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田中国務大臣 今度
日米、日加両
経済閣僚
会議をやってみまして、いま御
指摘になったような問題、これはもう焦眉の急だから通産省が
考えなければいかぬということを
考えてまいりました。通産省の中で意思統一をまずやろう、いままでの法律や
制度やいろいろな
政策もひとつ勉強し直してみよう、業界に対しても率直にひとつ新しい
事態を告げよう、こういう
考えでございます。新しい
考え方を述べて業界でも新しい芽生えを育てようということでございます。これは表に大きく出ておりますのは日
米貿易だけでございますが、日加でもそうなんです。それから日加だけではなく、今度はそのあおりでもって
日米、日加の
品物が全部ヨーロッパへ攻め寄せてくるんじゃないかということで、ヨーロッパに行かないうちにヨーロッパでは門戸を閉じようとしておる。この二つというのは、
日米は少なくとも
貿易を
バランスしてくれ。
バランスをさせるための
方法があるかというと、
政府間協定をやろう、
カテゴリー別にぴしゃっと押えよう、そうすれば
貿易上の
バランスはできますから。そんな法律は出してもなかなか通りません、与野党間で反対しておるような法律を出しましても通る見込みはない、通る見込みのない法律をあたかも通るようなことを言って協定することは不信になりますから出しません。私はこういうふうに米国に申し上げた。そうすると、
政府間協定ができないならどうするか。自主
規制です。自主
規制をやっておっても真に
政府間協定の実効はあがらない。あがらない場合どうするか。
課徴金などはやめません、いまの
課徴金プラス
課徴金ということも
考えられる。これは非常に緊迫したものなんです。絶対に
日米間の
貿易を
バランスせしめるためには、せしめ得る実効のある手段をとります。こう言っているのですから、これは非常に強いわけです。それでは
アメリカの
政府だけでとるということよりも、法律で
規制をするよりも、また
課徴金を
アメリカに払うよりも、もっといい手がないかどうか
日本も
考えますよ。こう言って別れてきたわけであります。
そうすると、いまあなたが言うように、
アメリカで一〇%取られるなら、
日本で
輸出税をかけてそれを
中小企業や零細
企業、立地
政策などに使ったらなおいいんじゃないか、それは知恵はなくてもその程度の知恵は出るわけであります。ですから、そこまでいろいろ話をしてみているのですから、そんなにならないようにするのには、実質的に自主
規制というものが実効あるようにしなければいけない。そのためには業界の自主
規制の
体制をどうするかという問題もありますので、通産省でも十分研究をしながら、業界にもこれ以上もっと損をするようなことまで追い込まれないうちにまずうまくやろうじゃないか。うまくやるためにはどうするんだ。業界の
体制をどういたします。場合によれば貿管令を使って
政府も手伝ってもよし、そうしてそれはあくまでも
政府が
政府の
立場でやるのではなく、業界が自主
規制をするところに貿管令が補完的な役割りをすることができればもっと合理的にできるわけであります。これは
アメリカだけではないのであります。日加、すなわち
カナダは何もないといっておるが、何もないどころではないのです。
カナダはダイバージョンといって、
アメリカに行く
品物が全部
カナダに来ては困るので、
通産大臣が来ないという保証をしてくれれば別だが、保証してくれなければ
カナダも何か
考えなければならぬというくらいに非常に強いのでございます。同時に、いままで
日本に買ってもらっておる鉄鉱石とか銅の鉱石とか、いろいろなものの何割かは
カナダで製品として、その製品を買ってください、製品を買ってくれるという約束がないと原材料の供給も法律で
調整をしなければならないかもわかりません。こういうことでありましたから、そんなに一世紀も逆戻りするようなことを
考える前に、お互いもっと意思の疎通をはかって、事前に両国が
理解できるような、共存共栄できるようなことをやろうじゃないか、
カナダは原料供給国であり
日本は
世界における最大の原料輸入国であるのだから、最大の供給国と最大の輸入国が事前に
調整ができないはずはない。こう言ったら、まあできるでしょうから一生懸命やりましょうということでございまして、なかなか
各国でみなそういう
日本の
輸出というものに対して脅威を感じておるような傾向にありますから、やはりそういうことに対して
日本の
輸出はノーマルなんだ、
日本とは永続的につき合っていかなければならぬしつき合っていけるんだということで、私は、最終的には
日米間の問題などは非常に短期的な現象です。大体
アメリカが輸入がふえたのは、港湾ストが
長期化すると思ったので、
アメリカの人たちが先を見越して買い急ぎ、輸入急ぎをしたという面も多分にあるので、それが一体幾らあるのかということを計算してもらいたいし、
日本がこれから公共
投資を行なって、第二に民間の
設備投資が刺激をされ輸入に結びつけば、半年後ぐらいになると相当
バランスが変わってくる。半年後を見なければ真の
日米間の
貿易の
状態は、いまがノーマルかアブノーマルなのかわからない、だから静かに数字の推移を見ましょう、こういうことを言ってきたわけでございますが、やはりいろいろな問題をいま含んでおりますので、通産省も業界も、法律をつくらなければ、二国間の条約によらなければ、
課徴金によらなければ、もう一ぺん新
課徴金、タリフクォータ
制度を全品目に適用されて、一定の制限を越えるものには二〇%、三〇%、均一的な罰金を払うようなところまで追い込まれないという、まあそれがオーダリーマーケットということだろうと思いますが、秩序ある
輸出体制の
確立というものを広範な
立場で検討し、直ちに実施に移していかなければならぬじゃないかと思っております。