○米原
委員 ただいまの御
意見は非常にけっこうな
意見だと思います。いままで
政府が
——これはその問題でここで議論しようというわけじゃありませんが、
政府が
発表されているいろいろな公式の文書の中に、産業運河ということばがずいぶん使われております。これはやめていただきたいということです。それで別の見地から、根本的に
人間の生命を大事にするという見地から全体の瀬戸内海問題を
考えてもらいたい。
それから、私たちの開いた
会議ではいろいろな
専門家も出席して
意見がありました。たとえば、産業廃棄物の投棄を発見するのは、いまもここで質問がありましたように、なかなかむずかしい問題があります。ヘリコプターを使えという
意見もありましたが、ヘリコプターよりも民間飛行機をチャーターするほうが金もむしろかからない、そして発見も手早いし、飛行機から見るのが一番早い、それをすぐ海上保安庁に連絡をとって見つけてやるというような提案がありました。このあたりはちょっと
考えてもらいたいと思っております。それからもう
一つは、
地域の住民の協力を求めることが非常に大切である。たとえば、海上に流されているごみで困っているのは実際は漁民ですね。ある
地域、たとえば小豆島の漁業協同組合ですかに兵庫県が協力を求めた、そのごみを拾ってきてくれ
——これは積極的で喜んでやっております。瀬戸内海
関係の漁業協同組合全体に協力を求めたら、おそらく相当成果があがるのではないかと思いました。これも漁民が協力してくれるので、それはいまただでやっているのですが、ある
意味では奨励金でも出して、そういうやり方でも、少なくとも漁業に
被害を与える面は相当救われるのではないかということを
感じたので、参考までに話しておきます。
その議論の中で一番問題になりましたのは赤潮の問題です。いままで、各地でこの赤潮の発生の原因について漁民を中心に土地の住民がいろいろ申し入れましても、これは確かにむずかしい面はあるのですが、科学的な調査が実際はできていないということで、この点をどうしても国としてあらゆる科学技術機関を総動員してやってもらいたいというのが基本的な要求の
一つだったわけです。ところが、一昨日の朝日
新聞に出ておりますね、科学技術庁の、赤潮の原因について山口県徳山湾をモデルに選んだ調査が
発表されておるわけですね。「内海水域の赤潮に関する総合研究報告」、これが初めて国の調査として、原因が明らかになった。大体それは予想はされておったわけですが、工場排水の影響が決定的である。大体予想しておったのでありますが、しかし総合的な調査は
一つもないのですから、いままでのところ幾らこの問題を言っても、公式のデータというものは何
一つ出ていないために、どうしたらいいか困っていた。この点では、この調査が出たということは非常に大きな
意味を持っていると私は思います。
ただ、そこで問題なのは、この朝日
新聞の
記事で見ますと、この調査の過程で各主要工場の排水口別の栄養塩類濃度が調査されて、データとしてはもうすでに持っている、しかし、これは公表しなかったということなんですね。どうして公表しなかったかということがたいへん問題なわけですが、科学技術庁のほうは、この研究は赤潮現象について調べることが目的であって、赤潮の個別的な原因追及は調査のテーマではなかったと言っておられると
新聞はいっておりますが、しかし個別的な調査のデータこそ現場の漁民は知りたいところだと思うし、また、そこまでいかないと具体的に赤潮を防ぐことも実際にはできないのじゃないか。一般的にはこれがはっきりわかってきたわけですが、この点について科学技術庁のこの
発表のしかたは、どうも企業に不利なデータは隠そうとしているのじゃないか、これはだれしもこう感ずるのは当然だと思うのです。すでに中間報告としては、この企業別のデータは出ているそうでありまして、これを見ますと、すでにこの中間報告というのも百部だけ印刷して、
関係研究者には配付したということも出ております。こういう問題、これは確かにそれ以外の企業にもおそらく問題はあるんじゃないかと推定はできますけれ
ども、少なくともこんなものは隠す必要はないのじゃないかと私は思うのです。これは百部ではおそらく
公害委員会のメンバーにも配付されておりませんが、このデータは少なくとも
国会の
公害委員会に対しては配付してもらいたいと思います。同時に、なぜこういうやり方をやるか。これは科学技術庁のほうに聞くのが当然かもしれませんが、ひとつ
環境庁の長官として、こういう問題に対してどういう
考えを持っておられるか聞きたいと思います。