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1971-04-13 第65回国会 参議院 逓信委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十六年四月十三日(火曜日)    午前十時十九分開会     —————————————    委員の異動  四月十二日     辞任         補欠選任      長屋  茂君     迫水 久常君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         横川 正市君     理 事                 長田 裕二君                 郡  祐一君                 新谷寅三郎君                 永岡 光治君     委 員                 古池 信三君                 迫水 久常君                 白井  勇君                 西村 尚治君                 久保  等君                 鈴木  強君                 塩出 啓典君                 青島 幸男君    国務大臣        郵 政 大 臣  井出一太郎君    政府委員        宮内庁次長    瓜生 順良君        郵政政務次官   小渕 恵三君        郵政大臣官房長  野田誠二郎君        郵政省郵務局長  竹下 一記君        郵政省貯金局長  山本  博君        郵政省簡易保険        局長       中田 正一君        郵政省人事局長  北 雄一郎君        郵政省経理局長  溝呂木 繁君    事務局側        常任委員会専門        員        竹森 秋夫君    説明員        郵政大臣官房資        材部長      石井多加三君        自治省行政局振        興課長      本江 滋二君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○委員派遣承認要求に関する件 ○郵便法の一部を改正する法律案内閣提出、衆  議院送付)     —————————————
  2. 横川正市

    委員長横川正市君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。  委員派遣承認要求に関する件についておはかりいたします。  郵便法の一部を改正する法律案審査に資するため、来たる二十三日、名古屋市に委員派遣を行ない、現地における意見を聴取することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 横川正市

    委員長横川正市君) 異議ないと認めます。  つきましては、派遣委員等決定はこれを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 横川正市

    委員長横川正市君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  5. 横川正市

    委員長横川正市君) 郵便法の一部を改正する法律案を議題といたします。  これより質疑に入ります。質疑のおありの方は、順次御発言願います。
  6. 鈴木強

    鈴木強君 四月の二十日は逓信記念日——いまは郵政記念日ですね。で、ことしは郵便事業が創設されて百年に当たるわけですが、非常に意義のある年だと思います。私ども直接、間接に郵政事業にタッチしている者にとりましては、郵政事業がますます発展しますようにと心から願っておるわけですが、現状においては、どうも郵政事業経営形態を公社化する是非に関する答申というのを拝見しましても、あるいは郵便事業正常運営を確保するための方策に関する答申、こういうものを拝見いたしましても、どうもこのままでは、特に、郵便事業については国民から信頼をなくしてしまうだろうという意見が強く出ておるわけでありまして、非常に残念でございます。一面、またこの意義ある年に郵便料金を上げるという法律案国会の中で審議をしなければならないということも何かの皮肉のように思いますし、あまりそぐわないことだと思います。一方においては、消費者物価が当初政府見通しの四・八%を大きく上回って七・七%にも達しようとするときに、独占事業である郵便事業がその料金を上げなければならないということは非常に皮肉な運命のめぐり合わせだと思うんです。しかし、そういうふうなときですから、問題点は全部さらけ出して、ほんとう先覚者の築いてくれた業績をいま次代をになっている人たちがあらゆる困難を乗り越えてせっかく生み育ててくれたこの事業をりっぱに発展させなければならない責務があると思うんです。そういう意味においては一段と決意を固めて、大臣以下、国民信頼を得るような方向にあらゆる力を振りしぼって努力をしていただきたい。私はそういうことを審議冒頭にあたって強く感ずるわけです。  それで、きょうは宮内庁から瓜生次長に来ていただいておりますから、ちょっと順序が不同になりますが、最初郵便切手発行について若干の質疑をしたいと思います。これは郵務局長でけっこうですが、四十六年度中に発行を予定している記念切手ですね、それから趣味切手、こういう特殊切手発行回数、それから種類枚数、そういうのはどうなっておりますか。
  7. 井出一太郎

    国務大臣井出一太郎君) ただいま鈴木さんから郵政百年にちなんでもろもろの事業関係についてたいへん愛情のこもった御見解をお示しいただきまして、まことに私もありがたく思っておるわけでございます。そういう趣旨を体して今後の運営に当たりたいと思っております。どうか当委員会を通じて万般にわたって御審議なり御示唆なりちょうだいしたい、かように考えております。私から冒頭お答えをして、次に郵務局長から具体的な問題をお答えいたします。
  8. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) 四十六年度の特殊切手発行計画でございますが、十六件、二十三種類を予定いたしております。その中で国立公園国定公園と申しますいわゆる公園切手、それから古典芸能切手というものはいま申し上げました数の中に入っておりませんが、これは切手発行の合い間を見まして、適宜の時期にいま申し上げましたような芸能切手公園切手等発行いたしますので、実際は十六件がもう二、三件ふくらむことになるかと思います。発行枚数につきましては、これはおのおのの切手につきましてそれぞれ発行枚数は一致いたしておりません。これにつきましては、いまのところ正確なる予定はつきかねるわけでございますけれども、おおよそ六億枚くらいになろうかと思います。全部の総合計でございます。
  9. 鈴木強

    鈴木強君 これは発行して売りさばくことになりますと、それは収入として郵政会計に入ってくるわけですね。そうなると、四十六年度にこういう特殊切手発行による収入というのは幾らに見ているか。そういいかげんな数字じゃないでしょう。そういうことははっきりしているわけですか。
  10. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) 四十六年度の特殊切手発行額は、予算では百十億円を見込んでおります。
  11. 鈴木強

    鈴木強君 ですから、まだ発行枚数ははっきりしていないということなんだが、百十億の基礎になった枚数というものはあるわけでしょう。
  12. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) 予算要求をいたしましたときの数字は別にございますんですが、それはちょっとここに本日数字を持ってきておりませんので後ほど申し上げます。ただ、私、申し上げましたのは、例年五億枚程度のものを出しております。昨今、切手発行枚数が少し少ないではないかということをいわれておりますので、また、私どもといたしましても多少増発行をいたしたい、本年度は。こういうことも考えておりますことを盛り込みまして、予算とは離れまして、私、先ほど六億枚程度のものを計画しておる、こう申し上げた次第でございますので、御了解を願います。
  13. 鈴木強

    鈴木強君 この委員会は、郵便料金全般について審議をしているわけですから、いかなる資料といえども、これを持ってさておいていただかなくては審議が進みません。だから、百十億という、はっきり収入があるわけですから、それを積算するための根拠というのはあるわけでしょう。ですから、そういうものを並べてもらえば、あとは私たちがそれに対してもっと多くしろとか、どうとかいうことを意見として出し得るわけですよ。およそ六億枚とおっしゃるのだけれども、従来五億枚だから一億枚ぐらいふえるだろう、そういう話になればわれわれも論議の比較ができるわけです。そういう意味において、私、これを聞いているわけですからして、われわれがお尋ねすることに対して的確な判断のできる資料というものを示してもらわないと、審議はただ時間をとるだけですから、そういう点を最初に注意をしておきます。後ほどやりますというようなことじゃ困る。  そこで、正確な数字をお聞きした上で、あと発行に対する私の考え方を申し上げますが、瓜生次長にお忙しいところ、おいでいただいたのですが、実はすでに御承知と思いますが、天皇皇后陛下におかれましては、今秋、ヨーロッパを御訪問なされることが正式に決定されております。今回のヨーロッパ訪問は、御在位の天皇としては歴史上初めての外国旅行ではないかと私は思います。つきましては、この両陛下訪問を記念するために、画期的な両陛下の御肖像入り記念切手発行してはという意見が各方面から出ているわけです。これは、まあ御承知のことだと思います。私は、もうすでに三月の二十日の予算委員会郵政大臣にもこの点をお尋ねしておるわけですが、この点はまたあと大臣から伺いますけれども外国では、今度御訪問なさるイギリスにおいてもエリザベス女王をはじめ皇帝とか元首のお顔が切手に出てきているのがこれは普通でございます。日本では郵便切手が誕生してちょうど百年になりますが、天皇皇后陛下切手に登場されたという前例はもちろんございません。これまで皇室関係した記念切手でお顔が出たのは、昭和三十四年の皇太子殿下の御成婚記念切手皇太子御夫妻の肖像入り切手、これは十円と三十円の二種類発行されております。また、日清戦争で功績の大きかった有栖川宮北白川宮両親王の軍装の肖像明法二十九年の八月に日清戦勝記念切手として発行されております。これは二銭と五銭の二種類。それから、大正十年に今上陛下皇太子時代ヨーロッパを御訪問なされたときに記念切手発行されておりますが、これはお召鑑の「鹿島」と「香取」、一銭五厘と三銭と四銭と十銭、この四種類が東宮御帰朝記念ということで発行されておりますね。それから昭和二十八年に皇太子さまがイギリスエリザベス女王戴冠式おいでになったとき、このときは鳳凰の五円とツルの十円の記念切手発行されております。これも皇太子帰朝記念と、こういうことになっております。当時も、いろいろ伝えられているところによりますと、皇太子の御肖像を入れた記念切手をこのときにも発行したらどうかという声が強くあったそうですが、宮内庁筋のほうで反対されたというようなことでとうとうこの御肖像入り切手は実現しなかった、こういうふうにわれわれは聞いているわけです。  そこで、宮内庁としては、今度の御訪欧を記念するための天皇陛下皇后陛下の御肖像入り記念切手発行することに対して、郵政省当局から何らかの御相談があったかどうか。それで、もしあったとすれば、どういうふうな見解宮内庁としてはお示しになったのか、その点を最初に伺います。
  14. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) この秋の両陛下の御渡欧記念切手郵政省のほうでお出しになりたいというような御意向があって、その図案をどうするかというような問題があり、場合によっては、両陛下の御肖像の入った切手も考えられるんだということで、郵政事務次官からお話しを伺いました。で、郵政省として、まだ決定的な御意見ではなかったわけですけれども、御肖像をもし扱うとすれば、いわゆる世の中で言いますと肖像権というものがおありだから、両陛下の御了承も得なければいけないでしょうし、そういう関係もあるから、そういう事務関係では宮内庁が当たっているので、そういうような感覚をひとつお聞きしたいというふうなお尋ねがありました。なお、それについて、宮内庁でもいろいろ相談いたしまして、まだ、その結論を得ていない段階でありましたが、郵政次官としてあまり日がたっても準備の都合もあるので困るという点もあるので一応の中間の模様でも聞きたいという話しがありました。そこで結論として、まあ時日がたったわけでございますが、比較的強い意見としありますのはこうですということを申し上げたわけです。それは、この郵便切手に両陛下の御肖像を扱われることが絶対にいけないというふうには考えていないわけです。しかしながら、この秋の御旅行ということ、これはまあいま鈴木先生おっしゃいましたように、有史以来、天皇の位にある方として初めてのお出かけですから、そういう意味では非常に意義が深いものがありますが、しかし、十八日程度の御旅行であり、なお近い将来また別の国へもおいでになろうというようなことで、それほど、御肖像を扱って記念切手を出すほどの大げさなふうに考えないほうがいいんじゃないか、将来もし御肖像を扱われるのに適当な機会があればそのときに考えていいわけでありまするが、今度の秋の御旅行にはもう少しさらりと考えていったほうが両陛下のお気持ちの上においてもいいんじゃないか、気楽においでいただくというような意味においてそのほうがいいんじゃないかというような意見が強いですということを申し上げたわけです、結論ではありませんが。なお、郵政省として何か郵政審議会切手専門委員会なんかの御意見もお聞きになったりして、さらにいろいろ話をお進めになっておられまするが、現在郵政省宮内庁ではそう意見のそごはないように思っております。
  15. 鈴木強

    鈴木強君 そうすると、まあ御肖像を出すことに対して何も宮内庁としては反対はしていない、ただ、今回は旅行日数が十八日程度であるし、そう大げさにしたくないということですね。それで、これはあれですが、両陛下に対して御承諾を得なきゃならぬとあなたおっしゃったですね。各国で昨年の万国博を記念するための記念切手発行しておりますが、その際、アラビア半島土侯国ウム・アル・カイワンという国がわが国の天皇皇后陛下の御肖像入り切手発行して宮内庁からの申し入れで後刻発行を中止した、しかし、中止決定がおくれたために一部はもう印刷業者から一般に流れてしまったという事件がございました。そのこととの関連もあるのですけれども、今回は両陛下の御内意を得るというようなことは、そうするとされなかったわけですね。皆さんの段階郵政と打ち合わせをし、そういうことをこの郵政省に伝えたということですか。
  16. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) 万博の際にアラビアの国から何かそういう御肖像写真の入った記念切手が出たこと、そのことは、全然日本側了承を得ないでやっておられましたし、特に、それはどちらかといいますと、マニア——郵便切手を集めておられる特別趣味の方のための商品的なもので、普通郵便として扱われるような性質のものでないようなものでありましたので、こちらの承諾も得ないでかってに出されると困りますということで、先方はじゃやめましょうということでやめられたことがあります。このたびの郵政省からの問題につきましては、宮内庁といたしまして、まだ、両陛下に直接伺うというような段階にまでいっておらないわけでございますけれども、しかしながら、特に、宮内庁長官天皇陛下に毎日のようにお会いしておられますから、いろいろな点でお気持ちの点では比較的わかっていると思っております。
  17. 鈴木強

    鈴木強君 そうすると、今回はまあ遠慮をしておいてほしいと、いずれまた機会もあるだろうと、こういう趣旨のことですか。
  18. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) いずれ適当な機会があれば、その際に考えたほうがいいじゃないかということでございます。
  19. 鈴木強

    鈴木強君 宮内庁のお考えはわかりましたが、これはまあ私の気持ちを率直にあなたに申し上げて今後の参考にしていただきたいと思いますが、さっきも私申し上げましたように、イギリスをはじめ各国が、女王なり元首なり大統領なりそういうものを、これは記念切手ではなくて、普通郵便切手の中に肖像画が入っているわけですね。ですから日本のように何かもう絶対的なものだというような考え方でなくて、もっと国民と密着し、ほんとうに親しまれる天皇あるいは女王大統領、こういうふうに親近感を非常に持てるような形に私はなっていると思うのですね。かつてスウェーデンに参りましたときでも、王様のいらっしゃるところは通りからちょっと引っ込んだところ、ここが王様のおられるところだと私聞きましてびっくりしたのですがね。そして気軽に市民の中に入っていかれる。だからして、一方では社会主義的な政策をとっておりましても、王制に対する国民気持ちというのは別にどうこうじゃないのですね。ほんとうに親しみのある間柄になっておるように思いました。ですから日本の場合も、新しい憲法の中でやはり天皇とわれわれとがほんとうに親しくなれる、尊敬し得るそういう形になることが私は望ましいと思いますね。ですからして、何かこう隔たりを置くようなことでなくて、もっと距離を縮めるような形にするためにも、こういう機会に、たとえば切手発行して国民の中に陛下が一緒になって解け込んでいく、そういう姿が出たほうがいいのじゃないでしょうか。われわれはいろいろ国会における儀式とか、われわれが皇居へ行って天皇陛下にいろいろお茶をごちそうになったりする場合、お祝に行った場合でも、そういうふうなことを私は感ずるのです。だからもっと身近に陛下というものがあっていいのじゃないかと思いますね。そういう気持ちから、私はこういう機会に、国民が希望しているならばおやりになったらどうかと、こう思うのですけれども、なかなか宮内庁のほうの御意見というのはちょっとわれわれと隔たりがあるように思います。これはしかしいまここでどうこうと私は申し上げませんが、そういう国民皇室に対する親しみ、尊敬、われわれの両陛下であるというようなそういう気持ちを持つように、いろんな機会にいろんな方法でやはりおやりになったほうが私は新しい憲法のもとにおける天皇国民との間だと思いますね。そういう意味でひとつまた近い機会にそういう機会があれば考えるというようなことですから、十分にわれわれの意向を体して御参考にしていただいておやりいただきたいと、こう思います。
  20. 瓜生順良

    政府委員瓜生順良君) いま鈴木先生がおっしゃいましたその御意見は、われわれもそういう気持ちで、気持ちの上ではそういう気持ちで今後も進んでいくべきだと思っておるのでございますが、現在の憲法一条にもあるように、象徴である天皇の地位は国民総意に基づいておられるわけですから、国民総意というものと結びついておいでになることが大切なことだと思っております。ただ、その国民総意というものを判断するのがむずかしい点がございます。何かありますと、いわゆる相当左右の急進的な方があっていろいろ反対があるのであります。そういう総意がどこにあるのかということを考えながら、今後も一そう皇室国民との親近感を深めて新しい日本皇室としてお進みになるように、われわれもわれわれの立場で努力いたしたいと思います。
  21. 鈴木強

    鈴木強君 それでは大臣に若干この問題でさらに伺いたいのですが、大臣は去る三月二十日の私の予算委員会における質問に対してお答えいただいているのは、ぜひことしの重要な切手発行の項目に入れたいと答えておられたわけです。その後宮内庁の、いま次長からお述べになったような御見解もあって、どうも肖像入り切手というのは中止したというようなことだと思いますがね。それで、九日の日に記者会見をしておりますが、その席上で、両陛下訪欧記念切手発行する、発行日は十月十四日、ただし肖像切手ではないと、こう言われておりまして、肖像切手でないという理由を述べたのですが、それを見ますと、いま瓜生次長が言われたように、「陛下自身」——「ご自身」と、こう書いてあるのですが、「静かでぎょうぎょうしくない旅行を望まれている」ということですね。こう言われておる。要するに肖像を使うのは、外遊との必然性を考えると無理だというのですね。そういうことと、もう一つは、これは私は非常に大事なことだと思うのですけれども、「陛下肖像スタンプでよごされるのはどうもという空気が政府の中にもあった」というのですね。こういうふうなことからして結局肖像切手発行できないので、記念切手発行するが、その図案については、「天皇の著書とか、あるいは皇后の描かれた絵など、陛下のゆかりの品」を図案として題材に選びたい、こういう趣旨の御意見が述べられている。  そこで、きのう十二日図案審査会は開いたのでしょうか。そして、そこで最終的にどういうものでいくかをおきめになったかどうか。それから、発行するとすれば、今度はどういうものを発行するかわかりませんが、枚数はどのくらい考えておられるのか、あるいは額面はどういうふうになるのか、あるいは種類は一種類なのか二種類なのか、こういう点について先に説明してもらいたいのです。
  22. 井出一太郎

    国務大臣井出一太郎君) 先般、予算委員会鈴木さんからいまお述べのような御質問をいただきました。そのときお答えしました私の気持ちは、新聞論調等にもあらわれておりますとおり、国民がこの初めての御外遊ということにたいへん関心があり、しかも一路御平安を祈っておる、こういう気持ちを体しまして、でき得れば御肖像切手発行できれば望ましいのでありますが、ただしこれは十分慎重を期さねばならぬものと思います、こういう意味お答えを申し上げたつもりであります。自来、いま瓜生次長との御問答にもありましたように、宮内庁の感触を確かめるというようなこともございまして少し手間取れたわけでありますが、ただいまお聞き及びのような気持ちで今回の御旅行あまりぎょうぎょうしいということもいかがかという判断をいたしたわけであります。したがいまして、この新聞記者会見における記事はいろいろまちまちに報道されておりますが、いま御指摘の、陛下の御肖像スタンプでよごしてはどうかというようなことは、一部私の元へも書面等をもってそういうことを言うてきておる向きはあります。しかし今日の時代に、まあ切手そのもの性質から申しまして、それを使用した場合にスタンプを押すというのは当然でございますから、そのことがいまの民主主義時代に特にとりたててそれが理由でということは、私はさほど考慮には値しないと思うのでございまして、記者会見の際にもそれが問われました。そこでそのことをあまり考えているのじゃない、こう答えたわけでございますが、新聞紙によっては、いまおっしゃったような報道をした向きもございましたが、それは当日の真相ではありません。  そういう次第でございまして、やはりどういう意匠なり図案なりを用いるかということにつきましては、昨日、図案関係者の方々にお集まりをいただきましていろいろ御意見は伺っておるわけでありますが、まだ最終的にどうするというところまではいっておりません。枚数等も同様でございます。種類もたしか……。それで、これは時間の関係もございますから、少なくとも四月いっぱいぐらいまでには決定をしなければならぬ問題である、かように考えております。  なお、詳細はもう少し郵務局長から補足をさしてもらおうと思います。
  23. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) 補足しなければならない事柄は、いまの大臣の答弁以外にあまりないようでございまして、枚数につきまして、あるいは種類につきましても、私ども事務的には二種類程度発行を、できましたらばやりたいと考えておりますし、各種類につきまして五千万枚程度のものは発行いたしたいと考えております。ただし、図案がどういうふうにきまるかによりまして、これが二種類になるかあるいは一種類になるか、これは変わってくると思います。ただいまたいへん流動的な状態にあると思いますので、最終的な線は出ないわけでございます。
  24. 鈴木強

    鈴木強君 昭和三十四年の皇太子殿下の御夫妻の肖像を入れた切手の際に、これは皇太子御夫妻の内諾は得たのですか。いまの宮内庁の話ですと、天皇陛下の内諾——内諾というとあれですが、御了承を得なければ肖像図案として使うことはできないと、そういうような趣旨の見触を述べておられましたが、どうなんですか。
  25. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) 三十四年四月、皇太子殿下御成婚の記念切手でございますが、この際には肖像の使用につきまして宮内庁にお伺いをし、内諾を得た、こういうふうに聞いております。
  26. 鈴木強

