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1971-07-23 第66回国会 参議院 議院運営委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十六年七月二十三日(金曜日)    午後二時二十一分開会     —————————————    委員の異動  七月二十一日     辞任         補欠選任      中村 波男君     吉田忠三郎君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         鍋島 直紹君     理 事                 栗原 祐幸君                 藤田 正明君                 山崎 五郎君                 瀬谷 英行君                 矢山 有作君                 峯山 昭範君                 田渕 哲也君                 須藤 五郎君     委 員                 古賀雷四郎君                 柴立 芳文君                 園田 清充君                 大松 博文君                 高田 浩運君                 棚辺 四郎君                 桧垣徳太郎君                 丸茂 重貞君                 柳田桃太郎君                 小野  明君                 前川  旦君                 村田 秀三君                 吉田忠三郎君                 内田 善利君         —————        議     長  河野 謙三君        副  議  長  森 八三一君         —————    国務大臣        運 輸 大 臣  丹羽喬四郎君        自 治 大 臣  渡海元三郎君        国 務 大 臣  竹下  登君        国 務 大 臣  中村 寅太君    政府委員        内閣官房長官  三原 朝雄君        郵政政務次官   松山千恵子君    事務局側        事 務 総 長  宮坂 完孝君        事 務 次 長  岸田  実君        議 事 部 長  海保 勇三君        委 員 部 長  若江 幾造君        記 録 部 長  西村 健一君        警 務 部 長  植木 正張君        庶 務 部 長  上野山正輝君        管 理 部 長  前川  清君        渉 外 部 長  西宮 信安君    法制局側        法 制 局 長  今枝 常男君     —————————————   本日の会議に付した案件電波監理審議会委員任命同意に関する件 ○議員黒住忠行君の議員辞職勧告に関する決議案  (矢山有作君外四名発議)     —————————————
  2. 鍋島直紹

    委員長鍋島直紹君) 議院運営委員会を開会いたします。  内閣官房長官竹下登君、内閣官房長官三原朝雄君からごあいさつがございます。官房長官
  3. 竹下登

    国務大臣竹下登君) 去る五日、内閣官房長官を拝命いたしました竹下登でございます。  今日まで議院運営委員会に長らく関係を持っておりましたが、院と私ども政府連絡役を今後つとめることに相なりますので、格別の御鞭撻をお願いいたします。
  4. 鍋島直紹

  5. 三原朝雄

    政府委員三原朝雄君) 私は、竹下長官のもとで副長官をつとめております三原でございます。  ただいま長官のおことばのように、皆さん方との連絡役を仰せつかりますので、よろしくひとつお引き回しをお願いいたします。     —————————————
  6. 鍋島直紹

    委員長鍋島直紹君) 電波監理審議会委員任命同意に関する件を議題といたします。  政府委員説明を求めます。郵政政務次官松山千恵子君。
  7. 松山千惠子

    政府委員松山千恵子君) 電波監理審議会委員藤井崇治君は、六月一日辞任いたしましたが、その後任として八藤東禧君を同日付で任命いたしましたので、電波法第九十九条の三第二項の規定により、両議院の事後の同意を求めるため、本件を提出いたしました。  同君の経歴につきましては、お手元の履歴書で御承知願いたいと存じますが、公共の福祉に関し公正な判断をすることができ、広い経験と知識を有する者でありますので、電波監理審議会委員とし適任であると存じます。  何とぞ慎重御審議の上、すみやかに同意されるようお願いいたします。
  8. 鍋島直紹

    委員長鍋島直紹君) 別に御発言もなければ、ただいま説明人事案件同意を与えることに賛成諸君挙手を願います。   〔賛成者挙手
  9. 鍋島直紹

    委員長鍋島直紹君) 多数と認めます。よって本件同意を与えることに決定をいたしました。     —————————————
  10. 鍋島直紹

    委員長鍋島直紹君) 次に、議員黒住忠行君の議員辞職勧告に関する決議案議題といたします。  まず、発議者から趣旨説明を聴取いたします。  ただいま政府側出席は、運輸大臣丹羽喬四郎君、内閣官房長官竹下登君、なおほかに自治大臣渡海元三郎君、国家公安委員長中村寅太君が出席する予定でございます。  矢山君。
  11. 矢山有作

    矢山有作君 では、私のほうから議員黒住忠行君の議員辞職勧告に関する決議案提案趣旨を御説明申し上げます。  公正なる選挙によって真に民意を代表する議会を構成することは、議会制民主主義政治の基本であります。  しかるに、先般の参議院通常選挙において多くの違反が摘発されていることはまことに遺憾のきわみであります。特に議員黒住忠行君については、その立場を利用し、悪質な選挙活動を行ない、その運動員に大量の逮捕者を出し、出納責任者買収の容疑で任意取り調べを受け、その規模はかつて例を見ない未曾有の大違反事件に発展しつつある状態であります。その同君が繰り上げ当選となったことは、民主主義政治の上に消すことのできない大きな汚点を残し、国民に与えた衝撃はきわめて大きいものがあります。  こうした行為は絶対にわれわれの看過することができないところでありまして、この際、議員黒住忠行君は、その責めを負って議員の職を辞し、国民の前に陳謝の意を表すべきであると考えまして、われわれはこの勧告決議案提案をいたした次第であります。  以上で趣旨説明を終わります。
  12. 鍋島直紹

    委員長鍋島直紹君) これより質疑に入ります。なお、政府側からは運輸大臣丹羽喬四郎君、自治大臣渡海元三郎君、内閣官房長官竹下登君が出席せられております。御質疑を願います。
  13. 矢山有作

    矢山有作君 この黒住忠行君の選挙違反の問題につきましては、すでに二十日の衆議院公職選挙法改正特別調査委員会ですか、そこでわが党の西宮議員質疑に立ち、さらに二十一日には、衆議院予算委員会楢崎弥之助議員がこの問題を取り上げ、さらにきのうは、参議院予算委員会におきまして、公明党の三木君がこの問題について追及をされております。したがいまして、黒住忠行君の選挙違反実態につきましては、おそらく自治大臣も詳細に御存じのことと思うわけでありまして、こういうようなかつての高級官吏立候補し、その立場を利用してこのような大規模選挙違反を起こしたということは、私どもどうしても許すことはできませんし、さらにこうしたことを今後防いでいくためには、この時点高級公務員立候補制限というものを考えざるを得ないと思うわけでありますが、この点について自治大臣の所見をお伺いしたいと思います。
  14. 渡海元三郎

    国務大臣渡海元三郎君) いわゆる高級公務員の退職後における一定期間立候補を禁止することについては、従来からしばしば議論されたところでありますが、憲法第四十四条との関係、あるいはかりに制限するといたしましても、対象となる公務員範囲をどうするかと、法制上いろいろ困難な問題がありまして、いわゆる公務員地位利用による選挙運動規制するという姿で今日まで行なわれたところであろうと思います。今日、このような問題が起こりまして、ただいま御発言ありました趣旨もっともでございます。幸いいま第七次選挙制度審議会におきまして参議院選挙制度の根本的なあり方について御検討を願っておる際でございますので、この点も十分審議対象にしていただきまして、この結論を得て検討をさしていただきたい、かように存じておるような次第でございます。
  15. 矢山有作

    矢山有作君 公務員地位利用について規制を加えることによって、こうしたかつての高級公務員選挙違反を防ごうということは、これは実際にはもう空文化しているのじゃないかと思うのです。あの規定ができてからの公務員地位利用による選挙違反検挙状況を見ておりましても、最近非常に減ってきております。このことはあの条項を利用しての選挙違反の取り締まりがいかに困難であるか、いかに抜け道が多いか、いかに空文化されておるかということを実証しておると思うのでありまして、それだけではこれは今回のような悪質な選挙違反というものを防止することはむずかしいと思うんです。そういう前提に立ってどうしても高級公務員立候補制限というものを考えざるを得ないと思うんですが、その際、憲法との問題をしばしば持ち出されるわけでありますけれども、私は必ずしも憲法にいうところの職業選択の自由ですか、そういったものに触れるとは考えられぬのです。というのは、なぜかといいますと、これは同一に論ずることはあるいはできぬかもしれませんが、選挙権にいたしましても、満二十歳以上でなければ選挙権はない、あるいは被選挙権にいたしましても、衆議院なりあるいは県、市町村議員なり、あるいは市町村長は二十五歳以上でなければ立候補できない。あるいはまた参議院議員なり知事の場合は満三十歳以上でなければいけない、こういうような制限が付されておりますが、これらの制限というのは、やはり、先ほど言いましたように、いま提起されておる問題と全く同一には論じられないけれども選挙によって選ばれてくる人たちによって民主的な政治をやろうという立場からやむを得ずして加えた一定規制だと思うんですよね。そういう立場からものを考えるなら、高級公務員立候補によってこれだけ選挙違反が悪質化し、つまり、端的に言うならば、行政機構を背景にして、そしてまた行政機関外郭団体を利用して選挙違反をやると、こういうことが全く常習化してしまったような状態の中では、これはやはり憲法上の問題で立法措置ができないんだということでは、私は済まないと思うんですね。どうしても客観的に見て無理のないというか、合理的な判断範囲で私はやはり制限をせざるを得ない、こういうことは、これを五年も六年も、十年も立候補制限するとなるとこれは問題になると思うんですね。だから判断の基準は、高級公務員としておったことが直ちに選挙に直接的に利用し活用されない、その影響力が減殺されると考えていい期間は大体どの辺だろうかというようなことを考えながら、少なくとも期間を設定して、その間の立候補制限する、こういうことは私は踏み切っていいことじゃないか、いまの現状から考えて踏み切っていいのじゃないか、こういうふうに思っておるのですが、重ねて御見解を承りたいと思います。それが第一点。  それからもう一つは、この問題は、私の記憶では、四十年の小林章議員の例の専売ぐるみ選挙違反が問題になりましたときに、国会でその当時の橋本官房長官あるいは永山自治大臣は、この次の選挙法改正をするときには必ず高級公務員立候補制限規定を盛り込む、そういう方向でやっていきたいということを約束されたように聞いておるのです。そうすると、この約束がいつまでも実現されておらないという状態を踏まえてみますときに、先ほどの御答弁ではありませんが、またまたこの問題がただいまのおっしゃったその見解の表明だけで流されてしまうという危険を私どもは感じておるのですが、この二点についてどうでしょう。
  16. 鍋島直紹

