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荒勝説明員 イモ類及び
でん粉につきましての
基準価格につきまして、いずれ十月の二十日までに、政令のきめるところによりまして
価格を決定する
方針で、
政府はただいま
作業を急いでいるわけでございますが、例年の例によりまして、おおむね二十日とはいいながら、十日前後までにはきめるということで、
作業を特に急いでいる次第でございます。したがいまして、ただいまお手元に配付してあるかとも思いますが、横書きの「
いも類でん粉基準価格関係資料」というものに基づきまして、簡単に最近の
イモ並びに
でん粉につきましての
一般概要の御
説明をいたしたいと思います。
まず、一ページをお開き願いたいと思います。一ページのところで、
カンショにつきまして、四十六年の
カンショの
作付面積が十万七千ヘクタールということになっておりまして、まだ完全に十アール
当たりの
収量というものが出ておりませんので、この欄は空欄になっております。
さらに、
バレイショにつきましては、
北海道だけでございますが、
作付面積は七万百ヘクタールということで、これは十アール
当たりの
収量も出ておりまして、一応百七十四万五千トンといろことでございますが、この
バレイショにつきましては、いずれ近日中にまた
収量の
改定等があると思われますが、最近多少これよりも好転しておるのではなかろうか、こう思います。
そのこまかいことにつきまして、二ページをお開き願いたいと思いますが、
カンショにつきましてはまだ主産県の
作況しか出ておりませんのであれでございますが、
全国が先ほど申し上げましたように十万七千ヘクタールで、主産県は八万二千三百ヘクタール、これの
作況指数が、一
応主産県だけが入っておりまして一〇〇でございますが、この辺が少し一〇〇よりは最近の
天候の
概況で悪くなるのではなかろうか、こういうふうにわれわれ見ておる次第でございます。それで
作付面積等は、先ほどの一ページにもありますように、やはり年々
減少の傾向を示している次第でございます。
次に、四ページをお開き願いたいと思います。これは先ほど申し上げました
カンショの主たる
生産県の
面積でございまして、依然として鹿児島が、一番下の欄にございますが、最高の
面積を持ち、その次が宮崎、こうなっておりまして、
あとは長崎、千葉、茨城というあたりが主産県のおもなところでございます。
次に、五ページでございますが、問題になります
バレイショでん粉の
基礎資料となるのは、
全国よりも
北海道だけでございますので御
説明申し上げますと、
作付面積が七万ヘクタール、それで十アール
当たりの
収量が二千四百九十キログラム、それから
収穫量が百七十四万五千トン、
作況指数が、一応九八ということになっておりますが、これは
カンショと反対に、
北海道の最近の
状況からいたしますと、
統計調査部の
情報あるいは道庁の
情報等を入れますと、
作況指数が一〇〇を多少上回るのではなかろうか、一〇〇何%という
数字になるので、多少
イモの
収量もふえる、こういうふうに見ておる次第でございます。やはり
冷害に強いということを
バレイショは示しましたし、また、
ビート等も一〇〇%の
指数を上回っているやにわれわれ聞き及んでいる次第でございます。
面積につきましては、
北海道の欄でございますが、
作付面積は全体の動きは詳細にはまだわかりませんが、
作付面積自身は多少昨年の六万九千から七万というふうに上回ってきておる、こういうふうに御理解願いたいと思います。ただ、
反収につきましては、昨年の十アール
当たりの
収量と比べますと、去年は非常な
豊作型でありました
関係で、ことし平年
反収に比べますと一〇〇%を上回るにもかかわらず、昨
年度に比べますと
反収が多少減っておることは事実でございます。
それから八ページをお開き願いたいと思いますが、この八ページによりまして、一番下の欄でございますが、大体本
年度におきます
国内の
供給可能な
でん粉別見込み数量を入れておるわけでございます。これは多少まだ変わるのではなかろうかと思いますが、甘でんにつきましては、一応二十万トンという
数字を入れました。これが先ほど申し上げましたように、多少
作柄が悪くなるので、二十万トンを場合によっては切るのではなかろうかというふうに理解しておる次第でございます。
それから馬でんにつきましては、
作況指数がよくなってきておりますので、十八万トンという
数字を置いておりますが、あるいは十九万トンで、
国内産の
原料からつくります甘でん、馬でんにつきましては合わして大体三十八万トンぐらいということになるのではなかろうか。甘でんが一万ぐらい減りまして、馬でんが一万ぐらいふえるということに結果的にはなるのではなかろうか、こういうふうに理解している次第でございます。
小麦でん粉につきましては、これは年々一種の副産物のような
かっこうでつくられておりますが、最近六万トンは大体固まってきているやにわれわれは理解しております。
それから
コーンスターチにつきましては、
国内産でん粉が多少減ります
関係で、あるいは
コーンスターチで補わなければならないんではなかろうかということで六十万トンというふうに置きまして、一応
国内の総
供給量百四万トンというふうに置いておるわけでございます。
