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西村関一君 私は
あと十五分ですね、
上田君がだいぶ時間を取りましたから私の時間は少なくなりましたので、まとめていろんなことをお伺いしたいと思います。
老人ホームの
施設の改善、老朽
施設を建て直すというようなことを
お話しになりました。私けっこうだと思うのでございますが、これは
大臣ぜひやっていただきたい。金がかかっても、これは金をかけることは決して私はマイナスにならぬと思う。このために、もっと力を入れていただきたい。たとえば老人ホームの庭にいたしましても、庭というような庭がない、やはり庭に出て自然を楽しむ、青空を見るというようなことが老人
たちの老後を楽しませる大きな要素になると思います。もう少し敷地を広めて、りっぱな庭をつくって、木を植えて、そしてまた場所等も湖畔であるとか山のふもとであるとかいうような、非常に景色のいいところ、そういうところをやはり選んでいただきたい、私はこの間も二度ばかりフィンランドに参りまして、フィンランドの老人ホームを見ましたが、実にうらやましいと思いました。そこにはサウナ風呂が各階ごとに二つずつ両側についておるのでございます。そこに行って自由に老人
たちはお風呂を楽しむことができることになっております。実に広い庭がありまして、ここではなだらかな芝生がずっと続いています。こういうところに行けるのは有料、軽費老人ホームというのかもしれませんが、そういうことができるのは、やはり老齢福祉年金が十分あるからで、
日本の金に直しまして一カ月二万数千円の年金をもらっている、夫婦で入っている人は、夫婦は倍というわけにはいきませんけれ
ども、それでも相当な額をもらってそこに入っている、
あとは息子や娘
たちから出してもらうということで、実に豊かなうらやましい生活をしている。それに比べまして
日本の老人ホームは非常に貧弱でございますから、この点は
大臣もお感じになっておられまして、何とかこれはひとつ改めようという意欲を持っておられますことはけっこうでございます。さらに老人ホームだけじゃなくて、心身
障害児、心身
障害者
施設につきましても私は同様のことが言えると思うのでございます。事例を申し上げて
お尋ねをする時間がございませんけれ
ども、これまた非常に貧弱でございます。これもひとつ改善をしていただきたいし充実をしていただきたい。
さらに、いま
お話がございました従事者、職員の問題でございますが、実は私ごとを申し上げて失礼でございますが、私は一人、交通事故で父親を急に失いました娘、高校を卒業しました娘をあずかりまして、そして育てました。この娘が老人ホームで働きたいということを言い出した。私がすすめたのではございませんけれ
ども、そういうことを申し出まして、私はさる老人ホームに入れたのでございます。一生懸命いまも働いておるのです。その娘を通しまして、これはかなりいい
施設でございますが、老人ホームの問題点について幾らか私は聞いておるのでございます。せっかく使命を感じて、うら若い娘がお年寄り
たちのお世話をするということで意気込んで参りますが、いま
大臣が
お話しになりましたように、身分の問題あるいは労働条件、労働基準法の適用など、なかなかなされていないようでございますし、そういうことを言いますとこれはいけないかもわかりませんけれ
ども、これはもう二十四時間勤務、もちろん時間交代ではございますけれ
ども、そういうことでも喜んで働いておる。しかし身分の保障がない。私立はもちろんのこと、公立の場合でもなかなかそういう点が十分に行なわれてない。それからまたそういう
施設に必要ないわゆる
専門家、そういう方々の待遇につきましても、私はもっと国が配慮していいんじゃないかと思うのでございます。自分は心身
障害あるいは精薄、あるいは手足の不自由な
子供たちのための
専門家であるということに対して誇りを持つ、そしてまたそういうところで働くことについて生きがいを感ずるというような若者や
専門家、お医者さんであるとか心理
学者であるとか、いろいろな分野の
専門家があると思うのです。そういう人
たちが甘んじて
施設で働くことができるような状態をつくり出していかなければならぬと思うのです。それが私は行政の責任に立っておられるところの
政府の責任だと思うのでございます。こういうことが私は残念ながらきわめて不十分だと思うのでございまして、
専門家にしましても
施設に従事する人
たちにしましても、長くそこに居すわることができないというような、特別な例外はございますけれ
ども、大体においてそういうことでございます。私は精薄の父といわれました糸賀一雄君とは長年のじっこんでございますが、彼はなくなりましたが、ああいう状態でなくなりましたけれ
ども、ああいう人がさらにまだ隠れておる、埋もれておると思うのです。そういう人を
政府は掘り起こしてきて、そういう人
たちをもっと大事にする、優遇する。そうして生涯をかけて一つの仕事に打ち込むことのできるような、そういう背景をつくっていくということが私は必要じゃないかと思うのでございます。こまかいことについては私は伺いません。幾らかの
資料は持っておりますけれ
ども、そういうことには触れませんけれ
ども、全体としてそういう点が私は痛感されるところだと思っておりますので、
大臣の御所見を承っておきたいと思います。
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