○横路
委員 航空行政についてお尋ねしたいと思います。
「ばん
だい号」の
事故、それから日本
航空のDC8=61の
事故、その前の747の
事故を含めますと、短い間に非常に大きな
事故がたくさん
発生しているわけであります。先ほど来議論があったように、この
原因が何かということを
考えてみると、四十一年にやはり四大
事故が
発生して、安全第一の
指導というのは、あの直後はやってきたわけでありますけれ
ども、その後の各
航空会社のいろいろな
業務計画等を見ますと、安全性ということが、定時性とか快適性あるいは
運航効率ということばに示されているように、経済的なコストとのバランスの中だけで
考えられる、こういう
航空会社の姿勢、それをまた
運輸省のほうが許認可
行政を通して安易に認めている、ここにやはり一番大きな今回の
事故の背景があると思うのです。ですから、本来ならば、まず
空港整備をする、あるいはそのための
保安施設を完備するなり
要員を配置する、あるいは
会社もまた、パイロットなり
運航管理の
要員なり、
整備の
関係の
要員なりをきちんと
養成をする、そうして初めて
飛行機を飛ばすのだということでなければ、今回のような
事故というものを再び繰り返すことになるのじゃないかと思うのです。
そんな意味で、時間もあまりございませんので、とりあえずすぐ
航空会社に対して改善するように皆さん方の手で
指導していただきたい三つの点についてだけ
質問をしたいと私は思います。
それは、一つは気象状況の把握の問題です。
航空気象のあり方の問題と、それから各
航空会社の
整備並びに
運航管理の
要員の配置の問題、それからもう一つは、パイロットを含めた乗務員の
養成の問題です。
まず最初に、パイロットの
養成なんですけれ
ども、この「ばん
だい号」の
事故のときにも
指摘されたように、パイロットを含めた乗務員の
養成体制というのは、各
航空会社非常におくれているわけであります。おくれているにもかかわらず、どんどん
飛行機だけ飛ばすから、そこに無理がくる。いま、たとえばパイロットについては、日本
航空のいわゆるサード・クルーマン・システムというような問題が一つありますし、さらに
全日空におけるフライトエンジニアの
養成について、私は安全というものを
ほんとうに
航空会社が
考えているかどうかということが非常に疑わしいケースがありますので、まずこの点について御
指摘をして、
運輸省でどういう
指導をしているかという点を明らかにしてもらいたいと思うのです。
たとえば
航空機関士、フライトエンジニア、
全日空の場合ですと、
ボーイングの727以上の
飛行機について
——結局、
全日空の場合は727ですね、これは義務づけられているわけです。この
養成の問題をいまどうやっているかといいますと、まず採用してグラウンドスクール、地上訓練をやるのです。それからパネルトレーニングをやるわけです。非常にお粗末でありますけれ
ども、とにかくパネルトレーニングをやっている。五十時間ぐらいやるわけです。その上でオブザーブドフライトというのを五十時間、これは
航空法が去年改正されて、非常に問題だと思うのでありますけれ
ども、いずれにしてもオブザーブドフライトということをやっていて、その上で試験を受けているわけです。このオブザーブドフライトの訓練をいま
全日空の場合どこでやっているかというと、特にこれは東京−千歳線が多いのですけれ
ども、お客さんを乗せた
飛行機で全くの無資格者を実際に乗務させているわけです。そして
会社のほうを追及すると、要するに
航空機関士というのはスイッチマンにすぎないのだ、だからそれでかまわないというようなことで、無資格者を羽田−千歳線に乗務させて、そしてこのオブザーブドフライトという、
航空法できめられた五十時間という時間を取得させるべくやっているわけです。
全日空の場合は、アメリカのブラウン・フィールドに訓練場を持っている。そこでお客さんを乗せないで訓練する、それが本来のあり方です。ところが、実際お客さんを乗せて離発着の操作を全部この無資格者にさせているわけです。これは
全日空のほうでいろいろ調べてみると、
航空局のほうで認めているからいいんだ、こういうことをおっしゃっているけれ
ども、乗っている
立場から見ると、全くの無資格者にそんなエンジン操作をさせて、一発スイッチ・オンとオフを間違えたら、
飛行機は即座に墜落だ。こういうふうなことをなぜ
航空局がさせているのか。これは
全日空のほうでは、
運輸省のほうが認めているからやっている、こういうことなんで、その辺の事情というものをまず明らかにしてもらいたいと思います。