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木原委員 大臣はまだ御就任になりまして日が浅うございます。私はもう当
委員会におきましても、これは四年間にわたりまして、
機会あるごとにいろいろな問題を提起いたしました。ある意味では歴代の
大臣もそれなりに御苦労なさったと思うのです。しかしながら、それにもかかわらず日を追うて
農民の
諸君との断絶が深まってきた。いま
代替地と騒音の問題、こういう御指摘がございましたけれ
ども、実はそれに入る前に大前提があるわけなのです。誠心
誠意というおことばがございましたけれ
ども、しかしながらそれにしては、さかのぼりますと足かけ七年来、この富里の問題が起こりまして以来、ともかく位置決定の問題、
公団総裁が先ほど触れられましたけれ
ども、この段階から、
政府に対しましては不信感が強いわけであります。私
ども、これにつきましてはさかのぼって言いたいことがずいぶんあります。それからまた、すでに四千メートル滑走路を
中心にして、形が整いつつある現在の状況でございますけれ
ども、これについても私は、いわゆる
空港政策としてはたしてこれでいいのかという、まだたくさんの疑問を持っております。そういう問題をひっくるめまして、大きな前提になっておりますのは、誠心
誠意とおっしゃいますけれ
ども、最初のボタンを大きくかけ違っておるわけであります。
御案内のように、
現地の
農民の
諸君は、決して初めからこれに
反対とかなんとかという意思表示はなかった。むしろ三里塚の
農民諸君は、どちらかというとたいへん天皇を崇拝するあの
土地柄でございます。
委員長の戸村さんにしましても、つい先般までは、おそれ多くも天皇の御料地を取り上げるというようなことは、世が世ならばけしからぬことだ、総理
大臣も
知事も縛り首だ、こういうような意味の激高をされておったような、そういう
方々なんです。そういう言ってみれば
農民の
方々をここまで追い詰めた責任というものは、これは一にかかって私は行政や
政府、なかんずく
関係した
政治家の責任が重いと思うのです。やはりこれの払拭なくしては、先般も
大臣が書簡や、
成田の市長あるいは
知事を通じて
代執行前に面会を申し入れられた、それに対して拒否の回答があった、こういうお話でございますけれ
ども、もはやそういうことでは、
成田の市長に対しましてもあるいは
知事に対しましても同じような不信感が強いわけであります。
そういう前提をどうして解きほぐすのかというと、
現地の
人たちがまず申しておることは、ともかくここに
飛行場をつくるのだ、おまえさんたちがどいてくれればひとつ
話し合いに乗ってやりましょう、
反対をするなら
話し合いになりませんよ、こういう態度がいままで強かったわけなんです。初めからどけと言うなら、
政府のほうできめたことをかってに押しつけてくることじゃないのか、こういう実は反発が強いわけであります。ですから、私は歴代の
大臣にも
地元の
知事等にも申しておるわけでありますけれ
ども、やはりそこは白紙で臨んでいく、すなおにもう一ぺん初めに返って、
農民諸君の
言い分をまず聞く、こういうところから出発しませんと、いままでのやり方がそうであったのです。
賛成をする者については、
代替地の問題も補償の問題も
協力をしてやりましょう、しかし、がんこに
反対をする
人たちに対しては、結果的には力をもって対決をするという結果になったわけであります。しかも、芝山町の問題が出ましたけれ
ども、たいへん豊かな蔬菜地なんです。しかも、ほかの農村と
違いまして、ここは専業農家が非常に多い。少なくなりましたけれ
ども、現在でも専業農家が五割以上を占めておる
土地柄なんです。そういうような
土地柄でございますから、ともあれ、
土地に対する執着の問題その他も出ましたけれ
ども、私
どもとしましては、前提を間違えたのでは、これは対話の方法はないと思います。
したがいまして、私は、
話し合いに臨むというならば、やはりそこは白紙の立場でともかく
農民諸君のまず声を聞く、こういう姿勢がなければならぬと思うのです。しかしながら、すでに一期
工事の概要ができるような段階になっております。一期
工事の中でも、
共同墓地や藤崎さんの
土地がまだ残っておりますけれ
ども、これらの問題から入っていくことになると思うのですけれ
ども、私は、その際にひとつ
大臣の所見を伺っておきたいと思うのですけれ
ども、二期
工事については一体どうするのか、二期
工事については
話し合いができなければ、従来どおりの方法で強制
執行をかけて
収用をしていくのか、それとも
農民諸君の合意を得られるまでこの問題は詰めていくのか、その辺のことについての
大臣のまず腹がまえを聞いておきたいと思うのです。いかがでしょうか。