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国務大臣(
福田赳夫君) 貯蓄に対する税制上の優遇
措置ですね、これは零細貯蓄の優遇
措置、それから郵便貯金に対する非課税
措置、それから国債の免税限度そういうものがあるわけです。これはそういういろんな制度があります。そこへ今度は勤労者の財産形成というものがつき加わってくる。こういうことで一見いたしますと、四つ五つそういうものがありまして、ちょっと複雑過ぎるなというようなお感じをお持ちかもしれませんが、これはやはりバラエティーがあるほうが貯蓄者には好都合であるというふうに
判断をしているのです。つまりメニューが多いということですね。そのほうが食いつきいいのだ、こういうふうな
考え方を持っているのであります。その
程度の、バラエティーがあるほうがむしろ総合的に見ますと、貯蓄増強施策としては適当であるというふうに
考えておりまして、いまこれを整理するという
考えは実は持っておらないのです。
それから第二の三Kの問題、これはいま公約というお話でありますが、公約はいたしておらないのです。まあ国会の総理
大臣の演説におきましても、まあ三K問題を抜本的に解決されたのだというふうには申し上げておりませんのです。まあ私はこれは本
会議でも申し上げたのですが、三K問題は解決をしなければならぬ問題である。しかし一挙にこれをやることはむずかしい。
そこで第一に米の問題につきましては、これは
かなり根本的な処置に着手をした、つまり減反
政策を強力に進める。そして五年後には米の
需給、これはとにかく達成しなければこの問題手がつかぬ、大前提の問題である、これを解決することにふん切る。五カ年の
計画をもってこれをスタートするということになる。また物統令の廃止、これも非常に重大なんです。つまりなぜ重大かというと、消費者の選考という問題ですね。これが初めてこの
措置によってはっきり立証されるわけであります。いままで米の
需給というものがどうして今日のような生産過剰な
状態になったか、こういうと、うまい米でもまずい米でも多少の格差はありまするけれ
ども、しかしまあ大ざっぱに言いますと、まず一律に生産者から買い取られる。また消費者へ売却をされる。そういう
状態であったわけです。この
需給問題の立場から
考えますと、まず
需給問題が非常に重大な問題でありますが、なぜこの生産過剰な
状態になってきたかと言いますると、まずい米でもたくさんつくりますればそれで所得が多くなる、収入が多くなる。そういう
状態だった。そこに大きな原因があると思うのです。何でもいいからつくりさえずればいいという
体制だったわけです。ところが、うまい米だ、宮城県の米なんかはうまい米です。しかしそれにもかかわらず北海道の米、これはまずいと言われるのですが、そういう米と同じ価格で買われる。そこで品質差、銘柄差、こういうものを大幅につけなければ
需給問題というものが解決されない。これはもう定説であります。ところが、銘柄というものは一体どういうふうに設定するかというと、これはだれか天下りにつけるわけにもいかない。これは国民消費者がつけるほかはないのであり出す。そこで今度は物統令が廃止された。そうすると、消費者が今度は消費段階において格差をつけてくれる、こういうことになる。その格差が将来においては生産者米価にもこれが適用される、こういう基礎をつくってくれるわけであります。その辺に物統令の廃止というものは非常に大きな
意味を持つわけであります。物統令の廃止とそれから
計画的減反
政策、これをあわせ
考えるときに、米の問題はほんとうに私は新段階に入った、こう申し上げてさしつかえはないと思います。
それから健康保険の問題でありまするが、
政府管掌健康保険、これがまあ問題になる。その問題になるのはどういう点かというと、医療給付の問題、これが制度的にあるいは運営上いろいろ問題がある。その給付の
合理化、こういう問題に着手をしなければならぬという問題がまあ
一つある。それと同時に負担の問題です。負担が、いろんな医療保険がありましてそれがばらばらである。これを統合とまでいきますれば、なおいいんでありまするけれ
ども、せめて
合理化というところまでいかなきゃならぬ、こういう問題がある。それから第三に問題になりますのは、これは医療
財政の問題であります。いま単
年度赤字でもたいへんなものです。これが累積されまする場合には、健康保険におきましても来
年度末
あたりにはまあ二千数百億円と、こういうふうにいわれるような
状態です。で、
財政を一体どうするかと、いわゆる医療制度の改革改革といわれるけれ
ども、その三つが柱になる。そのうちの
財政問題、これはまあほっておけばそれだけ赤字が出る問題でありますので、これをとにかく緊急に解決しなきゃならぬというので、これに着手をするということにしたのが今度の健康保険法の改正なんです。まあ三つの論点というか、問題点の中の
一つに大きく踏み出したというんでありますから、これはまあ全面解決じゃございませんけれ
ども、一歩医療制度の根本的解決に向かって踏み出した、こう言って差しつかえないんじゃないかと思います。
それから国鉄の問題につきましては、これはお話のとおり、まあほんとうにつなぎの
措置、これはいわゆる総合交通体系という中において解決されなければならない問題である。その総合交通
体制というものが四十六
年度予算編成の段階では間に合わなかった。これは非常に残念なことでありまするけれ
ども、まあ七
年度の課題にするほかはない、こういうふうに
考えておるんです。そういう
状態で最大限の努力をいたしておりますが、一挙に何もかにもという
状況にいくことも困難であるということもまた御
理解願いたいのであります。