    委員長鍋島直紹君) なお、中村国家公安委員長出席せられました。
  17. 渡海元三郎

    国務大臣渡海元三郎君) ただいまの憲法の問題でございますが、従来、議論の中にも、いま矢山委員指摘のとおりの議論も確かにありました。また、今日までの経過から見て、公務員地位利用による選挙運動規定だけでは困難ではないか、実現不可能ではないかという御議論、まことにごもっともであろうと存じます。いままでの議論されました点も十分勘案しますが、幸いにいたしまして、いま根本的な問題を取り組んでいただいております。いま第二点として問題にありました四十年の際に、当時の橋本官房長官、また永山自治大臣から次の国会で行なうということが言われたこともそのとおりでございまして、今日まで実現されておらないということはまことに遺憾でございますが、当時第三次の選挙制度審議会が近く結論を得るという段階になっておりまして、その中で答申を得、その答申を得て努力いたしたいというのでお答えしたのでないかと、こう考えますが、残念ながら第三次の選挙制度審議会では答申を得られないという状態になりまして今日まで至っております。しかし、答申を待たずしても、検討もし、努力してまいっておるのでございますが、今日まだその成案を得られないのが実情でございますが、今回、幸いにも第七次選挙制度審議会が行なわれておりますので、ただいま矢山委員の御議論のありましたような点も十分考慮して御審議を願い、ぜひとも御答申を得て検討してまいりたいと、このように考えておる次第でございます。
  18. 矢山有作

    矢山有作君 そうすると、この次の通常国会ぐらいにはこの問題を具体化されるという決意でありますか。
  19. 渡海元三郎

    国務大臣渡海元三郎君) ただいま御審議賜わっております第七次選挙制度審議会は来年一ぱいの任期になっておりまして、大きな制度の根本問題について御審議を願っております。あるいは早急必要なものだけは切り離して御答申を願えるという場合もあり得ると思いますが、そのような関係から直ちに来年の通常国会ということはここで言明しかねるのでございますが、少なくとも次期参議院選挙が行なわれるまで、通常選挙が行なわれるまでにはこの問題の解決をはかりたい、かように考えております。
  20. 矢山有作

    矢山有作君 そうすると、第七次の選挙制度審議会は根本的なものを中心にやっておるということですが、では、この問題について切り離してでも早急に結論を得るような方向選挙制度審議会答申を求めるように措置はされますか。
  21. 渡海元三郎

    国務大臣渡海元三郎君) 根本的な問題の中には全国区という制度に、ほかにもいろいろな問題点もございまして御研究、御審議をわずらわしておるという姿でございますので、それらを合わして御検討を賜わりたいと、こういうふうに考えておりますが、今日起きておりますこの問題は、必要であればいま申されましたような措置審議会としてとっていただくことも考えますけれども全国区そのものについても御検討を賜わっておりますので、合わせてぜひともこの問題御審議を賜わり、御回答を得たいと、かように考えております。
  22. 矢山有作

    矢山有作君 くどいようですけれどもね。必要であればこの問題を切り離してということなんですが、私はもうこの問題を切り離して早急にやはり結論を得なければならぬ、そういう方向でやっていただかぬといけないと思っておるのですがね。その全国区の問題について結論を出すということになるとなかなか私はむずかしいのじゃないかと、こういう感じがするわけです。ですから、その問題と切り離してでも本問題について結論を出すのだということでないと、必要であればということになりますと、あなた方が必要でないとお考えになれば一向にやられぬということになりますのでね、そこのところをはっきりしていただきたいのです。
  23. 渡海元三郎

    国務大臣渡海元三郎君) 御指摘のとおり、根本的な問題は非常に困難なる問題がございますので、あるいはその点について答申を得られないというふうなことも考えられますが、そういうふうな場合におきましてはおそらく審議会方たちもこの面だけはぜひとも実現すべきであると、こういうふうな御回答を得られるものと私は考えており、そのようなまあ御審議を進めていただきたいと思っておりますが、少なくとも次期通常国会には根本的問題ができないときにはこの問題についての何ぶんの措置の御回答をいただく、こういうふうな姿で進めていただきたい、かように考えております。
  24. 矢山有作

    矢山有作君 次期通常国会には間に合わぬと先ほどおっしゃったんじゃないですかね。
  25. 渡海元三郎

    国務大臣渡海元三郎君) 間違いました。次期通常選挙までには、任期が来年一ぱいございますものでございますから、その間に御検討願うということになっておりますので、次期通常国会ということにはなりかねますが、次の通常選挙までには任期をも考えまして、これは間に合うと思いますので、その際に根本的な問題が解決できないという姿でございましたら、切り離してでも御検討願いたいということで進めていただきたいと考えております。
  26. 矢山有作

    矢山有作君 それではこういうふうに確認していいですね。根本的な問題について結論が得られない場合には、高級公務員立候補制限についてだけ切り離してでも結論を得るように措置されると、こう解釈していいですね。
  27. 渡海元三郎

    国務大臣渡海元三郎君) 審議会に御審議願うのに、そういうふうに持っていきたいと思います。
  28. 矢山有作

    矢山有作君 では、次は国家公安委員長にお伺いしたいんですが、われわれいままでの衆参両院質疑を通じて、大体黒住派選挙違反実態というのは新聞紙上では承知しております。しかしながら、論議の都合がありますので、この際黒住派選挙違反実態というものを御説明をいただきたいと存じます。
  29. 中村寅太

    国務大臣中村寅太君) 黒住派選挙違反につきましては、目下捜査を進めております段階でございまして、せっかくの要求でございますが、この時点で内容を御報告いたしますことは差し控えさせていただきたいと思います。
  30. 矢山有作

    矢山有作君 新聞でそれぞれ買収資金がどの程度逮捕者が何人、買収範囲がどの程度とか、一々かなり詳細に出ておりますし、国会論議の場を通じて一応明確になっておるものもあるわけですね。そういう状態の中で、なぜここでいまのようなすげない御答弁になるのですか。何も一向にその実態をあかさないで、いま捜査中ですから何も言えぬとおっしゃるんでは論議にならぬ。私ども捜査の妨げになるようなところまで問題を聞こうとしておるわけじゃないんですね。たとえば、だれとだれとをつかまえたと、一々人名をあげて言ってくれと言っておるんならあるいはいろいろな問題があるかもしれませんよ。その点は私ども配慮しています。ところが、いま逮捕者何人あるんですとか、取り調べたのは何人程度取り調べましたとか、違反範囲は大体どの程度に及んでおりますとか、それくらいのことは別に捜査上差しつかえも何もないでしょう。新聞紙上でほかの人のほうがよく知っておる。われわれにはさっぱり知らせぬということですか、公式の場では。
  31. 中村寅太

    国務大臣中村寅太君) 新聞にいろいろ出ておりますのは、新聞記者諸君の取材によって得られたものでございまして、これが全部警察当局捜査実態と合っておるというわけのものでもございません。私らは選挙違反に対しましては、すべての案件に公平に厳正に対処しておりますので、捜査が進められております過程の中ではいろいろやはり差しつかえもございますし、特定の人だけのものをここで申し上げるということは遠慮させていただきたい、こう御了解いただきたいと思っておるわけでございます。
  32. 矢山有作

    矢山有作君 いま特に問題になっておる黒住派選挙違反の問題についてお尋ねしておるときに、現在の逮捕者の人数を言っていただくぐらいのことが、捜査の公平、厳正をそこなうことになりますか。私どもは、捜査の公平、厳正を期してもらわなければならぬのはこれはあたりまえの話で、あなたからいまさらそんな話を聞くことがおかしい、公正、厳正立場でやっておられると信じておりますので、その公正、厳正立場でやっておられて一体逮捕者はどのくらい出ておるんですかと言っているんです。
  33. 中村寅太

    国務大臣中村寅太君) 黒住派のほうは、きのうの予算委員会でも申し上げましたように、五十名、これは七月二十一日現在だと考えておりますが、五十人というものが出ております。
  34. 矢山有作

    矢山有作君 どうせ国家公安委員長ね、このくらいのこと言わなければならぬのだから時間をかけないで、言って差しつかえないことはどんどん言ってもらったほうが審議を進めるのに時間かからぬでいいと思うのですよ。  じゃあ次にお伺いいたしますが、この五十名ほどの者が逮捕されておるようですが、この中で旧運輸省につとめておったお役人は大体何人おられますか。これも出ておるはずですよ。
  35. 中村寅太

    国務大臣中村寅太君) 五十名の中に前に運輸省につとめておった人は何人おるかということはちょっとわかりません。
  36. 矢山有作

    矢山有作君 そんなことないでしょう。国家公安委員長、きのうあなた予算委員会に出ておらなかったのですか。
  37. 中村寅太

    国務大臣中村寅太君) 出ておりました。
  38. 矢山有作

    矢山有作君 出ておったんでしょう。出ておったのならそれがわからぬことないでしょう。何人旧運輸省官僚がおったんですか。あなた公明党から指摘されて……。
  39. 中村寅太

    国務大臣中村寅太君) はっきりきちっとした数字をつかんでおりませんが、十八人ぐらいじゃなかったかと記憶しております。きのうの予算委員会で答えたのがたしかそのくらいであったと存じております。
  40. 矢山有作

    矢山有作君 どうも話がはかどらぬですね。私のほうから言うからあと追認された形になったわけですが、じゃあきのうの予算委員会議員の側から指摘された十八名という数字は正しい数字なんですね。
  41. 中村寅太

