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赤城国務大臣 大豆の関税を引き下げるという
方針は、アメリカでも宣明したわけでございます。これは関税引き下げ品目三十品目と、こういうふうに大蔵
大臣も予定しまして、その中の
一つということで、関税の引き下げというととを
向こうでも話の中で私は大豆のことを言ったわけであります。それで、それにつきましては御
承知のように、関税審議会もありますし、あるいは法律として国会にも出さなくちゃなりません。でありますので、三十品目一緒にしてやはり均衡がとれたような形での
検討をいま進めておりますので、その
検討をまってきめていきたいと思います。
では、国内
対策として大豆についての生産その他はどうだということでございますが、御
承知の
昭和五十二年の生産目標の中に、
稲作転換によっての十六万ヘクタールを含めて二十四万ヘクタール、約五十万トンの増産をはかる、こういうことにしております。この生産の目標の実現につきましては、関税引き下げによる影響に対処しまして、大豆なたね交付金暫定措置法という法律が御
承知のとおりあります。これによって生産農家に対する不足払いの充実をはかるほか、米の生産調整奨励金の支払いによる水田大豆の積極的な導入と相まちまして、地域特産
農業推進事業等を実施しまして、大豆作物の生産性向上をはかる、こういう
考えております。
それから円の切り
上げ問題あるいはアメリカの現実の課徴金の問題で、農産物に対する輸入あるいは輸出に対してどういうふうに
考えているか、たとえばトウモロコシその他えさ等につきまして一国からのみ輸入するというような
方針はいかがなものであろうか、こういう御指摘であります。これは
向こうでもハーディン農務長官の個別会談のときに、
日本の新聞に方々から輸入するというようなことがあるのは、おれのほうの
日本への輸出は減らされてしまうのか、こういう話が出ました。だから、
方針としては、
日本としてもこれは農産物ばかりじゃない、
日本は原材料を輸入して、それを加工して輸出するという
日本の体制だ、その体制から見ても、一国から特別のものだけを独占的に輸入するというふうな形は私はまずいと思っておる。ですから、一般のものもそうだが、工業資材なんかもそうだが、原材料でもそうだが、農産物についても、私は、多角的というか、分散して輸入するという
方針は私
どもも
考えておるのだと、こうはっきり言っておきました。ただし、いま
畜産を非常に力を入れているさなかにこれをなくしてしまうとかあるいは激減する、こういうようなことにはアメリカに対してもならない、私は、こういうふうな見通しをしている、こういうことをはっきり言っておいたわけであります。
それから輸出の問題でございますが、たとえば温州ミカン等の輸出につきましても、前に報告いたしましたように、解禁州の拡大、こういうことは引き続き要求しておりますし、この間の会談の外務
大臣の冒頭発言の中にもそれを入れさせておきました。そういうことで、個別会談になったときにも、これはグループフルーツの見合いに
考えておるので、決してオレンジとの見合いに
考えておるものじゃないのだから、私のほうでは貸しのようなつもりでおるのだから、ぜひ拡大をしてほしいというようなことで、これはいろいろ
向こうの手続等の問題もあるようでございます。ですから、明言はいたしませんでしたが、その点は十分考慮する、こういうことでございます。
それから、その他マグロのかん詰め等な
ども返品が非常に多いのでございまして、これな
ども不当でないかという話もしたのですが、これも管轄が
向こうの厚生省であったので、
農林大臣は
向こうでよく話すということでございました。
それで、国内
対策として、こういうようなことに対してどういう
対策をとるのかということでございますが、御
承知のように、この間景気浮揚
対策として、中小企業等に対しましても、相当この国際通貨の問題で、あるいは倒産とかあるいは不況になる向きがあるので
対策を講じたわけでございます。その中に、そういうマグロかん詰めの輸出など、あるいは合板
関係で輸出しているものな
どもございますが、これは中小企業の範疇には入らないのです。範疇には入らないが、中小企業
対策と同じような
方針で
対策をとって、そうして金融の面などでこの救済策をとるべきだ、こういうことで、あの中小企業
対策が、あのとき二、三日おくれましたが、当局、ほかの各省と相談いたしまして、これも決定いたしておるわけであります。
そういうふうな
方針で、農産物の輸出などにおきまして、こういう通貨の問題やら課徴金の問題で
被害を受けるものについては同じような
方針で
対策を講じていきたい、こう思っております。