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喜屋武眞榮君 いまのおことばを聞きましてたいへん力強く思っております。どうぞひとつよろしく
お願いいたします。
そこで、具体的な問題、先ほど最も干ばつの
被害の直接の
被害者の宮古島の代表が見えて陳情があったわけでありますが、この干ばつの問題は宮古島だけの問題ではありません。八重山、
沖繩本島、
沖繩県全体の問題でもありますので、そういう立場を踏まえて、まず申し上げたい第一点は、本土でも
集中豪雨とかによるところの
地すべり、
がけくずれ、いろいろ事件が最近多うございます。そのことを新聞、テレビで見まして気を痛めている一人でございますが、ところが
沖繩は台風のまた多い島でもあります。ところが今度は、まあわれわれがもの心覚えてからもときどき干ばつはありますが、今度のような長期の、三月から今日まで一滴も雨が降らない、
沖繩本島ではちょっとしめる
程度は降っておりますが、宮古、八重山では降らない、こういう干ばつというのは私の経験からしましても初めてでございますが、ところが、従来は台風が何回となくやってきたわけですが、その台風は何とかして来なければいいがという祈る気持ちで、台風が来ないでほしいということを願ったわけですが、ところが今度の場合には台風が来てほしい、こういう気持ちが
沖繩県民の気持ちであったわけであります。それはなぜかといいますと、台風は必ず雨が伴います。だから、雨を伴う台風ならば歓迎するんだと、こういう気持ちであります。台風もたいへんでありますけれども、しかし台風の
災害は
被害もそれなりにありますけれども、例年ありますけれども、その立ち上がりは干ばつの
被害に比較しますと早いのであります。干ばつの
被害というものは、だんだんだんだん時がたてばたつほどじり貧におちいりまして、ことしよりはむしろ来年食糧飢饉といったたいへんな、
沖繩では餓死の世の中と言うておるわけでありますが、そういうふうに、たとえば干ばつが長く続けばその間に食糧の植え
つけができない、植え
つけができないものだから来年は食糧飢饉になる、こういう形で、だんだん今度の
被害は来年に、二月からあとにだんだんあらわれて、具体的にあらわれてくるわけであります。そこに、この洪水
災害とか台風
災害とか、こうありますけれども、それにさらに輪をかけた深刻な
災害が干ばつの
災害である。しかも、世界的にもこの洪水
災害というのは、本土を含めてありますけれども、今度の干ばつ
災害というのは、おそらく他県にも、また世界的にもない、
沖繩だけにある
災害ではないだろうかと、私思っておるわけですが、そういう意味で、ぜひこの干ばつがいかに深刻なものであるか、こういうことをまず知っていただきたい、こういう認識を持っていただきたい、こういうわけで申し上げるわけでございますが、そこで、この干ばつの救援に対しましては、琉球
政府の屋良行政主席からも、すでにあの時点で、前の時点での要請が出されておりますし、また最近は琉球立法院の全会一致の決議に、与野党の一致の決議でもこの前陳情がありましたし、またきょうはその
現地の代表が訴えたわけでありますが、このように波状的にやって来ますのも、時がたてばたつほどますます深刻である、こういうふうにひとつ御理解を
お願いいたしたい、こう思います。そこで、まあ具体的にはいま
調査団が行っておられるので、帰ってこられてから対策を立てるというふうに、先ほど
大臣こうおっしゃっておられたわけでありますが、何かそのことにも非常にあせりを感ずるわけであります。もう宮古島、八重山では、きょうあすどうするかという、きょうあすの命をどうするかという水の問題、それから家畜の飼料の問題、いろいろあるわけであります。そういった深刻な問題に直面しておるがゆえに、やむにやまれず代表がかけ
つけてきておられるわけでありますが、そこで、大きく分けますと農作物対策、これが
一つ、二つはこの畜産対策、三つは給水対策、四つは緊急就労対策ですね。たとえば宮古島あたりではサトウキビが全滅いたしております。もうみんな枯れ葉になっておるわけなんです。その事態が、今度は製糖工場がありますけれども、製糖業が今度はできないわけであります。そのことが今度は換金につながるわけであります。このように輪に輪をかけて、だんだん追い込まれていくわけであります。そういうわけで、まず農民が就労の、働く
仕事がなくなってしまう。これが、いますでに御承知かと思いますが、季節労務者としてたくさんいま本土にも来ているわけでありますが、ところが、これは
沖繩のこの十二万の農民からしますと、ごく一部でありまして、その多数の農民の就労をどうするかということが、非常に大きな深刻な問題になっておるわけであります。大きく分けて、この四つの問題。
そこで、第一の農作物対策につきましては、さらに二つの内容がひそんでおります。
一つは再生産に必要な資金の問題、二つがかんがい
施設の対策の問題。そうしてこの再生産に必要な資金は、すなわち種苗、作物の苗であります。サトウキビの苗とか作物の種子ですね。種苗の購入、それから肥料の購入、それから農薬の購入、こういうものが具体的には出てまいります。次には畜産対策として、緊急対策と恒久対策の問題があるわけでありますが、その畜産緊急対策には家畜の飲料水対策、牛や馬が飲む水さえもないわけなんです。それをたとえば宮古、八重山あたりでは潮水をどぶ水で薄めて、それを飲ましておる。ところが最近、きのうきょうの話によりますと、その水さえももうなくて、牛がもう倒れていきよる、死んでいきよる、こういう状況であります。それから濃厚飼料の問題、家畜問題に対しては。それから恒久対策といたしましては、草も全部枯れはてておりますので、その草地の肥料購入の問題、それから牧草の種子の購入の問題、こういうことが具体的にいま当面の問題としてあるわけであります。このような問題が
