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藤井委員 次に第七
項目の中の四番目ですが、輸出入銀行融資について、従来の「輸出
金融から
輸入・投資
金融への重点移行を
検討する。」これはまさに適切な
検討事項だと思いますが、このことについても、きょう具体的に御答弁願おうとは思いませんけれども、先ほど申し上げたような精神からぜひ結論を出していただきたい。かつて私は当
委員会において従来の輸出入銀行のあり方というものが、ただ物を売ったり買ったりする、この裏づけ
金融、こういうことだけではいかぬ。私は、輸銀法を改正しなくても、
運営によって、あるいは業務方法書の改定によって、十分この輸銀が投資
金融、
輸入金融、こういう方向へ移行できる内容である、こういうふうに思っておりますから、とりあえず行政
措置でできることはやって、どうしてもできぬところは四十七年度の
予算において当
委員会で
法律改正を急いでもらいたい、このように思います。輸銀が
時代の
要請にこたえて輸出を押えるというような消極的なことでなくて、
輸入を
拡大するという、これは
資源のない国としては大いにそれによって
拡大均衡をはかるというのが私は本筋だと思うのでありますから、輸銀の使命をそういう方向にいくように早急に
検討していただきたい。これは二、三年前からすでに担当の
局長さんなり担当の諸君は
検討されておると思うのでありまして、やる気があれば私はそう時間がかからない、このように思いますから、よろしく願います。
それからひとつ
大蔵大臣、日本人というのはこっちへ行ったと思ったら急にこっちへというふうに、白か黒か、右か左か、こういう傾向といいますか、ものの
考え方、これが最近、ここに「秩序ある輸出」のために「輸出振興
税制の廃止または停止を
検討する。」という、この中で、なるほど足あげして無理して輸出をやらしているようなことで、ガットには反しないけれども、これはちょっとよそから見てあまりにもひど過ぎる。これは私は決して残せとは言わないのです。しかしながら、どうもものの取り扱い方というのが、この輸出をよそからいわれるから、何だか輸出するのが悪いようなこういうムードになってはいけない。私は為政者の皆さん方がなっておられるとはさらさら思わないのですが、どうもそういう思考傾向、ものの
考え方、行動、こういうようなものが、日本人には源平というようなこういうことで、輸出が何か悪いようなことで、これを押えることによってこの収支の
均衡をはかろうということはまさに縮小
均衡でありますから、輸出抑制ではなくして、大いに
輸入や
対外投資を
拡大をすることによって、いわゆる
経済の
拡大均衡が
貿易立国の本筋である、私はこのように思うわけでございまして、輸出振興
措置とか輸出
税制あたりも無計画に撤廃をされようという
考えは毛頭お持ちではないと思いますけれども、この点十分お
考えいただいて、
産業活動に無用の混乱を起こさしたり、
経済を萎縮させるということのないように、特に私は技術輸出、プラント輸出あるいは最近の御承知の知識集約的商品、こういうことについては十分の配慮が必要である。また同時に、先般党内での会合で、軽工業、輸出おもちゃ、これは現在ではせめてこれがたよりであるというのがあるのです。製鉄あたりはがっぽりこの輸出
税制によって恩典を受けておる。これはまた国内の
景気浮揚によって公共事業へいけばそれで助かりますが、輸出一本やりの軽工業のおもちゃあたりは、これがやられちゃ困るという切実な訴えを受けたのです。私は、これはネガ・リストじゃないけれども、特別な事情である、財源もきわめてわずかなのですから、こういう配慮が必要であるというふうに思っております。そういう点はひとつ一応税務当局に
指摘をしておきまして、時間の関係で答弁はけっこうでございます。
もう一つ、この
自由化対策をなされて、ここにちょっと気がかりなのは、「これらの
施策の
実施にあたっては、
国内経済の
特定部門においてある程度の
摩擦が生ずることも予想されますが、
わが国経済はすでにこのような
摩擦を十分に吸収し得る体力を備えていると
考えられますので、」こう書いてある。私はこれはちょっと認識が甘いということをいわざるを得ない。これによって
摩擦を受け、このたいへんな大きな悪影響を受ける零細
中小企業なきにしもあらず。しかも、これが後進国との関係においてだんだんさびれていいのもありましょう、方向転換していいのもありましょうけれども、そういかないものについては、今度繊維の
自主規制においてあれだけの
財政、
政府援助をしたのですから、こういう悪影響を受けると思われる
品目については、
関係各省、特に通産省あたり、企業局あるいは
中小企業庁、ここら辺と密接な連絡をとられて、これに対する救済
措置というものは当然
考えられるべきものであって、
わが国の
経済体質では十分これが吸収できる、こういう安易な
考え方ではよくない。これはひとつ
大臣、どう思われますか。