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国務大臣(
山中貞則君) まず積算根拠ですけれ
ども、一九六九年の
沖繩側が輸入いたしました
生活必需品の輸入額は二百億円でありますが、これを、一〇%ずついわゆる輸入実績が伸びたものと仮定をして六九年から七〇年へ、七〇年から
復帰の七一年末へということで、それぞれ一〇%ずつ輸入が伸びるものということを
前提にして二百四十二億円という計算が出てまいります。その二百四十二億円について〇・〇五をかけますと一応十二億という
数字が出るわけですけれ
ども、これは一年間でありますから、まあ七カ月で大体七億前後ということになりまして、これを一応丸めて、これは輸入の実績の変動も実際上どれだけ増加するかもわかりませんでしたし、また変動相場も〇・〇五というものがどう動くかという問題も不確定要素が多いということで、七億円に対して一応三億という余裕を見て十億にしたわけです。しかしながら、私の琉球
政府側とのその後の接触、
交渉によりましてやはり
生活必需品として拾い上げたものだけでは、
沖繩県民生活の全体から
考えて、木材とかあるいは建設——セメントその他——の資材とか、その他一般の日常
生活物資というものがほとんど全面的にかぶらなければならない県民
生活への影響というものを防ぎ切れないということがわかりましたので、まだ大蔵省と最終的な詰めが残されたままでありましたけれ
ども、一応私の
立場、権限でもって、琉球
政府の通産局の作成いたしましたリスト、それを四百四十二品目について、食管物資である米と、それからビールを落としてあって、酒が入っている。その点を、酒も落としたらどうですか。酒についてはいわゆる差損を見ないということです。「差損」というのは言い過ぎましたが、まあ、めんどうを見ないということで四百四十品目にしまして、それはこまかな関税分類表による品目ですから、これが実際の物品の数になりますと約六千点くらいになると思いますが、おおむね琉球
政府の提示したリストのうち、米と酒を除いてそれでもってやってもらうということで琉球
政府が実行することになりました。琉球
政府としては
本土から十億を受け取って、資金勘定を設けまして、そして
本土との間の決済の差額1と言うとまたおかしいのですが、実際上足らなくなる分をそれで落としていきますから、この十億円はどんどん減っていくわけであります。しかも、当初の積算の根拠は
生活必需品に限っておりましたので一応のアローアンスが見てあったとも言えるのですけれ
ども、これだけ品目を広げてまいりますと、計算していけば実際上は十億では足りないから、したがって、幾ら
予算をまた追加しなければならないという議論になりますけれ
ども、しかし、一応はこの十億でその品目をカバーしながら操作していってもらいますと、琉球
政府が瞬間タッチをしてその必要な分を埋めてまいりますので、正常な貿易は確保できますし、事実、その発表がありまして琉球
政府は
政府内の立法措置を急いでおりますが、そういうことができるならということで、すぐ自動車等はもう値上げはしないというようなこと等で、鎮静化の方向に向かっております。したがって、
あと予算が幾ら要るかということは今後の問題になると
考えておりますが、とりあえずは、琉球
政府の品目を合意したものをその操作の上にのせてもらうことによって十億をどんどん取りくずしていってくださいということでいま合意している
段階でございます。