    国務大臣中村寅太君) 二十一日現在の数字であったかと記憶しております。
  42. 小野明

    小野明君 関連。これだけ悪質な選挙違反逮捕者も五十名を出ておるというのですが、出納責任者については任意取り調べということですが、それは事実ですか、公安委員長
  43. 中村寅太

    国務大臣中村寅太君) 取り調べております内情を申し上げることは、まだ捜査が進められておる途中でございますので、いろいろ差し控えたほうがよろしいと考えますので、せっかくの御要求でございますけれども、申し上げることをはばからせていただきたいと思います。
  44. 小野明

    小野明君 おかしいじゃないですか。これだけ悪質で、五十名も逮捕されておって、国民注視の的にある黒住派選挙違反出納責任者をどうして逮捕しないのですか。故意に泳がせておいて、そしてもみ消しの期間、あるいは理由をつくる、こういうふうに非難をされてもしかたがないじゃないですか。どうして出納責任者を逮捕しないのですか。あるいはまたどうして……、本人は取り調べておるのかおらぬのか。この点、二点をひとつお答えいただきたいと思う。
  45. 中村寅太

    国務大臣中村寅太君) いま逮捕されていない人は、いまの時点におきましては違反とつながっておるというような証拠がつかめてないものだと考えておるわけであります。
  46. 矢山有作

    矢山有作君 それでは次に質問を移しますが、この十八名の逮捕された元運輸省役人は大体ほとんど全部運輸省外郭団体に天下っておる人たちですね。そういうふうに私は先日来の国会論議を見ておって感じておるのですが、どうなんです。
  47. 中村寅太

    国務大臣中村寅太君) 警察の調べといたしましては、それが直接犯罪等関係のある者はいろいろ調べておると思いますが、そこまで取り調べの対象がはっきりしておらぬと思いますので、いま何人が関係しておったということは申し上げにくいと思います。
  48. 矢山有作

    矢山有作君 それは全くコンニャク問答どころの話ではない。話にならぬなあ、この人は。これは説明員でも連れてこなければさっぱり話になりませんよ。これは国家公安委員長警察が逮捕して取り調べておるのですよ、十八名というのは。この人がどういう地位、身分の者か、どういう団体の所属であるか、そんなものを全然知らずに調べるなんていうことないですよ。これは電話をかけて聞いてごらんなさいよ、警察庁に。そんなばかな話がどこにあるものですか。必ず逮捕したら、おまえさんはどこのだれべえだか、必ず一番初めにそれを確認するのですよ。それを国家公安委員長が全然知らないというのじゃ仕事になりませんよ。
  49. 中村寅太

    国務大臣中村寅太君) 矢山委員に対してははなはだ申しわけありませんが、いまこの捜査の進行中といいますか、進めております途中でございますので、いろいろやはり内容がわかるようなことを申し上げることは、やはり取り締まりの進め方にいろいろ支障が起こってくると思いますので、御容赦願いたいと、こう申し上げておるのであります。
  50. 矢山有作

    矢山有作君 それは国家公安委員長、おかしいですよ。そんなあなたばかな話はないでしょう。たとえば、きのうあなた予算委員会ではっきり指摘されたのでしょう。逮捕された者の所属団体、役職名、氏名、年齢、最終の官署、退官年月日、それまでずっと指摘されてきたわけでしょう。それを全面的に否定なさったのですか。それくらいのことが何で捜査に差しつかえがあるのですか。たとえば、蜂須賀国雄、この人が日本バス協会の理事長をやっておる、前には運輸省の観光部長をやっておった、四十四年五月一日に退職した、このことを明らかにすることがどういうように捜査上に支障があるんですか。捜査上に支障ないでしょう、こんなことを明らかにしても。そういうような秘密主義をとるところがおかしいんですよ。こんなことを出しても別にどうということないでしょう。なぜそれが言えないんですか。それはあなた、警察当局運輸省と結託して隠しているといわれてもしかたないでしょう。こんなことどうして言えないんですか。
  51. 中村寅太

    国務大臣中村寅太君) 取り調べております対象の人の名前とか、いろいろ表に警察当局といたしましては今日の時点で発表いたしますことは、捜査の進め方に非常に支障が起こるということはこれはあり得ると思います。そこでここでは申し上げかねる次第でございます。
  52. 矢山有作

    矢山有作君 あなた方は議員のほうからこうだこうだと指摘されても、それを認めることすらしないで、コンニャク問答を繰り返しておる。責任のがれでしょう。どうしていまの出身なり地位、身分を明らかにすることが捜査に差しつかえるんですか。その理由を言ってください。はっきりわかっているじゃありませんか、蜂須賀国雄というのは、日本バス協会の理事長だ、みんな知っているでしょう。それになる前は最後は運輸省の観光部長でやめたんだというのはみんな知っているでしょう。どうしてそれがあかせないんですか。それを言うとどうして捜査に支障があるんですか。徹底的な警察の秘密主義じゃないですか、捜査当局の。
  53. 中村寅太

    国務大臣中村寅太君) 警察といたしましては名前を発表したことはございません。
  54. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 こういうことをやっていたんじゃ、それは罰が重いか軽いかという判断をするのにある程度輪郭を明らかにしなければならぬわけでしょう。もうすでに黒住議員については大量の選挙違反が出ているということは国民が周知しているのですよ。新聞にも相当載っているのです。いままでの予算委員会をはじめとする各委員会でこれだけ明らかになっているのを知らぬ存ぜぬでもってしらばっくれるということになると、国家公安委員長黒住派違反事件についてはひた隠しに隠していこうとするのじゃないか、こういうふうに見られてもしようがないでしょう。そういうことが一体許されるのですか。われわれはここでもって決議案を出しているのです。決議案を出して趣旨説明をやって、こういう理由でという話をしているときに、国家公安委員長が、何人逮捕されて、どういう内容かということすら言えないというんじゃ、黙ってて目つぶってくれというのと同じことですよ。それじゃ、ちょっとひど過ぎるのじゃないですか。
  55. 中村寅太

    国務大臣中村寅太君) 選挙違反は、警察当局捜査をいたしまして、そうして犯罪の有無を調べる。そうしてそれぞれの手続をとって法的に犯罪のあるかないか、どういう程度の犯罪かということを決定するものでございます。その第一歩に責任を持っております警察当局が、途中で犯罪の情勢を報告するということは、これは私はやはりはばからしでいただきたい、御理解いただけるものと信じるのであります。
  56. 矢山有作

    矢山有作君 国家公安委員長、ばかなこと言いなさんな、あんた。大体警察自体が逮捕してきたり、いろいろの事件の進展の度合いに応じて新聞記者発表をやっておるのでしょう。これが現実でしょうが。新聞社が全然警察と無関係に、警察の発表なしに——、これはスクープした記事じゃないですよ。警察当局はその捜査段階に応じて新聞記者発表やっているでしょう。それに基づいて新聞社が取り上げて報道しておるのでしょう。それ以外にあるいは新聞社自体がスクープしたものがあるかもしれません。しかしながら、警察はみずから発表していると、これがあるのでしょう。その分までなぜここで言えないのですか。あなたとコンニャク問答をやったってしようがないから官房長官に聞きますが、あなたは、きょうは総理大臣の出席はできないということで代理に来られたと私は理解しているわけです。そうするならば、いまの問答を聞いておられておわかりいただけると思うのですが、こういうようにいままさに世論の中心、批判の中心になっているこの黒住忠行議員の悪質な選挙違反の問題について、警察当局がこれまで新聞発表を通じて明らかにしている事実すら国家公安委員長はこの場でものを言おうとしない、それを正しいと思われますか、どうですか。
  57. 竹下登

    国務大臣竹下登君) ただいまの国家公安委員長の御答弁、私も聞いておりますが、捜査段階において軽々に発表すべきものではないという意見は、私としてもこれを支持するものであります。
  58. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 捜査段階で発表すべきじゃないと、つまり捜査の過程でもっていろいろなことを発表したくないということはそれはわかる。ただ、われわれが聞いているのは、いままで部外に一切発表していないようなそういう刑事問題の事こまかな内容について聞いているんじゃないのです。すでに世間に発表されている、警察でも発表しているそういう問題をもう一度国会の場でもって確認する、その前提に立ってこれからこの黒住議員の問題についてわれわれも意見を述べようとしているわけです。それがいまのお話だと、何か全然発表していないことをわれわれが聞き出そうとしているかのように言っているけれども、そんなことを言うと、いままでテレビなり新聞なりに発表されたことは、警察が一切発表していないことをこっそり行って、秘密の書類をめくって盗み出してきたようにしか思えない。おそらくそんなことはないでしょう。新聞発表しているんでしょう。発表して差しつかえない程度のものは発表されている。われわれも一体何人くらい逮捕されているのか。内容はどういうことか。逮捕された人たちの身分はどういうことかといったような、要するに輪郭だけでもつかもうとしているわけです。その捜査の過程で金銭の授受はどのぐらいだとかどういうやりとりがあったとか、そんなことを聞こうとしているわけじゃない。選挙終わってからもう一カ月たつんですからね。捜査の過程でもって発表できませんと、そういう言い方をするならば、これは、ほとぼりがさめて次の選挙が始まるころになってでないと発表できないということになるんじゃないですか。そういう言い方をするなら、犯人をかばおうとしているものだというふうに見られてもしようがないでしょう。これはどうなんでしょう、黒住さんだけの問題じゃない。私はこの村上孝太郎さんにしても、梶木さんにしても、自民党の高級公務員から今度当選をした人については、たくさんの選挙違反者がある。それはもう何十だか何百だか数え切れないほどある。これは問題だからそういう点を全部逐一発表してもらいたいと思うんです。ところが黒住さんの問題でもってこれほどはっきりしているにもかかわらず、それすらも言えないということになると、審議をするのに非常に差しつかえがある。何もこまかいことを聞こうとしているんじゃないですから。われわれがいままで聞いていることは、聞くほうが少し行き過ぎだというふうに言われるならともかく、おそらくだれもいままで聞いていることはちっとも行き過ぎだと思っていないと思うんです。もし行き過ぎだと言うならば、それを指摘してください、抽象的なことばじゃなくて。
  59. 中村寅太

