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米田委員 大臣のたいへん前向きの御決意をいただいたわけでありますが、そこで、いただいたこの資料でございますけれども、いま大臣から、大体直轄と
補助河川についてのパーセントをお伺いいたしました。私もこの新しい五カ年
計画、とにかく
総額において四兆七千億という予算規模、投資規模でございますので、この建設省の前向きの
治水計画につきましては、ほんとうに敬意を表したわけであります。ただ第三次五カ年
計画は、来年までのやつをことしで打ち切って、来年からは第四次に合わせるという方針のように聞いておりますが、この第三次の場合でも二兆五百億の予算規模で、要するに整備率といいますか実施率といいますか、これはどのくらいかとお聞きしたのでありますが、大体六八%だということであります。そうしますと、この六八%の内訳を私は聞いておりませんが、大体二兆五百億の予算は盛ったけれども、いろいろな
関係があってその六八%の
計画しか実行できなかったということになるわけであります。こういうものは、私はやはり現実にあるだろうと思います。したがって、今度四兆七千億といいましても、特に、いま
説明がありましたように、直轄あるいは
中小河川という
関係でかりにパーセントを分けてワクをきめましても、全体としては整備率は落ちるのではないか、実施率は下がるのではないか。
それから、あなたのほうでは、
経済効果をやはりどうしても追求されます。
河川改修であろうが何であろうが、
経済効果を追求されます。そうしますと、どうしても
小規模河川や
中小河川というものは食われてしまう。そして直轄
河川の、しかも大
河川あるいは
経済効果の大きいところにとられてしまうということがあるだろうと私は思います。
そういういろいろな点を考えますと、これは大臣おっしゃるように、相当思い切ったパーセントでもって、国の方針がはっきりと
中小河川、
小規模河川の
改修にあるんだということが打ち立てられて、行政のあなたのほうも、それを受ける
地方公共団体や
関係団体等も、そういう方向で進められるということでございませんと、
計画はりっぱに立ったんだが、さあ五年たって振り返ってみたところが、実施率も非常に下がったし、肝心の
中小河川や
小規模河川の
改修がまた食われてしまって進まなかったということになるのではないか、こういうふうに実は思っておるわけでありまして、この面についてはひとつ思い切って予算をとっていただくようにお願いをしておきたいと思うのであります。
それから、直轄
河川については、この第四次については、長期目標に対して四五%の整備率を見ておるようであります。ところが一方、
補助河川については、建設省が整備すべきものは二二%、
地方公共団体の単独事業を含めて二四%、これは長期目標に対する整備率でありますけれども、この点は、いま大臣が御
説明なさったような予算の
関係からいきますとはたしてこういうことになるかどうか、私はちょっと疑問があるわけであります。とりわけ、直轄でも
補助河川でもそうでありますが、特に都市にある
河川の
改修、これは相当これから思い切ってやってもらわなければならぬのではないか。いま大臣からも、
川内川の
改修がおくれておるように感じましたという率直なお話がありましたけれども、私どもはあそこへ行きまして、やはりそういう感じを受けたわけであります。私は新潟県の出身でありますが、新潟県も最近は、地震だ、水害だ、雪だという
災害が多いのでありますが、しかし、何といっても
台風の常襲
地域といえば、私どもが今回見てきた
鹿児島、
宮崎、
熊本、この九州が第一であります。それから四国ということになるでありましょう。こういう常襲地帯の、しかもあの銀座通りといわれる
川内川、その
川内川をまともに町のまん中を通しておる
川内市、あそこの
河川がまだああいう状態に残されておる、私はそういうような感じを持って実は見てきました。
この
河川の
改修というようなものについては、
災害予定という面を前面に出して、もっと集中的にできないものかどうか。
災害の常襲地帯といわれるようなところについては、もっと
政治の手厚い
対策というものがどうしてなかったのだろうか、そういう私自身の反省も含めて見てきたわけでありますけれども、この
計画によりますと、市街化
区域については、相当あなたのほうでも今度は重点を置いて、一時間当たり五十ミリ程度の
降雨にたえ得るような大体の基準で相当思い切った
改修もやられる。
河川の数や築堤の延長キロ程なんかも出ておりますが、どうも私は、まだ数字を並べただけにしかすぎないのではないかという感じがしてならないわけであります。ひとつ思い切った
災害常襲地帯についての
河川改修、それから特にその中でも
川内川、それから都城の大淀川、それから
熊本市の
白川、典型的な都市のまん中を通しておる
河川でありますが、本川といいますか直轄
河川はまあまあだけれども、その支流、要するにそこに流れ込んでおる
中小河川や
小規模河川は、見たところでは全く原始
河川という状態だと私は思います。ちょうど昨年の
千葉県の
災害のときのあの原始
河川と同じような状態が残っておる。そういうことを見て実ははだ寒い思いをしてまいりましたけれども、こういうものに対してもっと建設省として重点的な
対策というものを、新しい五カ年
計画の中にきめこまかく織り込んでいかなければならぬのではないか、そういう気がするわけでありますが、その面について、いま一度ひとつ大臣から決意を聞きたいと思います。