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木村禧八郎君 これまでの
質問で明らかになったことは、
消費者物価指数の
値上がりも多少ダウンしているようですけれ
ども、その
ウエートを変更したりしておりますから、そんなに、まあ横ばい程度、あるいはまた、
あとで
質問しますけれ
ども、実際を
総理府統計局の
物価指数は反映しておりません。実際よりも非常に低く出ておりますから、そういう点は、だからあまり
物価対策に成功していない。特に
昭和四十五年は七・七も上がっておるのですからね。それから交通事故が飛躍的に増加している。特に人口の大都市集中の傾向から、近県に居住しまして遠距離通勤が非常に多くなった。そのために、非常に通勤の混雑、それから疲労が増大している。これは土地の
値上がりも
一つの原因でありますけれ
ども、それから勤労者の可処分所得の
増加率が非常に低下している。消費水準の
増加率も鈍化している。したがって、同じ
成長率でありながら、
池田内閣のときよりは勤労者の生活が相対的に悪くなっている。
伸び率等から見ると相対的に、ただ金額だけではなく。そういう結果が出ているのですよ、
数字的にですよ。それから世帯の貯蓄額が
平均百万程度であると言われていますが、四十五年の
経済白書によりますと、貯蓄デフレーターによりますと、定期預金をしても年一・四%の減価が生ずることになってしまう。ですから、貯金して損をしているわけですね。これは異常の状態だと思うのですよ。四十五年の
経済白書にあるのですよ、政府の。それから
公害発生件数も急増している。私がここで言いたいのは、また、政府に
反省を求めたいのは、どうも
佐藤内閣は、実際見てみますと、この四十六年度予算に出てきたいろんな予算を見ても、マクロ的な、そうした資源配分というような、
社会資本にどれだけ、あるいは
設備投資のほうへどう、
個人消費へどうと、そういうマクロ的政策に欠けるところがあったのじゃないか、ですからこういう結果が出たんじゃないか。そうして、それから出てきている個々の現象ですね。マイナス現象に取っ組んでいる、一生懸命に。そして、その場限りの——その場限りと言っちゃ悪いかもしれませんが、そういうような政策を追い回しているという
状況なんです。そうしてその被害者同士を対立させている。結局、そのマクロ的政策の失敗をその被害者のほうに転嫁しようとしている。
そこで、具体的な例として二つ私は伺いたいのです。
一つは、生産性部門に対する犠牲ですね、生産性部門にこのマクロ政策の犠牲を転嫁している。その
一つは国鉄です。国鉄の赤字対策としては、私は四十六年度資金概要をもらいました。これ見ましたところが、工事勘定、資本勘定の三百四十三億ですか、それを片っぽうの営業勘定のほうに入れているわけですよ。こんなことは変態じゃありませんか。なぜこんなことをするのか。むしろ、営業勘定から資本勘定に入れるべきでしょう。だから、それだけ工事をやめて、そうして営業勘定に繰り込んでおる。こんな変態的な資金概要になっています。それから、これは賃金を一〇%に押えるということが前提になると思うのです。もし一〇%以上にこれが上がったら破産してしまいますよ、この資金計画は。パンクしてしまいます。その点、どう考えるか。
それからさらに十六億ですよ。運輸省が一般会計にこの十六億計上しているのですけれ
ども、これは国鉄の赤字補てんの、赤字の路線廃止の補助金として計上したというけれ
ども、国鉄は要らないというのでしょう。宙に迷っているのですよ。受け取り先がないのです。こんな予算をなぜ計上しているのですか。こういうことを見まして、国鉄の赤字の解消ということが全くこの
基本的な立場からなされておらない、この資金概要を見ても。そうしますと、結局、これは国鉄の職員に、ベースアップを押える、あるいは十六万人首切りと、そういうマクロ的な政策の犠牲をこういうところへ負わしてしまっているのじゃないですか、これまでの
高度成長政策で。たとえば、太平洋沿岸ベルトを開発した、そして赤字路線、そこで損をしてきた、そういうことのしわ寄せがここに来ているんでしょう、この点、どうですか。