    鈴木強君 今度の場合は、宇佐美長官がしょっちゅう御一緒だから、おそらくいろいろな機会を通じて内意は聞いているだろう、こういうような瓜生さんのお話でしたね。そうすると、結局ぎょうぎょうしくなるから、この際遠慮したほうがいいだろうという御意見だったわけです。それを郵政省のほうもそうですかということで了承して肖像を使わぬことにしたと思うのですがね。さっきも大臣がおっしゃるようにスタンプでけがされるのはどうもというような空気があったという、これはちょっとおかしな話ですね。現に新聞等にも両陛下のお写真もどんどん出るわけですからね。ですから、それはちょっとおかしいと思っておった。いまの大臣のお話聞いておってわかりましたが。ですからして、短い十八日の期間だからということとぎょうぎょうしいということだと思うのですね。しかし、これは商用等でも、いまは十八日あれば世界一周できるのですから。昔のように船で旅行するには何カ月という日数がかかったのですが、いまは月に人間が行かれる時代ですからね。ですから私は、やはりそういうことでなくして、現在皇位についている位にある陛下として外国に行かれるのは初めてだと、そういう趣旨からして、記念切手を考えたのでしょう。ですから、いま郵政省発行する切手というのは当初の趣旨が狂っちゃったのですね。趣旨が変わったのです。肖像ということを考えておったのだが、そうじゃなくて、何か天皇陛下の著書とか皇后のかかれた絵ということに題材が変わっていったわけですからね。ですから、そういう趣旨からいうと、だいぶ意味が薄らいでしまったわけですよ。それは私の考え方ですが、そう私は思うわけです。ですから、私は肖像入り切手を出したらどうかという国民の期待は裏切られちゃったと、こうなるわけですね。多く私はこれ以上論議するつもりはないのですけれども、そうなると、図案その他は一体今後どういうようにきめる予定ですか。どういうものをどういうふうにしてきめるのですか。
  27. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) 昨日の図案審議会におはかりしたわけでございますけれども肖像は見合わせましたので、両陛下ゆかりの品物の中で切手の意匠にふさわしいものがよかろうということで、いろいろと検討しているわけでございます。ただいまおっしゃいましたようなものが対象になろうかと思いますが、もうしばらく時間をかけまして検討を重ねまして、もちろん、宮内庁とも打ち合わせをいたしまして、それがどういうふうになりますか、目下のところ予測できないのでございますけれども、方向といたしましては、そういう方向で切手の題材の選択ということをもう少し詰めたい、かように考えております。
  28. 鈴木強

    鈴木強君 そうすると、発行日は十月十四日にこれは変わりないですね。
  29. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) これも出発の日でもかまわないと思うのでございますが、従来の慣例等を考えまして、御帰朝の十月十四日ということを目下のところ予定いたしております。
  30. 鈴木強

    鈴木強君 そうしますと、最初に、私が伺った四十六年度に発行を予定しておる特殊切手、これはあなたのお答えですと十六件二十三種類、そのうちで二つはまだ時期がきまっておらないので、それを二、三加えることになるだろうというお答えでしたが、その中に、いまの訪欧記念だけれども、内容はだいぶ変わっちゃったのだけれども、とにかく記念切手——両陛下訪欧に対する記念切手発行するということもこの中に入れてある、こういうふうに理解してよろしいのですか。まだ入れていないのですか。
  31. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) 実は入っていないのでございます。と申しますのは、四十六年度の切手発行計画を決定いたしましたのは三月の末でございましたが、そのころはまだ御外遊のお話が出ておりませんでしたので、新しい年度の発行計画に入っていないわけでございます。したがいまして、これに追加されるということになると存じます。
  32. 鈴木強

    鈴木強君 ですから、それは私もよく経過はわかっているわけですから、もしそうであれば、最初お答えのときにそのことも、こういうことがございますということをつけ加えてもらえば一番いいわけですよ。それがないから念を押して聞いた、こういうことです。そうしますと、その分が百十億にプラスされて記念切手の増収分として入ってくるわけですね、そこにまた余祿が出てきた。  それで、この記念切手特殊切手について世上いろいろ問題になるのは、たとえば新しい記念切手発行されますと、郵便局の周辺に長い行列が出る。そういう場面をよく私は見ます。ですから、もう少し発行枚数をふやすというような方法を考えられないものだろうかということをいつも思うのですね。十六なり十八発行しますと、一月に一ぺん以上、二回近い。月によっては二回くらい発行されることもあると思うのです。ですから、もし全体から見て、発行してみたけれどもそれが売れ残ったとかいうことになると、印刷代と紙代は損するわけです。ですからそういうことがもし、ままあるとすれば、これはもう少しくふうして発行回数を減らすとか何とかの方法によって、もう少しどなたでも買えるような方法ができないものだろうか。特に、子供たちは非常に記念切手に対して興味を持っておりますから、小学校へ行っている子供や中学校へ行っている子供が買えなくて泣いている姿なんか見ることがあるのですけれどもね、そうでなくて、もっと思い切って発行枚数をふやすようなことは考えられないものでしょうか。そして何か希少価値みたいに、切手が市場で、一般で取引されるようなこともあるわけですよ。そういうものを何かの方法でまんべんなくだれでも買えるような方法にできないものかどうかですね。この点はもう少し検討する必要があるのじゃないでしょうか。たとえば専売なんかの場合は、たばこの場合は、やっぱりたばこの小売り店というのがありますよね。小売り店以外では絶対にこれは売らせないですから、小売り店から旅館がたくさんだばこを買ってきてそれを他人に売る場合は、これは専売法違反になる。パチンコ屋がどっかから持ってきて売るのも違反になるわけです。そういうふうに価格以上ではこれを売っちゃいかぬ、それから小売り店以外では売っちゃいかぬという、そういう厳格なルールがあるのです。ですから、郵便切手の場合はなかなかそうはいかぬでしょうけれども、ある程度そういうふうな方法にして、販売に対する制約というか、ワクをかけていくかなんかして、切手がえらい高い値段で売り買いされるようなことを防ぐというようなことも考えたらどうかと思うんですがね。  これは、あとは普及協会の問題にも関連はするのですけれども切手の販売というのは、これは法律に基づいて郵便局なり小売り店が売っているわけですけれどもね、ところが、私がいま言ったのは特殊切手ですが、特殊切手枚数が少ないのじゃないか。ところが一方で、何か普及協会に相当の枚数が流れているというようなことがあるから、これは批判を受けるわけですよ。だから、あなたさっき六億枚ということをおっしゃったのですがね、それではたしていいのかどうなのか、一ぺんこの際思い切って検討をしてみた上でその枚数をおきめになったらどうでしょうね。予算が出ているわけですから、多くなることはいいですから、増収につながるわけだからね。かつて売れなくてだいぶ焼却したといったようなものがあるのですか。そうであればもう少し発行回数をしぼって、いいものだけにしていけばみんな売り切れます。まだ相当ふやしてもいいのじゃないですかね。そういうことは検討してみたですか。
  33. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) 発行枚数につきましてはよくよく検討いたしておるわけでございますが、過去において思惑違いで売れ残った例も確かにございます。そういうときにはたいへん困るわけでもございますので、発行に慎重を期しているわけでございます。それと、年度の発行計画切手製造能力という問題も関連して出てくるのでございます。それらのものをあわせて考えなければならないと思います。ただし、御指摘がございましたように、最近切手愛好者の層は非常にふくらみまして、切手需要が強くなってきているということを考えまして、四十六年度から発行枚数をふやそうということで踏み切りまして、四月一日発行の古典芸能、雅楽切手でございますが、三種類セットのものでございます。これも一割五分見当発行枚数をふやしました。それからせんだっての十日の婦人参政二十五周年も、当初二千五百万枚の発行予定でございましたのを三千万枚に増刷をするというようなことをいたしまして、お話がございましたように、当日売り切れるという、郵便局の前に行列をつくらなければならないといったような事態の解消はできないものかということで、さしむきいま申し上げましたような増刷をはかっております。それによりまして模様を見て、足りないというようなことであればさらにもう少し増刷をするという方向で考えなければならないかと思います。
  34. 鈴木強

    鈴木強君 だから、そういうことを考えて一割ないし一割五分見当はふやしたということですから、私たち趣旨を生かしていただいている点は感謝いたしますが、なおそれで足りるかどうか状況を見て考えるということですから、その点はわかりました。ただ、見ておりますと、何枚とかたくさん買おうとしても売らないですね。何枚とか制限して、多数に売り渡すために、行き渡るためにやるのだと思います。それは枚数が少ないからですね。ですから、ほんとうは百枚つづりのものを一冊とか、あるいは五十枚なら五十枚のを一冊、外側のついた、余白のついたのを一冊というのですか、それをほしいという人がずいぶんいるのですよ。ところが買えないものだから、十枚とか、ときによっては五枚とか、枚数を制約されて買わなければならぬといういつでもたいへん不満もあるわけです。ですから、それは婦人参政権の場合二千五百万枚を三千万枚にしたというのですね。婦人参政二十五周年の記念切手の場合そういうことですけれども、まあ二千五百万枚を三千万枚ですから、五百万枚ふえただけだから私は焼け石に水だと思いますけれども、この実態をもう少し厳格に把握していただいて、その上で来年はその実績によってこうしたというような考え方をひとつ私たちに示していただくようにお願いしたいと思うのです。  それから記念切手とか趣味切手、特別切手ですね、特殊切手について全日本郵便切手普及協会というのが財団法人ですけれども、そこへ最近四、五年の間、郵政省発行した一年間の特殊切手のうちどの程度枚数が普及協会のほうに流されておるか——流されるというとちょっとことばが悪いですけれども回っておるか、その点資料としてわかっておったらひとつ示してもらいたいのですがね。
  35. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) 切手普及協会という公益法人がございますが、この法人に対しまして省が売りさばきましたる特殊切手の数は、四十五年度におきまして各種類合わせまして二百七十二万枚ということになっております。四十四年以前のものにつきましては数字の持ち合わせはございませんが、おおよそ毎年この見当のものだと思います。
  36. 鈴木強

    鈴木強君 それで、これは全日本郵便切手普及協会というのは、財団法人で郵政大臣の認可を得て設立されたものでありまして、この定款とか寄付行為を拝見しますと、協会は郵便切手の販売をするということを事業の中に、目的の中にうたっていませんね。これは売りさばき人のあれですか指定をしているのですか、この普及協会は。
  37. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) この全日本郵便切手普及協会の本来事業といたしましては、切手そのものの販売はいたしておりません。切手を使いまして初日カバーをつくるとか、切手帳をつくるとか、いわゆる郵趣的な数々のものがございますが、そういうものを製作し販売するというのがこの協会のおもな事業の内容になっております。ただ、この協会は本来業務を離れまして、付帯業務といたしまして切手類の売りさばき支所の指定を受けております関係上、世間の切手売りさばき所と同じような切手の売りさばき行為も同時にやっておりますけれども、これは本来業務ではなくして付随的な業務としてやっておる次第でございます。
  38. 鈴木強

    鈴木強君 それは非常に誤解を受けるんですよ。全日本郵便切手普及協会の寄付行為の第四条に事業目的があるが、その中にはなるほど「初日カバーの製作発売および取次ぎ」とありますね。これをやるために何とか切手がほしいということからして、この事業、協会が直接やるとまずいから、そういう付帯事業で売りさばき所をつくったんじゃないですか。そうして、売りさばき所を通じて流れていったものが初日カバーの切手になっているんじゃないですか。そういうことが本来の協会の目的ではない。それはあなたも認めておる。これは非常に疑惑を招くんですよ。だからもっとたくさんの枚数が、もっとだれにでも行き渡たっているときには、こういうことは私は一向かまわぬと思うんです。そこでやって批判はないんです。ところがさっき申し上げましたように、一方では郵便局の窓口に三時間も四時間も前から立っておっても買えないで帰る人たちがいる。買いにきて買えない子供たちがいる。そういうときに、たとえば年間二百七十二万枚にしても、四十五年度中ストレートでそこへ割り当てみたいにいくということに対しては、やっぱりこれは疑義を持たれますよ。四十四年度でもそうでしょう、大体三十一種類、五億七千四百万枚発行して三百十万枚いっている。四十三年度でも三十五種類、五億八千二百万枚のうち二百八十四万枚がいっているはずですね。そういうふうに非常に小ない数ですから、そういうときにやりますと、目立つね。何か特権的に特別にそういうところに配給しているんじゃないか、おれらのところに来るのが少なくなるという疑問を持つのはやはりあたりまえですね。だからこのやり方についてもっと定款の中でも事業としてそういうものに必要なものはやれるのはやれるとしてはっきりうたって、そうしておくべきですよ、もしやるならば。そんな付帯事項みたいな、郵便切手の売りさばき所のようなものをつくってやるのはこれはこそく的ですね。ですから、本来的に法律があって売りさばきをしているわけですから、その法律との関係で、この協会がどういう立場にあるのか私は知りませんが、しかし、郵政局が本来やるべき仕事なんでしょう。それをこの協会にやらしているわけでしょう。したがって、その辺法律との関係でちゃんと整理して国民から一点の疑惑もないように、疑問に思われないような方法にこの運営は変えるべきである。私はきょう影山さんに来ていただこうと思ったんですが、何か世界の切手展の関係でお忙しいそうですから、きょうは私は保留してありますから、いずれまた近日中に来ていただこうと思いますが、この切手普及協会の内容等についても伺いたいんですが、それはまたあとにして、とりあえずいま言った疑惑を持たれるような運営についてはいま直ちに改めてもらいたい。特に、切手枚数の少ない場合、特殊切手の場合は何とか方法を改めなければ問題があると思いますので、その点これは大臣から答えてください。
  39. 井出一太郎

    国務大臣井出一太郎君) これだけ切手の愛好家がふえております現状において、あまねくその・方々の手に入るという道を講じなければならぬのは御指摘のとおりであります。この普及協会の本来の仕事というのも、そういう一助たらしめたいという意図で出ておるわけでございますが、これは実態はいまおっしゃるようなそれがスムーズにいっていないという面があるとしますならば、これは十分検討いたし、改めるのにやぶさかではございません。
  40. 鈴木強

    鈴木強君 資料をお願いしたら、ちゃんとここにこういうふうに全日本郵便切手普及協会年間取り扱い数量等調査というのが財団法人から私もらったのですが、堂々とこういうふうに切手取り扱い数量というのが資料に出てきている。これは普及協会が郵便切手の取り扱いをやっているのは私は初めて聞いたのですが、四十二年でも二百七十九万八千枚というものを取り扱っていますよ。だから、これは大臣非常に疑義があるのですよ、これは売りさばき法から見まして。あなたが認可したこれは法人ですから、民法上のいろいろな制約を受け、おそらく立ち入り検査もできるでしょうし、事業経理については全部あなたが命令——命令というとおかしいが、監督しているわけですから、もう少しその内容についても目を配っていただいて、いいかげんなことではなくて、思い切ってやはり直すところは直す、そうして堂々と協会に付与された法律上のいろいろな問題について国民に疑惑を持たれないように堂々とやれるようにしたいわけですよ。何かいろいろな形でやるものだから、方々から目にあまるやり方じゃないかと言って指弾されるわけですからね。だから、もっと勇気を持ってこれはやってくださいよ。もう一度ひとつ答えてください。
  41. 井出一太郎

    国務大臣井出一太郎君) 先ほども申し上げましたとおり、そういう点はきちんとしなければならぬ、かように考えますので、御趣旨のような線に従って十分検討をいたします。
  42. 鈴木強

    鈴木強君 それから、切手のことを申しましたから、切手のことだけやってしまいます。  使用済みの切手は今度郵政省が払い下げることができるようになりましたね、法律で。いま一キロ当たり幾らで払い下げているのですか。払い下げはどことどこですか。年間どのくらいの数量を払い下げているのですか。
  43. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) 払い下げの団体は普及協会一社でございます。と申しますのは、郵便物にやはり切手が張られております。それから料金別納、後納で出される場合もございまして、これは多量の使用済み切手でございますけれども、それにつきましても、発信人とそれから郵便の宛先等ににつきまして記載がございますので、通信の秘密の確保という見地からこれをフリーに払い下げることにつきましてはどうかと考えまして、公益法人である普及協会一社にしぼりまして、これに払い下げをいたしておる次第でございます。一キロ二十円ということで年間十七トン程度になっております。もちろん切手とそれを張られておりますところの郵便物の一部がございますが、それを合わせましてそういう重量でございます。
  44. 鈴木強

    鈴木強君 これ一キログラム二十円で年間十七トンというのは、キロにしたら何キロですか。
  45. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) キロにすれば一万七千キログラムかと思います。
  46. 鈴木強

    鈴木強君 そうすると、まあ、通信の秘密とかやれ何かがあるので普及協会だけに払い下げているとおっしゃるのですが、今度普及協会が払い下げたものが通信販売で普及協会からまた全国に売られているようですね。それではあなたが言う最初の通信の秘密があるから普及協会に払い下げたという趣旨からすると、またそれがほかへ転売されて、聞くところによると三百グラム四百円で売り出されているということですね。これはまあ普及協会の役員の方に来ていただきまして聞けばわかることですが、一キロ二十円で払下げたものが三百グラム四百円で通信販売でほかに売られているのですね。そうすると、やはり相当もうけているのですね、もうけさしている。
  47. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) 私の説明が不十分でございましたので、この一キロ二十円の払い下げ価格は切手だけではないのでありまして、切手を張りましたところの台紙あるいは郵便物の封筒、こういったものをごっちゃまぜにいたしましたものを一袋幾らと、こういう払い下げの方式をとっているわけでございます。したがいまして、普及協会では台紙から切手を分離する、はがすというような作業をやるわけでありまして、切手だけを選り分けまして、そうして一キロいまおっしゃいましたような価格で民間に販売する。こういう順序になるわけでありまして、一キログラム二十円というのはたいへん安いのですけれども、その中の重量の相当部分はいわゆる切手でない雑物が入っておる、こういうことでございます。御了解いただきましたでしょうか。
  48. 鈴木強

    鈴木強君 それはわかりました。要するに、こういうところに張っているのが一々取れないからはさみか何かで切ってからやるわけですね。切らない前のものをぱっとやるわけですか。台紙から切手をはがすわけですね。そうでなくて、全然切り取らないで張ったままやるということですか。その辺どうなんですか。
  49. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) 台紙に張りつけたままのものを普及協会に払い下げる。普及協会におきましては、それを丁寧に一枚ずつ切手をはがす作業をやるわけです。
  50. 鈴木強

    鈴木強君 確かにそういうのもあると思いますよ。そうでなくて、たとえば料金別納とか料金後納という制度がありますけれども、そういう場合に、通信販売をやっているときに十五円なら十五円の切手入れて送ってください、よくNHKがやっておりますよ、教材を買う場合に。そうなると切手があるところに集まるわけですね。そういう切手を、郵便後納料金を扱う場合あるいは別納でやった場合、現金相当分というのは切手で持っていってもおたくで受け取るわけでしょう。そういうものはその中に入らない。それはまあらためておたくで売るわけじゃないのでしょう。だから一キログラム二十円というものが、年間一万七千キロになるんだそうだけれども、その中の全部が台紙につけたものじゃないと私は思う。いま言ったようなものもその中に入っているわけでしょう。だから、ただ全部がそうですといっても、私はそうでないように思うから、その点はどうですか。
  51. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) 別納、後納で差し出し人から切手を出される、料金のかわりにですね。その場合もございます。その場合はもちろん台紙にそれを張りつけて保存をする、こういう手続になっておりますので、そのものがいわゆる払い下げの対象になるわけですから、全く切手だけが普及協会のほうに払い下げになるという例はないわけです。みな台紙に張られておる、そういうわけでございます。
  52. 鈴木強

    鈴木強君 それは私はよくわからないのだけれども、そうすると、たとえば十万円相当分を通信販売で送ってきた、私のところなら私のところでそれに対して私はものを送らなければならぬのですから、そのときに十万円分の切手を持ってきますね。その切手を郵便局では台紙に一々張るわけでしょう。そういう作業をやっておるのですか。それはどうしてそんなことをやるのですか。もし、やるとするならば、ちゃんと確認すればいいじゃないですか。別に一々台紙に張っておかなくたっていいじゃないですか。それはどうなんですか。
  53. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) 台紙に張りまして消印をするということで料金収入の証跡を残すわけです。
  54. 鈴木強

    鈴木強君 それはわかりました。  そうすると、大体一キログラムのうち何ぼが台紙で何ぼが切手かということはわかると思うのだね。こんなものは統計とればわかるだろう、台紙だから。そうなると三百グラム四百円というのは一キロ二十円から見て適当な価格かどうかということの判定になるわけです。
  55. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) 重量のうちで三分の一が切手で、三分の二が台紙部分だそうでございます。
  56. 鈴木強

