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小林武君
局長さんのお話聞いていると、やはりちょっと話が私学の側とあなたの方の話は行き違っているのじゃないかと思うのですがね。私学というのは一体どういうものなのか。全く企業としてもうけるために存在するかというなら、私立の
大学でも私立の中学でも私立の小学校でも、そういうためじゃないでしょう、いわば
日本の青年少年の
教育を担当していくということには間違いない。ことに
大学の場合は百三十万の
学生をもっている。
国立のほうは三十万、一方は役に立たずで、三十万がりっぱだということは言い切れないでしょう。これが私学を出たから自分かってのことだけやって国のことはやらぬということも言い切れないでしょう。そう
考えたら、私学が成り立つか成り立たぬかという問題は、それを
考えないわけにいかないでしよう。私学が赤字出たから助成するなんということを
考えないという議論が、もしあなたの中に、基本的な
考え方としてあるなら、これ重大な問題だと思うのです。いまや
日本の
教育全般を
考えた場合、
大学であろうがどこであろうが、私学に対して、国が
一つの
教育を担当していくという立場に立たなければならぬと思うこれは
文部大臣は
イギリスのエセックスの
大学か何か見て来られたからわかったと思う。そういう
大学の新しいところをよく見ておいていただきたいと思うのです。
そういう観点に立ってものを
考えた場合に、人件費というようなものはどんなにふえていくかということはよくわかっているでしょう。ある
大学では人件費は年間一二%ずつふえていく、ある
大学では六%ずつふえていく、いまや経常費のうちの七八%は人件費である、こう言っている、ある
大学では。そういう状況を
考えたときに、
大学はどうやって一体これをやるかといったら、あなたのおっしゃるように授業料上げればいいということになったら、これは
学生もちませんよ。これは国民の立場から
考えましても、私立へ入ったからよけいに一体負担をしなければならないということは、税金を納めている国民としては納得いくものじゃないと思うのです。そうでしょう。私立にしか入れないからなんということは文部省も言えないだろうし、
政治をやる者も言えないだろうと思う。だから国民の側からいえば、私立に入ろうが、
国立に入ろうが、公立に入ろうが、どこへ入ろうが、
教育というものについては平等なあれを受けるということが
一つあるでしょう。
大学の側からいったら、企業として金もうけしようというそういうところもあるかしらぬけれども、そうじゃないと思うのです、ほとんどは。ほとんどは
教育という
一つの使命感の上に立ってやっている。そうすると私は金の出し方についてあらためて
政府は
考えなければならぬところに来ていると思うのです。まあいろいろなことを、何か営利を目的とした何かをやらなければだめだというようなことが
大学のあれに話が出ておる。私はやっぱり、それはよその国にもそういう
大学があって、ホテルをやってうまくいっているというような話を聞いたこともあるし、いろいろなことをやるそうだけれども、私はやはり
大学がそういうところに行くというのは、それはやはり邪道だと思いますよ。もし許されるとしてもそれはきわめて限られた場合のことしかやっていけないと私は思います。そういうことになると、いまの私立
大学、特にいわゆる私立
大学の中でかなりの長い歴史を持ち有名な
大学であってもそういう苦労があるわけですから、これどうするかということが私学対策だと思うのです。
総理大臣もこの私学のことについて触れたところもあるし、
文部大臣もそのことについてはっきり書いてある、
所信表明で述べている。そうすると何とはなしにことし何億ふやしたとか何%ふえたというような、この
予算書を見ただけでは問題の解決にはなかなかならぬと思うのです、これだけ見た限りにおいては。私は、だからほんとうに私学に奮起させたり、あるいは私学に
一つの計画性を持たせるためには、もっと私学について腹を割った話を
大臣するべきだと思うのです。私学の財政問題についてあまり立ち入ったこと言うというようなことを言わないで、干渉するのではなしに、一体私学はどうあるべきかということを、相当やっておるのだろうと思うのですけれどもね、あなたたちはよくわかっているのだろうと思うけれども、こんな状況にあるということは私はちょっと納得がいかないのですが、岩間さんはやはりそれを立ち入ってまでやるつもりはない、私学をそこまで一体われわれがめんどう見る必要ないというような
考え方をお持ちですか。