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国務大臣(
根本龍太郎君) おくれておるのは、いま
経済企画庁長官から言われたとおりだと思います。そこで、最近の
産業もだいぶこのごろ考えてきまして、いままでは、大
都市周辺に工場が立地することがメリットがあったから集まってきましたが、このごろは
公害の問題と水の問題で実は参ってきまして、最近では、むしろ
水資源のあるところに工場を
移転するのが経済的だというふうな形になってきました。私は、そういう手法をもう少し
政府が誘導してやっていいじゃないかと思うんです。たとえば首都圏の問題も、この
東京、それから
千葉、神奈川に、いま必要とする水を現状のままでやろうとしても、これはたいへんな金がかかるのみならず、上流のほうは、どうしてもいまは
地域的な利己主義と申しますか、
東京や神奈川や、あるいは
埼玉、
千葉のためにわれわれが水没させられるのかという素朴な対立感があるようです。そこで私は、むしろ、
先ほど申し上げましたように、群馬とかあるいは栃木とか
茨城等にそうした新しい団地をつくってやりまして、水没する人々をそこに吸収する、こういう構想のほうが実際効果があるような気がします。現実に、私は
関係の知事さん並びに国会議員、あるいはおもなる市町村に話してみると、それなら考えようがあるというような動きが出てきました。だから、私は、むしろそういうふうにすることが、過密の
東京都を改善しつつ、しかも一方では、わずか五十キロ、六十キロ圏内で過疎化
現象でもって水没されるというものを救済することができるんじゃないかというような感じがしておるのです。しかし、現実にそれはそれとしてやりながらも、いままで着工の準備を進めておるいろいろの
ダム等については現在の
状況でも必要でありまするから、これはできるだけよく説得いたしまして、そうして
地域住民の要求する関連取りつけ道路とか、いろいろのものがございます。これは経済企画庁、大蔵省にも話をいたしまして、それをできるだけ充足しつつ、既定の
計画は進めていきたいと思います。
それからもう
一つ、いまあなたから御
指摘になりました五十年以降の問題については、なかなかむずかしいのです、ほんとうを言うと。それからもう
一つは、最近は、御承知のように、
公害の問題と、それから石油が非常に高くなってきました。そこで、もう一たび、日本の水を利用する発電、水力発電と、その水を活用することがより重要な意義を持ってきたと、こういうことで、私は、首都圏ばかりでなく、これはいまの新潟県とか長野県とか、あるいは福島県、こういうようなかなり広域
地域なところで
水資源とエネルギー
資源を総合的に開発する、そういう観点で、今度は五十年から六十年にわたっての新たなる国家の大きな事業になるんじゃないかというふうに考えて、いま基礎的な準備にかからせるつもりで、いま準備をいたしておる次第でございます。