岸でも一名死亡しておられますが、あの死亡事故に対する責任の所在なり、あとの遺家族に対する手当てなりはどのようになっておりますか。二点お尋ねします。
  39. 青鹿明司

    説明員青鹿明司君) こういう自然災害に対して国としてどういうような見舞い金をするか非常にむずかしい問題がございまして、従来からもいろいろ御指摘なり、御意見を拝聴しているところでございますが、なかなか自然災害に対していわゆる見舞い的なものを支出しにくい事情にございます。それでいま個人災害共済の問題等、内々私ども研究しておりまして、できればそういう制度に基づいて見舞い金の支出が可能なように考えてまいりたいと考えておるわけでございますが、なお、現行どういうふうになっておるかということになりますと、これははたして国に賠償の責任があるかないかという問題に帰着するのではないかと思います。その際に問題になりますのはいわゆる国家賠償法でございまして、これらの法律の適用につきましては、いろいろ事実関係を調べた上でないとちょっと結論は出しにくいのではないかと思います。そこらにつきましては、ただいま所管庁のほうで目下鋭意検討中と私ども承知しておるわけでございます。  なお、大崩の問題につきましては建設省のほうからお答えいたします。
  40. 小柳勇

    委員長小柳勇君) ちょっと待ってください。いまの、この種の問題については責任がなかなかむずかしいから鋭意検討中でございますと言うけれども、二十二名実際なくなっておるのですから、その処置を、長く検討中だとこれはつかめなくて困りますが、具体的にもう少し説明してください。
  41. 青鹿明司

    説明員青鹿明司君) 結局は国家賠償法に基づきます国の建造物の設置管理について瑕疵ありやなしやという問題になるのではないかと思いますが、それにつきましては、やはり道路管理上の問題でございますので、建設省のほうで、実態調査を待ちまして結論を出すべきものと承知しております。
  42. 小柳勇

    委員長小柳勇君) さっきの高山君の質問に関連しますけれども、私まだ実地見ておりませんから、新聞記事だけでですけれども、がけの上に家をつくった人ががけを手入れしておった、そのがけが崩壊して、海水浴客の家が全部やられて二十二名なくなった。新聞記事ですよ。それの責任がどこにあったかということをこれから調査するのでしょうけれども、過去にこういう例があって、がけくずれで死者が出て、その補償などした例がありますか。
  43. 青鹿明司

    説明員青鹿明司君) 御質問、手元に資料がないので詳しくはお答えいたしかねるのでございますが、ちょっと承知いたしておる限りではないようでございます。
  44. 小柳勇

    委員長小柳勇君) 早急に調べていただきまして、それからいまの調査結果、私のほうで調査団も出て調査してまいりますけれども、二十二名なくなった方、これはどうも国に瑕疵がないからたとえば五万円、十万円程度の見舞い金だけでございますということでは遺族は承知しないと思いますが、具体的にもう少し検討しまして報告を求めます。  それから、道路局のほうから大崩海岸のほうを。
  45. 川上賢司

    説明員川上賢司君) 大崩事故につきましては、現在原因の究明を行なっておりまして、その結論が出て、設置管理の瑕疵があるということになりますと国家賠償ということになりますが、それは現在検討中でございまして、この区間は静岡県知事の管理——国道ではございますが、管理道路でございますので、現在までに静岡県知事から死者一名の方に対しまして見舞金という形でもって五百万円支出をされております。それからあとの補償の問題につきましては、そういうことがございますので、よく遺族の方と話し合いをいたしまして解決をいたしたい、そういうふうに考えておるところでございます。
  46. 小柳勇

    委員長小柳勇君) 河川局長に最後に質問いたしますが、いまの例にならいまして、たとえばこの二十二名の方にもとりあえず見舞い金が出るという可能性はありますか。
  47. 川崎精一

    説明員川崎精一君) 急傾斜の場合には、これは自然のがけですとまさに天災ということじゃないかと思いますし、それから海水浴場につきましては、これは多少まあがけに人為的なものを加えたというようなことで、現在兵庫県警において、そういった何か人災ではないかというようなことで調査が行なわれておるようであります。いずれにいたしましても、いわゆる国の施設の欠陥に伴う事故というような見方をとりがたいのではないか。したがって、そういった見舞い金の可能性は非常に少ないと私は思いますが、この辺はまた中防のほうでもいろいろお調べになって御検討をなされるような先ほどお話でございますので、そのほうの御検討におまかせせざるを得ないのではないか、このように思います。
  48. 小柳勇

    委員長小柳勇君) わかりました。それでは、調査団出ますから、そのあとまた質問がありますから、もう少し詳細に御検討を願っておきます。  他に御発言がなければ、本件についての質疑は、本日はこの程度にとどめます。     —————————————
  49. 小柳勇

    委員長小柳勇君) 次に、閉会中における委員派遣承認要求に関する件についておはかりいたします。  過日発生いたしました兵庫県及び静岡県における集中豪雨による山くずれなどの災害実情調査のため委員派遣を行ないたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  50. 小柳勇

    委員長小柳勇君) 御異議ないと認めます。  なお、閉会中委員派遣を行なう必要が生じた場合、これを行なうことに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  51. 小柳勇

    委員長小柳勇君) 御異議ないと認めます。  つきましては、以上の委員派遣については、派遣委員、派遣期間などは、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  52. 小柳勇

    委員長小柳勇君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  53. 小柳勇

    委員長小柳勇君) 次に、継続調査要求についておはかりいたします。  災害対策樹立に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本院規則第五十三条により、本件継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  54. 小柳勇

    委員長小柳勇君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、要求書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  55. 小柳勇

    委員長小柳勇君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後二時散会