    国務大臣中村寅太君) この選挙違反というのを、有罪か無罪かがはっきりするまでは、これを未然に捜査当局が発表するというようなことは、個人のやはり名誉を傷つけたりあるいは権利を侵害するというのが私は問題だと思います。警察当局といたしましては、捜査をして、それが犯罪であると見れば、これをそれぞれの筋に乗せて、有罪という決定をすれば、そのときにはそれはおのずから世間に発表される。その途中で、私は警察当局としてまだ有罪か無罪かもわからないものを、皆さん方からのせっかくの要請でございますけれども、これをこの時点で発表するということは、はばからしでいただきたいということを御理解いただくようにお願い申し上げるのでございます。
  60. 矢山有作

    矢山有作君 あんたよっぽどどうかしているね、全く。あのね、逮捕されたら被疑者になるんですよ。被疑者になったら、新聞発表はね、君もさんもつかないんだ、呼び捨てですわ。たとえば黒住忠行、こういうふうになるわけだ。そうでなしに、任意同行を求めて取り調べ中という場合、参考人という場合は、黒住忠行君あるいは黒住忠行さんと、こうなるんです、新聞発表というのは。黒住忠行、蜂須賀国雄、こういうふうに呼び捨てにして発表されだしたら、逮捕され明確に被疑者として扱われているからやられているんでしょう。それを知っていますか。あんた、それも知らぬですか。
  61. 中村寅太

    国務大臣中村寅太君) 警察は、疑いのある者はやはり逮捕して捜査をしておりますが、それはどこまでも犯罪を犯したという疑いを持つから逮捕して調べておるのでありまして、これが完全に有罪であるかということは、これはやはりそれぞれの道を通さないと、私はこの段階で特定の人の選挙違反というものをただ公表するということは……。これはやはり皆さん方私は理解していただけるんだと思うのです。
  62. 矢山有作

    矢山有作君 そんなのは理解できやしない。あなたとこれをやっておったって、とてもじゃないが、貝が口を閉じたようなもので、こじあけてもあきそうもないから、もうこれはやりませんがね。しかし、これだけはいままで明らかになっているわけでしょう。五十人からの逮捕者が出た、しかもそれは全国的な規模にわたっておる。そのうち十八人は、元運輸省の官僚である、そしてそれらはほとんどが運輸省外郭団体の事務局長であるとか理事長であるとか専務理事とかいうような重要な位置に天下っておった諸君である、これはもうはっきりしているわけですよ、いままでの捜査の過程で新聞で詳しく報ぜられておるところがら。そこで言えることは、黒住派選挙違反というのは、行政機関、そして外郭団体、これが中心になって上から下へ押えつけて、企業までを強制して選挙違反をやらした、こういう選挙の図式になっておるんです。したがって、そこに国民の批判が集まるということを自覚をしていただきたい。あなたは、そういうふうに新聞を見て感じ取れませんか。あなた毎日、新聞読んでいるんでしょうね。あの新聞を読んだ中で、私のいま言ったような感じを持ちませんか。
  63. 中村寅太

    国務大臣中村寅太君) 警察が取り調べをいたしておりますのは、矢山委員が仰せられるようなことがあるかないかを確かめておるのでございます。全然そういうことを否定しておるものじゃございません。
  64. 矢山有作

    矢山有作君 だから私は、警察は取り調べの途中にあたって、いま私が要約して申し上げたようなことを、新聞を通じて、ずっと連日のように発表しておる。その発表をごらんになって、私がいま言ったような感じをお受けになりませんかと言うのです。もう一ぺん言いましょうか。行政機関外郭団体が中心になって選挙違反をやった。そして企業に対して選挙違反を押しつけるような形でやった。これが黒住派選挙違反実態である。そういうふうにお感じになりませんかと言うのです。
  65. 中村寅太

    国務大臣中村寅太君) そういうことがあるかないかを、それぞれの職責で確かめておるのでございます。
  66. 矢山有作

    矢山有作君 私は大臣との問答をやっておりまして、これが日本の政治家だと、まことにあいた口がふさがりません。日本の政治家というものは、もう少し良識を持って言動のできるものだろうと私は思っておる。まして、中村国家公安委員長は、国家公安委員長という重責をになっておる人だから、もう少し現在の世論の沸騰の状態を考えたら、まともな答弁ができるだろうと思って、期待しておりましたが、いまの答弁を聞いていると、まさに佐藤内閣の閣僚諸君というのは、あなたに限って言うならば、地に落ちたという感じがいたします。ほかの閣僚諸君がどうかは、これから論議をしてみなければわかりませんが、まことに残念であります。  次に、運輸省の現職幹部の地位利用という問題は、全然御心配ありませんか。これはすでに二十日、二十一日の衆参の両院の審議で事実が指摘をされておりますが、その事実の指摘を受けて、警察当局はどういう態度をとっておりますか。いままで、私の質問に対して、すべてを包み隠そうとしたと同様に、国会運輸省官僚地位利用の事実が指摘をされても、ほおかぶりをして通そうとしておるんですか。それでも、指摘された事実に対し真剣な調査をやろうとしておるんですか、どうなんですか。
  67. 中村寅太

    国務大臣中村寅太君) いろいろ選挙違反行為があるかないかということを厳重に取り調べておる途中でございます。その取り調べておる要素の中には、いま矢山委員が仰せられるような要素も含んでおるということを御了解願いたいと思います。
  68. 矢山有作

    矢山有作君 じゃあね、先日来指摘された事実において、捜査当局は、これをいまの御答弁で推察するならば、調査をしておられるだろうと思います。そこで、私は新しい事実を御指摘申し上げておきますから、真剣に調査をやっていただきたいと思います。  黒住忠行議員が退職をしたのは、たしか昨年の六月十九日であります。そこで、昨年の六月十日に、日本青年館で、日本バス協会の定期総会が行なわれました。その際に、当時の橋本運輸大臣がそこに出席をされておったということであります。そしてこういうことを言われたということが言われております。橋本さんが来られてそれらしいこと——それらしいことというのは、黒住忠行氏が参議院選挙に出馬することの意味であります——それらしいことを言われたので、黒住さんが出馬されるなら推薦しようということになったと、黒住会の会計担当者でバス協会の専務理事をやっておる沢辺正明、これはたしか逮捕されておるはずです。それが言明をしておるということを聞いております。これがもし事実であるとするならば、現職大臣がその地位を利用した悪質な事前運動であります。したがって、これは私は見のがすことのできない重大問題であろうと思いますので、この事実を私は指摘をしておきますから、十分な御調査を願いたいし、また、これを運輸省当局なり、あるいは警察当局がいささかでも知っておられるならば知っておられるで、そういうふうに言っていただきたいし、いかがでしょうか。
  69. 中村寅太

    国務大臣中村寅太君) 矢山委員の御指摘になりましたことがあるかどうかということは、さっそく取り調べをいたします。
  70. 矢山有作

    矢山有作君 次に移りますが、黒住派選挙運動というのは、私はきわめて悪質だと思うのです。その悪質だというのは、先ほど指摘しましたように、行政機関なり外郭団体を通じて上から下へと選挙運動を展開し、その中で、いわゆる行政権力を背景にしながら企業にまで選挙協力を押しつけ、選挙違反を強制したといいますか、そういう姿が出ておるんですが、そればかりでなしに、いろいろと指摘されておるところによりますというと、選挙運動資金までもそういう外郭団体から集めて黒住会という後援団体に吸い上げ、これをさらに逆に選挙運動資金として下部に流しておるようであります。この事実は国家公安委員長御存じでありますか。
  71. 中村寅太

    国務大臣中村寅太君) 私は内容を詳しく承知いたしませんけれども、そういうことも捜査の対称になっておるということでございます。
  72. 矢山有作

    矢山有作君 まあしっかり捜査されるのですな。こういうことを考えてみると、私は先ほど言いました黒住派選挙違反というのは言語道断といっていいほど悪質なやり方をやっておると言わざるを得ないと思います。  そこで、私はひとつ観点を変えて運輸大臣にお伺いしたいのですが、無許可のままでバス路線の休廃止をするということが許されるのか許されぬのか、ひとつお伺いをしておきたいのであります。
  73. 丹羽喬四郎

    国務大臣丹羽喬四郎君) 運輸大臣の丹羽喬四郎でございます。  ただいまの矢山委員からの御質問でございますが、無許可のままで休廃止をすることは法律上許されておりません。
  74. 矢山有作

    矢山有作君 もう一つお伺いします。  たとえば、私鉄バス企業で争議があった。争議解決の際には、会社は私はすみやかに所定のダイヤに復元をする義務があると考えておりますが、この点は間違いでありましょうか。
  75. 丹羽喬四郎

    国務大臣丹羽喬四郎君) 早期開設ですか。
  76. 矢山有作

    矢山有作君 早期回復、つまりね、争議をやりますとどうしてもストライキが伴いますから、バスの運行が減ったりあるいは全面的になくなりますね。争議が解決すれば全面的に復元をするというのが筋でしょうと、こういうふうに考えてよろしいかというのです。
  77. 丹羽喬四郎