    鈴木強君 そうすると、計算してみてくれませんか。一万七千キログラムのうちの三分の一だな、三百グラム四百円というのは、これはそうすると適当な値段ですか。——それじゃ、それはひとつあとで計算してみてください。  それで、これはそういう規則になっておるなら私はやっていることが適法であることは認めますけれども、考えてみると、一々それを台紙に張ってトントン消印をして消さなくてもいいじゃないですかね。その局で受け付けた人がどういうふうにするか、それは焼却するなり何なりしてしまえば、焼いてしまうなり何なり、そういう方法で十万円なら十万円の切手がきたということをだれかが確認をして、そしてあとは破棄するという方法のほうがむしろ能率的じゃないですか。一々十万円分を台紙に張っておくということも、これもちょっと非常に手数がかかることですけれども、そういう事務能率の合理化といいますか、そういう方法はできないものですか。それはできると思いますよ。
  57. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) この料金収納の確認と同時に、切手もやはり有価物でございまして、このものの扱いは慎重を期さなければならないと思います。万が一事故などが起きますと困りますので、そういう配慮をもちまして先ほど申しましたような、やや煩瑣と思われる手続を今日までやってきておるわけでございますが、この消印にいたしましてもローラースタンピングがございますから一々ポンポンたたくということをしなくともその点はわりかた楽に今日なっております。
  58. 鈴木強

    鈴木強君 機械化しているから……。
  59. 横川正市

    委員長横川正市君) いまの問題二つあるのじゃないですか。事務上合理化される内容と、古い切手の、商品価値があるからその商品価値の価値あるものの取り扱いと、こう二つに分けて、その二つの面で妥当な取り扱い方をしているかどうかという点が質問趣旨になるわけじゃないですか。ただ単に、こうローラーでかけますというだけでなしに、もっとあなたのほうで合理的に、価値あるものは価値あるようにどう始末をいたします、それから取り扱いは取り扱いでどういたします、こうちゃんとはっきり分けたほうがいいんじゃないですか。
  60. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) このやり方は、たいへん古めかしいことを長い間そういう方式でやってきているわけでございますが、切手類の出納の万全を期するというような考え方もあるかと思います。ただし、いわゆる仕事の近代化という見地から、そのやり方につきましては今後十分勉強、検討さしていただきたいと思います。
  61. 鈴木強

    鈴木強君 一年間で幾らになるんですか、払い下げた収入は、一万七千キログラムで。
  62. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) 算術計算の結果を申し上げましてまことに失礼でございますが、一万七千キロでございますから、一キロ二十円と見まして、三十四万円が年額かと思います。
  63. 鈴木強

    鈴木強君 三十四万円で普及協会に払い下げているというのは、これは一けた違うんじゃないですか、やはり一万七千キログラムを二十円で三十四万円になりますね。三十四万円で普及協会に払い下げて、三百グラム四百円で売ってどのくらいのリベートがあるかわかりませんけれども、こんなのはむしろあれじゃないですか、外国のほうでらい患者を救済するために古切手を募集していますね。そういうところへ寄付したほうがましですよ。何かもうけられているんじゃないかと勘ぐられたりするのもおかしな話ですからね。ですから、さっきの処理の方法は、いろいろ商品価値があるわけですから、それと有価証券ですから、何と言ってもその扱いについては軽率にしろということじゃないですけれどもあまり慎重なるがゆえに、むしろ一面事務能力がたいへんだろうと思うのですが、一々これを台紙に張って消印するというのは。だから、確認は扱い者と出納責任者というのがいるわけですから、それが立ち会って、たとえば燃してしまうとか、あるいは何かひっかけて使えないようにするとか、何かそういう方法が、一々張るより能率的にいく方法があるんではないだろうかという気もするから、そういう点も考えていただくと同時に、できれば、一キログラム二十円で三十四万円の収入なんでしょう、だから、それならばそういうふうな寄付でもしたらどうですか。これは法律上できないんですか、寄付するということは。そういうこともあわせて検討してみてくださいませんか。
  64. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) あわせまして十分検討したいと思います。ただ、料金収納の証跡は、これは私正確なところは忘れましたが、やはり保存期間ということもあったと思います。そういうことも関連さして十分検討してみたいと思います。
  65. 鈴木強

    鈴木強君 郵政省百年たっているけれども、百年の歴史でもいいですよ、一体いままで郵便切手発行して、売れないで残っているというのはどのくらいあるんですか。それは処理したやつもあると思うのですがね、いまわかりませんか、にわかに。
  66. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) 売れ残りましたものは戦前におきましては焼却した例があったようでございますけれども、戦後におきましては焼却いたしませんで、一カ所、たとえば東京中郵の切手普及課でございますが、そういうところに依然として保存をして、いつでも売りさばきに応ずるような形で保存をしております。
  67. 鈴木強

    鈴木強君 それは特殊切手だけでなくて、普通の切手の場合も全部含むわけですか。
  68. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) 普通切手特殊切手ともでございます。
  69. 鈴木強

    鈴木強君 そうすると、いま現在どのくらいの枚数——枚数でいいですが残っていますか。できれば、十円が幾らとか聞きたいのだけれども、まあそれはいいです。大体枚数として、およそどのくらい残っていますか。
  70. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) これはちょっとこまかい数字になりますので、ただいま数字の持ち合わせがございませんが、後刻当たりまして御報告申し上げます。
  71. 鈴木強

    鈴木強君 いまの十五円切手がありますね。あの十五円切手は印刷費と紙代は幾らかかるわけですか。
  72. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) 十五円切手の製造原価は八銭になっておるようです。これは切手種類によりまして、多少出入りがございます。
  73. 鈴木強

    鈴木強君 そうすると、これは印刷費と紙代と分けたらどうなりますか、八銭の中身は。
  74. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) 私どものほうで大蔵省印刷局に払いますのが、紙代と印刷費と引っくるめまして八銭ということになっておりまして、その分計がいまは実はわかりかねるわけでございます。
  75. 鈴木強

    鈴木強君 それはいまわからないんであって、全部積算する場合には、八銭のうち印刷代が幾らで——それには紙代が高くなる場合には紙代が多くなるでしょうしね、そういう分析はしてあるでしょうね。ですから、それはいまここにないということですか。
  76. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) 契約担当官が資材部長でございますので、後刻資材部に伝えまして、資料をつくってもらいます。
  77. 鈴木強

    鈴木強君 これは議事進行にも関連するんですけれども、われわれ審議する場合に郵務局の人しか来ていないのですか。郵務局と経理局だけですか、これは審議するときには。
  78. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) 関係部局来るわけでございますが、本日はそこまでのお尋ねはないんじゃなかろうかと実は来ていないわけでございます。
  79. 鈴木強

    鈴木強君 まあ正直でいいけれども、山がはずれたようなもので、ちょっとそれは申しわけにならぬです。やっぱり審議する場合には、われわれも一面では何か質問を教えているようなことを言われるのだけれども、そうじゃなくて、聞きにくるものだから教えるわけですね。だけれども、教えたあとでいろいろ勉強すればまた出てくるわけで、そういうことを一々連絡できないこともあるわけですよ。だから、どういう問題を質問されても必ず答弁できる態勢を、関係部局一人ぐらいは担当の人が来るぐらいの、そういうことをひとつ御配慮願えませんかね。これは委員長にひとつ頼んでおきます。そうしないと、せっかく身の入ったときに質問がそれてしまいますね。そこはひとつお願いします。
  80. 横川正市

    委員長横川正市君) いまのは資材だけじゃなくて経理でわからないですか。
  81. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) 資材部の契約担当官が予定価格でもって相手方に幾らで入れさせるかという分析をいたしますので、全然経理関係はわかりません。購買担当官が予定価格といいますか、あの中に入っちゃいますから……。
  82. 横川正市

    委員長横川正市君) ちょっと速記とめて。   〔速記中止〕
  83. 横川正市

    委員長横川正市君) 速記起こして。
  84. 鈴木強

    鈴木強君 そうしたらこれもわからぬですか。さっきの婦人参政二十五周年記念の記念切手発行するわけですね。その十五円ですか、十五円の場合、やはりいまと同じようなことなのか、紙代とか……。特殊切手の場合には幾らか高いのですか。
  85. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) 一枚八銭と申しましたのは普通切手のことでございますので、特殊切手の場合は意匠、それから塗料等につきまして若干手が込みますから、コストはそれよりも若干上がると思います。
  86. 鈴木強

    鈴木強君 それもわからないですね。すると紙の……。
  87. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) これはいま数字を詰めておる段階だそうでございますが、二十七、八銭に落ちつく模様でございます。
  88. 鈴木強

    鈴木強君 これは四月の十日に発行したんじゃないですか。
  89. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) 十日に発売いたしました。
  90. 鈴木強

    鈴木強君 これを聞いているのです。詰めているというのはおかしいじゃないですか。
  91. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) 資材部ではもうはっきりしておると思いますが、私のほうで、その点がまだ正確にはわかりかねているということでございます。
  92. 鈴木強

    鈴木強君 郵政が赤字で郵便料金を上げてもらわなきゃ困る、そういうふうなことで改正が出ているわけですけれどもね。当事者の郵務局で一体切手が一枚幾らで原価計算して、印刷代や紙代が幾らということまでも知らないわけですね。特殊切手発行するのだが、一体その切手は幾ら原価がかかって、実際に売った場合には幾らの収入になるのか。さっき百十億ということがあるわけですから、特殊切手にしても、原価が幾らでということで、計算済みでやっておると思うのです。ところが経理局のほうでは各部局から来たものを、そのまま……、簡単に言えばそのままでしょうから、内容にはタッチしてないのだから、そのまま認めて予算積算の基礎にしているということがはしなくもここに出てきたわけですね。もう少しそういう点、たとえば一銭でも安くして、そしてこれは全体の枚数が多いですからね。しかも、これは随意契約だと思うのですよ。大蔵省の印刷局なんだから、国の印刷工場でやっているわけですから一番安いはずだと思う。もっと民間で安いところがあったら民間にやったらいいと思う、設備があるかどうかわからぬけれども。そういうくふうをしてできるだけコストを安くして郵便の財政の健全化ということを当然考えていると思ったのです。ところが当の郵務局長も経理局長もその点は資材局まかせだと、これはちょっと責任がないのじゃないですか。当然、省議の場合、きめるときでも私は紙代がどうなっているのだろうとか、大体労賃がどうなっているのだろうとか、そうすると、この面でどのくらいの負担になるとか、それくらいのことは最低限皆さん御勉強なすって、そして積算の基礎としていると思ったのですが、聞いてみるとわからぬのですな。そんなもので予算が成り立っていくのですかね。ちょっと私は驚きましたね。
  93. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) いいわけがましくなりましてまことに恐縮でございますが、当然郵務局といたしましても、切手発行原価等につきましてはこれをよく承知いたしていなければならない次第でございます。ただ申しわけございませんが、本日こまかい数字を持参いたしておりませんので、正確なお答えができなかったわけでございますが、方向といたしましては、おっしゃいましたような方向で、契約担当官である資材部とも十分な連絡をとって日常仕事を進めている次第でございます。
  94. 鈴木強

    鈴木強君 それは職務怠慢というもので、ここに何人来ているか知りませんけれども、担当の課長いますか、郵務局で、これを資材局とやる担当課長は。課長がいなかったら係長でも。あなたが一々覚えているかどうか別ですが、しかしきょうは郵便料金を上げようということで、しかも郵便料金十五円を二十円にしよう、七円を十円にしよう、そういうことについて、これはずばり聞いているのですよ。そのことにすら国会のわれわれの質問に答えられないというのは、これは申しわけないもへったくれもないですよ。これぐらいの資料は全部そろえてきてやるべきだ。しかも経理局と郵務局が両方来ているにもかかわらず、そのことが数字がないからわかりません、当事者はやっておりますというのは、それはもうまことに官僚の一流の言いのがれであって、おかしいですよ、そんなことは。責任のがれをしないで、やれないならやれないと言いなさいよ。知らないなら知らないと言いなさいよ。何をやっているのかあなた方。
  95. 永岡光治

    ○永岡光治君 議事進行。そういう鈴木委員からの質問もありますし、資料が整っていなきゃこれ以上ここで論議してもあまり進まぬと思いますし、ちょうど十二時も近いわけですから、資料を全部準備することにして、昼食後ひとつ委員会で整備された資料に基づいて質疑応答ができるようにしてもらいたいと思います。
  96. 横川正市

    委員長横川正市君) それでは十二時五十分まで休憩をして……。
  97. 鈴木強

    鈴木強君 委員長だめですよ、発言中にいきなり立って議事進行というのは。大事な答弁を……。それはいいですよ。具体的なことについてはわかりましたが、私は姿勢を言っているんですよ、審議に対する郵政省の。そのことをやっぱり答えてもらわなければ、大事なところを横に抜けて、具体的なことだけで議事進行されたんでは困る。それはそうでしょう。私の言うのは間違いですか。あなた方一体どういう勉強しているか知らぬけれども、大体特殊切手十五円を、それは意匠料だとか、塗料だとかかかるかもしらぬけれども、二十八銭か七銭でしょうというようなことで答えているわけでしょう。だからそういう予算に対する、編成に対する取り組みの姿勢ですよ、これはそれが欠けておりませんか、それを私は聞いている。
  98. 野田誠二郎

    政府委員野田誠二郎君) 実は、先生から本日の質問の予告と申しますかお伺いしまして、大体こういうことだということで、実は官房の責任でいろいろ答弁の資料その他を整えまして、実は本日出席します部局長なりあるいは関連の課長などは私のほうでいろいろ手配をいたしたわけでございますが、先生御指摘の資材部の関係呼んでおりませんので、これはひとえに私のほうの責任でございますので、さっそく連絡をいたしまして呼ぶようにいたしたいと思います。また、審議の内容資料もすぐ整えまして提出いたしたいと思います。
  99. 鈴木強

    鈴木強君 これから私は質問通告しないから……。
  100. 野田誠二郎

    政府委員野田誠二郎君) まことに申しわけございません。
  101. 鈴木強

    鈴木強君 しなきゃみんな来ているんだから、するから来ないんだから。
  102. 野田誠二郎

    政府委員野田誠二郎君) 郵務局長の責任じゃございませんから、ひとつその点あしからず御了承を願いたいと思います。
  103. 横川正市

    委員長横川正市君) ちょっと速記をとめてください。   〔速記中止〕
  104. 横川正市

    委員長横川正市君) 速記をつけてください。  午前中の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。    午前十一時五十五分休憩      —————・—————    午後一時十五分開会
  105. 横川正市

    委員長横川正市君) 午前中に引き続き、逓信委員会を再開いたします。  質疑のおありの方は、順次御発言願います。
  106. 鈴木強

    鈴木強君 午前中保留になっておりました十五円切手の印刷代、紙代、それから特殊切手、十五円の婦人参政権二十五周年のやつですね、それの印刷代とか紙代とか、そういう明細について最初に説明してください。
  107. 石井多加三

    説明員(石井多加三君) 私の出席がおくれまして委員に御迷惑をおかけいたしましたことをおわびいたします。  ただいまお尋ねのございました通常切手の中で十五円切手につきまして、その原価計算の内訳を申し上げますと、材料費が百九十七円でございます。——これは一万枚当たりでございますから、一枚の切手にいたしますと一銭九厘七毛でございますか。それから労務費が一枚にいたしますと五銭五厘六毛でございます。それから管理費——管理費と申しますのは、この材料費と労務費に一五%かけるということが印刷局との間の契約になっておりまして、それをかけたものでございますが、八厘三毛。合計いたしまして一枚当たりが八銭三厘七毛でございます。これはグラビア二色で現在印刷をいたしております。  それから、もう一つお尋ねのございました婦人参政権二十五周年記念の十五円切手でございますが、これは材料費は同じく一枚当たりにいたしまして四銭一厘三毛でございます。それから工賃が二十三銭一厘でございます。管理費が三銭四厘六毛。合計いたしまして三十銭七厘でございます。  材料費はまだ内訳がございますけれども、大体用紙代あるいはゴム代、インキ代、そういったようなものがそれぞれ内訳に入っております。いまの婦人参政権の二十五周年切手の材料費で申しますと、これは特グラビア用紙というのを使っておりまして、これが一枚当たりでいいますと二銭五厘七毛。それから裏につけておりますゴム液代が九厘でございます。それからインキ代が六厘七毛。そのほか包装紙五毛とかいろいろこまかいものがございますが、合計いたしまして材料費全体が四銭一厘三毛でございます。
  108. 鈴木強

    鈴木強君 普通の十五円切手の一銭九厘七毛の内訳。
  109. 石井多加三

    説明員(石井多加三君) 十五円の通常切手の内訳を申し上げますが、材料費全体で一銭九厘七毛、それから工賃が六銭九厘七毛でございます。それから管理費が……
  110. 鈴木強

    鈴木強君 一銭九厘であんた六銭ということないだろう、一銭九厘の内訳は。
  111. 石井多加三

    説明員(石井多加三君) 材料費の内訳を申し上げますと、グラビア用紙代が一銭七毛、それからゴム液代が四厘五毛でございます。それからインキ代が三厘六毛でありまして、そのほか雑費が入りますが、合計いたしますと一銭九厘七毛でございます。それから工賃が六銭九厘七毛……。
  112. 鈴木強

    鈴木強君 五銭五厘大毛でしょう。
  113. 石井多加三

    説明員(石井多加三君) 失礼いたしました。先ほど申し上げました数字は五銭五厘六毛、それが全額でございます。材料費は一銭九厘七毛、工賃は五銭五厘六毛、それから管理費が八厘三毛でございます。
  114. 鈴木強

    鈴木強君 特殊切手の場合ですね、さっき郵務局長は意匠代とかあるいは塗料代とかいうものを含めて二十八銭と言われた。これは三十銭七厘ということはわかったんだが、意匠料とか塗料とかというのは、これはどこに入るんですか。——いや、これは資材部長から。材料費の中に入るんでしょう、意匠、塗料、どうなる。
  115. 石井多加三

    説明員(石井多加三君) 塗料と申し上げましたのは、私が申し上げましたインキ代に当たるものだそうでございます。ですから材料費の中のさっき申し上げました数字がさようでございます。
  116. 鈴木強

    鈴木強君 それはわかりました。  それから印刷をして売れなかった残りの枚数、中郵局にある、それ幾らですか。これは午前中に質問したんだから調べてあるはず。
  117. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) いま数当たっておりますが、もう少し時間かかるようでございますので、後刻お知らせいたします。
  118. 鈴木強

    鈴木強君 それじゃこれはさっそく調べてください。それから日本郵便趣味協会というんですかね、略して日本郵趣協会というのがありますがね、これは御存じですか。
  119. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) ただいまおっしゃいましたのは、全く民間の郵趣団体の一つであろうと思います。その性格、内容等につきましては、正確なことは存じません。詳細なことは存じません。
  120. 鈴木強

    鈴木強君 ここで、日本郵趣協会というのは切手の収集、普及を目ざして昭和二十四年に社団法人として設立されたものらしいんですね。そこで切手の販売、ストックブックの製造、販売を行なっている。だからさっきの日本郵便切手普及協会のおやりになっているような仕事もここでやっていると思うんですね。こういうものの実態はあれですか、民間のものだから何やつているかわからぬということですか。そういう設立目的で設置されてどんなことをやっているかということについても一切調べたことはないんですか。調べたというとおかしいですけれども郵政省のほうでは、これがどういうものかということは全然知らぬということですか。
  121. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) これは完全に民間ベースで行なわれております法人活動でございますので、私どもはまあうわさといったような程度のことにつきましては存じておりますけれども、経営の内容でありますとか、そういった面の詳細な点についてもちろんこれを調べる権限もございませんし、全くの民間ベースの団体でございますので、省との関連あるいは普及協会との事業上の関連というものはないわけでございます。
  122. 鈴木強

    鈴木強君 そんなことはわかっていますよ。別にあなたのほうで監督するとかなんとかいうことじゃなくて、これは任意の団体でしょうから。ただそこで扱っているのが郵政省関係のある郵便切手の収集とか普及ですね、こういうことを目的にしているように思うから、私はこういうところとも、これは民間だから全然調べる権限もない——調べるとかなんとかいうことじゃなくして、おたくのほうで印刷し発行した郵便切手というものが一体どういうふうに市場の中に出るのかというようなことをつかむこともこれは一つの参考になるのじゃないですか。そういう意味において、この協会というものが切手収集の普及とか販売とかストックブックの製造なんかをやっているわけですから、機会あるごとにそういう方々とも接触を保って、郵便切手の普及について、これは協力してもらえる点があればやっぱり協力してもらうこともけっこうでしょうし、そういうふうな意味において私は、ただ民間だからそんなことは知りませんということでなくて、もっと積極的に手を差し伸べてやるようなことを、どういうふうな内容をやられているのか、何か様子をお互いに知り合うとか、そういうようなことをやってもいいんじゃないですか。だからそういう意味において、もう少し実態の話をしてみたらどうかなあという気がするんですがね。どうですかね、そういう必要ないですか。
  123. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) 民間の団体活動としてやっておられるわけですけれども、やはり切手趣味の普及ということでございますので、その点につきましては御縁があるわけですから、今後その御縁をもちまして、この切手趣味の健全な普及ということは望ましいことでもございますので、そういう方向でいろいろと御協力できる点があるといたしますならば、そういう方向で対処してまいってよろしいかと思います。
  124. 鈴木強