政府あるいは
現地の代表から訴えられておるわけです。
ところが、それでは
沖繩はほんとに水がないのであるか、絶対量がないのであるか。こういう点から申し上げますと、たとえば宮古あたりは地下水はある。それで早急に十一のボーリングを打ち込みまして、それで水を吸い上げて、いまほとんどもう枯れ葉になっておりますけれども、いま青葉のものだけでも一応水をまいて生き返らせる、こういう緊急策が打たれ、
計画があるわけでありますが、これはまだ手を
つけられておらぬと思いますが、地下水は宮古にある。
今度は、この飲料水の問題は、水質源の問題は、この機会に申し上げまして、またあとで御意見をお聞かせ願いたいと思うのでありますが、
沖繩は降雨量の面からは
日本全国に比較しても多いほうなんです。二千三百ミリを上回っておるわけです。だから降雨量は多い。ところが、山が少ないために、また土地が狭いために降った水は全部そのまま海に流れてしまう。貯水
施設がないわけなんです。そこで、この琉球
政府の長期経済開発構想に基づきますと、一日に使用する水は八十一万トン要るわけなんです。ところが、現在の供給能力は三十三万トンしかございません。そうすると、あと四十八万トンを新規に開発していかなければいけないわけなんです。ここに恒久対策としての問題があるわけなんです。その多く降る絶対量の雨をどう貯水するか。いわゆるダム
工事の問題、ダム
施設の問題、それから河川をせきとめてダムをつくっていく、こういった問題が残されていて、いまや当面いますぐ
調査し、手を打たなければいけない、これは恒久
施設にはなるわけであります、こういう実情でございます。それで、現在福地川という
——大臣はまだその辺の地理的な状況おわかりじゃないと思いますが、北部のほうに福地川という大きい川がございますが、それをいま水道公社がせきとめてダム
工事を始めて、来年の六月に完成すると、こういう状況でございます。さらにそれだけでは足りませんので、北のほうの安波川と福地川、これのダム開発の
調査、今年その
調査費を計上して、そして来年から実際に
工事を着工すると、こういう
計画は御存じかと思いますが、そういうふうに
計画されておるわけでございます。ところが、最初に申し上げました福地川のダム完成は来年の六月でありますが、一応ダムとしては完成をしますが、それを那覇を
中心とするいわゆる都市部に水を引いてこなければいけませんので、それに付随するところの
トンネルあるいは管路、浄水場、こういう
施設がこれからでございます。その資金が五千万ドル、約百八十億琉球
政府から要請されておることは御承知かと思いますが、このように、一応本島における
水資源の開発につきましてはそのようにすでに
計画をなされ、具体的に実施されておる最中であるわけなんです。ところが、本島でもそういうふうにあと四百八十万トン足りないわけであります。最初は隔日でありました。あるいは、その前は時間断水でありましたが、最近では二十四時間断水、こういう状態に本島でも追い詰められておるわけです。
本島はそのような状態でありますが、さらに離島の水不足については、宮古は地下水はあると申しましたが、その地下水をどう開発していくかという、この地下水の開発の問題がある。それから簡易水道の整備の問題、それから地下水もなくて天水にたよっておる島もあるわけなんです。その天水にたよっておる島はどうしてもまた貯水タンクをつくらなければいけない。さらに宮古島の近くに池間島という島がございますが、そこは貯水タンクでは間に合いませんので、宮古島の平良市から水道管を引きまして送水しなければならない、こういう
計画もいろいろあるわけでございます。このような状況の中でたまたまにくらしい干ばつが襲うてきたわけでございます。このことは、今日よくいわれておりますとおり、このようなことは天災でなく、台風にしても、人災である。人災であるということは
政治の課題であるということになるわけでございます。どうかひとつ
——日本列島でもいろいろな問題が
建設省の課題としてもあると思いますが、さらに
沖繩には、こういった二十数年の断絶の中から、このような貧困の中で、いろいろな形で取り残された中で、その上に泣きつらにハチと申しますか、こういう形でまた干ばつもやってきた。さらに、
日本政府とされても、
建設省とされても、この問題を含めて、深刻な問題を前向きで解決していかなければいけない、こういうふうにひとつ
お願いを申し上げたい。
そこで、宮古、八重山を含めての
水資源の問題というよりも、特に宮古、八重山
地区の干ばつ
災害対策として本土
政府への援助要請額が約二億。項目は省きますが、しめて二億一千六百三十二万八千円です。先ほど私が申し上げましたように、農作物対策、畜産対策、給水対策ですね、特に宮古、八重山を含めた、この緊急対策として
日本政府に要請されておる金額が二億一千六百三十二万八千円、これだけ具体的に数字をあげて要請されておりますので、
調査団の皆さんもいろいろ具体的な内容やあるいは数字的な額も十分
現地で煮詰めてお帰りになると思いますが、それとも照らし合わせていただきまして
——これは琉球
政府からの要請
資料を私は持っておるわけでありますが、それには先ほど申し上げました給水対策費、あるいは農作物対策費としてサトウキビの種苗購入補助、あるいは肥料購入補助、あるいはパイナップルに対する肥料購入補助、あるいはバレイショの種苗購入補助、農薬購入補助、それから家畜対策としまして牧草対策、それから飼料作物及び牧草種子の購入補助、こういった項目をしめて二億一千六百三十二万八千円、こういうふうに具体的に出ておりますので、ひとつこの点よろしく
お願いいたしたい。以上がこの干ばつを
中心とする緊急対策、それから
水資源の開発という面からの恒久対策を含めて申し上げた次第であります。そのことに対して
大臣の御見解をお伺いできればと思います。