    国務大臣丹羽喬四郎君) そうだと思います。
  78. 矢山有作

    矢山有作君 そうですね。  そこで、私ははひとつこういう事実を御指摘を申し上げておきたいのです。  昨年の十月十三日に、岡山にある私鉄ですが、中鉄バス会社というのがあります。ところが、争議解決をした時点で、会社側は、新聞紙上を通じて、争議によって迷惑をかけた、ダイヤ復元には四、五日を要する、四、五日たったらダイヤを復元しますからということで、利用者に対して発表いたしました。ところが、その実はダイヤの復元をやらないで、逆にダイヤを復元しないでおいて従業員に退職を強要してまいりました。地域の住民は長い間争議が行なわれ、しかも争議が終わった段階でもダイヤが復元しないということでたいへんな不便を感じた。そこで、昨年の十月二十七日と十一月の十六日の再度にわたって、岡山陸運事務所を通じて広島陸運局長に対して、無許可のままでダイヤを休廃止しているということは道路運送法違反であるのですみやかに善処方を要望いたしました。ところがこれに対して広島陸運局長からの回答は、指摘のとおり道路運送法違反であるが、処罰については上司から指示がない。当面、ダイヤ復元を最優先に取り扱い、利用者の利便をはかりたいという回答のみで、何ら事態が改善されなかったのであります。そこでこの間、憤慨、憤激した利用者が昨年の十一月二十五日に中鉄バスと同社長の藤田氏を、無許可間引き運転や路線休止は道路運送法違反であるとして告発をいたしました。最近有罪判決が出たんです。ざっとこういう状況です。ところがそういう状況の中で、去る六月二日、去る六月二日です、中鉄バス申請のバス路線休廃止を認可したわけです。これは私は少しおかしいんじゃないか。どういうふうにお考えですか。
  79. 丹羽喬四郎

    国務大臣丹羽喬四郎君) ただいまの矢山委員の御質問でございますが、私問いただしましたところ、この問題は陸運局としては早期に復元をしろということを強く指導していたようです。指導していて、一部はこれが復活をしたということに聞いております。しかし、どうしても営業上採算がとれぬというものがありまして休止路線のことを、復活したものを除きまして申し出て、たしかその路線のうちの一部は、復活したほかの路線も含めましてそれで休止を申請したと、それに対しまして承認した、こういうふうに調べましたところ承知しております。
  80. 矢山有作

    矢山有作君 もっともらしいことをおっしゃいますけれどもね、昨年の争議が妥結したのが十月半ば前ですね。それからずっと無許可で運行してないんですよ。いわゆる事実上路線休廃止をやっておるわけですね。その当時から問題になっておったわけですよ。そうすれば、その時点で運行をさせるように努力をしたとおっしゃるけれども、陸運局の言うことなんかは耳を傾けなかったわけですね、会社当局は、全然。それで六月二日になってバス路線の休廃止の申請を認可しておる。これは、筋として言うならば、無許可で運行をやっておらないんだからそれに対する処置をきちっとやるべきで、それが筋じゃありませんか。こういうやり方をやると、会社は脱法行為をやっておる。無許可で路線運行をやらない、それをあとで追認をして合法化したことになるでしょう。これでは陸運行政とバス路線、バス業者が結託したと言われてもしかたがないんじゃないですか、どうですか。
  81. 丹羽喬四郎

    国務大臣丹羽喬四郎君) 一応矢山委員からの御疑問の御提出ごもっともだと思う次第でございますが、陸運当局はバス路線の再開を強く指導する、そのほうが住民のためになるということでやったというふうに私承知しておる次第でございます。しかもそのバス路線の再開も一部はこれを復活した、実現を見たということでございます。
  82. 矢山有作

    矢山有作君 バス路線の復活を幾ら指導しても、半年以上にわたって馬の耳に念仏でほとんど聞かなかったんでしょう。多少ふやした、ふやしたと言いますけれども、それはなるほど多少はふやしました。それはふやさぬことには会社は仕事になりませんからね。会社の仕事になる、つまりもうけの範囲内でふやしただけであって全面復元はやらないわけですよ。運輸行政上の指示というのはまるで馬の耳に念仏で聞いてもらえなかったわけですよ。私も陸運局長に何べんも言いました。何とかしたいと、話をしております。それだけの話。これで指導になるんですかね。半年もそれ以上も指導をして聞かない場合には一体どうするのか。そのために道路運送法があってそれに対する処置がきめてあるんでしょう。なぜその処置をとらせない。そういうような甘っちょろい陸運行政をやっているから、今度の黒住の選挙違反の問題についても地元では大きな疑惑が起こっておる。どういう疑惑かというと、黒住さんが退職をされる前後に広島の陸運局長がかわりました。この陸運局長の更迭はいままでの例から見て、これは普通のやり方ではない。これは黒住選挙を意識して、岡山県というのは広島陸運局の管内です。そうして岡山県は黒住の地元であります。そこでそういうような選挙人事をやったのであろうというのが地元のもっぱらのうわさであります。そういううわさを聞きながら中鉄バスのやり方、それに対応する広島陸運局のやり方を見ていると、私どもはなるほどなと言わざるを得なくなるのです。そういうような国民に疑惑を持たせるような陸運行政をやりつつある中で、このようなかつての自動車局長黒住君のとんでもない違反事件が起きておるということの現実をあなたはどう認識するのですか。運輸行政に対する国民の信頼をどう取り返すのですか。運輸行政に対する国民の信頼を取り返すために運輸省として考えなければならないことがたくさんある。黒住忠行君は運輸省の元高級役人だった。しかも運輸省のかつての元高級官僚が外郭団体の幹部に天下りをして黒住忠行君の選挙運動を総ぐるみでやっている。その中でばく大な違反が出る。しかもそれは指摘されているように現職の運輸省官吏に及ぶかもしれない。こういう状態の中であなたはどうして運輸省の中の姿勢を正し、運輸行政への国民の信頼を回復しようとするのか、決意が聞きたい。
  83. 丹羽喬四郎

    国務大臣丹羽喬四郎君) ただいまの御質問でございますが、黒住氏自身が現実の問題といたしまして違反に関与しておるかどうか、またそういったことに関係があるかどうかということはまだ私ども聞いていない次第でございますが、少なくとも運輸省といたしましては、監督しているところの団体から伝えられるような違反者はと申しますか、容疑者を出しておりますことはまことに遺憾に存じておる次第でございます。申し上げるまでもなく、あらゆる問題につきまして運輸行政はほんとうに国民生活に密着した行政でございます。でございますので、いやしくも世の非難を受けないように、そうしてまた、いろいろの点におきまして疑いを受けないよう、公正な清潔な立場でこれから臨むことが一番必要であると思っておる次第であります。  先般佐藤第三次内閣が発足をしました。初めての閣議におきましても綱紀粛正を強く総理が取り上げまして、私どももたまたまそのとき起こりました交通の大惨事のあとでございましたので、交通の安全確保と綱紀粛正は一番運輸行政の根本であるということを省員一同にも強く要望した次第でありまして、将来ともそういった国民のいささかの疑惑を持たないというような姿勢で臨みたい、こう思っておるわけであります。
  84. 矢山有作

    矢山有作君 官房長官ね、一つお伺いしますが、朝日ジャーナル七月十六日の発行した分ですが、これに和歌山市の地方公務員、五十五歳として、和田誠一郎、これははっきり名前を書いて投書が載っておりますが、これを参考のため一ぺん読んでみましょうか。前のほうは略します。「一年前、県の出先である私の職場へ、県の部長をしたがえて退官挨拶に来たとき、関係課員を一室に集め「諸君を永久に親友と思っている」といい、ひとりひとりに握手して回ったものだ。」これはだれかというと、参議院選挙に出馬するということが言われておる高級官僚出身のA氏の場合となっております。「公示日が迫ったある日、課長から町別の集票目標数と、担当責任者の割当てを告げられ、「選挙運動の目的は、当選する、しないにかかわらず、集票成績をあげることによって、われわれの仕事がやりやすくなることだ」といわれた。このことの違法性をついて抗議する私には取りあわず、おおっぴらに公用車で、公務出張の名目で、飛回る課長や同僚の破廉恥に居たたまれぬ日々を過ごしてきた。」あと略しますが、こういう投書が載っております。そして彼はこういうことも言っておりますね、「公務員精神のマヒと奴隷根性のびまんは、今や県職員全体をおおっている。」こういうふうに言っております。私は今度の黒住忠行議員選挙違反だけでなしに、新しく全国区に出て当選された黒住さん以外の、六人の皆さんも同じような行政機関なり、外郭団体を背景にした選挙違反が大なり小なり摘発されているわけです。まさに私は国民の感方はこういうことだと思うのですね。私自身がかつて市会議員をやっておりましたときに、いま参議院をやめられました某参議院議員、その人が最初に参議院選挙に出馬されたとき当選されました。それで私はさっそく土地改良事業の問題で陳情に行きましたが、その人がやおら机の引き出しをあけて、ぺらぺらと各市町村の自分の得票数を調べ、「ああ、矢山君、津山市はおれに票が来ておらぬなあ、」こうおっしゃる。こういう私の深刻な体験からして、いわゆる高級官僚というのは行政権力をそのまま使って、そうして選挙活動をやっているんですね、私自身の体験からして。この投書を読んだって、なるほどいまだにやっておるわい、こう思った。こういうことは、官房長官、綱紀粛正を言われるのなら、この辺からまずやるということも必要なんじゃないでしょうか。総理大臣以下、各閣僚が姿勢を正すことと同時に、選挙で当選をしてくる与党の国会議員諸君、その中にはやがて大臣になっていく、政務次官になっていくんでしょうから、そうすると、こういう選挙のあり方から姿勢を正さなきゃいけないんじゃないでしょうか。どうでしょうか。
  85. 竹下登

    国務大臣竹下登君) 朝日ジャーナルの投書は不幸にして私は目を通しておりませんが、いま、矢山さんのお読みになった限りにおいて、私なりの印象としては受けとめるものはございます。が、いずれにいたしましても、選挙違反容疑そのものの問題は別として、選挙運動そのもののとらえ方が行政官庁、あるいは団体または業界との癒着という形での印象を与えることそのものも私は慎むべきことであると思います。  さらに、ただいま御指摘の綱紀粛正の問題につきましては、先ほど運輸大臣のお答えにもございましたが、私ども閣僚みずからが、兼職禁止等々をはじめとしてそのえりを正すとともに、その姿勢が全行政機関公務員に伝わり、絶えずきびしい監視と、またみずからに対するきびしさを持ち続けていかなければならないと、まことに一般論でありますが、私の感想をすなおに申し述べさしていただきます。
  86. 矢山有作

