○堀本宜実君 それじゃこの機会に一、二お伺いしたいと思いますが、これは笑われるような話というものが何かこう伸びていく創造の
基本になるようなことがあるものでございます。私は笑われるような話を少ししますが、どうかそこは笑わないで、ひとつ何かこれからの水産資源といいますか、擁護のためにひとつ真剣になって研究してただきたいと、こう思う。いまから十年ぐらい前にやはりこの
農林水産委員会で私は提言をいたしました。そのときに皆さんはお笑いになりました。いまでもそのことが笑われたから恥ずかしいとも、笑われたからもうものにならぬとも思うのじゃございませんが、今度いよいよ瀬戸内海に三つの橋ができるという構想がまとまったようでございます。そこで、瀬戸内海における
漁業というものは、私も瀬戸内海に面した県におるわけでございますけれ
ども、沿岸
漁業はもとよりのこと、どこへ出ましても沿岸
漁業といえるくらいな距離の漁法でございます。それがこまかい目の網を使い、またひどいものになると、文鎮こぎというような網は、寝ている魚を起こすのですね。先に金があって、それをかいてとる。そうすると、砂の中にもぐって寝ている魚は、寝ているやつが起きて、そして次に網がきよる。これはほんとうに稚魚までとってしまおうという漁法であろうかと思います。夜は夜で、このごろはあれは何百燭光というのでしょう。たいへん明るい灯をつけて、まるで銀座の灯のように見えるところで灯をつけて、集魚灯をつけて、そして集めてつったり、網でとったりする。そういうことをいたしまするためにもうたいして網に乗らぬわけですね。ですから、違反
漁業みたいなものが盛んに起こる。起こっても生活のためにやらなければならないというようなことで、私は瀬戸内海のいまは
漁業はもう全く危殆に瀕しておると申し上げて差しつかえないと思う、奇想天外なことがあれば別でございますが。そして、いま稚魚のセンターができておりまして、いろいろタイであるとかタコであるとか、小さい魚を子を生まして育てて、そしてそれを放流するような施設が国で講じられておるのでございまして、小康を保ってはおりますが、とてもいまのように
漁業法といいますか、漁具が発達をしてまいりますと、瀬戸内海の魚というものは壊滅をいたすであろう。
そこで、綱でとる漁法をもうやめて、やめてといっても、やめてと言うのは簡単ですが、やめることになりますと——ちょっと長くなりますが、理事会やっておるそうでございますので、その間続けておってくれということでございます。お許しを得まして
質問をいたしますが、とにかくそういうことでありますから、瀬戸内海の
漁業というものは私は何か一考——ひとつ考えをして、新しい企画でやってやる必要があるのではないかと思うのであります。
そこで、南のほうは豊予海峡、北は紀淡海峡を境にして瀬戸内海というものをせきとめるというわけにはいきますまいが、とにかくその間は世界の釣り堀にしてはどうかという意見であります。網
漁業というものをどのくらいあるかお調べになりまして、それはただやめれということではやめますまい、生業でございますから。しかしその網でとる
漁業をやめて、そして国家が何年間の補償をしながら、それが
一つの、ある一定の船を利用いたしまして魚をつるように、刺すように白砂青松のあの瀬戸内海の多島海、島々を——これは世界一であろうと思います、景色のいいことにつきましては。ですから、そこへ三本の橋が、高速道路がついてくる。そこにヨットハーバーもできましょう、あるいは松の間にホテルも見えましょう。そういうことから、その
人たちが世界の釣り堀として世界の
人たちが集まってきて、レジャーといいますか、スポーツといいますか、そのつりを楽しめるようなものに改造をしていくという構想、
考え方が生まれないものか、実現されないものかと私は思う。ちょっと御返事は困るだろうと思う。まことにとてつもない話だと思うのだが、由来笑われるような話というものが、結局そんなことができるかと思うようなものが私はやっぱり必要なのである。右と左を一歩ずつ出せば前進するというような原則的なものだけでは奇想天外な構想は生まれないというようなことからいまのようなことを申し上げて、いまから十年くらい前にそういうことをある
水産庁長官に話をしましたら、それはおもしろい話ですなと、研究してみましょうと言った。それはそう言わなければ悪いからそう言ったのだと思うのですよ。思うのだ。私はこれについてあなたの構想がない、こんなような奇想天外のようなことを言うのですから答弁の必要はないということでございますが、何もけっこうな答弁をいただこうとは思いません。またなかなか答弁のできる話でもないと思いまするので私は答弁は求めませんが、どうかひとつ、そういうことを考えてみる必要があるのではないか。もう瀬戸内海の網を持って
漁業をしている
人たちはたいへんなことだと私は思うのであります。だんだんとそんなことをしてはいけないのだと言いましても、せざるを得ないことになっていくと思うのでございます。これが
一つ。
次に、これは御返事をいただかなきゃならぬと思うのですが、大体瀬戸内海をいま航行する船、からの船ならば二十万トン
程度の船ができると思います。これは水島におきましても番の州におきましても、あそこのドックでいま二十三万トンぐらいな船をつくっておりますから、からの船ならば喫水が浅いから航行ができると思う。ところが、それに物を積みまして航行をするということになったら、なかなか瀬戸内海は通らない海峡がたくさんあろうかと思うのでございます。そこで
相当の速力を持った大型の船が通るわけで、そこで海上交通法という、海の上にも交通法というものを制定すべきであるという声が盛んに起こってきておるのであります。
そこで先年海上保安庁が制定を試みた案によりますと、昔のお殿さんが通るように、大きな船がやってきて
相当の速力で海峡を通る、釣島の瀬戸を通る、あるいは水島の瀬戸を通るというときには
漁業者は退避をしなきゃならぬというようなことの原案が出てきたわけです。私はまっこうから反対して、そんなばかな話はない、弱い者が当然大きな者にのまれるから先逃げなきゃならないという理由はないじゃないか、なぜそれをそうしなければ海上の交通が守られないのならば、その逃避をする、逃げる
漁船に対しまして補償をなぜ与えないのか、補償してやるということがなければ
漁船は退避をするわけにはいかぬじゃないか、しかし退避をしなければ衝突をし沈没をするわけでございますから、やむなく自分の安全を守るために逃げなきゃならぬ、そんな矛盾した社会がありようはずがないのでございます。そこで私は、そういうことで反対をいたしたのでございますが、最後は提案をされなかったような記憶があるのであります。
ところが、その後またそれと同じような、ちょっと中身を変えまして、けしきを変えましてまた出そうという議があったように思うのでありますが、そういうことについて
水産庁はどういうふうにお考えになっておるのか。漁場というものがあって、漁場というものは、とりもなおさず農家における田畑と同じような、耕作地と同じような価値を持っておるのでございます。これを守ってやらなければならぬ役所であると私はいまでも信じておりますが、そういう問題についてどういう経過になっておるのか、伺いたいと思います。これはそこでお伺いをいたしまして、次に私、また
質問をすることにいたします。