次に九ページをお開き願いますと、九ページの欄でも、各
歴年の過去三カ年間の
でん粉の
需給の表を一応ここにお示しいたしますが、
でん粉は一時、数年前までは相当将来の
見通しが強いというふうな
状況でございました。その後全体の流れとして、
でん粉の
需給はむしろ横並びといいますか、ほとんど
並行線になっておりまして、
国民所得の増大とかあるいは人口の増にもかかわらず、
でん粉の
需給はほぼ一定というふうにわれわれ理解している次第でございます。
九ページの上の一番右の欄、四十六年をごらん願いますと、甘でんにつきましては、
供給欄でございますが、ごらん願いたいと思いますが、二十万トンがあるいは十九万トンぐらいになるかもわからぬ。さらに馬でんにつきましては、先ほど御
説明申し上げましたように、十八万トンと一応ことしの出回り量を考えておりますが、あるいは十九万トンぐらいになるかもわからぬ。さらに、
政府が数年前に買いました
食管手持ちの
バレイショでん粉が七万トンほどありますので、
バレイショでん粉がことし多少
不足ぎみに移行するのではなかろうかと見受けられますから、この四十六
でん粉年度中に払い下げするという
方針をただいまのところ考えております。それを合わせまして二十五万トン、これがあるいは一万トンぐらいふえるのではなかろうか、こういうぐあいに考えております。
コーンスターチは先ほど申し上げましたように六十万トン、それから
小麦でん粉は約六万トン、それから別途外でん五万トンと置いておりますが、これはその他用の
需要、たとえば
建築材料など外でんでなければならぬ
部門もございますので入れまして、合計総
供給計画を百十六万トンと置いているわけでございます。
それに対しまして下の欄が
消費量といいますか、
消費欄でございますが、一応四十六
年度の各
部門別の
需給見込み表が十分立っておりませんので、一応まるく入れておるわけでございます。
一番上の欄の「
水あめ・ぶどう糖」につきましては一応六十万トンと置いたような次第でございます。どうも
水あめ、
ブドウ糖につきましての
需要が最近少し
減少ぎみだということで六十万トンを置きまして、
あとの欄の「
水産練製品、
せん維、
化工でん粉、
グルタミン酸ソーダ」その他入れまして五十六万トンと置きまして、百十六万トン。これによりまして
でん粉年度の
需給見込みは大体バランスがとれるのではなかろうか、こういうふうに理解しておる次第でございます。
それから次をお開き願いまして、一〇ページでございますが、これは過去、
農安法ができましてからの
昭和二十八年以来の
歴年の毎
年度の
政府のきめます
原料基準価格あるいは
でん粉政府買い入れ価格といったものの
一覧表を設けておりまして、四十五年の欄を考え方のスタートにして今後
政府は
値段をきめていきたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
それから次、二ページでございますが、これは一応実際の市況におけるそれぞれの
でん粉価格の
推移をお示ししたものでございまして、四十五
年度の欄をごらん願いますと、下の欄でございますが、二千四百三十六円という
平均値で、大体昨四十五年一年間はこういう
価格で
推移しておるのではなかろうかというふうに思います。
政府の
基準価格は二千百五円、馬でんにつきましては
平均が二千七百三十四円で
基準価格が二千二百四十円というふうになっております。
それから次に一二ページは、
でん粉の主たる
消費先の
ブドウ糖についての最近の
価格の
推移でございまして、四十五年の結晶、
精製両方につきましてこういう
価格が示してあるわけでございます。
次の一三ページは
水あめの
値段で、大体こういうふうな
価格の体系を示している、こういうふうに御理解願いたいと思います。
一四ページをお開き願いまして、これは後ほど
統計調査部長からあらためまして詳細に御
説明があるかとも思いますが、
カンショの
生産費が上の欄で、下が
バレイショの
生産費でございます。
右のほうから
二つ目の欄に第二次
生産費というのが出ておりますが、
カンショ十アール
当たりの
生産費が二万六千八百四円、百キログラム
当たりになりますと千百十一円というのが出ております。これは
カンショのほうにつきましては、一応物価の
上昇率とほぼ見合ったような
生産費の
上昇を示している次第でございますが、
バレイショの
生産費につきましては、四十五
年度の欄をごらん願いますと、十アール
当たりは二万三百三十三円ということになっておりますけれども、百キログラム
当たりの欄になりますと五百九十六円で、四十四
年度の七百七円に比べますと逆に百キログラム
当たりとしては
生産費が下がっておる。これは先ほど申し上げましたように、
北海道の昨年の異常な
豊作であったということを反映しまして、百キログラム
当たりはコストが下がっておる、こういうふうに御理解願いたいと思います。
次に一五ページでございますが、この八月末のパリティを一つの
基準にして、それぞれの
イモの
価格をおきめ願うことになっておりますが、八月で四十五年の欄で二一六・二九、こういう
数字が出ておる次第でございます。
以上、大体かいつまんで
イモ類並びに
でん粉につきましての一般的な
概要の御報告を申し上げた次第でございます。