    矢山有作君 そのすなおな感想をお聞きしたところで、もう一つお尋ねしますので、すなおに答えていただきたいんですが、先ほど言いましたように、あなたは、総理大臣の代理としてきょう出席されたわけであります。したがって、いまの内閣総理大臣というのは、同時に自民党の総裁でもあるわけですから、そういう立場からして、自民党公認候補であります、黒住忠行議員は。そこでこの黒住忠行議員をこのままの状態で置いていいとお考えになりますか。私は、先ほどすなおにおっしゃったものの考え方からするならば、自民党としてはこういう議員はみずから進んで排除されてしかるべきじゃないかと思うんですが、お気持ちはいかがですか。これ、すなおにひとつお答え願いたい。
  87. 竹下登

    国務大臣竹下登君) この問題につきましては、去る衆議院本会議における勝澤芳雄君の質問に対する答弁、また、昨日の予算委員会における三木忠雄君の質問に対する総理答弁等を一応準備しておきました。が、総裁の代理というわけには、本日、私はまいりませんが、総理がお答えいたしましておるとおり、自分はこれを公認したそれなりの責任は感じておる。が、しかし、今日の段階で自分のほうで何らかの措置をするというのは時期が適当でないと思う。したがって、国会議員でありますからみずからの措置というものについては十分見識もあることであるし、私自身が干渉すべき問題ではなさそうに思う、という答弁書を朗読いたしまして、お答えにかえさせていただきます。(「見識がないから問題じゃないのか」と呼ぶ者あり)
  88. 矢山有作

    矢山有作君 おことばでありますが、そこでだれかが不規則発言で言われましたが、国会議員としての見識がないからあれだけ世間のひんしゅくを買うような悪質な選挙違反をやったのでありますから、したがってそういう見識のない方には見識のある自民党総裁が断固とした処断を下されなければ自民党に対する世論の信頼も回復せぬじゃないかと思いますので、私は率直に御忠告を申し上げておきます。  それともう一つ、あなた、あくまでも私は総理大臣の代理として聞きますから、同時に自民党総裁の代理として。選挙法改正運動協議会というのがございます。これは日本婦人有権者同盟や主婦連、地婦連等七団体で組織されている。これが選挙期間中に各党に対して質問状を出した。それはあなたの党で悪質違反者が出たらどうするかという質問です。これに対して自民党は、党規に基づいて品位を汚す行為をした者は除名する、という回答をした。これからいくとどうなるのですか。これを守るとするならば——これはりっぱな私は公約だと思うんですが、自民党としては。このとおりおやりにならぬのですか、どうですか。
  89. 竹下登

    国務大臣竹下登君) 総裁代理という立場ではないということを申し上げておきますが、ただいまのこの自民党が選挙中に有権者同盟でございましたかの質問状に対して文書で回答したというふうにたしか私は承知いたしております。その中にそうした文言があったことは事実でありますが、いずれにしてもその品位を汚すとか、あるいは議員個人の見識というものは、あくまでも議員——見識というものをまあどう考えるかというところで措置されるべきものであり、私の判断を差しはさむことは遠慮さしていただきます。
  90. 矢山有作

    矢山有作君 もうこれそろそろやめますがね、官房長官、あなたは私はきわめて良識のある人だと思っておりますので、党としてこういうふうな明確な御答弁国民に対してなさっておる以上は、やはりそれをお守りになるのが私は筋じゃないかと思います。  あなたは総裁代理でないということを盛んにおっしゃるけれども、きょうは総理大臣の出席を求めた。総理大臣が出られぬからというのであなたがおいでになった。そうすれば、総理、総裁の代理であるといってわれわれはあなたの御意見を聞くのであって、単なる官房長官じゃ私どもにとっては役不足ということになるわけですから、その点をひとつしっかり腹に入れていただいて、総理のほうへ、あるいは総裁のほうへこのことを十分話しておいていただきたいと思うのです。  最後に一つだけお伺いします。わざわざ参議院議長に御出席をいただいておりますので、私は参議院議長の御所信を一言だけ承りたいと思うのでありますが、きょうの質疑の中では、私は、黒住忠行議員選挙違反の全貌を明らかにしたことにはならぬと思います。というのは、国家公安委員長がそれを明らかにしようとするわれわれの努力を無視して、一向に実態について話をしないわけでありますから。したがって、そういう状況の中では、われわれは、いままでの衆参両院における質疑あるいは新聞等を通じて報道された状態をもとにして判断をする以外にはないわけでありますけれども、そういう判断の上に立ってものを考えた場合には、先ほど来繰り返して申し上げましたように、黒住忠行議員選挙違反というのは、行政機関外郭団体を使い、非常な悪質な選挙違反だと言わなければならぬと思うのでありますが、そういうようなきわめてその品位の上で問題のある悪質な選挙違反を犯した者が参議院議員に議席を持っておるということについては、私どもは席を同じくするに非常に心外な感じがいたします。参議院議長としてどういうふうにお考えになっておるか、一言御所見を承っておきたいと思います。特に参議院議長は、参議院の見識を高めていくために今後全力をあげて努力するということをおっしゃっていただいておりますし、私どもはそのあなたのお考えに満腔の敬意を表しておりますので、そういう立場から一言でも所信をお漏らしいただけたら幸いであると思います。
  91. 河野謙三

    ○議長(河野謙三君) ときたまたま参議院の良識が問題になっておるときでございまして、私は国民の前に二百五十二名の参議院全体が参議院の権威を高めるために良識ある行動をとっていただきたいと、これを私は切に望むわけでございます。それは単に、いま問題になっておる黒住君の問題だけではございませんが、特に黒住君につきましては、私はとやかくお指図をする立場ではございませんが、良識ある行動、進退をとっていただきたい、これが私の切なる願いでございます。
  92. 矢山有作

    矢山有作君 これで最後にいたしますが、私は議運の委員長なり、また与党の皆さんに特にお願いをしておきたいと思います。さらに、総理代理として御出席をいただいた官房長官にもお願いをしていただきたいのでありますが、きょうの質疑でよくおわかりいただきましたように、警察当局の態度というのは、きわめて、何というのですか、審議に協力しないというか、全く国会立場を無視したようなところがあるとわれわれは感じざるを得ないわけであります。これまでたびたび新聞発表を通じて正式に警察当局が発表しておることについてすら口を緘して語ろうとしない、こういうようなあり方というのは、私は表は政党政治だと言っておりますが、やがて官僚独善の政治に堕するおそれがきわめて濃いと思います。そういう点からいたしまして、いまの警察当局がとっておる態度というものについては私は幾多の問題があろうと思います。われわれは、きょうの質疑を通じて決して捜査に支障がある問題についてまで事こまかに聞こうとしたわけではないということは、ここにおいでの皆さんが全部御了承いただけるものだと思うのです。そのことに対してすら一言半句もものが言えないというような警察の態度というのは、私どもはきわめて不満足でありますし、こういう状態をそのまま許すならば、私はやがて警察国家の方向へ行くというおそれを抱くものであります。こういう点につきましては、どうぞ十分きょうの状態を心にとめておいていただいて、われわれも全力をあげてそういった状況というものを是正し、打破していくように努力をいたしますが、特に総理の立場あるいは与党の立場としてこの点を十分腹に入れておいていただきたい、そのことを強く要望いたしまして私の質問を終わります。
  93. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 どうもひっかかることがあるので、もう一度公安委員長に聞きたいのですけれどもね。逮捕をするというのは相当の容疑事実あるいは証拠がなければ行なわないのじゃないかと思いますね。被疑者としてですね。多少くさいけれどもあのやろうつかまえてやろう、こういうのは昔はどうか知らぬけれどもいまはできないですね。たとえば大久保何がしというのが婦女暴行殺人でもってつかまった。これは相当の事実があるからつかまえたわけでしょう。そのことを天下に発表しておるわけですね。選挙違反の場合でも相当の事実があって確証を握ったから逮捕するというのが常識じゃないかと思うのですが、その点はどうでしょう。
  94. 中村寅太

    国務大臣中村寅太君) 疑問があるから逮捕するのでございまして、その疑問が事実であるかどうかということを追及しまして真実を見定めるということが警察の役割りであろうと思っております。
  95. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 そうすると、その容疑事実があって逮捕された、逮捕された人間が何名であるか、黒住派については何名であるか、あるいはまた村上派については何名であるかといったようなことを発表することすらできないのか、できるのか。われわれが、では資料要求をする——今回の選挙違反について、何も事こまかに突っ込んで聞こうと思わなくても、逮捕をされたのは何名か、さらに容疑事実はどういうことかということは、国会委員会の場においては発表できないのかどうか、この点はどうですか。
  96. 中村寅太

    国務大臣中村寅太君) 容疑だけではその人の犯罪であるかどうかということは確定し得ないと思います。そこで容疑がある場合はこれを逮捕しまして、そうしてその容疑が事実であるかどうかという真実を突き詰めていくということが警察捜査の目標、ねらいでございます。
  97. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 文書違反で一人、二人逮捕されたといったようなことでは世間はそんなに問題にしないと思うのですよ。ところが五十名だの六十名だのというふうな大量逮捕ですね、これだけ大量に逮捕されているということが結局は問題になっている。だから何名逮捕されたのかといったようなことが一つの目安になるわけでしょう。われわれとしては何名逮捕されたかということを、矢山君も質問したんだけれども、それすらなるべく言うまい言うまいというふうに、そういう態度に見えたわけですね。それで言えないのかどうか。端的に言いますが、何々派について何名逮捕されたということは言えないのか、言えるのか、知らないのか、それとも知っていても言えないのか、それはどうでしょう。
  98. 中村寅太

