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高橋(国)
説明員 死傷者が多数出ました今回の二つの
事故につきまして、われわれ
道路管理者としては心から反省しておるわけでございますが、第一の、七月の五日に
発生しました百五十号の静岡県の大崩の
事故につきましては、これは飛騨川の
事故ないしはそのあとに起きました
相生の
事故とちょっと性格を異にしまして、すでに雨が上がったあと、五十時間後に大崩壊があったわけでございます。その
崩落を起こしましたところは、たまたま通称大崩というくらいに
崩落の多いところでありまして、その滑落につきましては、すでに、落石どめのためのモルタル吹きつけ工事等を三十八年に実施し、下には、通称洞門といっておりますけれども、鉄製の落石覆工をつくりまして防護しておったわけでありますけれども、あれだけの大
崩落が起きるということが
判断できなかったという技術的な問題につながる事件でございます。
それから、次の
相生におきます
事故につきましては、先ほども御
説明いたしましたように、突然の大
集中豪雨によりまして、通常では
崩落するというふうに全く予想がつかなかったところが
崩落したということになりました。
相生におきましては七メートル五十ほどの路面がございますが、そのサイド、山側のほうは五メートルぐらいの余地がございます。さらにそれから二割程度のゆるい勾配の地形になっておりまして、これは
道路をつくるためにカットした地形ではございませんで、天然自然のままの地形で灌木も入っておったというふうに聞いておりますが、そこが今度の
集中豪雨、つまり時間雨量五十ミリをこえるような
集中豪雨によりまして、ちょうどバケツの水を流して土が持っていかれるように、通称過飽和といっておりますが、そういう現象によりましてあの特定地点が
崩落したというふうなことでございます。御指摘のように、
相生の場合、たまたま日曜日でございまして、そういう面における
管理の手抜かりがあったことをわれわれも反省しておるわけであります。
御指摘のように、パトロールカーは北部の山地のほうのパトロールに出動しておりまして、職員は一名しか事務所にはおらなかったというのが実情でございます。ただ、御指摘のように、三時半ごろ
高取峠において小
崩落が起きたという情報が警察から入りましたので、直ちに職員が
現場に急行をしております。先ほど御
説明のように、
現場に急行する途中車の渋滞等に阻害されまして、
現地に到達する前に大
崩落が起きましてああいう惨状になったということでございます。
それともう一つは、きわめて局地的な
豪雨のために、
相生においては百ミリをこえておりますが、事務所のあります上郡においては、まだほとんどたいして雨も降ってなかったという
状況で、隣の赤穂におきましても同様でございます。そういうふうな局地的な
災害に対する今後の
対策というのは、われわれ十分考えておかなければならないというように思います。
この
相生の
事故を通じましてわれわれが痛感いたしますことは、まず第一に、祝日とか休日におきます、あるいは日曜日等におきます
管理の体制をもっと強化すべきだというのが一点と、それから、パトロールをいたしましても、必ずしも十分できないのが現在の人員でございますので、モニター制度を十分活用いたしまして、
崩落地区においては、たとえば雨量観測も同時に行なわせまして、その危険な
個所の近くにおける雨量によってその
危険個所における雨量を推定し、
交通規制の雨量に達したら直ちにその場で
交通どめができるような
方策も考えなければならない。それから、これは
大臣の指示でございますが、
危険個所と思われる
個所につきましては、自動的に落石を予知できるような何か装置を開発する
方法、そういうふうなことについて今後真剣に検討いたしまして、こういう
事故をできるだけ防止するように全力をあげたいというふうに考えます。