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国務大臣(
西田信一君) 日本の原子力開発の推進に欠くことのできないのが、資源の確保と、それからまた濃縮再処理等の技術開発であると思います。特に濃縮ウランの問題につきましては、われわれは最も
中心課題だと
考えておるわけでございます。先般の
原子力産業会議は、そういう
意味におきまして非常にタイムリーであったと思います。六十人くらいの外国人がこれに参加しておりまするし、またわれわれ、実は十分な結論的な解明は得られなかったとは申しながら、
写真の公開などというようなこともわれわれは
考えていなかったところでございますし、かなり前向きの好意が見られまして、ことに日本で
原子力産業が非常に急速に伸びるということは各国が十分承知しておりまして、日本に対します関心も非常に高いというふうに実は私も感じたのでございます。アメリカ、フランスその他各国の人
たちとも会いましたけれ
ども、みなそういう感じを与えました。
そこで、いろいろ国際的な動きがございます。ございますけれ
ども、私は何といたしましても、将来国際
協力というような形がどういう形で生まれるにいたしましても、何といってもやはりわが国がみずから自主的な技術を身につけるということが、どっちの場合、いずれの道を選ぶにいたしましても先決であるというふうに
考えまして、あくまでも自主技術開発ということに力を入れておるわけでございます。一応四十七年度をめどにいたしまして、二つの方式の技術的な評価を行ない、さらに続いて五十年ごろまでには、経済性も加えました結論を出していくという
考え方で進んでおるわけでございます。
そこで、まず濃縮ウランのことについて申し上げますと、昨年と比べますと確かにことしは、両方合わせますと十四、五億くらいになりましょうか。ということは、去年の三倍かそこらになると思います。倍率で申せば確かに高いのでありますが、金額から申しますと決して十分とは言えないのでありまして、大体技術解明で二つの方式の技術的な評価ということを、四十七年度をめどに置いておりますが、これに対する金のめどは大体六十億円弱、五十七億くらいを見込んでおるようであります。そういう点から申しますと、去年とことしと合わせますと二十億でありますから、まあ大体そのペースに近いところで進んでおるということが言えると思います。思いまするけれ
ども、しかしながら技術開発というものは必ずしも
予定の金で
予定の成果が上がるということは保証がつきませんので、私
どもは来年は、そういう
意味におきまして、かりに四十七年度をめどとするならば、五十億円から二十億円を差し引きますと来年の数字が出てまいります。それくらいは最小限確保したい。もっともそれでも足りないのじゃないかと思うのでありまして、いまのウラン濃縮の
予算は一けた違うのじゃないかというような、強いきびしい御指摘も受けているのでありますが、ひとつ積極的に進めてまいりたい。そして、これは
政府が
中心になってやっておりますけれ
ども、できるならば
民間の力をお借りしたいというようなことも念頭にございます。何とかひとつ自主技術開発をやっていきたい、かように思っておりまして、いまアメリカでもフランスでも、その他各国からいろいろ好意的な、あるいは取りようによっては牽制的ないろいろの意見も出ておりますが、私
どものほうはそういう方向で進んでまいりたい。
それからウラン資源の確保につきましては、その前の大事なことでございます。何といたしましても、たとえばアメリカに頼むにいたしましても、ウラン資源を持っておらなければ加工してもらえないわけでありますから、そういう
意味におきまして、これはOPECの例をおあげになりましたけれ
ども、その例をとるまでもなく、ひとつ積極的にこの問題とも取り組んでまいりたい。現在は、どちらかと申しますと、何年か前つくりました基本方針、それはこの資源の確保につきましては
民間にひとつ大きく依存する、こういう姿勢をとっておりますけれ
ども、その姿勢はそれでいいといたしましても、やはりあのような探鉱開発にはリスクが伴うものでございますから、そういう
意味で国自身ももう少し積極的な姿勢で臨む必要があるというふうに思うわけであります。そういう
意味におきまして、いま石油の問題でも大きな問題になって取り上げられようとされておりますが、これとともにウラン資源の確保につきましても、来年の
予算を待つまでもなく、われわれのほうでもいまいろいろ濃縮ウランの問題とあわせて検討しておりますが、ひとつわれわれの検討を急ぎまして、そうして国が一体となって、われわれだけでなく、財政当局とも十分話をいたしまして、将来のはっきりした基本的な
考え方、政策、対策というものをつくっていきたい、かような決意でおります。