    国務大臣中村寅太君) 警察は犯罪捜査にあたりましては、大体容疑の段階でそれを発表するということは、やはり差し控えるべきものであると思います。そこで発表は警察としてはいたしておりません。それはどこまでも新聞に載っておりますのは新聞記者諸君の取材でございまして、取材でございますから、一〇〇%これが真実であるかどうかということは、私は必ずしも言えないと思います。
  99. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 その話はちょっと解せないんですね。発表はしてないけれども、かってに新聞記者が取材をした。取材をしたというのは警察へ行って聞かなければわからない。そうでしょう。郵便局へ行って、あるいは市役所へ行って聞いたってわからない。新聞記者が、あるいは放送記者が何々派について何名逮捕者が出たというのを聞いてきたのは、これは警察のはずですよ。そうでしょう。出どころは警察じゃないとおっしゃるんですか、それはどうなんでしょう。
  100. 中村寅太

    国務大臣中村寅太君) 警察捜査の途中で正式発表はいたしません。どこまでも新聞記者の諸君が鋭い感覚で、取材の立場でやったものでございます。
  101. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 そういう話は天下に通用することでしょうかね。幾ら大臣新任だからといっても、ちょっとひど過ぎるんじゃないですか。これは国会質疑に対する答弁としては私は適切じゃないと思うんですよ、それは。警察は発表しない。発表しないなら取材記者だってわかるわけがない。感覚だと言うけれども、そんなに警察の前へ行ってにおいかなんかでわかるわけじゃない。そういういいかげんなことを言わないでくださいよ。委員会をばかにしたようなものですよ。これは警察が発表しなければわからないんですよ。発表しないものをかってに推測でもって新聞で発表していると、こうおっしゃるんですか、どうですか。
  102. 中村寅太

    国務大臣中村寅太君) 捜査の途中は、きわめてこれは警察当局といたしましては公平と厳正を中心に考えなければなりませんので、途中で結論の出ないものを発表するというようなことは、警察当局としてはいたしておりません。
  103. 矢山有作

    矢山有作君 終わったんだけれども、聞いておると黙っておれぬね。中村さんね、もう中村さんだ、あなた。あなた全然知らないのかね。警察捜査途中で記者会見をやって、いまの段階新聞発表だってやるんですよ。それがあるんですよ、そういうことがね。どの程度発表するかいうのは、そのときの警察当局判断に基づいて、それはかなり確度の高いことでなければ言わぬでしょう、全くの見込みじゃあ発表したらあなたのおっしゃる人権問題になりますから。しかしながら、容疑がある程度固まったら発表してるんですよ、警察詰めの新聞記者を集めて。それをあなた知らぬのですか。それを知らぬとおっしゃるんなら、ほんとうに知らぬのならあなた国家公安委員長つとまらぬな。もし知っておって知らぬと言うんならこれは委員会の侮辱だ。一体どっちなんだ。
  104. 中村寅太

    国務大臣中村寅太君) 私が申し上げておりますのは、捜査の途中で結論の出ない前に警察当局がいろいろのことを発表することは差し控えさしていただきたい。捜査が進行途中でございますので、やはりどこまでも犯罪というものは厳密にその真実をつかまなければなりませんので、そういう状態でございますから、権威のある国会皆さん方に御理解していただきたいということを申し上げているわけでございます。
  105. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 何かわれわれが取り調べの内容を聞いているというふうな言い方をされるとはなはだ迷惑だ。こちらが聞いているのは何派について何名逮捕されたか、このくらいならば言えないことはないと思うから聞いているんだ。それさえ言えないのかどうかですね。もう一回言いますと、それの内容について聞いているんじゃないですよ。いいですか。黒住派については何名逮捕されたか、村上派については何名逮捕されたか、そういうような数字だけを聞いているわけで、それに対して答えられないのか、知らないのか、どっちなのか。
  106. 中村寅太

    国務大臣中村寅太君) 私が皆さん方に御理解していただきたいと申し上げておりますのは、特定の人をこの段階で名前をあげて申し上げるということはこれは遠慮さしていただきたい。警察の使命は公正厳正をやはり旨といたしますので、その点をひとつ御理解をしていただきたいということを申し上げているのでありまして、国会を侮辱するとかそういう気持ちは毛頭ございません。
  107. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 じゃこれはこっちが根気よくやれば夜中にわたって同じ問答を繰り返さなければならぬが、何回も言うようだけれども、内容について聞いているんじゃないんですよ。じゃあはっきり言うけれども、何名逮捕されているかということは新聞には載っておっても公安委員長としては言えないと、こうおっしゃるんですか。
  108. 中村寅太

    国務大臣中村寅太君) 私は、現在の時点では捜査が進められている実情でございますので、いろいろのことを勘案いたしまして、ひとつここで発表することは差し控えさしていただきたい、こうお願いを申し上げているわけでございます。
  109. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 私のほうはだれとか、内容とかということを聞いているわけではないんです、何回も言っているように。何派について何名、あるいは今回の選挙違反問題については大体何名くらいの者が逮捕されているかということを聞いている。さらにつけ加えるならば、買収容疑あるいは公務員地位利用、こういったようなルール違反、いわばこういうルール違反をやった者が一体何名かということを聞いているわけで、こんなことは国会審議の上ではきわめて必要なことだし、述べてもらわなければならぬと思う。これはあくまでも、それすら言えないということは、明らかにわれわれが出している黒住議員の辞職勧告決議案に関連をして、かばおうとしているというふうにしか思われませんね、結局。  官房長官にちょっとお伺いしたいのですけれども、綱紀粛正ということを先ほど言われているわけですね。綱紀粛正ということはこういう選挙違反問題等についてあくまでもその当事者をかばうということなのか、それはどうなんですか——官房長官に聞いております。
  110. 竹下登

    国務大臣竹下登君) 瀬谷さんの御質問でございますが、綱紀粛正とは選挙違反容疑者をかばうことではございません。
  111. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 いまの公安委員長のいままで述べてきたことは、あくまで黒住派をはじめとする自民党の当選議員選挙違反についてかばおうとしているというふうにしかとられないから私はそう言っているのです。
  112. 竹下登

    国務大臣竹下登君) 私がお答えいたしましたのは一般論であります。いまの中村国家公安委員長の発言そのものがそういうものを裏書きするものではないというふうに認識いたしております。
  113. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 公安委員長のは何かメモか何か持ってきて、何を聞かれてもそれだけしかしゃべらないと、こういうふうにしかとれませんよ。つまり質問の趣旨をちゃんと聞いていないんじゃないかと思うのですね。そうじゃないですか。官房長官そういうふうに受け取れませんか。私が聞いているのは、捜査の、あるいは取り調べの内容について聞いているのじゃないんだと言っているのです。すでに公に発表されていることでもあるし、何名逮捕されたかというごく初歩的な問題について聞いているのです。それは発表しても差しつかえのない問題です、すでに発表されているからですね。だから、それをもう一度念のために確認をしようと思って聞いたところが、それすら言えないというのです。それじゃ、かばうということになるのじゃないのかということです。
  114. 竹下登

    国務大臣竹下登君) 捜査当局の最高責任者であります国家公安委員長が現段階で発表すべきでない、こういう認識をされた場合、私はそれを支持するものであります。それ自身が決して選挙違反容疑者をかばうということではないというふうに理解をいたしております。
  115. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 何と言われようともいままでのやりとりは、これは高級公務員立候補者で、しかも選挙違反を犯した人たちを必死になってかばうということ以外には理解できませんよ。そういう言い方をされるのならば、これは問答繰り返してみても時間の浪費にすぎないから、これは話にならぬということになる。  それで再度、これは高級公務員立候補制限についてお伺いしますけれども選挙制度審議会の中にこの問題を埋没させてしまっていいものかどうか。先ほどの自治大臣答弁の中にもありましたけれども、何か選挙制度審議会というところに逃げ道を求めているような気がする。この問題がいいか悪いか、はっきりしていると思うのですよ。選挙制度審議会そのもので高級公務員立候補制限について反対意見があるのかどうか、あるいは政府自体がこの問題について白黒をつけることができないというふうに考えているのかどうか、その点もこの際、はっきりしていただきたいと思いますが、いかがですか。
  116. 渡海元三郎

    国務大臣渡海元三郎君) 選挙制度審議会では目下各部会に分かれまして御審議を願っている最中でございます。この問題について反対論があるかどうかということは私まだ詳細には聞いておりません。ただ従来からの審議の過程におきましても、いろいろ先ほども申しましたように、憲法上あるいは立法技術上の議論のありましたことは私も承知しておりますので申し述べたような次第でございます。なお、現在、第七次選挙制度審議会でこれは審議をしていただいている最中でございますので、私たちはその答申を得て検討させていただきたい、こういうことを申し述べた次第でございます。
  117. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 官房長官にお伺いしたいのですが、今回の世間に発表されている大量選挙違反というものは、前回でいえば小林章さんとか岡村文四郎さんとか、そういう人たち選挙違反と似たような、あるいはそれ以上の規模を持っているわけです。数の面でも、ここにやり玉に上がっているのは黒住さんだけれども、黒住さんだけではない。村上さんをはじめ多くの人がやり玉に上がっているわけです。ですから、われわれはそのことを問題にしようとしている。問題にしなければならぬと思うのです。これは一つの例をあげると、東京のある証券会社の社員が、村上コウタロウーというポスターが張ってあったので私は聞いてみた。そうしたら、私は会社のほうで言われておるのでわれわれやることになっております、こういうことを言われた。これだって証券会社とか金融関係とか、そういうところに権力を持って、めしの食い上げになるからああいう連中はやらざるを得なくなるでしょう。やろうとしていた事実があるんですね。こういうことは新しい参議院の院の構成をする議員としてそういうことをやっていいか悪いかはっきりしていると思うんです。おのずから。いいとは言えないと思うんです。だから政府としてもこの前の小林さんなり岡村さんなりの場合に、まあ党籍を離脱してもらってしばらくは謹慎をしていたというか、あまり表立った動きは示さなかったように記憶している。本会議にも姿をあらわさなかったように記憶しているんです。正確には覚えておりませんけれども。ところが、今回は、堂々とまあ登院の日にはタレント候補と一緒に脚光を浴びて登院をされている。堂々と投票されるというところで自民党も自民党の議員としての扱いをちゃんとやっておる。党籍離脱なんという問題は一向にどうも考えてないような気がする。議長、副議長以上に党籍離脱する必要があると思うんです、私はこういう問題は。議長、副議長ですら党籍を離脱している。それは、議長、副議長の場合は、いままでできなかったのを自民党がようやく踏み切った、これはまあ大きな進歩だと思うのです。議長、副議長の党籍離脱に比べればこういうことを、要するに黒い霧にまつわりついたような人たちが党籍離脱をするくらいのことはあたりまえじゃないですか、党として、政府として、自民党の議員に対して何らかの処置を講ずる必要があるのじゃないかと思うのでありますが、その点はどうなんでしょう。
  118. 竹下登