    鈴木強君 考え方はよくわかりました。ただ、私が心配するのは、この郵趣協会というのは私もよくその本質を、実体をまだ明らかにしてないのですけれども、せんだって、暮れの新聞なんかに出ているのを、私もちょっと関係があるものですから新聞を切り抜いて持っているのですけれども、それを見ると、どうもこの郵趣協会というものの経営の内容が何かおかしな点があるようですね。たとえば切手を十五万枚盗んで着服したような人がそこにおってみたり、何か内容的には非常におかしい。  だから、私は、郵政省が行政指導をしろとか、おつき合いをしてその姿勢を正してやれとかというようなことを言っているわけじゃない。ですから、こういうようなものが民間に出た場合には、もしかりにこの目的が切手収集の普及ということにあるならば、よく話し合いをして、その趣旨が生きるような形でのおつき合いといいますか、御縁を持ってやるというようなことはいい。それと同時に、もしできれば、こんな悪いことはしないように これはお互いにまずいことですよ。悪いやつがいたんだな。これは総務部長というような名刺を刷って持ち歩いて、十月の初めから十二月十七日までの間に、市価約二千万円にのぼる切手十五万枚を都内の切手店に売りさばいて着服した。こんな悪いことをしているのです。そんなものとくされ縁を持っていては困るわけですから、そういうふうなことは警戒しなければならぬのだが、問題はさっき私が最初に言ったような、切手収集の普及ということを目ざしているものが、純真な切手愛好家をだましていくような、そういうことがあってはこれはいけないわけですからね。そういう意味において、むしろこれは郵政省がやるのがまずければ、せっかくつくった全日本郵便切手普及協会、こういうところがあるわけですから、この切手愛好の方々たちは、こちらは大臣が認可しているところですから、そういうところにいったほうがいいですよとか、そういうアドバイスをすることも必要だと思うのですよ。だから、全然何だか知らぬということでなくて、その実態というものをやっぱり、どういう方向か、つかんでおく必要があると思うのです。そして、郵政省が、ほんとう切手収集の普及を目ざしてやるという目的に沿うようにやっていただきたいということを、個人的な立場で話し合うこともけっこうでしょうし、それからまた、別にこういうものがあるということを知らせるのもこれはいいでしょうし、ですからそういうふうにして、むしろ日本切手普及協会というものがあるのですから、これが本来の目的を達成していけばこういう方向にはいかぬと思うのですね。活動自体が何か切手の売りさばきをやって、足りない特殊切手をそこに横流ししているのだというふうにとられるようなことをやっているから非難される。本来の切手普及とか収集とか、そういうものに寄与する、そういう思想がこの中にあるわけでしょう、普及協会の中に。そういうことをやっぱりするためにも、こういう存在があれば、それについて実態をよく勉強してみるというようなことが必要なことじゃないかと思うのです。  私は、変な意味の御縁をつくってもらっては困るので、そういう意味で私は申し上げているのです。ですから、その点を理解して、もうちょっと、この普及協会というものはどんなものか、私ももう少し調べてみたいと思っているのですけれどもね。そういう点で、少し実態を見ていただいたらどうかと思うのです。
  125. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) 私の説明はだいぶ不十分でございましたので補足させていただきますが、省みずからが民間の切手団体、趣味団体と接触する機会は案はあまりないのでございまして、その点はこの普及協会がやっておるわけでございます。切手商あるいは切手趣味団体は、東京でいえば一つの組合をつくっております。関西にも組合があるようでございますが、その組合と普及協会とはかなりの連絡がございまして、また切手趣味普及のための共同活動ということもいたしておりまして、年に何回か共同で切手展を開催するということもやっておりますし、青少年の切手趣味普及のための切手教室、こういったものを共催の形でやっておると、こういうこともやっておりますし、これは普及協会の事業内容の一つにもなっておるのでございます。そのことをちょっと補足させていただきます。
  126. 鈴木強

    鈴木強君 それはわかりましたから、この普及協会というもののもとに、いろいろ切手商組合というものがありますね、東京と大阪に。そこが中央郵便局から切手をもらっているわけですよ。それはそれで、けさ大臣に申し上げてあるから、運営上まずいところを直してもらうことにして、むしろこういう日本切手普及協会あたりがそういうところとも十分連携をとりながら、そんな悪いことしちゃいかぬじゃないかというようなこともやっぱりやっていいと思うのですよ、私は。それでいい意味において交流していくわけですね。だからお互いにあなた方が何も社団法人として設立する会社についてつくっちゃいかぬとは言えないわけですから、つくったものはつくったものとして、お互いに切手普及ということについてはこれは共通するわけですから、そういう人たちが集まって、どうしたら本来の意味における切手の普及ということができるかということを話し合っていくということは、これは私は間違った趣旨じゃないと思うのですよ。だからそういうことを普及協会あたりにもあなたのほうから話して、せっかくできたものがそんな悪いことをして、善良な切手愛好者に迷惑をかけないようなことをむしろやるべきじゃないのですか、どうですか。
  127. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) その点につきましてはお説のとおりでございますので、前向きで、その方向で勉強していただくように普及協会のほうにもよく伝えたいと思います。
  128. 鈴木強

    鈴木強君 それから、資材部長がおられますので、この機会にひとつ、切手からはがきで悪いのですが、ついでだから聞きますが、はがきは今後七円から十円になるわけですね。これは来年の二月からですか、実際に上がるのは。四十六年度予算の中ではがき一枚の、やっぱりさっき育ったような紙代とか印刷代とか、諸経費というのは幾らくらい見積っておりますか。まあ十円になった場合ですね、どのくらいになるか。現行七円でもいいです。どちらでもわかっていれば教えてもらえますか。
  129. 石井多加三

    説明員(石井多加三君) お答えいたします。  通常はがきの七円の場合と十円の場合で、その値段がいま違いますかどうか、ちょっと正確なところ資料として持っておりませんので、現在の通常はがきでお答え申し上げてよろしゅうございますれば数字を持ってまいっておりますのでお答えいたします。
  130. 鈴木強

    鈴木強君 いいです。
  131. 石井多加三

    説明員(石井多加三君) これはやはり先ほど申し上げましたような材料費、労務費、管理費というふうに分けますと、通常はがきの材料費は一枚当たりが三十一銭三厘八毛でございます。それから労務費が七銭四厘五毛でございます。それから管理費が一銭五毛、合計いたしまして一枚当たり三十九銭八厘八毛でございまして、まあ毎年の印刷局との契約で、印刷局のベースアップがございますので、四十六年度の場合はこれを若干上回ることになろうかと思いますが、数字の上で大して大きな変動はないものと考えております。
  132. 鈴木強

    鈴木強君 いまのやつはわかりました。通常はがき値上げの場合ですね、二月、三月と二カ月ですね、結局四十六年度予算にかかるのは。  そこで十円のうち、労務費がどのくらいベースアップするかわからないが、数字はいま持ってきていないけれども、二月、三月の原価はちゃんとわかっていますね。算出の基礎はあるわけですね。
  133. 石井多加三

    説明員(石井多加三君) 先ほど申し上げました労務費の中で、いわゆる人件費の値上がり分としまして、大体まあ九%のベースアップを見込む。それだけ労務費を上回る数字にしたいということで、大体の話がついております。
  134. 鈴木強

    鈴木強君 そうすると、材料費のうち、紙代とかあるいは印刷費とか、そういうふうなものはことしと同じ単価でいくわけですか、コストは。
  135. 石井多加三

    説明員(石井多加三君) 材料費のほうもたとえば用紙代等はメーカーのほうの労賃のアップもございまして、若干なおそういったものも毎年、年度契約で大体幾らにするか相談をいたしますが、その際には材料費の値上がり分も、これは市価等も参考にいたしまして値上がり分を見るという約束になっておりますので、若干上回るというふうに考えております。
  136. 鈴木強

    鈴木強君 これは一般の物価との関係があるから若干の見積もり増ということでしょうけれども、やっぱり十円になった場合に、そのうち幾らが材料費、その他に幾らかかり、幾らが郵政省の本来の収入になるかということ、これがはっきりしているわけでしょう、これはこまかいことで恐縮ですけれども、やっぱり基礎単金ですから、ぴちっとなって十円に組め立てられているというふうに理解をするわけです、というようなことは何か資料ではあとで出せますか、ぴちっとしたもの。二月以降十円のうち材料が幾らで、それには幾ら紙代が上がっていくとか、労賃が幾ら上がっていくとか、そういう全体のコストの基礎になる算出基準というのがあるわけでしょう、それは資料で出してもらえますか。それならそれでいいですよ。
  137. 石井多加三

    説明員(石井多加三君) 二月、三月の分の契約をいたします前に、詳細な印刷局との折衝も終わりまして詰めるわけでございますので、その際に原価計算の内訳は数字として後ほど出すことができると思いますが、それはまだ契約がだいぶ先になりますので、いますぐというわけにはまいらぬことを御了承いただきたいと思います。  なお、七円と十円という額面の印刷が変わることによって値段が変わるかどうかにつきましては、いま申し上げましたように、材料費も別に七円と十円で変わるということはないわけでございまして、同じような印刷をする限りはそれに必要なインキとか用紙とかいったような分析をいたしまして、それが同じであれば値段はその面からは変わってこないわけでございますので、その点は御了承いただきたいと思います。
  138. 鈴木強

    鈴木強君 それはそうですね。枚数でも特に多くなった場合に、本来の用紙が幾らか上がるかもしれませんから、そういうことは予算の積算の根拠として私は知りたいのですよ、だから厳密に知りたいわけです。要するに七円から十円になった場合、いま言ったような積算根拠というのは一体どうなるかということを聞きたいわけです。だから正確なところをそれは契約をしなければわからないというのだけれども、要するに、四十六年度予算では、直接費、間接費と分けて、そういったはがき一枚発行するに必要な直接経費というものですね。こういうものは幾らになって、純粋に郵政省収入に幾らがなっているかということを、そういうことを知りたいわけです。だからそれは随意契約でやるんだと思いますけれども、別に競争入札をさせるわけではないでしょう、印刷局でやるわけですから。ですからあらかじめ郵政省としてはそれは交渉してみなければわからないけれども郵政省としてはこういう単金で材料費をはじき、こういう単金で労務費をはじいて、そしてそれで折衝をして、その間に多少大蔵省の言い分も聞かなければならぬ場合もあるかもしれません。また値段もいま考えているところをみると上がるかもしれない、ベースアップが九%と思っても、それも上がるかもしれない、そういうことも動くことはわかりますけれども、一応予算決定する際に、そういう問題についてはどう郵政省側としては積算をやっているかということを知りたいわけです。そういうために必要な資料として私はほしいわけです。それはあるでしょう、それもないですか。
  139. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) ただいまのお尋ねの点で、ちょっと私ども理解しかねる点がございますので、ちょっとお教え願いたいのでありますが、今回七円を十円にするという問題の中には、いわゆる郵政省として、たとえばはがきを材料費から始まってそれを配達する経費——結局はがき一枚を出されると、あて先まで届ける一切の経費という意味のお尋ねであるとすると、私どもの原価計算になりますし、それから資材部長との間でいろいろ御質疑なされておりましたそのはがき一枚についての経費だけ、いわゆるはがきだけの経費というお尋ねでございますと、先ほど資材部長が答弁したような形になります。実は私ども積算では三銭九厘六毛ということで一応予算では前年度と同じような形でほうり込んでございます。しかし先ほど資材部長からお話がありましたように、現実に印刷局とやる場合には具体的な契約内容として材料が幾ら上がっており、労賃が幾ら上がっているという形でもって、予算を少しあるときはオーバーし、あるいは予算以下に、またものによってはうまく値切っていただいて下がるものもありますが、そういう形になっておりまして、予算では一応三銭九厘六毛で、一応いわゆる貯蔵品購買費の中に積算してあるということでございます。
  140. 鈴木強

    鈴木強君 三銭九厘六毛じゃないでしょう、材料費だって三十一銭かかるのに。けたが違うんじゃないか。
  141. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) まことに申しわけありません、単位を間違えました。三十九銭六厘五毛です。
  142. 鈴木強

    鈴木強君 だからその三十九銭六厘五毛だね。それが一枚当たり必要な経費——その内訳を教えればいいんですよ、簡単に言えば。そういうことで内訳を……。
  143. 石井多加三

    説明員(石井多加三君) 先ほど申し上げました通常はがきは三十九銭六厘五毛でございますが、これは予算の予定でもございますし、四十五年度の実績として数字的には出ているということを申し上げたのでございますが、その内訳といたしましては、材料費の三十一銭三厘八毛、労務費の七銭四厘五毛、管理費の一銭とび五毛という項目だけ現在持っておりまして、その材料費の中に先ほど申し上げました切手と同じような紙代あるいはインキ代等が入るわけでございますが、その材料費の内訳をちょっといま手持ちにしておりませんので、もしお許しを得れば後ほど数字を持ってまいりたいと思います。
  144. 鈴木強

    鈴木強君 そうでしょう。だからあなたはさっき三十一銭三厘八毛といった、経理局長は三十九銭六厘、両方で違う。材料費の金が……。私が聞きたいのは、材料費のうちで、紙代とか印刷代というのは一体どうなのかということを聞きたい。それはなぜかというと、紙代というものは、これは値上がりとするかもしれないから、そういうものは幾ら見ているかということを聞いている、紙代の材料費。その内訳を私は聞いているわけです。その中に紙代が幾ら値上がりをしているかということを聞いているわけです。だからそれが答えられればいいわけだ。
  145. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) 先ほど私が答弁いたしましたのは、昭和四十六年度予算を編成する時点において私どものほうで予定した金額でございまして、少し資材部長の答弁と数字の違っているのは、資材部長のは四十五年度の実績でございますので、私ども予算を組む過程では四十五年度の実績が出ておりませんので、四十四年度あたりの実績を勘案して、予算よりは少しずれてくるというふうに御了解願いたいと思います。
  146. 鈴木強

    鈴木強君 きょうはどうも説明がへただね、あなたのほうは……。何回も聞かなければわからないような説明をするんですね。それはわかります。  これは、四十六年度の予算では、当然安い。それにしては高いじゃないですか、三十九銭六厘五毛、一方は三十九銭八厘八毛ですから。そうすると、四十六年度の予算のほうが安くついているわけですか。これは、どういうわけですか。
  147. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) 先ほどお話ししましたように、これは、私ども予算編成過程において四十五年度の実績が出ておりませんので、四十四年度とか四十三年度とか、前の実績を加味いたしますので、どうしても予算よりも実績のほうが高く出る、こういうふうに申し上げたわけでございます。
  148. 鈴木強

    鈴木強君 だから、それは十円というのは来年の二月から発行するやつでしょう。それを私は聞いたわけです。  そうすると、四十五年度の実績は当時まだわからなかった、あなた方の予算編成当時に。それだから三十九銭六厘五毛と一応算定したわけですね。したがって、実績が三十九銭八厘八毛ですから、これは修正する必要がある。少なくとも安くなるというはずはないでしょう、諸物価の値上がりで。だから、その辺は修正するということでいいですか。
  149. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) おっしゃいますように、予算編成過程と情勢が変わってまいりましたので、実際の実行の段階においては資材部と大蔵省との間で、やはり大蔵省も損してまでやるというわけではありませんので、その分については予算執行過程においてその分だけ変更がある、こういうことであると思います。
  150. 石井多加三

    説明員(石井多加三君) 先ほどお尋ねのございましたはがき用紙の特に材料費につきまして、資料がないと申しましたが、いま届きましたので申し上げますが、材料費の中ではがきの用紙代が一枚当たり二十九銭五厘八毛でございます。そのほか、こまかいものが、包装費とか、段ボール箱代とか、いろいろございますが、特にまあ段ボール代が一枚について一銭三厘七毛でございまして、材料費合計三十一銭三厘八毛でございます。
  151. 鈴木強

    鈴木強君 はい、それはよくわかりました。  それから、四十六年度では、はがきは何枚印刷することになっているのですか。新、旧を合わせて。四十六年、七円と十円で。
  152. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) 通常はがき——いまいろいろお話しがありましたとおり、通常はがきについてでございますが、この通常はがきの予定購入枚数は十二億七千万枚を予定しております。
  153. 鈴木強

    鈴木強君 それは、七円と十円と、両方でですか。
  154. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) 両方合わせてでございます。
  155. 鈴木強

    鈴木強君 それから、資材部長、この印刷局の印刷能力というものにはある程度限度というものがあると思うのですが、さっき特殊切手についても、大体六億枚くらい発行したいというお話しでした。そのほかに、いまこの十二億七千万枚の通常はがき、それとまた切手なんかもありますね、これはたくさん。そういうものを合計してみて、大体、現在のところで、大蔵省の郵政省に関する限りの発注の限度というものは、大体山にきているというのか、もう少しまだゆとりがあるというのか、その辺はどうなんですか。
  156. 石井多加三

    説明員(石井多加三君) 印刷局のほうの言い分私たちの見ておる見方とは若干食い違いがあるかもしれませんが、まあ最近までの通常切手、特に特殊切手の増発行等を折衝いたしております段階で申しますと、もうこれ以上出されても印刷能力で困るというふうな返事が従来返っておりまして、特に切手類につきましては、大体限界ではないかというふうに感じております。なお、はがき類につきましては、現在も、すでに御承知かと思いますが、通常はがきも大蔵省印刷局のみに印刷をお願いしているのではなくて、向こうの都合もありまして間に合いませんので、民間にも出しております。また、年賀はがきも同様に、大蔵省以外のほうにも大きな信用の置ける印刷会社に印刷させておる実情でございまして、もうすでにいずれも大蔵省の印刷能力の限界に来ておると、われわれは感じておるわけでございます。
  157. 鈴木強

    鈴木強君 私も、すでに皆さんのほうで民間会社を使っておられるそうですので、そういう意見も出そうと思っていたのですよ。大蔵省でもしできないとすれば、ただその場合に、特殊な印刷ですからね。ですからたくさんある会社にこれをやるということになってもなかなか一定の限度というのがあるわけですから、必要以上に工場がたくさんできてもまたこれは成り立っていかない面もあると思いますので、その辺の調整はやるとしても、実際に随意契約あるいは競争入札というような方法で今後できるだけ安くしていくということになるのだが、問題は、大蔵省の印刷局でやる場合と民間でやる場合とのコストの点ですね、単金においてどれぐらいの優位性があるか、その辺が問題になると思うのですね。大蔵省印刷局のほうが安いと私は思うのだが、しかし、そうでもないですか。むしろ民間のほうが安くつく場合がありますか、役所仕事よりも。
  158. 石井多加三

    説明員(石井多加三君) まあかつて、大蔵省の印刷局と契約する場合と、いま申し上げたようなはがき等につきまして民間と契約する両方をやっておるような場合には、印刷局からも民間の業者からも競争見積もりという形で値段を入札の形式をとってつけさしたことがございます。その当時の実際の経験からいいますと、相当大幅に民間のほうが安い、印刷局のほうが高いという数字が多年続いております。さればといって、二本立ての契約というわけにもいきませんので、安いほうの民間の落札価格に大蔵省も右へならいしてもらって、そこまで勉強してもらうということをずっと続けておったわけでございます。そういったことが長く続きましたので、最近では大蔵省のほうからも、他の民間会社と同様な立場で印刷参加をするというととは好ましくないというふうな意向表示もございまして、まあ私のほうもその辺の事情もわかりますので、現在は大蔵省の印刷局と民間の印刷会社と同じ立場で競争させるということはとらないで、実際には民間同士の競争価格といいますか、落札価格で大蔵省も随意契約で同じ値段で契約をするというふうな形になっておるわけであります。
  159. 鈴木強

    鈴木強君 そうすると、これから需要がどんどんふえて、発行枚数がふえるはがきなりあるいは切手というものは、大体において民間のほうに委託して印刷をしなきゃならぬという状況にあることは事実なんですね。そうなると、まあ大蔵省のほうよりも、価格の点で民間が安かったら民間でやったらいいし、これは自由競争の時代ですから、何も大蔵省に、高いほうに注文することはないわけですから、だから民間の落札価格でやってくれるならこれはまた話は別ですけれども、そういう点に基づいての競争入札という方向にいくと思いますが、これは業界では相当に印刷能力といろものはあると見ておるわけですね。ですから、もっと切手なんかもどんどんと民間で刷らせるという方法はとれないのですか。
  160. 石井多加三

