○加藤(清)
委員 時間がありませんので、私は申し上げたいことを簡単に申し上げます。これは私が一方交通が好きで行なうわけじゃありません。時間の制限があるからです。それに協力するという約束があるからです。申し上げます。
脅迫されたの、無理だの、限度があるのとおっしゃいますけれども、いまの大統領はそれはそのとおりだ、そんなことは初めからわかっていることなんだ。しかし、それじゃ同じ共和党のスコットさんは、過ぐる国会においては、一九七〇年法案、
貿易制限法案を上院でつぶしてくれましたよ。これは、あなたも
幹事長だった、スコットさんも
幹事長ですからよくおわかりでしょう。その後
日本へ来られましたね。私は感謝の意を述べましたけれども、これは共和党ですよ。
そこでもう
一つ申し上げる。ジューリック、ケネディなりが参りましてあなたを脅迫したという話、対敵
通商法を適用するぞという話だ。そこでお尋ねする。対敵
通商法によって一九七〇年度を基準に三%の伸び率にするとかいう
お話のようでございますが、
大臣さん、対敵
通商法の何がそんなにこわいのです。
質問の第一番、対敵
通商法を
日本だけに適用するのですか。その場合に安保はどうなるのですか、ドルのかさはどうなるのですか。対敵
通商法を適用した場合に、これは当然のことながら基本が経済でございまするし
繊維でございまするから、世界じゅうの
関係国を相手にしなければなりません。さすれば世界全体で解決をするということになって、むしろ対敵
通商法は受けて立ったほうが解決しやすいということにも相なると私は思う。これについてあなたはどうお
考えであるか。
第二番目、時間に制限がありますので、あなたの名演説を聞くと時間を食っちゃいますから、それともう
一つあとで大事な案件がありますので、別な機会を与えてもらうようにとさきの
理事会の話でございましたから、そういうこともあわせて
お願いしておきます。第二番目は、かりに
繊維の
政府間協定の原因が
ニクソンさんと佐藤さんの密約であったとしても
——これは事実です、
日本においては秘密だけど
アメリカにおいては公然たる事実なんです。それを佐藤さんがうそを言っておるだけだ。しかしそれはいざ知らず、かりにそれがあったとしても、私は、今日の
段階における状況ではこれは自然解消したと思います。なぜ自然解消したか、それは相手が破っているからです。なぜかならば、
繊維と交換で行なわれました沖繩、これは次の国会で長時間やりますが、これは核抜き、本土並みという約束があった。にもかかわらず核は残る、これが守られていない。第二に、
ニクソンさんは中国へ頭越しの
交渉をなさった。これはたいへんなことなんです。おみやげが何であるかはまた別の商工のときにやりますが、これは行って、国連へ新中国を加盟させたというとどういう結果になるか。しかも、おみやげにビッグスリーやらデュポンやらがあるとなると、これはプラント
輸出だ。これは
アメリカと中国は友好
通商条約を結ばなければならない。さすればこれは友好国となる。安保とは何ぞや、敵視
政策が基本である、ゆえに沖繩基地が必要である。ここに至って、
沖繩返還と抱き合わせの
繊維政府間協定はすでに二つの前提
条件が、相手国の
態度によって変わってきているから、
情勢はすでに変化したと見なければならない。それをいまもって後生大事に
繊維の
政府間協定だけを遂行しようとしていらっしゃる外務省、
通産省、解せぬというもまた愚かである。いずれ本件についてはゆっくりと個人面談をしたい。
同時にもう
一つ大きな問題は、
日本の
中小企業がやられるということ。皆さんがおやりになるから申し上げますが、極東三国が目をさらのようにしてこれを見ている。しかも極東三国の伝えるところによれば、
アメリカとの現在の
交渉の伸び率は、一〇%から、下っても七%である、そういう有利な
交渉をしようとしておられるときに、
日本だけがウールは一%だの化合繊は五%だのというようなことをやれば三国は非常におこるであろう。同時に欧州
輸出関係諸国もまた
日本の
態度を注目している。もし
日本が
アメリカに対して全面屈服をするならば、必ずや欧州は
日本に向かってまた同じような
態度でくるでしょう。カナダがさっそくくるでしょう。ということは、コットン二国間
協定がSTAとなり、LTAとなり、二年と約束したことが十七年も続いている今日の状態を静かに振り返っていただけばよくおわかりのことでございます。コットンは二年が十七年も続き、これが、いつ断ち切れるかわからない。約束違いである。いわんやこのLTAの第一条、第六条には、かかる問題は絶対に他の品目に及ぼすべきではない、なぜかならば、これは例外中の例外で各国間の自由
貿易を阻害するからであるとある。時間ですからこれで
結論にしますが、そのことは私が言わなくても、これを結んだトレザイス氏は、私の政治生活の一生の間のあやまちであったと自著に書いているところを見ても明らかな事実である。
アメリカ人もまたこれを認めておる。私は決して一方交通を言いません。よく御勘案の上、信頼する
大臣です、
田中さん、こっちを見てください、私はあなたを信頼している。この信頼は私一人ではないでしょう。
業界はみなあなたの腕を期待している。その期待にそむかないようなことをしてください。まず第一番急がば回れでございます。あまり急ぐ必要はありません。十五日なんということは
考える必要はない。以上でございます。