    国務大臣竹下登君) まことに繰り返すようでございますが、私といたしまして、総理の答弁にございます「ただいまは事態の推移を見守っておる現状でございます、私は、こういう事柄こそ議員自身がみずから決すべき事柄であろう」と、このように答えておりますことを反復いたします。
  119. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 関連で、私は、参議院の良識云々ということがいま盛んに言われているときですね、私は、良識は参議院のみならず衆議院もあるべきもので、これは同じことだと思うのですが、特に参議院で良識云々がいま言われているときに、参議院においてこういう問題が起こっているということはもうはなはだ遺憾にたえないのですね、私たちは、参議院議員としてやはりりっぱな参議院をつくっていきたいという熱意に燃えておるわけなんです。議長もそういう気持ちでは私は同じ気持ちを持っていらっしゃることだと思う。そのときにこういう問題が参議院論議されなきゃならぬということは、私は実際恥ずかしいことだと思うのです。そこで、こういうことが自民党として、官房長官はこういう問題が起こっていることを自民党として好ましいことだとお考えになっておるのですかどうですか、そこをひとつ伺っておきたいのです。
  120. 竹下登

    国務大臣竹下登君) 私も、自民党の所属党員でございます。で、参議院の良識の問題等につきましては、いま政府という立場にありますので、院の問題に対する発言は慎しみたいと思います。ただ、自由民主党として、この黒住さん自体の問題は別として、選挙違反の容疑者が出ること、そのものは好ましいことでない、まことに安穏でございますが、お答えいたします。
  121. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 私は、山本伊三郎君が死去した直後、前の参議院の幹事長の田中茂穂君が言ったといって新聞に発表された、その田中茂穂君談なるものを読んで実に私は腹が立ってたまらなかったということは、山本伊三郎君が死んだことによって黒住君が繰り上げ当選になった、これで参議院の自民党は選挙前よりも議席がふえたのだ、こういう発言を新聞記者に対して言っておるのです。こういう点から見たら自民党は何らこれに対して良心なしと言わなければならぬ。黒住君がこういう状態で当選したと非常に歓迎して新聞記者に喜んで発表しておるということは全く不謹慎千万だと私は思いましたよ。そうすると、自民党の中には何でも、どんな議員でも、汚職やった議員でも、選挙違反をやった議員でも、頭数さえふえたらいいのだという、そういう気持ちがあるんじゃないですか、どうですか。どうも私は自民党の道義心に大きな疑いを持つのです。
  122. 竹下登

    国務大臣竹下登君) 田中茂穂前幹事長の会見内容は存じておりませんが、自由民主党そのものが、ただいま御指摘のような政党ではないと思っております。私も、なくなられました山本伊三郎先生は、たまたま地域割りが私の選挙区でもございました。それだけにまた地方行政等で副長官しておりました当時からいわば御高見を拝聴させていただいたわけであります。追悼演説が行なわれました際、慎んでそれを拝聴した、厳粛な気持ちでありましたので、山本伊三郎先生の死去と直ちに結びつけて、わが党の議席がふえるというような点については、自分なりの姿勢は判然とさしておるつもりでございます。
  123. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 田中茂穂君がそういう発言をしたということは新聞でぼくは見ていますよ。だからそれは事実でなければ田中君は取り消しを新聞社に申し込んだらよいので、いまだにそれがなされていないところを見ると、そういうことを私は新聞記者に話されたと思うのです。そうすると田中茂穂君は全く不謹慎きわまる人だと思いますと同時に、幹事長ともいう職責にある人がこういう発言をするところを見ると、自民党は先ほど申しましたように、どんな議員でもよいから頭数さえふえたらいいんだと、そういう考えがうちにあるか汚職が、選挙違反が自民党の候補者に非常に多いらということがはっきり言えるんじゃないですか。私は自民党の体質にそういうことがあると思うのです、ものの考え方の中に。こういう点について私は大いに自民党に反省を求めると同時に、その反省としてそれを形にあらわすという点で、私は自民党として黒住君をやはり何とか処置すべきものだと思うんですよ。私たちもこういう決議案を出す前に、良識ある人としてみずからそれを処置しなさいということを私たちは申し入れているわけです。ところがいつまでたっても党としても、個人としてもそういう処置をとらない、やむを得ないから私たちはこういう決議案を用意したということになってきておるわけなんですね。そういう私たちのとった行為に対して官房長官はどういうふうにお考えになりますか。
  124. 竹下登

    国務大臣竹下登君) 党人としての態度につきましては、ここにも自由民主党所属の委員各位がおられます、私から申し上げることは差し控えるべきであると思いますが、ただいまの御意見は慎んで拝聴をさしていただきました。
  125. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 議事進行についてちょっと発言をしたいと思うのですがね。われわれが委員会でこの問題を取り上げるに際して必要なことは、出席の閣僚からある程度質問に対して的を射たような、的をはずれていないような答弁をしてもらわないとあとの話が進められなくなるわけです。ところがいまのところ、とば口でもって全然そらされてしまって、それこそコンニャク問答になっておる。これじゃ一晩じゅう繰り返したって同じことを繰り返すだけです。だから、これではしようがないと思うのですね。せっかく新しく参議院選挙を終わって院が出発をする、こういうときですから、私どもはよごれは洗い落とさなければならぬと、こう思っておるのです。よごれているところはどういうふうに洗い落とすかという方法はいろいろありますが、ともかく国民に対してよごれてないという印象を与えなければならぬ。その印象を与えるということはいま大事なことだと思うのです。議長、副議長が公平な審議をはかりたいということで党籍を離脱をされたということに対して、非常に私は敬意を表しておるのですが、ところが一方においてはよごれっぱなしでもってちっともあかを落とさないで、そのまま疑惑を持たれている議員が存在をしているということではいけないと思います。だから、それらの問題について、どうしようかというのがきょうの出発点になっていたわけなんですけれども、ごく初歩的な問題に対して、つまりわかり切っている、何名逮捕されているかという、そういう事柄にすらお答え願えないということでありますと、これはもうこれ以上論議を進めようがないと思うので、議運の理事会を開いて、まずこの審議の進め方について、あるいは大臣の答弁について少し突っ込んで論議をしてもらったほうがいいんじゃないかというふうに思いますので、以上のことを提案したいと思います。
  126. 内田善利

    ○内田善利君 その前に、三点だけ関連質問したいのですが。
  127. 鍋島直紹

    委員長鍋島直紹君) いまの点で関連質問ですか。よろしゅうございますね。
  128. 内田善利

    ○内田善利君 私も先ほどから聞いておりまして、三点だけその話し合いに入る前に聞いておきたいと、こう思うのですけれども、その一つは、非常にかみ合わない質疑でこういう問題になったわけですけれども国家公安委員長は、この問題について刑事上の問題が解決しなければと、あるいは捜査がはっきりしなければということですけれども、道義上はどのように国家公安委員長は感じられておるのか。自治大臣もどのように感じておられるか。道義的な責任についてちょっとお伺いしておきたいと思います。
  129. 中村寅太

    国務大臣中村寅太君) 私は、選挙違反というものはまことに遺憾なことであると考えております。
  130. 渡海元三郎

    国務大臣渡海元三郎君) 私も、いま国家公安委員長が答えられたとおり、遺憾なことであると考えております。
  131. 内田善利

    ○内田善利君 高級公務員立候補制限については審議会答申を得た上でと、こう言われ、その次はいろいろな手続を経た上で検討をお願いしたいということですが、自治大臣自身はどのようにお考えなのか、お聞かせを願いたい。
  132. 渡海元三郎

    国務大臣渡海元三郎君) 私は、事件が発生したことに対しては非常に遺憾だと思っておりますが、制度そのものは、いままでの過程におきましても数回議論を繰り返され、また結論を得ない段階でございますが、幸いにして第七次の選挙制度審議会審議が行なわれておる最中でございますので、ぜひともこの問題につきましてもこの審議会におきまして各界の意見を集めまして適切なる御答申を賜わり、その御答申に……。
  133. 内田善利

    ○内田善利君 それはわかっている。自治大臣自身の考えです。
  134. 渡海元三郎

    国務大臣渡海元三郎君) 私自身、非常に議論のある問題でございますから、そういたしたいと、こう考えております。
  135. 内田善利

    ○内田善利君 どうもかみ合わないのですが、最後に私は、理事からこの席に黒住議員出席されるように要求があったと聞いたのですが、そのあとでまた欠席という知らせがあったと、このように聞きましたが、その理由は何なのか、お聞きしておきたいと思います、委員長に。
  136. 鍋島直紹

    委員長鍋島直紹君) 委員長から申し上げます。  ちょっと失礼しました、進め方で協議しておりまして、失礼しました。矢山君からその申し出がありまして、自由民主党を通じまして黒住議員に通知をいたしましたが、どうしても出席できないというのが秘書を通じて回答があっております。  それでは暫時休憩いたします。    午後四時十分休憩   〔休憩後開会に至らなかった〕      ——————————