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鈴木強君 まあ
大臣からいろいろ御苦労のほどを伺いまして、その点私も敬意を表するわけですけれ
ども、どうもただいま
大臣、そうおっしゃいますけれ
ども、毎月毎月野菜の値上がりの
見通しなんかが新聞に発表されますね。ところがまず当たったためしがない。天気予報も、このごろ当たらなくなったのですが、それ以上にどうも当たらないというのが
農林省の
見通しなんですね。だから国民のほうからいっても一体どうしていいのか、きめ手を失ったような形の中で値上がりに苦しんでいるというのが実情じゃないでしょうかね。ですから私はもう少しなぜそういう現象が、特に生鮮食料品の中に出てきているのかという原因追及というものをもう徹底的にやってみたらどうなんでしょうか。
農林省もまあいろいろと所管が広いですから
大臣も御苦労があると思います。日ソ漁業交渉から始まって、毎年のことですけれ
ども、たいへんでしょうが、林野があり、あなたの所管は。だから何か
目標をそこのところに置いて、せっかくいま米価の調整をやっているわけです、生産の調整を。そういうのに関連していま
お話がありましたけれ
ども、徹底的な
指導体制というのを、いまあなた、本部をつくったそうですけれ
ども、そういうものでやれないものなんでしょうか。
幸いに私はせんだってちょっと新聞を見て、今度生鮮食料品価格安定対策特別調査団というのをおつくりになりましたね、これは私は個人的には評価していいと思うんです。この人たちが、学者先生も入っているようですけれ
ども、なかなかいいところを
指摘していると思います。これはまだ正式に
大臣のところに、お手元に報告としてまとまったものではないでしょうが、中間的に先生方がまとめた考え方というものをせんだってちょっと新聞で拝見しましたが、その中にこういうふうに書いてありますね。「野菜不足、それから価格暴騰の原因は、政府の
予算が少ないなど、対策の立遅れによるもので、根本的に考え直す必要がある。」、こう述べておりまして、その
一つに、「野菜は
昭和四十五年度において農業生産総額のうち一四%を占めているが、
農林省の生産対策費は農林
予算の六%、流通対策費は〇・三%に過ぎない。これは米づくりに片寄り過ぎた農政の“欠陥”で、畑作を放置した結果である。」と、こういっている、具体的に。ですから米の生産調整のために水田の買い上げをなさっておる。それを
大臣は、先ほどそれとの
関係で野菜の問題も考えておるとおっしゃるのだが、まず第一点、こういうことについてこれは正式の報告でないのだが、私もほぼ国民の一人として見た場合、見方としては当たっているように思うのです。これは
一つの反省の材料ですね。
ですからそれに対して、じゃ四十六年度は一体どうやっていくかという積極的な具体的な
計画を立て、それに対して
予算をつけるよう大蔵省へぶっつける。もし削ったら、これは大蔵省が負けですよ。これだけ消費者
物価が値上がりになっておる、そのために貨幣価値は下がる、国民は少しばかりベースアップしてもらってもとても生計は維持できないというので苦しんでおるわけですから、思い切った施策をすることに対して私は国民は支持すると思うのです。もし切れば大蔵省の負けで、そういうことを私は最初に聞いたのですよ。それが
一つ。
もう
一つは、農家のほうにもこれは責任があるのじゃないだろうか。要するにさっき
大臣のおっしゃったように、野菜づくりに対して意欲が欠けているのじゃないだろうか。それは要するに農産
物価格の安定ということがないのですよ。支持価格というものがないから、御承知のように余ればブルドーザーでキャベツをひきつぶしてしまうようなそういうことになる。ですから、これは
全国的な、さっき私が申し上げたような需要供給のバランスをとるための
計画生産と
計画出荷、こういうものをもう少し適切にやって、それを
全国的に
指導していけば、ある地域ではあるいは干害によって生産が落ちたかもしらぬ、それに対しては今度はビニールハウスなり干害のためのスプリンクラーですか、ああいうものをつくってどんどん水をやってやるとか、それのためにビニールハウスをもっとしっかりした骨組みのものにしてやるとか、それに対しては金を補助してやるとか、またもし全部が補助できなければ長期低利の金を融資してやるとか、そういう
一つ一つ、地方々々、ケースケースによって対策を打っていけば、
全国的に何千万トンというたとえばキュウリをつくるとすれば、それが一部門がだめだったからすぐ高くなったとか安くなったとかいう価格の変動というものが私は押えられると思う。一挙にいかなくても、それが一年たち二年たっていけば、当然それが
目的化していきますよ。こういうところに対しても、やはり農家が野菜に対して意欲を持って生産できるような、そういう意欲を持てるような施策を積極的に出していったらどうですか。それを
指摘している。
それから三つ目には、さっきも申し上げた指定産地
制度なんということもあやしげなものですね。
相当金を注ぎ込んでいるけれ
ども、その機能はなかなか発揮してくれない、したがって価格というものが安定しない、そういう
制度が不十分である、機能が発揮できないということになる。
もう
一つは、やはり流通機構の中で特に小売りマージンというものが大きい。それからまた卸売市場においても立地、せりなどというものがあって、なかなか中間のマージンというものが安くならない。
大体この四つをおあげになっているのですよ。せっかくこういう御意見もあるのですから、ひとつ
大臣、この中間的な意見の集約が
予算編成後だったようですからことしは間に合わないとしても、来年こそ、こういうことに対して、なるほどことしはよくやってくれましたと、私がここへ来て
農林省に感謝ができるようなひとつ具体的なことをやってください。もう抽象論じゃだめですね。どうですか。これはもうここにみんな
大臣以下きょうは幹部が来ておるわけですから、あなた方の知恵を集めたらできないことはないから、それで大蔵省に
予算をぶつけなさい。それでだめだったら、私また大蔵省に文句を言いますよ。国民の立場から抗議をしますよ。だけれ
ども、全然やらなかったということじゃ、来年はもう済まされませんよ。
大臣どうですか。私はきわめて具体的な提案をするわけです。