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国務大臣(山中
貞則君) 本島においては、中南部の人口密集地区の給水がとても想像を絶する
事態にありますし、もともと本土に比べて一人当たりの給水量が少ない。また米軍が三分の一を、優先とは申しませんが、権利的に米軍側に回しておって、一般の
沖縄県民のほうには三分の二しか回っていない実情等を
考えますときに、福地ダムの建設されました導水管を石川浄水場までどうしてもすみやかに建設しなければなりませんが、これは米軍の援助費というものが打ち切られましたために、すぐに
日本政府側が直ちに石川浄水場まで導水管を引っぱるという予算は巨大な予算でありますから、なかなかつけられずに、現在のところ直ちに完成するという予算になっておりませんが、これなどは、今回の
事態にかんがみて、
相当な巨額な金になりますが、それをぜひともやらなければならないと思います。
さらにまた中部等においても、一般の小さな川でありますけれ
ども、利用できる川がそのまま海面に流れ去っておるという
状態等は、ちょっとしたくふうをすれば用水に利用できるわけですから、そういうような点も本島においては
考えてまいりたいと思うのです。
宮古島においては、これは伏流水があることを、昭和三十八年の大干害の後に米軍の科学的な探査によって発見された。私も確かめてまいりましたが、ことしの予算ではここに全額国費のパイロット畑かんをやってみて、そして全島の人たちに水をかければこういうふうになりますということを見てもらおうと思ったんですけれ
ども、これはもう間尺に合わないということで、台風はまだ折損、倒木等で助かる率がキビ等についてありますけれ
ども、干害で一定以上たちますと根から枯れてきますから、もう収穫ゼロになる可能性に近づくわけでありまして、その
意味では、やはり先ほどちょっと触れました、さしあたり伏流水を十一カ所からくみ揚げて、強力なレインガンをもってかんがいするということで何とかいけるということでありますから、それをさしあたりは実施設計費をことしの予算で出すようにいたしておきますが、できれば先ほど申しましたような財源対策等が確立されるならば、これも二カ月間の工期でできるということでありますので、それを年度内に完成させておけば、もう来年はだいじょうぶだということにこぎつけられれば、たいへん成功するところだろうと思います。
それから石垣島については、先ほどのダムが六カ月かかりますから、来年も干ばつであるとは実は限りませんで、干ばつ対策がともするとの
どもと過ぎれば熱さを忘れるようなことになるのは、翌年は大体干ばつでないということがありまして、そういう結果になりつつありますから、ある
意味では人災だということも言えるわけです。今度はそういうことのないように、石垣におけるダムの建設、それで足りなければ、石垣にも伏流水がありますから、そういうもののくみ揚げ、そういうことも
考えてみたい。さらに新城島、黒島等においても、これはもう水が幾ら探査しても掘ってもないわけでございますから、西表(いりおもて)の豊富な水を、海の底に導水管を引っぱりまして、やや潮流が激しいために、現在まで
調査いたしましたものよりも工事費もかさむようでありますけれ
ども、これはもう水のない島の人は移りなさいということは絶対に言えない政策でありますから、金がかかっても来年にはこれを予算化しよう。さらに本島のすぐそばにあります津堅(つけん)島というのも、これも水のない島でありますから、勝連(かつれん)半島から引っぱるための予算をつけたい。ことし池間島につけましたけれ
ども、これが先ほど申しました予算の未成立ということでことしの間に合わなかった。私たちは予算措置をしたけれ
ども、来年はだいじょうぶでしょうが、間に合わなくて、やはり船で運んでおるという非常に申しわけない
事態等もございますから、そういう問題もすみやかに完成させなければなりませんし、また、多良間(たらま)島におきましては、かつて県
会議員をした人だそうでありますが、先覚者がおられて、北部のほうのやや高台の伏流水を集めて、そしてため池にためて、りっぱなかんがいをしておられた。ところが、それが荒廃をして、いまや給水施設あたりはキビが積んである。ため池だけが残っておるという現状を報告を受けました。これにつきましてはすみやかに給水施設を本土
政府の手によって完成してあげれば、多良間島においては飲み水は一応あるわけでありますが、そういう未開拓の原野も含めて、キビ、落花生、バレイショで立ち上がっていける島になれるというふうに、いろいろきめこまかい具体的な検討をいたしております。
要するに、
沖縄の人々にことしのような悲惨な思いを私たちは二度と味わわしてはならないということのためには何と何と何をしておかなければならないかということをいま懸命に検討中であります。