○矢山有作君 外務大臣、私
どもは決してあなたの公的な仕事というものを無視して出席要求しておるんじゃないのです。たとえば私個人に関して言うならば、十六日の
質問で残しておるわけですから、十八日にやりたいというのは、
質問をやっておる者としては当然でありましょう。十八日に要求いたしましたが、これはあなたのほうに公務がある、いろいろその他の
委員会もあるというお話がありましたから、それではけっこうですと言っているはずです。したがって、私
どもは事理をはっきりさしてもらって、こういうぐあいで出席ができないんだとおっしゃっていただけば、あくまでも私
どもは
国会審議優先の立場をとってはおりますけれ
ども、できるだけ大臣のお仕事に、特に対外的な仕事の場合には差しつかえないように私
どもにしても
考えておるつもりであります。それがただいま申し上げましたような秘書官の
態度というのは、これは私は一秘書官の問題でなしに、外務省にある
国会に対する見方、
国会に対する空気じゃないかと思うんです。しかも、これが大臣官房書記官であり、秘書官であるということになると、常識的に
考えて、外務省における要するにエリート的なコースを歩んでいる人物でしょう。こういう人物が将来の日本の外務省の幹部として、しかも外交の
責任者となっていく、私はそのことがおそろしいというのです。そういう
考え方を持った者が外務省の幹部になり、日本の外交を背負っていく、そういう地位になる、そのことが私は非常におそろしいことだと思うのです。そういう点では、あなたは外務省の最高
責任者として、今後外務省の職員に対する私は
国会との関係、あるいは議会制
民主主義をあなた方が強調されるのであるならば、それに対する理解を深める努力を私はされる必要があるのじゃないかと思います。しかも、私は腹に据えかねるのは、昨日そういう経過をたどって、そうして私が、それではその秘書官の言動というのはけしからぬではないかと、それこそまさに
国会と
政府との関係においてたいへんな問題であるということで、そういう
意味のことを言った。おそらくそれが伝わったのでありましょう。きのうの夕方になって、実はこういう日程で出席できないということを、私のところに
政府委員室から言ってまいりました。十時から十二時までは参議院の外務
委員会、十二時から十四時三十分までは宮中午さんでエチオピア、豪州、タンザニア各大使と会うのだ、十五時から十六時三十分まではネパール大使との会談、十六時三十分から十七時三十分まではシンガポール大使との会談がある、こういうぐあいですからお許し願いたい、こう言ってきたのです。なぜ私はこれを最初におっしゃらぬのかというのです。
政府委員室に対し、あるいは
内閣の
委員部に対して、出席できない理由を言う必要はないと言っておいて、問題がこれはたいへんなことに発展しそうだということになったらこういうことを言ってくる。そうして私は、それは承っておきましょうと、こう言っておきました。そうしたらけさの
段階になって、大臣に何とか都合をつけてもらって十六時から出席させますから
質疑を続けてくださいと、こう言う。このようなかってなことができますか。実に私は軽率だと思うし、一体外務官僚というのは何を
考えておるのか、私はその真意を疑うのです。きのうの
段階でそこまで問題がいっておるなら、そうしてこれだけ混乱をし出したのなら、度胸をきめて、きょう何も大臣が出席なさる必要はない。それを問題が混乱し出すと、いまあなたが出席しておられるように、こういうふうな何とか都合をつけて出席するのだと、こう言う。私はこれは実に外務省の
あり方としては問題があるのじゃないかと思いますね。
で、私は、したがってこういうようなおざなりの、便宜的な、しかも
国会の存在というものを全く無視したような空気の中であなたと幾ら
議論をしてみたところで、この問題の決着がつかない限りは私は単なるお芝居のような気がしますから、私はきょうはやる気がいたしません。ただ、この問題はすでに議運の
段階に上げてありますから、私はきょうも言っておきましたが、これはただ単なる遺憾でありますとか、すみませんということでは私は処理できない問題だと思います。ここまで問題が発展した以上は、私は外務省として具体的にどう処理するのかという
方針をきちっと出していただきたいと思います。そのことはきょう議運の理事懇談会ではっきり、官房長に出席をしていただいて申し上げておりますから、その問題が決着がつきまして、あらためて私は機会を持って外務大臣にお聞きしたいことはお聞きし、あなたから真摯な御
答弁をいただき、お互いに日本の外交というものをまじめな気持ちで
考えていく努力をしていきたいと思います。