○瀬野
委員 梅雨前線豪雨及び
台風十三号による
災害並びに
台風十九号による
災害について、主として
建設省当局に
質問をいたします。
一昨日の農林水産
委員会で、農林漁業
関係については十数項目私
質問してまいりましたし、時間の制約もございますので、本日は具体的な事例をとらえまして順次
質問をしてまいりたいと思います。
本日、
熊本県の副
知事も陳情に参っておりましたが、今回の
集中豪雨並びに
台風十九号によりまして、ダブルパンチを受けました
熊本市を貫流している白川改修問題について伺いたいと思います。この白川改修問題は多年問題になりまして、
建設当局も現在たいへんな努力をしていただいておることも十分承知しておりますが、
熊本市は、この白川によって毎たび
災害を受けまして、県・市民はたいへんな不安におののいております。
昭和二十八年の六月二十六日、すなわち六・二六水害によって、阿蘇山に降ったヨナを
熊本市に運びまして、
熊本市がたいへんな水害、泥害を受けたことは、いまだに皆さまも御承知のとおりでありまして、本年度においても、すでに七月二十一日から二十二日未明にかけての
集中豪雨で、白川にかかっておりましたただ一つの木橋であります蓮台寺橋が
流失し、
熊本市の沿岸住家千二百戸が一瞬にして浸水したのであります。また八月六日の
台風十九号によりまして、午前四時四十分、市内
中心の代継橋付近で
警戒水位三・七メートルを突破、同じ七時二十分には四・二メートルまで水位が上がり、ついに七百戸、二千五百人に避難命令が出るという大騒ぎになったわけでございます。白川改修
工事は、御承知のように
昭和三十一年に始まり、全体の改修延長が十七キロ二百九十メートルで、改修費総額が二百五十七億一千七百万円、
昭和四十五年度までの執行額が五十四億一千九百万円となっております。従来もっぱら下流の河口、小島方面だけに
工事が行なわれて、昨年からようやく上河原、本山地区で一部護岸、特殊堤
工事が始まったのでありますが、市街地は全く手をつけてないといっても過言でないのであります。投資面から見てみますと、
工事進行率は四十五年度末で二一%とされておりますが、
工事そのものの実績は、このパーセンテージを大きく下回っていることが実証されておるわけです。
こうした
実情からしまして、水への備えははっきり言って二十八年の六・二六水害当時とあまり変わらない、こういうことがいえるわけであります。熊木の九地建
工事事務所のほうでも、無防備ぶりを現実に認めているというふうにいわれておりますし、今次の
集中豪雨による
熊本市
被害は明らかにこれは人災である、こういったことがいわれて、県・市民の中にたいへんな非難が今回の
災害で起きてまいっております。
二十八年の
熊本市を襲いましたところの六・二六水害からちょうど本年は十八年、俗にいわれます二十年周期ということになりますと、
あと二年もせぬうちにまたあのような大泥害の水害がきやせぬかということで、たいへん
心配をされております。白川沿岸の住民たちは、白川改修
工事のおくれにきびしい批判をもって見ておりまして、いつまでこのような不安を過ごせばいいか、こういって非難をしておるわけであります。十八年間のいわば無防備状態、そして人災といわれるような
災害となっております。本年度は六億八千万円だったと思いますが、改修予算を組んであるようでありまして、この程度の予算では完了までにおそらく
あと三十年くらいかかるのではないか、こういうことになります。今後もこのような
災害が繰り返されてくることは、もう火を見るよりも明らかでありまして、改修
工事への重点投資を促進しなければ、このようなことを再度繰り返していくということで、市民不在の都市
河川行政への非難はますます高まっております。全国で十八番目に大きい都市とされておる
熊本市の
中心を貫流しておる白川、たいへんな問題なことも十分承知いたしておりますが、二月の予算
委員会の分科会でも白川改修問題を取り上げた際に、
建設大臣は、重点的に予算の運用をしていきたい、こういったことで前向きの姿勢を示しておられますが、この白川改修の
現況と今後の見通しについて、県・市民が安心して生活できるように、ひとつ県・市民のためにもあらためて明確に
答弁をいただきたい、かように思うわけでございます。