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谷川委員 中教審の
答申そのものが
学校制度、
学校教育についての
諮問であって、それに対する
答申であったということでございますので、私がいまから申し上げることは、何か聞き方によっては
中教審批判というようなことにもなりかねないのでありますが、そういう
意味でなくて、率直に私は
感じるのであります。今度の
中教審の
答申が、
教育改革がすべてであるといいますか、そういうふうには私
どもは
感じておらないわけでございます。特に
政党の側からいえば、
中教審の今回の
答申の中に幾つかまだカバーしなければならない問題点をカバーしておらぬのじゃなかろうかと思われる点があります。たとえば私
どもは、いま
社会的な問題になっておる医学
教育の問題なんかについても、やはりこれは
中教審がこの時点でもっと具体的に何かものを言ってよかったのではなかろうかということを卒直に
感じております。もちろんこの問題については、
中教審の中でも、これは
格別に大きな問題を含んでおるので、別途
考えるというように分けて
考えておられるようでありますが、しかし私
どもはそう思っておりますし、それから日本の
教育の中に占める私学の位置づけについても、もっといまの
時代をつかまえて将来に対する
施策を打ち出していただいてよかったのじゃなかろうかと思います。さらには、先ほどちょっと議論に出ました生涯
教育の問題についても、いまやもう
学校だけの
教育にまかせては
教育が目的を達する
時代はある
意味では去りつつあるような
社会であるというように私
どもは基本的には判断をいたしております。しかし、来年度
予算編成でもってあれもこれもというわけにはとてもいかないことだと思いますし、
中教審の
答申が出て
文部省の中に
推進本部ができて、まずこれから取りかかるという時期でございますので、特に
最初の一年は大事だと思います。
大臣の強力な省内
指導力を大いに
期待をいたします。
それから、この際にこれは私見を申し上げて全く恐縮でございますが、思い切って来年度予算で——どうせ来年度予算には国内景気を刺激し、さらにはドルを減らさなければならない、国債発行まで
考える、こういう時期だというふうにわれわれ伝え聞いておるわけでございます。大蔵省あたりから出てくる予算何%ワク伸ばし、前年度比一五%伸ばしというようなことだけでなくて、この際
国民的合意を取りつけて大きな
教育改革に取り組もうというような時期でございますので、人に対する経費、消費的な経費についてはどうか存じませんが、もっと物として残る資本的な経費、
学校教育施設あるいは
社会教育施設、とにかく資本的経費については、この際思い切って、国債を発行するような事態であればその中から前取りして
文部省でワクを取りつけるというようなお
考え、御発想で、ひとつ大いに、来年度予算については
大臣の
剛球投手としての御
指導力を
期待申し上げたいと思っておるわけでございます。
それについて一、二点、将来の問題でございますが、感ずることは、これはよけいなことかもしれませんけれ
ども、
文部省内部の
体制の問題でございます。先ほどから
推進本部はできた、こういうお話をお伺いいたしておりますが、しかしいろいろ
文部省の
仕事を調べてみると、
大学局は
大学局で、
学術振興の
仕事と
国立大学の
運営、管理、経営という大きな
仕事を一緒にかかえて持っておる。初中局は初中局で、地方のやっておる
仕事も一緒になって、初中局が
中心になってやっていかなければならぬ問題をかかえておる。管理局は管理局で、建物の管理だとか新しくつくる
仕事、さらには
私立学校に対する
仕事、
文部省という役所は、それぞれの部面において
仕事の非常に多い役所のような
感じがいたします。したがって、とかく日々の
仕事に手一ぱいになるようなことがあるのではなかろうか。もし
教育改革ということで、これが明治の初期あるいは戦後、そして今回、第三の
教育改革といわれるぐらい大きな問題であるならば、できる限り
文部省の中でそういう
仕事を担当する者の
仕事をほかの分野へなるたけ分けて持っていけるような
体制を、ぜひひとつつくり上げていくべきじゃなかろうかということを感ずるわけでございます。
もう
一つは、
文部省に奉職されておられる方々は、皆さんそれぞれ非常に
努力して
仕事をしておられるように
感じますが、これまた
仕事の量が多いせいかもしれませんけれ
ども、たとえば広く海外を見てくるとか、あるいは
時代の非常に新しい移り変わりに敏感に反応するとか、あるいは国力の将来の伸長について常に新しいものの見方をするとか、あるいは、さらには国内の多くの
教育に対して関心を持っている各界
各層の人々と接触するとか、そういう時間が比較的
文部省というところは少ないのではなかろうかという
感じすらいたしておるわけでございまして、第三の
教育改革と呼ばれるこの時期においては、やはり
文部省自体、できるだけ外の他方面と積極的に接触されて、そして
国民が何を望んでおるか、国家の行くえがどうなろうとしておるか、世界全体がどういうようなところへ進みつつあるか、ということを常に的確に把握し、それに反応を示していただきたい、こういう
感じがいたしております。
それでは、同僚議員の質問もございますので、最後に具体的な問題として、
高等教育の
改革のいわば
最初の第一弾として出てくるのだろうと思いますけれ
ども、新構想
大学の創設について、大医の所信表明でも触れておるところでございますが、筑波新
大学及び放送
大学、これは両者ともに全く違った性格をそれぞれに持っておると思うのでありますけれ
ども、現在どの程度まで
検討が進められておるか、これを最後にお尋ねいたします。