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横川正市君
自由民主党と
内閣との
関係はどうなっておりますか、実際上のこの
審議会の
答申その他を受けて。これは私は不満足ながらということよりか、抜本的な
意見もずいぶんあったと思うのですよ。それが実現しない最大のネックは
一体どこだとお
考えになっているのでしょうか。その点は、ざっくばらんに言えば、
自由民主党とそれから
内閣との
関係じゃないかというふうに思うわけですがね。その点では、どうも
自治大臣もあまり
出席はよくなかったですよね、
選挙制度審議会には。私も二年おつき合いいたしたわけなんですけれ
ども、実際この
審議会に入ってみまして、実は年齢的にいえば、
委員の皆さんよりか私
どもずいぶん若いほうだったわけです。ですから、最初のうちは、年齢的に見て、
一体新しいものを求めることができるだろうかという危惧をまず持ちました。そこで
選挙制度審議会の人的な構成も、これもまあ
一つ問題があるのじゃないかと、こう思ったわけなんですが、しかし、ベテランと言われる人材の全体を網羅したということのようにも受けとめられたものですから、それは
審議の
経過を見てと、こう思っておりました。
それから
審議の
経過に入ってみますと、私は、最初意気込んでいったのは、
選挙制度審議会が
ほんとうに全力をあげて
答申を出してもらわなければ、いまのこの不信につながっている
選挙あるいは
政治というものはよくならないと思いましたから、非常に積極的な意欲を持って
審議会に
参加をしたわけなんです。この
参加をする立場に立って、四十一年の第五次
選挙制度審議会が
審議資料として出しましたね、これを実は私はもう三回も四回も繰り返して読んだわけです。それで
審議会に出かけていって気がついたことは、実にいい
意見がもうほとんど出尽くしているのではないか。そこで、七次が始まるときに、私は、こういうふうに、
政党法と
区制と、
定数と
政治資金と、それから
政治の
政党の運動と、それから
選挙管理というふうに分けまして、これ以上のものは、もういまのところないのじゃないか、新しくやるとすれば、
論議をして、しかしそれもまたほとんど
論議を尽くされているじゃないか。たとえば
政党法というのは、これはあるほうがいいか、ないほうがいいかという
論議もありますけれ
ども、この
政党法の諸外国の
先進国のサンプルもありますし、それから
日本の場合もずいぶん
論議をしておりますから、
自治省は、この
審議会の
答申を得なくても立法ができるはずだった、
ほんとうは。しかし、それを関連して、
区制とか、
定数とか、
政治資金とか、
政党の
政治活動とか、
選挙管理とか、こういったものがやはり伴ってこなければいけないから、
根本としては
政党法をひとつはっきりさせようじゃないか、これが七次の重要な課題だったと私は思うのです。
それからもう
一つは、
参議院の
全国区を
一体どうするか。今度も
全国区で、終わってみまして次から次へと他界する人が出ました。私は、六次のときにも各
委員の方に何回か訴えたわけですが、私も三回
全国区をやってみまして、この
全国区という
選挙区があるなどということがいかにも
参議院の特徴であるかのごとくに、あるいはまあ
選挙のしかたとして他に
選出方法が
考えられないという特徴的な
選挙であるとか、そういう言い方をする人が実際にこの
全国区という
選挙をもう一回経験的にも体験をしてみたらどうでしょうか。これは
ほんとうに殺人的な
選挙であることだけは間違いない。しかもそれが年々激化をするわけです。まあ一例をあげれば、
個人の
名前をあげることは差し控えますが、
最高官僚で立候補された方が他界をする。それは
健康管理がまずかったのじゃないかということ以外に、この
選挙区の広大さからくる体力の
限界といいますか、これはもう私
どもやはり
一つ大きな要素として検討する必要のある問題だろうと思うのです。まあ殺人的な
選挙区ということが言えるわけですね。
それから得票の
状態を見てみますと、六十万から七十万の票数を確保するために、一年から一年半
全国をかけめぐり、湯水のごとく金を使って、そうして自分はおそらく
最高学府を出て、経験的にいえば、
行政のてっぺんまでいって、そして
名前も売れているから、おそらくこれ以上の有効な
候補者というものは、いわば看板とか、かばんというものはなかろう、こういうように思っている人が六十万ぐらいから七十万ぐらいしか集められないということは、これは