    説明員(石井多加三君) まあ現在までのととろは切手類につきましては大蔵省の独占的な、大蔵省との間だけでこれをやらせるというふうな形態をとっております。通常はがき、あるいは年賀はがき、往復はがき等のようなはがき類につきましては、これを民間にもやらしておるというのが実態でございます。と申しますのは、切手類の印刷につきましては、やはり相当このための特殊な精密な印刷をするために必要ないろいろな設備機械を特別にやはりつくらなければ現在の民間で持っているような印刷の機械ではすぐには間に合わないわけであります。はがきの印刷のほうはこれは御説明するまでもございませんが、比較的印刷としては単純な、特に精巧な整備がいるということではありませんで、むしろ信用といいますか、国の大事なものを印刷させるための十分な施設あるいはまたそういった監視体制ができておるというふうな、そういう面での信用をむしろ考えなければならぬと思いますけれども、印刷としては比較的単純でございますので、民間会社にもいままでわりあい簡単にやらせることができたと思うのでございます。  今後、切手類をどうするかということは、郵務局の要望する切手類等はだんだんふえていく傾向にありますので、ただいま御質問にありましたような、これを将来印刷局の能力を越えたものについてはあるいは民間にもこれをやらせるということを考えなければならない時期がぼつぼつきているようには思うのでございますが、その辺につきましては、なお慎重に今後検討していかなければならないというふうに考えております。
  161. 鈴木強

    鈴木強君 午前中の郵務局長の御答弁で、特殊切手についてはもう印刷局のほうの限界もあると、印刷能力に。そういうお話を聞いたものですから、私はもっとたくさん発行して印刷していったらどうかという意見なんですよ。そして、行列なんかしなくても、いつでも行ったら特殊切手が買えるというような方法をとったらどうか。そのためにはたくさん印刷しなければなりませんね。それが能力がないということになればこれは問題だから、そうかといってそのままにはできないのですから、やはり何とかくふうをこらして、いまあなたのお話にあったように、民間なら民間に一部はつくってもらう。したがって、競争入札もできないだろう。だから、ある程度やむを得ず随意契約もしなければならぬだろう、それはわかります。特殊な、しかも限定された枚数ですから、そう短期間にたくさんな印刷所に特殊機械を入れるということはむずかしいだろうと思うから、指定業者というようなものを選定して、そこで印刷を行なうというような方法をとって、将来とも特殊切手をふやしてもらおうと思ったら、大蔵省だけに依存しておったらできないでしょう。それも、大蔵省を督励をして、こちらの需要に応じられる体制をとってもらえればいいのです。それがなければ自然的にそうせざるを得ない。そこに問題が起きてくる。だから、ただ単にもう大蔵省の印刷能力が限界にきておりますから、特殊切手はこれ以上出せませんという趣旨ではないと思うのです、郵務局としても。だから、そういう点をひとつ十分検討していただいて、もう少し特殊切手発行していきなさいと、こう言いたいのです。これについてはどうですか。
  162. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) 特殊切手発行回数、それと発行枚数がだんだんふえてきておりますので、大蔵省印刷局の能力がだんだん限界にきつつあるのじゃないか、こういうふうに私どもは危惧を抱いております。その点につきましてよく印刷局に尋ねるのでございますけれども、早目に予告していただければやります。それから外国からの切手を実は委託印刷をしておる、そういう面もございますので、かなり弾力性があるからやりますということを強調しているわけでございます。  それから切手でございますが、はがきと違ってやはり見ばえのいい、質のいいものにしなければいけませんので、オフセットであるとか、ごく単純な凸版印刷なら、これはいますぐにも民間に出せると思いますが、これはたいへんお粗末な印刷でございまして、多色グラビアであるとか、凹版印刷ということになると、いまの設備、いまの技術という点では印刷局以外にないというのが実情でございます。しかし、今後のことを考えますと、やはり両面のことを考えつつ、切手発行を考えていかなければいけないのではなかろうかと考えます。
  163. 鈴木強

    鈴木強君 それでは切手のことで三時間ばかりやっちゃいましたから、次の本筋論に入りますが、大臣最初にお尋ねしますが、この前「郵政事業経営形態を公社化することの是非に関する答申」という郵政審議会からの答申も出ておりますが、これは昭和四十四年十月十七日。以来、どうも私どもは、たいへん失礼な見方かもしれませんが、答申後の郵政省の内部における委員会の熱意というものは、どうも火が燃え上がっておらぬというふうに見られるのだが、どうかということをこの前大臣に伺いましたが、その点についても、ろうそくが消えかかっているのじゃないか、と言ったら、とんでもない話で、脈々として燃え続けているのだという大臣のお話でしたから、これは私は少し見方が違っておったのかなと、こういうふうに思ったのですが、この答申、私もあらためて読んでみました。そうしますと、やはり私が最初に郵便百年にあたって郵政事業のたどってきた現状、道について簡単に触れたのですけれども、どうも郵便事業というものが、特に郵政事業の中で郵便事業というものが、いろいろな隘路もありますね。実際に仕事の性質上ありますが、なかなか問題が多過ぎる。したがって、経営形態というものをひとつ変革することによって、全従業員の気持ちの中に将来への展望、希望というものを持たせて、逓信人としての誇りを持って、先輩の人たちのやった事業というものをさらに盛り立てていくということも考えたらどうか。そのためには何か国有、国営というかたい形式の中に当てはまらないで、もっと中堅の幹部を信頼して、ときにはこれに経営を自由にやらしてみたらどうか。あまり国会とか、政府とかがひもをつけないで、もう少し自主性を持って、独立性を持ってやれるような体制にしたほうが、現在における迷路を突き抜けていくためには、非常にいい方法ではないかということが述べられておるわけですね。そして、もちろん改善すべき点がたくさんありますから、公社にならなくても、改善すべき点はこの中からやっていただいていると思いますけれども大臣の公社化への熱意、公社化への努力というものをいろいろやっておられるということであれば、具体的にこの答申を受けて一体、どういうところまで結論が煮詰まっているのか。この前は時間もありませんでしたから、あまり長い論議もできませんでしたが、大臣の言う、ろうそくの火が消えるどころではなくて、ますます大きく燃えていくということであれば、ポイントだけ最初に、われわれがなるほどと思うような御説明をいただきたい。
  164. 井出一太郎

    国務大臣井出一太郎君) いま鈴木さんから熱意を込めて申されました、郵政ないしは郵便事業の困難な道をどう開くか、こういう点、公社化も確かに、その一つの方向だと、これは私も同感でございまして、先般お尋ねがありましたときも、そういう考え方お答えいたしたつもりであります。いま、それじゃ具体的にポイントをあげろと、こう言われるのでございますが、実は庁内に次官を長とする公社化の委員会というものを設けまして、検討途上にあるのでございますが、御案内のように、いま省内各局ともいろいろな問題を、特に法案をかかえておる。こういうようなことでございますから、少しいまのところはそのために取り立てて会合を持つということをしないままで実はきておるのでございます。しかし、確かにこれが考究に値する一つの案であり、何らかの起爆剤とでもいいますか、そういうものを措置いたしませんと、いつまでもこの惰性のままに流れるというわけにもまいらぬと思いますので、したがいまして、先ほどお示しの郵政百年というこの年にあたりまして、この問題を——まあ国会中というわけにはまいりませんけれども、少し法案その他をひとつお片づけをちょうだいして、その上でこの問題と十分に取り組んでみたい、こういう姿勢でおるわけであります。
  165. 鈴木強

    鈴木強君 大臣ね、抽象的なことでなくて、やっぱり具体的に問題を煮詰めてもらいたいと思うのです。  それで、私この公社化の問題について、ここに、特に本文のところに書いてあるのを見ますと、「郵政事業のうち、その経営に関して最も問題が多いのは郵便事業であって、このままで推移すれば、事業経営は年一年と困難となり、国民に対するサービスは次第に低下してゆくおそれが多分にある。これを打開するためには、事業の公共性と企業性の調和の上に立って、進んだ経営技術をどしどし取りいれ、思い切った近代化、効率化をおし進めなければならない。」そしてそのねらいとして、一つには経営の自主性の確立、二つ目に高い能率の発揮、第三番目にサービスの向上、四番目に需要の変動に即応、五番目に健全経営への努力と、こういうふうに具体的に例をあげております。しかも、その郵政事業運営のあり方についてはかくかくであるということを具体的に示して、それについて検討をしなさいと、郵政省が具体的な案を作成するにあたっては、こういうふうにしなきゃいかぬということまで具体的に指摘をしておるわけですよ。だからして、まあ郵政事務次官を長にした公社化推進委員会かなんか、委員会をおつくりになっていることは聞いておりますけれども、それでは、その委員会が具体的にいままでどういう活動をどうやってきたか。そして公社化のねらいというのは一体どの辺にめどを置いてやろうとしておるのか。そういう点は私はここに述べられているだけでは非常に不十分であって、現行の三公社の経営のような状態ではだめである、ヘビのなま殺しのようなのはいかぬ。もっと思い切った自主性と独立性を与えていくようなやり方がいいと思うのですよ。できればNHKぐらいのところまで——予算的な拘束についてももっと制約を取っ払っていくという、そういうふうなことも一応考えながらやってほしいと——いまのことは私の希望ですけれども、現状の三公社が戦後運営してきた過程を見ましても、そういう答申もまたこの前やったように議会に出ておるのですから、いまのような公社化では不十分ですよ。ですから、そういう点も含めて具体的に委員会がどういうふうな勉強をされたのでしょうか。そうしていま国会開会中ですから進まないこともわかります。わかりますが、たとえば何年をめどにそれではその作業を終結して、そうして公社化にしていくんだと、そういうふうなスケジュールを立てておるのでございますか、どうですか。そういうふうな具体的なことを私は聞きませんと、どうもやっているんだかやっていないんだかわからない。まさに風前のともしびではないかというような気がするもんですから、この前、そういう意見を申し上げたわけです。
  166. 井出一太郎

    国務大臣井出一太郎君) まあ鈴木さんに御納得のいくような、現在の時点で具体的にたとえばスケジュールの問題までお示しをするところまではなかなか到達をしておりません。まあ何としても、百年の歴史をけみしたこの仕事をかなり思い切って変革をするということになりますから、役所の立場からいたしますると、どうもとかく憶病になるような面もあると思うのであります。そしてまあ私の考え方も、たとえばアメリカなりイギリスなり、こういった公社化をすでに実施をした、あるいは踏み切らんとしておる、こういう段階にある先例なぞもこういう機会にやっぱり十分参考にするに値する。まあこういうふうな考えでもあるもんですから、そう功をあせるというのではなくてじっくりかまえて、この問題、効果のある取り組み方でなければいけませんから、あるいはまあ少しそれじゃ手ぬるい、もどかしいとおっしゃるかもしれませんが、そういう姿勢でいまおるわけでございます。
  167. 永岡光治

    ○永岡光治君 関連して。まあそれは研究するのは非常に時間がかかると思うのですけれども、一体ほんとうに公社化に踏み切ってやろうという意気込みでやっているのか。そうでなくて、まあ研究していい結論が出なければしようがないから——そういう意味で検討をしているのか、いずれでしょうか。これは基本的な問題、やはり一番大事なことだろうと思いますので、どのように大臣は考えていらっしゃるのか。
  168. 井出一太郎

    国務大臣井出一太郎君) 四十四年にちょうだいをいたしました答申そのものをまあ私をして解釈せしめるならば、若干弾力的な書き方であるようにも思うのであります。そういう次第ですから公社化するんだと、もうあらかじめそういう目標を前提にしてそうして踏み切るというのも、あの答申の御趣意がそういう表現で必ずしもあるとも思われない、こういうこともございますから、私の慎重であるというのは、もう目標をきちんときめて、それにばく進するというのよりも、そのこと自体、公社化も確かに一考に値する方向であろうと同時に、まああの答申にはしからば現行形態をもってしても、やれるところはやれるのではないかというような意味も読み取れるわけでございますから、そういうのを含めて全般的に取り組みたい、こういうふうに考えておるわけであります。
  169. 鈴木強

    鈴木強君 それは、私も大臣考え方はわかるのですよ。だから、必ずしも公共企業体にしなければならぬということを最初から考えているのじゃないのです。  いずれにしても、この郵政事業というものが今日大きな頭打ちをして、大都市にどんどん過密というような都市の集中がある。大きなビルディングが建ってくると、どうしても配達は人間にたよらなければならないという特殊な郵便事業から見て、なかなかこれは遅配が起きるとかあるいは誤配があるとか、いろいろの問題があるわけでしょう。ですから、そういう都市化の変革に伴って一体郵便というものがどういうようにそれに対応してスピード化し正確化していくかということをくふうしていって、それがどっちでやってもうまくいけばそれでいいのです、経営形態は。西ドイツでいまやっているように、国営の形で経営の自主性というものをもっと国に与える。いわゆる公共企業体的なものだと思いますけれども、国家公務員でありながら経営は理事長というものをつくって、そこでもってやってもらうというような方法もとっているところもあるわけです。現にこれが西ドイツの国会でいま審議中ですがね。イギリスのようにいまやっているところもあるし、アメリカのように八月ごろからやらんとするところもある。いずれにしても企業体ですからね、事業体ですよ、これは。お役所のデスクの仕事と違いますよ。ですからして何とかして、非常に困難な郵便事業というものをどういうふうな形態にしたら、そこに従業員に将来勇気を持たせ、待遇を改善し自主性を持ってやれるかというそこに問題は集中されるわけですから、それが公共企業体でいいのか。国有国営の中で、こういうような形をこうすればそうなるということがあれば私はそれは経営の形式論にこだわらない。だけれども、いままでいろいろやってきたけれども、明治四年以来百年の郵政事業というものの国有国営として一貫して独占事業としてやってきたけれども、この形の中ではなかなかこの頭打ちを打破することはできないだろう。だからそのためには、いまここで思い切って責任者に自主性を与え、思い切った待遇の改善もし、あるいは機械化もし、合理化もして、そして国民の期待に沿えるような郵政事業に持っていくのには、やっぱり公企体という形のものがまずベターじゃないか、ほかにはあまりそういう道はないんじゃないだろうかというのが、これは答申になって出てきているのですよ。だから、そういういろんな形を論議した結果の集約として出てきたものが少なくともこの答申だと見ておるのですよ。したがって、この答申だって、もちろんわれわれにも異議のあるところもありますよ。ありますが、それはそれとして一応方向としては国有国営化あるいは公共企業体化ですね、この二つに一つしかないと思うのですよ。まさか民営にするということはないでしょう。電電公社なんというのはもうかりますから、もともと資本家連中というのは、電電を民営にしようとしたのですよ。ところが、なかなかそれはできないから公共企業体になったというのです。向こうは魅力があります。ところが、郵便の側はどう見たって資本家がこれを民営に移管してやろうなんということを考える余地がないような、お先が非常に暗いというか、むずかしい仕事なんですよ、これは。だからして、結局は国有国営ということでやっていく。そうすると、親方日の丸、まあこれは郵政職員でこうやっていればいいんだというようなことで、いろいろと問題が出てくる。特に、全逓との労使関係についてはもう日本の労働運動の中で一番悪いですから、全逓は。その責任は省側にもある、大臣側にも。何でこんなふうな労使関係にしたのか。といって事業はしておる、その人がほんとうに皆さんと一体になってやるという、その気持ちを起こさない限りは郵政事業はだめですよ。それでなくてもむずかしい仕事なのに、全逓との間にはもう抜き差しならないところにいってしまったじゃないですか。そんなことで郵政事業が信用を挽回するなんということはナンセンスです。まず、そこから始めていかなきゃならぬと思うのです。そういうものを基本におきながら、経営形態というものを考えていかないと、私はほんとうに残念ですよ。私もかつて逓信省にごやっかいになったこともありますから、われわれもずいぶんつらい思いをしましたけれども、やっぱり国民郵便事業だということを常に自覚をして、どんな長い労働時間でも、つらいことでも私は耐えてきましたよ。戦後民主的労働運動ができて、かつてわれわれがどんなにつらくても言えなかったそのことを労働運動を通じて言える、大臣にも、局長にも。そしてその運動を通じてみんながよくなり、よくなることは事業がよくなることなんですから、そういう関係における労使関係というものを正常化していくということがもう何といっても大事だ。それがあなた方は落第だ。労働運動に関する限りはあなた方はどこへも顔向けなんかできない。そんな恥しいことはない。それがなおれば、またそこには一つのファイトもわいてくるだろうし、従業員もやろうという郵政魂に徹してくると思うのですよ。それがない限りは、私はどう論議してみても、いい結論を見出すことはできないように思うのですよ。だから、それは百もわかっているけれども、なおかつ国民はだからといって毎日毎日くる速達がおくれてしまって、われわれは国会に来るのにも公報が着かないなんということじゃ、どうしますか。せんだってもモスクワからこれがきたのです、私のところへ。これが玄関にぼしゃっと投げ込んで、こんなになっちゃった。表紙も裏も取れちゃっている。こうしてぶん投げてあった。これが郵便屋さんのいまの態度ですよ。せっかくモスクワから送ってくれたのだけれども、両方取れちゃって、しかもこんなに破けて、それを玄関にほっぽり投げてある、こういう態度だね。労使間の紛争で国民大衆に迷惑をかけるなんというのはこれは断じていかぬですよ。私はそう思うのですね。だからして、もう少しこの労使問題というのを大臣としても考えてほしいのですよ。全逓を脱退すれば五点点数をやって、社会党員は二点だなんという点数表までつくって、そんなものを持ち出されるなんてかなわぬですよ。ふざけているですよ、大体。そんなことで労使間の正常化が期せるなんて思ったらナンセンスだ。前時代的もはなはだしい。いま局長になっている諸君は大学を出て一つの任用コースに乗ってどんどん昇進してきた人かもしれない。しかし、そうじゃなくて、昔小学校を卒業して事業の中に入って、世の中で下積みで一生懸命苦労しながらやってきている人だっているのですよ。そういう人たち気持ちをどう理解してあなた方は局長の立場に立ってみんなの士気を鼓舞していくか。いまは権力で人を使おうたってそれは使えない時代になっているのだ。ある人が言った。いまは管理者は下の人たちに使われるのだ。そういう下から信頼される気持ちがなければ局長はつとまらない、課長はつとまらない。そう言った人がある。これはりっぱな人だと私は尊敬する。そのくらいの気持ちになって、ほんとうに従業員と信頼関係を持たなければだめですよ。局に来た局員が課長なんか何だと、課長の言うこともきかないようなことで課長がつとまるはずはない。それは言うほうも悪い。だからそれはやっぱり信頼できるような関係をお互いに謙虚になって話し合ってつくっていくということが必要ですよ。労働運動さえもう少しうまくいっておれば、私はそんなことはもう全然論外にして、本来のどうするかということにいけるのだ。そこにいけない。いけない前にこんな大きなネックがあって、そこでもって右往左往している。このあとから聞く郵便料値上げをやるためにあなた方が答申をいただいた、郵政審議会の四十五年の十二月七日の答申を見たって、この中にはこっぴどく書いてありますよ、実際。大都市周辺の速達速度なんというものは全く問題にならぬじゃないか、不安定で。だから、郵便料を上げるといったって、サービスをよくするから郵便料を上げてくださいと言っておって、サービスをよくしないで郵便料だけ上げる。だからみんなおこるのですよ。だから、話は少し飛躍したけれども、横道に入ったんだが、一体公社化をするならするということで、まあ永岡委員からも関連質問ありましたけれども、そういう答申が出たら、そんなら労使間はそうあったとしても、ひとつこの公社化ということをまともに取り上げてこれを推進する中において、職員よひとつ奮起してくれ、将来はこういう希望があるのだと、おれたちはもっと自覚して責任を持ってやれるようになるのだと、そうして、もっと局舎もりっぱにしてあげなさいよ。十年一日のごとく、何というか、木造のきたならしい局舎の中で、それこそ行のうかか出ているほこりを吸いながら仕事をしている、これじゃ希望を持てない。せめて郵便局くらいは鉄筋にして、きれいにして、あんなごみなんかそれこそかからないようにしてあげなさいよ。職場環境もよくして、おれたち郵政事業に携わっているのだという誇りとファイトを持てるような職場環境をつくってやってほしいのだ、私は。そのためには、いまの国有国営じゃだめですよ、ほんとう言って。もう少し何とかどこかに独自性と機能性を発揮できるような自主的な運営というものがほしくないか。予算総則の弾力条項くらいのものじゃだめですよ、これは。そういう中に、私は全従業員が前に一歩進んで行くというそういう気持ちが出てくるような気もするわけだから——これは比較した場合ですよ、大臣。そういう場合に、公企体でいくか、いまの点改善していくか、この二つになるわけですよ。大臣のおっしゃるように、一挙にいけないから、現行をできるだけ直して、この趣旨に沿ったような方向で直していくならこれもいいですよ。暫定的にはそうしてもらってもいいですが、たどるところは一体どこなのか。そういうことを展望しながら、それに到達する道程というのは長いかもしれぬ、困難であるかもしれぬが、それを一つ一つ克服していこうじゃないか、みんなで。やって、切り開いて、こういう道が開けてくるのだ。全二十万、三十万の職員の前に示して、そうしてみんなの奮起を望むということが必要じゃないでしょうか。そういう意味で少しくどいですけれども、私は、この公社化の問題について、熱意があるとおっしゃるならばどうぞやってみてください。この前私は、どうも答申は出たけれども、ずっと見ていると、各局の局長、はっきり言うが、局長仲間でも、やはりほんとうにやろうじゃないかと、公社化に。一丸になってやるというふうな気迫がないように思うのです。また、一面貯金なり保険なりの事業というのは、それぞれの公企体になったらたいへんだと、そうでなくても郵便局が積み立て貯金だとか、定額貯金を戸別に回って貯金をしているから民間の銀行の貯金が伸びないのだというようなことを言ってあなた方の答申に対して妨害するようなことをやっている、大蔵省関係、銀行関係で。だから、かつて私はここで言ったことがあるんだ。けしからぬ、零細の、安心できる郵便局に預けようという者に対して手ぬぐいを一枚持っていったら、それが民間と同じような商売根性を起こして貯金を集めようとしておるというようなことを言ったから、私はおこったことがある。そうじゃない、みんなもらった手当の中からたとえ手ぬぐい一枚でも、ふきん一枚でも買って、それを持っていって気持ちをあらわしている、しかも自分の手当から。それなのに、そういうふうに、やはり妨害があるんですよ。保険のほうもそうですよ。最高保険額を上げるといって、そうじゃないですか、毎年毎年たくさん上げればいいんだ、それが上がらない。五十万とか何とかつけ足し値上げというのですか。そういうふうに外部からも公共企業体に対しては反対があるんです。だから、すくんでしまっているんだ、やはり、私に言わせれば。どうもろうそくが細く消えていくような気がするから、私はこの前、大臣にたいへん失礼だけれども申し上げたんです。そうしたら、そうでないようだから、それならひとつもう少しあのときに聞こうと思ったんですけれども、時間がなかったから、きょうはいい機会ですからその展望をひとつ示していただきたい、こう思うんだが、どうもまだやるのかやらないのかよくわからないようですね。それならもう少し、大臣どうですか、基本的にはあなたの感覚に賛成しますから、とりあえず現行で直せるほうはやったらいいですよ。今度の答申を見たって、四十五年の五つの提案の中で三つをやってないんだ。国民がやってほしいことはあまりやってないで、それで郵便料金の値上げをやり、しかも今度三種以下の料金は政令でやっているものまで、あなたのほうでは省令できめようと、国会軽視もはなはだしいようなものを出してきている。これは時代に逆行する、こう思うんです。いかがですか。だからして、それならそれで一つの展望があればわれわれもわかるんだけれども、展望がないままにこういうふうにやられると、財政法から見ても、憲法から見ても、独占料金というものはできるだけ国会の承認を得るようにしていくというのが筋ですから、そういう筋から大きくはずれようとしている。それでその答申の一番大事な送達速度の安定とか、労働力の確保の問題とか、作業施設の改善であるとかいうことについては、われわれが納得できるような施策が四十六年度の中でもないというので、どうも疑義を持つわけです。ですから、あなたが現行の中で、もう少しこうしたら一歩頭打ちを突き抜けられるというのを、郵政省みんな集めて、局長以下——これは専門的な機関でもつくって特命事項としてやらしたらいいでしょう、どうですか、それをまずやる。それから次に、いまある委員会があるんだから、そこで公社化というものをどうしたらいいのか、絶えず連携をとりつつ進めたらいいでしょう。現行の国有国営の形態の中で、どうしたらいいかということについて、もっと突き詰めた論議をしてみたらどうですか。それとこの公社化の問題を突き合わしてみて、そこにある道を見出すというようなことをやってみられたらどうですか。きょうはひとつ具体的にこの問題についてどうするかということを大臣からはっきり出してもらいたい。抽象論じゃだめですよ。必要とあればそういう部局——特別な、大臣の官房でも何でもいいですから、そういうところに特命事項で何か置いてやったらどうですか。そういう具体的なものの中でやってみてくださいよ。私も真剣に考えていることなんですよ。だから、少し横道に入りましたけれども、どうかひとつ私の意のあるところをくんでいただいて、もうわれわれが、なるほどそうやってくれているのか、大臣ありがとう、われわれも一生懸命になってお手伝いしますよというような姿が出て来るようにしてください。だから、私は具体的にそういうふうな方法について、何か一つの特別な組織が必要なら組織、別に組織でなくてもいいですから、そういうようなものを具体的に何名かにやらしてみたらどうですか、こういう提案をするんですけれども、どうですか。
  170. 井出一太郎