一体努力の結果としてどうなのか。地方区が四十万も五十万も取っているわけですから。
全国区から六十万から七十万くらいしか取れないということは、これは
個人の能力の
限界というものが
一つあるのじゃないかと思う。だから
選挙区から見れば、やはり
限界に達して
限界以上のことを要請されている、こういうことになるのじゃないか。そういうことからこの
参議院の
全国区の問題については、六次からもっと他に有効な
方法でもって
選挙をやることができるだろう。
あとで
自由民主党の
松野委員会ですか、これは
比例代表制にすべきだということを党議で決定したと新聞で見ましたけれ
ども、ここまでいけば、私は、実は六次か七次でどういう裏づけを
審議して
答申となって出てくるかは別問題として、
政党間で、しかも
自治省が与党と話をして、
全国区の
制度そのものについてもっと真剣な
取り組み方があっていいのじゃなかろうか、こう思うわけです。
それから
政治資金規正法は、何回か
予算委員会や本
会議その他で
論議をされました。大臣も御案内のように、与党の都合で時期尚早論というのが現行
政治資金規正法を改正させない最大の原因になっているわけですよ。そうすると、時期尚早というのはどういうことなのか。求められる公正な
選挙というものと、それから一
政党の御都合による時期尚早とをあまりてんびんにかけて、損をしない
方法で足踏みをするということは、これは実際にはよろしくないことですね。それもやはり与党と
内閣との
関係のわけですよ。六次から七次へ移って、その七次に期待をするところは、大臣が答弁をされたように、非常に大きいのです。大きいが、従来からのいきさつを見ておりますと、これは一年を二年にしても一それほど効果があがらないのじゃないか。その効果をあげるために、私は二つ
考えている。
一つは、やはり
内閣と与党間で積極的にこの問題に取り組んでもらいたい。それからもう
一つは、実は重要項目を掲げて、そして
制度審議会の
委員の中の少数小
委員会をつくっていただく。そして少数小
委員会は、その項目に対して短
期間に立案をしてもらい、それを総会で
論議をする。かりに手直しがありましても、各個、個別に
答申書を書いてもらう、きわめて急ぐものから。それを
内閣は受けて、与党と連絡をとって立法化するという、ひとつ明確なルールみたいなものを確立していただいてはどうだろうか、こう思うわけなんです。それには、先ほ
どもちょっと申し上げましたけれ
ども、六次までの
審議の
経過の中にこれはほとんど出尽くしていますよ。
事務当局がまとめればすぐまとまるようなものです。たとえば三つの案がありましたら三つ併記すればいいわけですからね、二つあれば二つ併記する。それから
全国区の比例代表なんかは、ほとんど満場一致の多数がそのことを認めているということですから、それほどむずかしいことはなかろう、こう思うわけです。
そういう点から、きょうは、実は第一として、遅々として進まない
制度審議会の
審議のあり方、いままで見ておりますと、
自治省のほうは、
委員の自主性を非常に高く尊重する意味もあるんでしょうが、聞かれると
資料を出し返事をいたします。しかし、
あとは
委員の皆さんできめてくださいという、そういう態度でありましたが、もっとレールを敷いて、
委員の方々がむだな
論議、いわば繰り言を避けて、前向きで結論の出せるようなレールの敷き方をすべきじゃないか。そうしませんと、進まないと思う。これは
中村さんが実際上やってみて、いまのようにお年寄りが——まあ、いま三つ案が出ていますが、それは案と言っても、それぞれみないままで入っておりますよね。それをこと新しく案というふうには受け取りかねると私は思うんですが、そういう点からすれば、やはり
自治省選挙部はレールを敷く役割りをしながら、英知をひとつそこへ結集させて、そして短
期間に結論、
答申が出るように、しかも一、まとまらなくたっていいんじゃないですか、二年間あるわけですから。むずかしいやつで結論が出ないのは
あとにしましても、もう
政党法とか、それから
政治資金規正法とか、
全国区の比例代表とか、そういうものはすでに出ているわけですからね。そういうものから逐次手をかけていかなければならぬ。そうしませんと、三年後の
参議院の
選挙に間に合いませんよ、このままでいきますと。それから身近な問題で、衆議院の
選挙がかりに来年行なわれるとしましても、それにも間に合いません。せっかく
審議会を七次まで持ちながら、有効な活用ができないということはどこにあるか、もっとその原因をきわめてもらいたい。こう私は思うんですけれ
どもね。