    国務大臣井出一太郎君) るるお述べになりました点、私もたいへん共感を禁じ得ないものがございます。公社化問題はさっき申し上げましたように一応省内に設けられた委員会に検討をゆだねてありますが、百年の長い歴史の変革でございますから、もう少し目盛りを長くする、一年二年というのではなくお考えをいただきたいというのが一点、私の希望であります。これ軽々しく踏み切っていいというものでもございませんから、やります以上は、これは実りあるものにしなければならぬのでございます。そういう観点からいろいろ条件を整えなければならぬという仕事が私はあると思います。それでその一点は、いまお触れになりました労使関係の問題でございます。これは公社化というたいまつを掲げて、これで引っぱっていくその方向を出すことによっての労使関係の改善、こういう鈴木さんの御提案でありますが、いま現状は、去年二度までもああいうふうな労務政策のあり方を問われた、これは組合側も非常な犠牲を払ったと、こういうことでございますから、この辺からもひとつ解きほぐしていく前提条件の整備というものをやっぱりやらなければならぬというふうに思うのであります。で、私はこの間、全逓の新執行部の諸君とも短時間ではありまするが、話をかわしました。何か一つお互いアプローチしていく道を講じようということでお別れをしているんであります。そういうことも一つございましょうし、あるいはこれは何といいますか、戦略とでも申しましょうか、公社化問題は広い意味での戦略という問題が私は一つあると思います。たとえば三事業を一体にして持っていくのでなければなかなか意味がないのではないか、貯金とか、保険とかはこれは別建てで、郵便だけでそれじゃ一体いけるのかというような問題も考えなければなりませんし、これは相手があることでございますから。しかもなかなかこれは強力な壁があるわけであります。それに対しては、戦略戦術の問題もあらかじめ十分練っておかなければならぬと、こういうこともございますので、あるいはおまえは慎重にすぎるとおっしゃるかもしれませんが、私も感じていることは同じなんでございます。せんだって、予算委員会で永岡さんが、一体郵政大臣、おまえさんは何代目だと、こう言われた。その意図は、大臣というのはネコの目の変わるようにしょっちゅう短い任期で変わっている。こんなことで一体安定した企業性というものが追求できるかと、こういうことをお示しになったわけであります。私も、この仕事に携わってみてまさしくそういう感じはいたします。これはむしろ公共企業体にして、総裁なら総裁の任期というものを非常に安定せしめるならば、これはまたそのやり方がおのずから違ってくるというふうなこともございますし、機構の問題もあり、それから内部において解決しなければならぬ労使の問題もあり、戦略、戦術の問題等々ございますから、これらをばひっくるめてやっぱり総括的な検討をしなければならぬと思うのであります。  それで、いまの御提案は、公社化の委員会というのとは別に、少し即戦即決できるような省内にインナーキャビネットみたいなものをつくったらどうかというようなお示しでございますが、公社化の委員会にその使命を同時に負わせても私はいいと思うんです。あるいはそのほうが相関連していけるのではないか、こういう感じもいたしますので、きょうの御意見、私、これはもう非常に貴重な御示唆であると受けとめておりますので、そういう点をひとつ体して、これから取り組んでまいろうと、こう考えるわけであります。
  171. 鈴木強

    鈴木強君 大臣の御趣旨はわかるんですけれども、ただ私が心配するのは第一点の即戦即決だけでなくて、やっぱり長い目でやろうというその考え方も原則的には賛成なんです。ただ、この前も大臣、ちょっと私は意見申し上げたように、いまの三公社の形態についても、これはまだ中途はんぱである。したがって、もっと自主性と独立性を与えるべきだという答申が二十九年と三十一年に出ているわけです。もう十四、五年たなざらしですよ。私は岸総理大臣から池田総理大臣、佐藤総理大臣、三代にわたって毎年この答申を早くやってくれ、早くやってくれということを迫っている。ところが、検討します、検討しますというので、もう十四、五年たなざらしとなっているわけです。だから慎重はいいんだが、あまり時間をかしますと、あの二十九年、三十一年の答申の形になるような危険性を私は感ずるのですよ。だから、私は鉄は熱いうちに鍛えろだから、せっかく郵政省も諮問をするということは、おそらくもうそういう下地があったからだと思うのです。その下地のつくり方についても、いまになって皆さんがまだ検討するのだということを言うならば、少し早かったのじゃないですか。もう少し省内を結集して、そうして公企体なら公企体の方向にひとつ郵政審議会に諮問してみようということでやったならば、あらゆる角度から検討が進んで、大体あなた方が郵便料金をきめるときに一つの隠れみのみたいに郵政審議会にはかるのと同じなんだ。大体審議会というのは、相当に練ったものを、審議会にかける下地をつくって、そうして答申をもらったらすぐ実行していく、これが筋なんですね。ところが、それがどうもいろいろ検討してみると、まだ不十分であったのだが、だれかが思いつきでぱっと審議会に諮問したような点もなきにしもあらずと私も思うのですが、そうであるならば、これは非常に残念なことであるし、また、それが完全にもしやっておったとすれば、事前に地ならししておったとすれば、いまのようにふわりふわりとしてどっちを向いているかわからないようなことではなかったろうと思うのです。これは少し私の思い過ぎかもしれませんから、見方が間違っておればいまでも私は訂正いたしますが、そんな気さえするのです。だから、答申は得てみたけれども、一年延ばしにずるずる延ばしに延ばしただけ、井出郵政大臣がずっと大臣にいてくれるような内閣、政府ならいいけれども、これがかわられてしまえば、また、来た大臣に同じことを言うのですよ。そうすると同じようなことをして検討します検討します、その間に一年たってやめてしまう。また、次の大臣つかまえて同じことを言って十五、六年やってきている。それじゃだめですよ。やっぱりもう少しやろうとしたら、決断したら、その決断がいけるような体制を省内につくるべきだと思うのですよ。そういう意味において、拙速とは言いませんけれども、そうかといってじんぜん日をむなしくされるということは、過去に例があるので心配しますから、できるだけやらなければならないことをやってください、やらないならやらないで、もう一度こうするのだということを出せばいい。そうして、国営の中で、こうしますということになるならば、それでよくなるならば、何も公企体にしなくたっていいのです。だから、それがなかなかできないと思うから、結局公企体の道を選ぶということになると思います。そういう点が一つ。  それから大臣は、全逓の労働対策の問題として私が公企体を示してやったらどうかということを言ったように言われたが、これは組合なんていうことは私は考えてないのです。郵政全職員の立場に立って私は言っている。郵政には全逓もあるし、第二組合もあるし、皆さんも含めて、全郵政職員三十万の全部の皆さんのことを考えて、私は一体経営がこうなっているのだが、どうしたらいいかということを示すことも一つの方法だろう、全逓の労働対策と対比して言ってないということだけは明らかにしておきたいと思います。あとはもう大臣のおっしゃるように、合理化委員会対策、公社化対策委員会の中でおやりになるかどうか、これは私もそこまで深くどうこうということを言いませんから、大臣の御趣旨は御趣旨でやっていただけるならやっていただいてもいいが、それがために、問題の公社化対策というものが中断したり、おろそかになっては困るわけですから、できればそれと有機的な関連を持つような形でやっていただいたらいいと思う。しかし、その公社化の方向に対してブレーキにならないということであればけっこうですよ。いずれにしてもそういうことで、もう少し公社化の答申が出たものに対して大臣のおっしゃるような形のものを煮詰めてほしい。そうしてわれわれがなるほどというような結論を出してもらいたいということです。  それからこういう中で今度郵便料金の改正が出てきたのですけれども、私はちょっと口が悪いですから、ずばりずばりとたいへんかんにさわるようなことを言うのですけれども、お許しください、別に他意はありませんから。昨年十二月七日の郵便事業正常運営を確保するための方策に関する答申、これを何回も読ましてもらいました。足立さんから井出郵政大臣にあてたものですが、非常に勉強されていろいろな角度から問題を取り上げていただいておるので、われわれもよくわかるのですが、この中にもいうように、特に「大都市およびその周辺で発生している郵便の遅配をすみやかに解消するとともに、安定した郵便の送達を確保する」ために努力してもらいたいという問題とか、「労働力の確保につとめるとともに、職員がその能力を十分に発揮できるよう適切な措置を講ずる」というようなことですね。要するに、「職員の勤労意欲および能率の向上をはかるため、作業管理、処遇等各般」にわたって十分な検討をしてもらいたいというようなこと、あるいは「作業施設の改善に努める」あるいは郵便局舎をよくする、こういうような五つの問題点が指摘されておりますが、率直に予算の内容をいろいろこう見せてもらいますと、4、5ですね、「郵便の法制について検討を加えること。」、5「郵便事業収支の均衡を維持するため、郵便料金を改正すること。」この答申が出ておる。しかし第三種郵便物のように答申よりも逆に安くしているところもある。で、しかも今後は料金の基準については、要するに簡単に言うと、郵政事業の適正なる運営ができるような料金でなければならぬというように第三条に新しい項目をふやして料金決定原則というものを明らかにしておりますね。その原則から見ると、どうも私はおかしいような料金もあるのですね。そういうふうにきめたらそういうふうにきめたようにしてもらえばいいのだが、どうもそこら辺にズレが出てきておる。いずれにしても、一番大事な三項目が置き去りになって、そうして4、5の料金の問題だけが今度の郵便法改正の中にクローズアップしてきたということは納得できないのです。これはどうしてもう少し1、2、3のような問題点についても、具体的に国民に納得できるような施策をしていないのじゃないか。もし、しておるのに、私がそういうことを言うたらこれはたいへん失礼なことですから、まず三つの点をどうやっておるかということもお聞きしたいわけですよ。  それで前提として伺いたいのですけれども、井出郵政大臣が去年の九月十八日に地方の三局長会議を開いたときに訓示をされておりますね。その中の一つは郵政事業の合理化・近代化を進めることを第一の柱とし、二つ目には、作業の機械化のため郵便番号自動読み取り区分機、郵便物自動選別取りそろえ押印機の配備、三番目には、郵便局舎など事業施設の改善を強力にはかりたい、四つ目には郵便配達の面では外務員の処遇改善のほか、団地配達に婦人労働力を活用するなど積極的な施策を講ずる、五つ目には、郵便局管理体制強化のため東京郵政局を分割したい、こういう五つの点を重点にして、昭和四十六年度の予算概算をつくりたい。その結果を見ると、郵政事業は特別会計において五百七十二億円の歳入不足が生じてしまう。本年度ですね。四十五年度は百三十二億円の歳入不足を生じたが、これは過去の蓄積された持ち越し現金でまかなった。しかし、四十六年度はこの方法ではとてもできないから料金値上げをせざるを得ない、こういう訓示をされていますね。当時、四十六年は五百七十二億円の歳入不足が生ずるという判断を持たれてこられたんだが、今度、その料金改正が一種、二種は来年に持っていかれましたね。小包郵便も四月一日のやつが延びました。きょうの閣議できまりましたかどうか。あれは大臣非常に親切で、われわれにも事前に知らせてくれまして、われわれも感謝しています。われわれも四年一日に実施されるものと思っていたんですが、こういう理由で実施できませんというので、丁寧にわれわれに知らせてくれました。こういう緊密な連絡がわれわれはほしいんです。この点は非常によかったと私は感謝しています。そこで、たとえば小包郵便でも十七日にやるか、十八日にやるかわかりませんが、その分だけは現にもう四十六年度予算では減額になりますね。天皇皇后訪欧記念切手発行するから、その分でカバーできるかどうかわかりませんが、いずれにしても、そういう穴があくわけですよ。  それから、あなたが言われた五百七十二億の歳入の赤字というのは、当然料金値上げを四月からやるということを想定しておったのか、あるいは七月ごろからやると想定しておったのかは、これは別ですが、わかりませんが、いずれにしても、料金の本体である一種、二種、こういうものが大幅に来年になった。それからその他のものは七月ですね。そうなると、かなり五百七十二億という歳入不足をカバーするのには不十分じゃないかという気がするんですが、これは計算上の問題ですよ。料金政策の問題はわれわれは反対ですけれども、経営的に一つの推移を追って私は聞いているわけです。だから、地方の三局長会議で訓示をした五百七十二億円の歳入不足というものを生ずる場合は前提条件があるわけですね。さっき言った五つのこういう施策をやるわけです。そうなると四十六印度は料金値上げがだいぶ延びたから、この五つの重点施策のどれとどれとどれをやったのか、そういう点も問題になると思うんですよ。しかし——まあ質問時間が長くなりましたが、まず予算編成に対する当時の大臣のお考え方と、現実に予算決定された今日の段階とではズレが出てきているわけですね。残念ながら大臣は、当初昨年の九月ごろお考えになっておった構想が、料金問題によって四月一日からできないというのか、それともあのとき言ったのは、もう来年の二月からやるということを想定しておやりになったのか。私はそうじゃないと思いますけれども、その辺の予算に対する考え方について最初に伺って、あとはさっきの答申のこの三つの問題がどうもおろそかになっているように思うから、具体的に一はどうなっています、二はどうなっています、三はどうなっています、こういうふうに一つ一つ説明していただいて、私の認識が誤っておれば訂正しなきゃなりませんから、そういうふうにお答え願いたい。
  172. 井出一太郎

    国務大臣井出一太郎君) ただいまの一連の御質問はたいへん多岐にわたっておりますから、あるいはお答えが漏れましたらひとつ御指摘を願いとうございます。  最初に、先ほど公社化問題は何も労務対策ではない、これは私もそういうふうに受け取っておるわけではございません。鈴木さんが全従業員の熱意をかき立てるために一つのともしびを掲げろと、こういう意味に伺ったわけであります。  それで、昨年の暮れに郵政審議会からちょうだいをいたしました答申は、いまお示しのようにおおよそ五つの項目に分かれておるわけであります。そのうちの4と5に力を入れて1、2、3はさっぱりとってもって採用しないではないか、こういう仰せでありますが、これはまあ十分であるか不十分であるかという違いはあるかもしれませんが、やはりこの線に沿って予算にも努力をいたしたつもりでございます。  郵便の送達速度の安定をはかるという事柄でございますが、これはあとそういった話題にももう少し触れたいと思いますけれども、これはまだ国民の皆さまにそれを明らかに示して、こういうことにいたしますというお約束を申し上げるのには少しくまだ条件整備がかかるのではないか、こう思っております。すでに部内においては、一つの基準というものを持っておるつもりでございますが、それをひとつ外へも出し得るようにというせっかくの努力をただいましておるわけであります。  それから2の労働力の問題でございますが、これは何としても労使関係の正常化をはかるということがその前提になってくるわけでありまして、これはさっきも触れましたように、昨年の教訓に立脚をしてそういう方向へ鋭意努力をしておる。たとえば当局と組合の側で確認をした条項等につきましても、十分誠意を持ってこれを実践をすると、こういう方向にあるわけでございまして、あわせてこの待遇問題等につきまして、あるいは勤労意欲をかき立てる意味においても処遇の問題等々につきまして、これまたいろいろと配慮をしておるということを、第二点について申し上げたいのであります。  それから3の作業施設の改善でございますが、これは何としても環境をよくして働く人々にできるだけ御満足を願うようにしなければならぬと思うのでありまして、その点、局舎の問題等もございますが、四十六年度予算では、こういう施設その他に投入いたします数字がざっと三百億と、こういうことでございまして、これはまあ近年になく伸び率は大きい。これをもって満足しているわけではございません。そこに努力を払ったそのあとはひとつ見られるというようなおことばがあといただければありがたいと思うのですが、こういう点、また、経理局長のほうからもう少し補足はいたさせます。  それから4と5の問題は、当面の法改正の中に一番これが中心に出てきたと、こうおっしゃるわけでございますが、いまの郵便財政の現状からいたしますると、やっぱりどうもこうせざるを得ない、やむにやまれない措置だというふうにお受け取りを願いたいのであります。その際に時間がおくれてきて、当初の五百七十二億の赤字がむしろ少し変更されてきておるのではないかという御指摘でございますが、これは全部が全部四月一日からやる予定ではございませんでして、若干その種目によって時期のズレはあったはずであります。しかし、おっしゃるように少しずつおくれておる面もございますが、これらは鋭意企業努力をいたしますとともに、もう一つは、この四十六年単年度だけで見ないで翌年度等をもあわせて収支の均衡をはかろう、こういうことに相なっておりますが、数字はこれは経理局長から申し上げることにいたします。そうして、また小包の点にお触れになりましたが、これはきょうの閣議で決定をいたしまして十七日から実施をすることに相なります。これによって生ずる歳入欠陥といいましょうか、八億ちょっとという数字が出ております。これだけでもいまの郵便財政からいいますと貴重などうも時期を失ったということでありますけれども、予備費の用意もありますから、これをもって充てるとか、あるいはこれからの企業努力、ともかく何千億という仕事をやっておるのでございますから、その中から努力によって取り戻すことは可能である。こういうふうに考える次第でございます。  残余の点は、それぞれ局長から申し上げます。
  173. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) ただいま大臣から答弁ありましたように、最初の四十六年度の見込みをつくるときに、五百七十二億の赤字というふうに見込みましたのは、当時、概算要求のときでございまして、その後、予算を大蔵省との間でいろいろやっていく過程におきまして、私どもとしても、かなりの要望、要求を中に盛り込んでおりましたが、そういうものである程度査定された分等がございまして、結果的には、今回の料金値上げによる四百八億ということで、収支差額四十五億という差額が出たわけでございますので、その意味では、約四百五十億の赤字という形になっておった。もし料金値上げなかりせば四百数十億の赤字である。初めに五百七十二億と予定しておりましたのと百何十億違いますが、そのうち、巨億ばかりは査定があったということと、収支見込み等につきましていろいろと大蔵と詰めました過程で、私どものほうは収入をやや低目に見ておったということで、結果的には、五百七十二億という赤字を組んだときの情勢と今回の予算の情勢とは、結局支出において百億ばかりの差があったということでございます。その百億の差の査定の内容を見ますと、退職手当とかそういった点で、少し私どものほうで四十五年度あたりにいわゆる優遇退職の手当等をよけい組んでおったものがございますが、そういったものを実態に合わせるために査定を受けたとか、その他もろもろの査定を受けて、今回の予算になったわけでございます。したがいまして、私ども初めに重点事項として予算の中に要求しておりました分についても、ある程度の査定を受けておりますが、ある程度、今回の重点事項は、予算の中にかなりとれたのではないかというふうに私ども考えております。  そのうち、大きいのは、先ほど大臣から答弁がありましたように、郵便局舎の改善、これは、私ども何とかして三百億台の大台に乗せることが省としての一つの願望でございましたが、大臣も非常によくがんばっていただきまして、最後、大臣折衝というところへ持ち込んでいただいて、三百五億ということで、去年が二百五十億でございますので、その伸び率等は公共事業等より多いということで、かなり私どもとしては成功した感じがいたしますが、しかし、まだまだ先ほど御指摘のありましたように、相当郵便局舎等は立ちおくれている面が多いので、今後とも努力してまいりたいと思います。  そのほか、重点事項として、私どもで要求いたしましたものの中に、いわゆる郵便事業の機械化、いわゆる区分機、あるいは選別機、そういったものもかなりとれております。  それから、特に予算でもって、今年度郵便外務対策ということを強く表に出しまして、例年と違った意味の重点の施策をしたわけでございますが、それにつきましても、たとえば郵便外務員の特殊勤務手当の引き上げ、少しでも働いている方に多い給与をということで、これは三〇%ないし四〇%の引き上げというものが認められました。そのほか少しでも郵便外務の作業が楽になるようにということで、高層ビルの配達方法を改善する、すなわち下のほうに郵便受箱を設けさせてもらうためのいろいろ諸施策、あるいは職場を、外務員の少しでも潤いのある職場にしたいということで、職場ヘルパーというものを予定しておりましたが、そういったものもかなりの人数が入っております。その他、先ほどちょっと御指摘がありました団地配達ということで、いわゆる団地ママ配達の必要な経費、そういったようなものが入っておるわけでございまして、私どもといたしましては、ある程度答申の線に沿って、四十六年度の予算の中にそれなりの努力をしたつもりでございます。しかし、御指摘のように、まだまだこれで十分であるというふうには思っておりません。今後とも、せっかく今回の郵便料金の値上げで財政がそれだけの余裕が出てくるならば、より一そうそういう重点施策のほうにそういった経費を向けたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
  174. 鈴木強

    鈴木強君 まあ聞いていると、予算というものはなかなかうまくできているんですね。五百七十二億円が四百八億円ほどしか料金収入がないので、約五十億か何ぼか足りなくなったけれども、これは予備費を使ったり、収入の見込みが少しふえたりして、プラス・マイナスまだ幾らか持ち越すと、なかなかうまくできたもんですね、予算というものは。ふしぎだな。わしらが見ると、実にうまくできている。  それで、抽象的じゃちょっとわかりませんからね、その答申に基づいてお伺いしたいと思います。  まず、第一番に、「大都市における送達速度の安定と向上」というのがあります。ここには「郵便事業は、なによりもまず大都市とくに首都圏における郵便送達の現状を改善し、その安定をはからなければならない。郵便の送達速度は、深夜自動車便の設定および航空機とう載など運送施設の改善によって、全国的にはすでにかなりの速達化をみているところである。しかしながら、これらの施策にもかかわらず、とくに東京都およびその周辺地域に発着する郵便については必ずしも十分な効果をあげるまでには至らず、送達速度は不安定となっている。」、こういうことですね。「したがって、これらの地域に発着する郵便物については、一定の時刻までに引受けられたものは、所定の日時には確実に配達されるよう、区分運送方法に抜本的な検討を加える必要がある。この際、業務処理の実情に即した標準送達速度を確立することが望ましい。」とあります。この標準送達速度というものは確立をしていますか。
  175. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) 郵便がきめられた結束表に従って——結束表というのはたいへんむずかしい用語でございますが、時刻表と申してもいいかと思いますが、予定された時刻表に従ってスムーズに送達されて、最終的に配達にかかる、そのように途中において何ら支障なくスムーズに郵便が送達される、そのための所要時間を標準送達速度と、こういうふうに申しておるわけでございますが、東京都内相互間におきましては、標準送達速度と申しますのは、翌日配達ということが標準送達速度なのでございます。差し出し時刻、その他特別の事情がありましても、翌々日の午前中に——半日おくれですね、配達する。そうなると、翌日もしくは翌々日前半と、こういうのが標準送達速度だと思うんですが、今日、その標準が守られておるかどうかということにつきましては、残念ながらそうは申せないのでありまして、この三月、四月におきましては、郵便物もそう多量に出回っておりませんし、情勢は比較的平穏でありますので、郵便の送達状況はかなりよろしいわけでございます。昨年、一年に比べますと、最近の運行状況は、先生方どういうふうにごらんいただきますか、私どもの見るところ、かなり好転をしてきておるというふうに見ておりまして、東京都内の標準送達速度の順守率といいますか、これは八〇%ぐらいは大体合格点にきておると思います。なお二〇%につきましては、遺憾ながらこれが守られていない。問題はその二〇%をいかにしてこの時刻表に乗っけて、標準送達速度に間に合わせるかということでございます。そこに私どものいろんな施策の目標があるわけでございます。
  176. 鈴木強

    鈴木強君 郵務局長ね、どうもあなたは、いつ、どこの調査に基づいて言われるのかよくわかりませんけどね、答申の中にもあるように、送達速度の安定をはかるということで、ここには一定の時刻までに、きょうの何時には何時までに引き受けた郵便物は所定の日時には確実に配達されると。だから、きょう午後六時までに引き受けたものはあしたの朝、世田谷区の代田というところに、九時なら九時までには必ず速達が行きますと、普通郵便物だったら十時なら十時にはいきますとか、そういうはっきりした標準送達速度というものを確立しなさいと、確立していないから確立することが望ましいと、こう言っているわけですよ。いままでのように抽象的に、きょう午後出したのはあさってということじゃいけないから、もっと具体的に、一定の時刻までに引き受けた郵便物は必ず何時までには送達しますということをはっきりしなさいと、こう言っているんですよ。だから今日、東京都内の交通事情からして、郵便車で配達される場合でも、赤い郵便車が戸惑っているのがいますよ。それから配達さんだって、なかなかこれは交通混雑の中でやるんですから、苦労もあると思いますね。だけど、郵便というものは、たとえばきょうの六時なら六時に国会でわれわれに配る国会の公報ですね、こういうものが送られてくるわけですよ。そうすると、われわれは少なくとも八時なり八時半に自宅を出るときにはほしいわけだ。ところがそれが来ない。また最近も来ないですよ。一時ちょっとよかった、八時過ぎまでに来たこともあったけれども、また来ないですよ。逆ですよ、あなたの言っているのは。速達でもそうですよ。ましてやそういうふうに全然不確定ですから、まるっきり手紙出しても、これがあした着くのか、あさってになってしまうのか、出すほうから見ると非常に不安なんですよ。だからそのためには昔やっておったように、各局間を気送管で送るとか、外国でも何かそういうことをやっているようですが、そして、その交通をどう緩和しようかとか、それから特別にバス・レーンというやつがあるけれども、込んだときにはああいうものにある程度便乗さしてもらって郵便車が行くとか、知恵をめぐらして、とにかく交通混雑の中を何とか公共性の強いものが行けるような方法を考えるとか、そうして、とにかくきょうの何時なら何時までに着いたものは必ず着きますと保証してくれということなんだ。われわれのほうから見ると、全然当てにならない。いつ来るか、われわれ、最近新聞できょうは国会には何委員会があるということをこのごろ書いてくれないから、新聞でもわからないから難儀するわけですよ。きょう何委員会があるのか、国対があるのか、さっぱりわからないんですよ。最近は帰るときに、あしたはどういう会議があるかということを聞いて帰るようにしています、どうせ国会の公報なんか、さっぱり当てにならないから。そんなふうにわれわれ国会議員に来る公報すらまともに配達されていない速達が、ましてやあなたの言うように、八〇%は合格点でございますと言ったって信用しませんよ。これが実情ですよ。だから郵政審議会も、具体的に、一定の時刻までに引き受けた郵便物は何時には必ず着くという保証をしなさい、送達速度をつくって。それを具体的にやるのには人も要るでしょう。いま言ったような設備の改善も必要でしょう。そのために金が要るなら出しますよ。そのために料金上げてくれというなら私は賛成しますがね。ところが、そういうことをやります、やりますと言って、サービスを改善しますと言っておきながら、具体的にそういうことがやられていないから困るので、これを今度の四十六年度ではどこに頭を出すんですか。標準送達速度というものを確立してきめるんですか。そのために要員が幾らふえましたか。  大体、国会で、六時にここから出した郵便物が、世田谷に何時に来るか知っていますか。世田谷に着いた公報を何時に配達することになっておるのですか、それを教えてください。
  177. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) 公報の配達ですが、これは速達の配達の一号便で配達をする、それも特配をするということにいたしておりまして、これは多少の時間の差はあるかと思いますけれども、七時半から八時二十分の間には配達を終わるようにと、こういう指示をいたしておりまして、私どもの調べたところでは、これが守られておるという報告を受けておるわけです。それにつきましては私どもは非常に気をつけております。もし、それが守られていないとすると、これはたいへんいけないことだと思います。  標準送達速度ですが、これはいろんな条件が必要でございまして、お話がございましたように、運送集配施設を充実するとか、要員措置を講ずるとかいったようなこと、それから労使関係の正常化をはかるとか、いろんな問題がからんでくると思います。定員につきましては、四十六年度は全体的には苦しいのでありますけれども、定員といたしまして千八百名の増員を得ました。さらに超勤賃金につきましても、昨年をかなり上回るものを得ましたし、このママさん配達につきましては、先ほど経理局長が申し上げましたように、三戸二十団地について千二百六十六人分の賃金を取ることができたということで、要員面の充実はかなりできると思います。それから運送集配施設でございますが、これは年間といたしまして三百五十五億の経費を取りましたが、これは主として大都会に向けられるということでございます。それから局舎施設の充実という問題も、この業務正常運行にからんでくると思いますが、建設勘定三百五億の中で、郵便局舎のためには百八十七億という、これは昨年に比べますると三割ぐらいの増加になっております。  こういった経費を有効適切に活用いたしまして、いろんな条件づくりをする、そういう中から業務の正常化が生まれてくる、こういうわけでございまして、今日ただいまどうであるかとおっしゃいますると、多少遺憾な点があると思います。先ほど私は、郵便送達速度の守られ方は八割であると申し上げましたが、これでは実際いけないのでありまして、二割方の分についてはこれは合格しないわけでありますから、いろんな条件づくりをすることによりまして、合格点に達しない二割方のものを十割のほうへ引き上げるということにつとめなければならないと思います。そのためのいろんな諸経費につきましては、四十六年度においてかなり用意されておるということを申し上げたいと思います。
  178. 鈴木強

    鈴木強君 まあ質問が、いま標準送達速度を確立するということにしぼられているわけだから、ほかのやつはまだ、順次やらないと論議がかみ合わないですよ。  そこで、あなたの認識している、公報については七時半から八時過ぎに配達される、こんなことはまずないですよ。だから認識が全然違うんです。あなたの八割という認識が、国民のわれわれが見ているところと全然違うんですよ。その点ははっきりしてもらいたいですよ、私は。たとえば朝の七時から七時半には——世田谷の郵便局の管内に国会議員が何人いるか、私、わかりません。そこに何人の要員が配置されて、そして郵便車が世田谷に行って国会からの速達を持っていく。それがたとえば夜中の何時になるかわかりませんが、七時半か、八時かそれが配達されれば、私は幸いに世田谷の局からそんなに遠くないんです、自転車でくれば二十分かからないでしょうね。だから七時半から八時とあなたがおっしゃるが、そんなときに来たことは一ぺんもないですよ。八時半ぐらいのときに、国会が始まるちょっと前でしたかな、始まってからか知らぬが、二、三回ありましたよ、八時ちょっと過ぎ。珍しいなあと思ってたらまただめで、けさもまた来ない。全然認識が違うんですよ。速達ですらそうなんだから、はたして普通の郵便物はどうなんだということは皆目わからない。それならば七時半に配達できるように、七時半から八時にやるというんだから、その間に世田谷区に十五人国会議員おれば、その十五人を一人で回ったらこれは十時になっちゃう。八時前に配達できる要員を三人なら三人、二人なら二人配置してください。そのための必要な要員はとったらいいんですよ。そういうふうにして、標準送達というものをはっきりしなさいというのがこの答申なんだから、具体的に大都市に対してどうしたかということを私は聞いているんですよ。これはさっき経理局長が言われた高層ビルに対して郵便受箱、こういうものをつくってもらうこと、これはけっこうです。将来はこれは法律か何かで義務化してもいいから必ずつくる。そのことは郵政省でつくってやってもいい、場合によったら。とにかくいずれにしても、そういうところまでちゃんとしてその郵便のポストまでは何時までいく。あととる・とらないはこれは自由なんですから。だから、そういうふうにしてとにかく四十六年度で大都市周辺に発生している郵便物の遅配を解消して、郵便がなるほど何時に出したら何時に着く、安心して出せるというふうに国民から信頼を得るような方法でやりなさいというのだから、それに対して四十六年度具体的に何をやっているかということを聞いているんです。実態把握のほうはなされていないじゃないですか。認識が違いますよ、われわれの認識と郵務局長の認識は、少なくとも。だから、その辺をもう少し具体的に聞かなきゃ私はわからぬから、抽象論じゃ困るから、答申第一の「郵便の送達速度の安定をはかること。」というころから聞いているんだ。これをどういうふうに四十六年度入れましたか、何をしたんですか、大丈夫ですか。郵便料金上がっても、そういうことをしてくれれば、私は賛成しますよ、それやらぬから反対しているんです。
  179. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) 四十六年度につきましては、いろんな施策を講ずることを考えておりますが、これまで何にもしていなかったかということになりますと、そうでございませんので、やはりいろんな手を講じて、経費を投ずるところにつきましては経費を有効適切に使うとか、要員措置を講ずべきところにつきましては要員措置を講じてきておるわけであります。特に、職員の勤労意欲といいますか、あるいは結束意欲、これがございませんと、仕事はうまくいかないわけでございますので、お話がございましたように、一定の時刻に引き受けたものは一定の時刻に配達しなければならないという、これがまあ郵便の使命でございますから、その使命感を喚起する、あるいは郵便職員はプロでございますからプロ意識を強化するということで、懸命の努力を今日までやってきたわけでございます。そのことは四十六年度においても引き続き継続いたしますが、その上になお先ほど申しましたような、四十六年度においては新しく獲得いたしました諸経費を投じまして標準送達速度の確保ができるような一つの素地をつくっていきたい。職員にも呼びかけを強くいたしまして、この問題を高く掲げていきたいと思います。
  180. 鈴木強

    鈴木強君 それでもだめだ。私の質問に答えていない。抽象論じゃだめなんです。だから世田谷の場合をとりましょう、いいですか。きょう、私が九時十五分に出ましたが来ていない。その前の土曜日もそうです。だからしてそうするとあれですか、ここで約束してくれますか。世田谷の中に何人か国会議員いるが、その同時刻に速達が何通世田谷にあるか私は知りません。知りませんが、それを調べていって、いま何人でそれを配達しているか。たとえば極端にいって二人でもし分けてやっているとすれば、その人が両方回っていると、十人なら十人のところをぐるぐる回らぬかもしらん。そうするとそのために八時過ぎまでこない場合があるかもしれない。そのときにはとにかく八時までに着くように来年は必ず要員措置をすると。そして標準送達速度というものを確立せよというこの答申に沿って必ずやってくれますか。これは世田谷の例ですが、ほかの区にもあると思います、遅達が。だからそういうふうに、たとえば国会を六時なら六時に出したものがあしたの八時までにはおそくとも配達しますよと、こういうものを全部つくってあるとすれば——これはつくっていないように思いますから、答申の中を見ると。ないからそれを一つつくって、その時刻には、速達は必ず何時に着くという確証をちゃんとしてくれればいいのですよ、抽象論ではなくて。また来年国会で、ああいう約束をしたけれどもおかしいじゃないか、九時になっても十時になっても速達が配達されないという非難がないようにすれば、私は郵便に対する信頼感は得られる。遅配がある、誤配がある、誤配ずいぶんありますよ。私は三丁目三〇番十九号ですが、鈴木と書いてあるからみんな私のところに持ってくる。そういうふうな誤配もかなりありますよ。郵便配達人というものもあてにならないのだ。山梨県から私は毎日地元の新聞をとっているのです。その新聞が三日ぐらい束になって入ってくるときもある。調子のいいときはきのうのがきょうにくることもある、午前中に。どうかすると三日も四日もたまってばさっと入ってくる。これは旧聞ですよ。三つも四つも読むのはめんどうくさいからだからざっと見る。あれが毎日毎日定期にくれば非常にいいと思うのですが、そういう点だって不確定です。だからあてにならぬ郵便と、こういう評判になってしまう。だからここの大都市周辺では遅配があるからそれを直しなさいよというのがこれは至上命令です。そういう具体的に一つでもいいから都市の一角から、一ぺんにやるわけにいかぬから、やる。計画を立って全国の大都市を三年なら三年、五年なら五年にそういうふうにしますと約束するとかということで、国民に希望を持たせて、二年たったらそうなるということを国民に示されればまたひとつ安心感を持つので、いまのところでは毎日毎日おくれてあてにならぬ。これでは困ったことで、電話を使ったり、電報を打ったりするようになってしまうのです。どうですか。その約束をちゃんとしてください。そうすれば、私は抽象論でなくて納得しますよ。
  181. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) 郵便の標準送達速度の約束でございますが、その方向でいろいろと検討いたしておるわけでございます。もうしばらく時間をいただきまして、いろんな準備を整え、条件づくりをいたしまして、なるべく早く国民の皆さんに標準速度時間表というものをお示しし、お約束をすると、こういう時期をつくりたいと、目下その方向でいろいろと努力をいたしております。
  182. 鈴木強

    鈴木強君 大臣ね、その御発言であなたがどう言おうと、経理局長がどう言おうと、この第一項に示された大都市周辺に発生している郵便の遅配をなくするための「標準送達速度を確立する」ということはやられていない。いいですか。素地をつくるためにはやっているかもしれないけれども、具体的に四十六年度において、どこかの一角でもいいからそうなるという個所はないのです。だから、この答申は無視されているということじゃないですか。そういうことでしょう。何か都合のいいところ、あなたのほうの都合のいいところはこれを採用するのですよ。国民が都合のいいところはオミットされてしまう。こういうような扱い方は不公平じゃないですか。まだこれは第二、第三と聞いていくのですけれども、第一だけはもうはっきりしている。これじゃ約束が違うのじゃないですか、大臣
  183. 井出一太郎

    国務大臣井出一太郎君) 四十六年度と申しましても、まだ十二、三日それに入ったばかりでございまして、これから、いま郵務局長の申しましたように条件を整えておる、こういうさなかでございますから、この四十六年度中には御期待に沿うような線を打ち出したい。まあ、全部が全部かりにできぬという場合は、おっしゃるようにひとつ重点的に個所をきめて、そういうことが実現するという方向へひとつ持っていきたい、かように考えます。
  184. 鈴木強

    鈴木強君 しかし、第一点は落第だね、答申を無視されたということですから。  第二番目ですが、いま郵便の外務員がなかなか集まらないのですね。郵便外務員募集と、自衛隊じゃないが、どこへいっても書いてあるが、なかなか集まらない。そこで、なぜ集まらないかということを、どう分析しているのですか。郵務局長、外務員なぜ集まらないのですか。なぜ定着しないのですか。どんどんやめちゃっている。
  185. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) 私どもいろいろ調査をしたわけでございます。民開の企業の労働力の確保状況あるいは定着率、そういうものとも比較いたしましたのですが、郵便局の場合、これはまあいろいろ民間にも、とてもいいところも、それはありますけれども、平均のお話として申し上げると、郵便局が特に悪いという数字は出てまいらないのでございます。それから定着率にいたしますると、民間の企業の総平均からいたしますると、郵便局のほうが若干よろしいという数字が出ております。さればと申しまして、私は、郵便局におきまする、特に郵便事業の職員の雇用条件、雇用状況がいいというふうには絶対考えておりませんで、何とかしてもっと好転させたいということで、いろいろと省内関係部局と相談をして、検討しているわけでございますが、外回りの仕事というものは好かれないという、日本人における一般的な傾向があるのかもしれません。それから、大都会の生活がやはり苦しいということでございまして、いなかのほうにおきますると、郵便外務員につきましても、これは嫁一人に婿十人、あるいは逆のことかもしれませんが、外務員の欠員がありました場合にはすぐに飛びつくように求職の人がくるわけでございますが、都会において、それがなかなかそういうふうにまいらないということは、都会生活の苦しさ、都市化現象の激化に伴いまして、ますます都会生活がいろいろな条件が苦しくなってくるというような面がありまして忌避される、こういう点もあろうかと思います。  そういう点がございますので、それに対しましてはいろんな対策を講じてはおります。たとえば初任給にいたしましても、初任給調整額というものを大幅に見込みまして、その結果、高校卒の初任給は四万三千円でございましたか、それくらいになっておりまして、これは民間のベースに比べまして、決して見劣りしないのでございます。いなかのほうの郵便局の内務者に比べますると、一万六百円の差を大都会の外務員にはつけておる、それだけの格差をつけておるというような、給与上の処遇改善を一方においてはいたしております。それから居住性をよくしてあげるという立場から、外務員は必ず宿舎に入れてあげる、こういったようなこともやりまして、これは実行しておるわけでございます。最近におきましては、郵便局内の外務員作業の居住性をさらによくするということから、四十六年度からの実行を考えておりますが、休憩室における冷房化ということを考えておりまして、実施に移したいと思います。それから先ほど経理局長からもお話がございましたが、外務員の作業場というのはたいへんよごれておりまして、整理整とんがよくないのでございます。そういう職場の清掃をし、また、外務員自体がたいへん作業の関係でよごれがちである、そういう外務員に対して、身の回りの世話をしてやるためのヘルパー、こういったものをいまどんどん配置しておるわけでございますが、そういったいろいろな、あの手この手を講じまして、郵便の外務についての魅力を増すくふうというものをやっております。そうしてこの職場に人が来るように、また、来ました職員は逃げていかないように、定着率を高めるようなくふうをやっておるわけでございまして、四十六年度の重要施策としてこの外務員対策がありますし、そのための経費も相当見込んでございます。
  186. 鈴木強

    鈴木強君 いま全国で配達の外務に携わる職員の人というのは、全部で何名おられますか。そうして、そのうちどれくらいの方がやめていかれるか。これは自然減耗は別としてですよ。そういうような資料はすぐわかりますか。——それじゃ、それはあと資料で出してください。勤続何年ぐらい、たとえば四十五年でもいいです、四十五年度に、新規採用を含めて何名の外務員がいる、そのうち何名ぐらいがやめました、そのやめた中には勤続何年の人がどうやめたか。そういう資料あとから出してください。  それで、局長がいわれるように、いろいろと配意をしていただいていることはよくわかりました。そうしてどちらかというと、雨の日も風の日もやるのですから、つらい仕事ですから、だれでも敬遠しますよ。ですから、そこにやはり苦しくてもやろうという気力を持たせるようにして、気力を持たせるような施策というものをやはりやらなければいけないと思います。根本的に郵政事業は大事だからおまえやれといっても、やはり待遇の面でそういう苦労に見合うようなものがあれば、あえてやると思うのです。それからまた、将来に向かって、一生郵便の配達をすることじゃなくて、成績のいい人はまた内務に転換してやるとか、何とかいうことも人事任用の面で考えてやれば、一生懸命やって成績をよくすればまた内務のほうにはいれる、こういう気持ちで、若いうちやろうじゃないかということでやるでしょうし、当然それは考えてやられていると思いますから、そういう点で、できるだけ待遇改善の面でめんどうをみてもらう。これはこの答申趣旨をかなり入れていることはよくわかりました。  それから実は、さっきの一の点でちょっと私言い忘れたことがありましたから、もう一つ伺いますが、こういうのがありますね。「現在最も問題が多いのは配達部門である。一日二度配達の建前にこだわり、結果として一日一度すら完全に配達できず国民に迷惑をかけている実態が、今日処々にうかがわれるが、このような現象は早急に是正しなければならない。雇用難の進行、人件費の高騰などに対処し、経済的な業務運行を維持するために真に必要ということであるならば、将来の問題として、一般住宅地域においては配達度数を一日一度とすることも検討に値する。なお、配達度数は、地域の実情を十分考えて決めるべきことを付言する。」と、あとまあ高層建物に対する郵便受箱の設置の強化というようなことは経理局長のお話でわかりましたが、一日二度配達ということになっているんだがどうも実際には二度配達ができないと、一日一回すらどうもうまくいっていないというのが、こういうのが出てきているんですね。これに対しては答申にこたえる具体的な措置をどう四十六年度でやろうとするかですね、これを伺います。
  187. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) 郵便の配達でございますが、これはたてまえとしては二回配達ということになっております、市内配達でございますが。私どもは、このサービス基準というものは長い間踏襲してきましたものでもあるし、サービスの中で最も国民にとりまして大事な部門でございますので、二度配達という線を堅持いたしまして、それをくずさないように努力をいたしていかなければならないと思います。ただ、この正常運営のための方策についての答申の中にいまおっしゃいましたような表現がございますのは、私どもはそういう方向でやっておりますけれども、実態を見ますと、非常に苦しい面があるようだという事実に対する率直なる認識が審議会の中にあったようでございますのと、世界の各国の郵便の配達状況を見ておりますと、どこの国の郵便事情も日本と似たようなものであるらしいのでございまして、郵便物数が非常にふえると、それに対して要員難の問題、都市化問題、そういうものがございまして、ほかの先進国におきましても配達度数がどんどん落ちてきている、そういう実態がございます。まあ住宅地帯は一度配達というのが世界的な傾向になりつつあると、そのかわりビジネス地区につきましては二度、三度、厚みをつけて配達をいたしますけれども、住宅地帯は原則として一度程度というのが、世界各国が今日そういう方向になりつつあるということもございますので、そういうことも考えて郵政当局は将来の対策を立てたらよかろうと、二度配達ということを標榜しておるけれども、二度配達にこだわるあまりに実際は一度配達というものが非常に無理がきまして全体がくずれてきておると、それよりか一度をお約束して、そのかわり一度というものは必ずこれを励行すると、そういう方策を立てることのほうが現実的であり、利用者からもそのほうがいいんだと、こういう御見解委員の中にございまして、この問題につきましては審議会において相当活発に論議された点でございます。これがこういう表現でこの答申の中に出てきておるわけでございまして、私どもは、この問題は重要問題でございますので今後の検討事項とはいたしますが、ただいまの私どもが維持しておりますサービス基準を簡単に手をつけるという気持ちはございません。
  188. 鈴木強

    鈴木強君 この点は私も郵務局長意見に賛成です。答申の線はどうかすると安易につくといいますかね、そういうふうな趣旨もあるように思います。ですから一日二回というたてまえはくずさないということは賛成です、私も。だからしてその線に近づけるように、いま一日一回すら完全にやらないというのはこれはけしからぬことだからまずそういう点はなくしていく、そうして、このたてまえである一日二度配達という線を堅持さしていく方向はこれは賛成です。それはその線でひとつやってください。ただし、それを具体的に四十六年度にどういうふうにやられるかというと、これも画期的にはいかぬでしょうから、やっぱり年度計画かなんか立てて逐次第一の問題と同じようにやってほしいと思います。  それからもう一つは、速達配達の範囲の問題ですがね。現在、「配達郵便局から四キロメートル以内、特別の場合でも六キロメートル以内となっているが、昨今、都市近郊に発展している団地などにもできるだけ拡張することが望ましい。」というのがありますが、これはたいへんだけれども、都市構造がそういうふうに変わってきているんですから、これは六キロだけにこだわらないでやる必要があると思いますけれども、その点は具体的にはどうですか、四十六年度からやれますか。
  189. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) 速達配達地域の設定は郵便規則つまり省令にまかせられておるわけでございまして、ただいまは原則として配達局から四キロ、特例的に六キロと、こういうことでやってまいっております。ただし、最近のこの都市の発生状況、団地の建設の実態等を見ますると、配達局をかなり離れてそこに突如として大きい団地ができるというようなことがございまして、この基準でもっては適当でないと思われる現象が幾つも出てまいりましたので、これは規則改正でもできることですから、四十六年度におきまして、逐次緊急性の強いところから速達配達の範囲の延長ということに手をつけてまいりたいと思いますが、目下の私どもの見込みとしましては、配達局からの距離八キロというところを一応の基準といたしましてその線で逐次やってまいりたいと、かように存じます。
  190. 鈴木強

    鈴木強君 わかりました。ただまあ八キロというと昔のあれで二里ですからかなり遠いと思います。しかしまあ必ずしも八キロまでで、八・二キロのところをやらぬというわけにいかぬでしょうから、その辺はひとつ弾力的にお考えをいただいてそこが入るように配意もしていただきますが、そういうふうにしていただければこれは一つの前進ですが、これいかがですか。
  191. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) その方向で弾力的に扱っていきたいと思います。
  192. 鈴木強

    鈴木強君 あと郵便局舎の改善については経理局長もおっしゃったように四百億ですか、三百億ですかの大台をこしたということでございまして、それは御苦労でした。ただ、今度あれですか、郵便局舎建設のための建設資金というものは今回の郵便料金値上げの中には入っておらぬと、値上げの分から使っていないと思うんですね。要するに一時借り入れというのですかな、それでやると思うんですが、しかしこれもあれでしょうな、相当にいま借り入れ金がたまっているんじゃないですか。どのくらいになっておりますか。どの辺まで返済能力があるわけですか。
  193. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) 御指摘のように、この郵便局舎等の建設の三百四億の財源は、一つは自己資金としては減価償却引き当て金が損益から回ってきますが、それとお説のように外部借り入れ金、いわゆる財投にたよっておりまして、四十六年度百五十五億の財投資金、それから郵便局舎の中でも貯金、保険の持ち分がございます。その分は郵便貯金会計、簡保会計から郵便局舎の使用面積に応じて繰り入れておりますので、これはある意味で自己資本で調達していると言えようかと思います。そこで借り入れ金は四十六年度で百五十五億予定しているわけでございますが、過去からの借り入れ金の現在高を見てみますと、四十六年度で償還するのもございまして、四十六年度の償還が二十一億予定しておりますが、それを引きますと、四十六年度末予定が六百八十億の借り入れ残高になります。しかし、まだまだ借り入れ償還として年間としては二十一億程度でございますので、全体の支出規模から見ると、そう大きな負担にはなっておりませんので、やはりまだまだ郵便局舎あたりは相当力を入れて、外部資金でもいいからたくさん借り入れてもいいのじゃないかというふうに考えております。
  194. 鈴木強

    鈴木強君 それから、いま郵便貯金会計は利益金といいますかね、積み立て金といいますかね、どのくらいになっていますか、額は。
  195. 山本博

    政府委員(山本博君) 今年度の予算で大体一千億ちょっとこすという数字になっております。
  196. 鈴木強

    鈴木強君 これは山本さんね、どうして一千億円もこういう積み立て金がふえてきているのですか。
  197. 山本博

    政府委員(山本博君) どうしてと申し上げましても、これは一千億のうちの大半は前年度の通常貯金の利子の支払いに充てるべきものが、決算上の技術的な都合で翌年回しになっておるというのが事情でございまして、これを差し引きますと、純積み立て金といいますか、これは約百二十億ぐらいでございます。
  198. 鈴木強

    鈴木強君 そうすると、この一千億の積み立てというのは、利息分もこれに入っておるのですか、支払うべき利息分というのが。
  199. 山本博

    政府委員(山本博君) そのとおりでございます。
  200. 鈴木強

    鈴木強君 そうすると、いま睡眠している預金しがどのくらいあるのですか、時効になった分も入れて。
  201. 山本博

    政府委員(山本博君) 睡眠ということのば定義のしかたでございますけれども、いま御質疑になっておられますのは、おそらく毎年法律によって没入といいますか、国庫に納められる、いわば十年間たちまして国庫に納められる預金のことだと思いますが、これは年間にいたしまして件数約二百六十万件、金にしまして本年度で約九億五千万くらいでございます。
  202. 鈴木強

    鈴木強君 その場合、時効に対して、ある程度暫定的な措置をとっているのじゃないですか。何年間かは十年たっても申し出があればそれから払うというような方法をとっているのじゃないですか。
  203. 山本博

    政府委員(山本博君) 法律のたてまえは、十年間たちますと、これは当然に国庫に納められるということになっております。私たちも仕事をいたしますときには、法律に従って措置をするのが当然でございます。ただ、事前に、これは法律上の義務でもございますけれども、催告をいたしております。で、催告に基づきまして各利用者の方がお持ちになっておる通帳その他をもう一度郵便局へお示しになって、そこでいわば時効の中断という形をおとりになるようにということを一度手続としていたしております。で、そのうち、もう十年間もお使いになっておりませんので、相当数がいま申し上げたように、申し出のないまま没入ということになるのが現状でございます。  ただ、ただいま御指摘になりましたように、非常に事情やむを得ない——われわれから見ましても、こういうケースの場合は情状酌量すべきではないかと思うようなものが、間々経過後、手続をしておりませんで時期に参りましたときには、十分その事情を酌量いたしまして適切な措置をとるということはいたしております。
  204. 鈴木強

    鈴木強君 この郵便貯金の特別会計法を見ますと、「利益及び損失の処理」というのがありましてね、「この会計において、毎会計年度における損益計算上利益を生じたときは、これを積立金に組み入れて整理するものとする。」、またその逆の場合もあるのですね。それで、この積み立て金というのは、いま局長のおっしゃるように、年度決算上の一つの方法として形式的には積み立て金になっているけれども、実際はそれは預金者に対する利息の充当金であって、純然たる利益金ではないと、こういうふうなお話しですが、この特別会計法上から見た場合ですね。利益金、要するに損益計算上生じた利益金というものを積み立てることになっているわけですね。で、本法のほうには、当然利息その他の支払えるようにちゃんとしておきなさいというのがございますね。で、積み立て金というのは、損益計算上生じた利益金を積み立てたものではないかと思う。そうなると、純然たるこれは利益金であるのじゃないと思うのですが、その辺はどうなりますかね。
  205. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) おっしゃいますように、この特別会計法九条で言っている利益積み立て金は、損益計算上生じた利益を積み立てるということになっております。  そこで、先ほど貯金局長から答弁がありましたように、実はこの損益のやり方が完全な発生主義になっていないわけでございます。ということは、通常、貯金の利子は三月三十一日末現在をもって翌年度で計算をいたしますので、ほんとうならば、ことしの三月三十一日まで貯金を預っておれば、来年その利子を払う義務があるのですが、一応現在の損益計算書では、その分は翌年度計算される場合に、支払い利子を当該年度の支出に立てない。したがいまして、損益計算上毎年百億とかいうことで利益が生じておって、結局千億積み立て金がある、しかし、実際もしそれをほんとうの発生主義に戻して、いまの預り金をいま全部取りに来られた場合には、それだけの利子を支払わなきゃならない。これを計算してみると、そのうち約千億足らずでしたですか、その支払い利子に充てなければならないという意味でございまして、ですから形式的には当該毎年度損益計算上生じた利益金を積み立てておりますが、それを実質的に分析してみると、実は利益積み立て金とは言っていながら、債務を完全に歳出の上に立ててないので、実質的には完全な利益とは言えない。ほかに使ってしまってはあぶない積み立て利益だと、こういうことでございます。
  206. 鈴木強

    鈴木強君 そうすると、その点は、まあしかし実際に取りつけでもあって全部が預金を引き戻すということになると、そういう心配があるが、まあまあそれはないわけで、しかし支払準備金として充当しておくという意味においては、確かに必要なことですから、それはわかりました。  それで、百二十億くらいは利益金があるわけですね。そういうものをもう少し、いままでの間に積み立てなくたっていいじゃないですか、郵便貯金の事務の合理化とかそういうようなものをもっと早目に計画をお立てになって、長期間の間に、たとえばEDPSを入れるにしても、何か思いついたようにやって、があがあ組合との間に問題を起こすのじゃなくて、たとえば十年なら十年という計画で初めから逐次少しずつ切りかえをしていくというふうな方法をとるとか、そういうような点が非常におくれている。たとえば電子計算機なんかでも、銀行の窓口に行ってごらんなさい。オンラインを使ってみんな全国どこでも間髪を入れずにやっている。ところが、郵便の場合にはまだまだそろばんをはじいてぱちぱちやっているところもある。だからもう少し事務の近代化のためにそういう金を、積み立て金を使うようになぜやらないのか。そういう能率的な運営をやるために、そういう金を使えなかったのですか。それを積み立てることは手柄じゃないですよ。そんなものを積み立てるよりももっと事務の能率化、合理化をやったほうがいいですよ。百二十億という純然たる利益金がある。もしそれを使えないならば、郵便料金をいま上げるのだが、その分だけは郵便のほうに回したらどうですか。それは法律上できなくても、来年から法律改正してやればいいので、そんなに郵便貯金のほうでもてあましているなら、郵便会計にもらって赤字の補てんにしたらどうですか。
  207. 山本博

    政府委員(山本博君) 郵便貯金というのは現在総額約七兆六千億の金を集めておりますが、七兆六千億、まあ一年度にいたしましても約一兆数千億の金の預金高というのがございますので、そういう会計の中で百二十億ぐらいの金額というのは、私はこれは不時の必要のためにとって置く、あるいは弾力的に使える金として持っておるというのが、これはしごく規模といたしましてはむしろ少なきにすぎるのではないかというふうに思っております。たとえば昨年度、年に二回にわたりまして利子の引き上げに対しましても、これにかかる金でも百数十億かかっております。したがいまして、当該年度に百億ばかりの剰余があったからすぐ使わなければならないというのではなくて、よほど利子というものの引き上げというような可能性があるときには、あるいはその程度の金額というものを手持ちで持って置くというのは、そうむだなことをしておるとは思いません。また、現在まで機械化のために使いました金額は約ここ数年間で二百億、それから従業員の、あるいは局舎、利用者のそういう全体の環境整備のために使いました金も約五十億をここ数年間使っておりまして、決して百二十億ばかりの金を使わないで置いたわけじゃなくて、現状までもそれ相応に使ってまいりまして、それで現在約百二十億ぐらいの金が純利益金として残っておるというのが実態でございます。
  208. 鈴木強

    鈴木強君 それは君の考え方と私は根本的に違うんだよ、そのために郵便貯金の中にさっき言ったように一千億の安全弁をとっておるし、何も百二十億——利子が上がったからといってそれはそれだけに使ったってなお百何十億残っておる、そうでしょう。だからそれを残さないで事業の能率的運営のために使うとか、あるいは預金者のために使うとか、何か考えたらいいんだよ、何も積み立てて置く必要がないので、それは君と私の考え方が違うから、これ以上あなたとやったってしようがないからやめるけれども、これは将来の方向として郵政事業特別会計というものは、郵便、貯金、保険の三本によってなっているわけでしょう。ですからなわ張り争いみたいに、郵便が困っているときに、保険のほうは法律的に全部こうなっているから使えないようですが、特別の剰余金については、全体の運営の中である程度やりくりするということは郵政事業特別会計の中で私はいいと思うのです、これはやる気さえあったらできると思うのですよ。そういうふうにして、これは郵政事業というものはある程度カバーしていくことは必要なことなんです。現に電電なんか六百億の電信の赤字を電話のほうからまかなっている。それに対して電話の利用者から見ると利用もしない電報の赤字を補てんするためにそんな六百億も使うよりも電話を二十万個ふやしてくれと、こういう意見もありますよ、ありますけれども、会計上はそういうふうにしてやらなければ、結局電報料金を上げるか、政府から補てんをみてもらうかどっちかしかないわけです。結局事業の中においてある程度やっていくというそういう考え方があって初めて郵便というものがやられていくわけですよ。何か郵便だけがまま子になってしまうような、そういうことは私はいけないと思うので、将来の方向としてやはり郵政事業特別会計の中でもできるだけ郵便のほうの負担を多少でも軽減してやれるような方法をとったらどうかと私は思うのですよ。だから何か積み立て金があるのは手柄みたいなことを言う人もおりますけれども、これは根本的な考えが違う。だからその点は大臣、政治的に少し郵政事業特別会計全体としての運営の中で少し検討してみてくれませんか、どうでしょうか。
  209. 井出一太郎

    国務大臣井出一太郎君) 貯金局長からもお答えをいたしましたが、この三事業、それぞれ特徴がございまして、郵便貯金については預金者保護というような観点が一つありましょうし、保険につきましてはこれまた不時の災害の支払い準備という立場が一つあろうと思います。現在三事業がそれぞれお互いに柱となってささえ合っている、局舎の負担などにしてみても、それぞれの応分の費用を拠出しておるというような形はあろうかと思います。したがいまして、そこのところがどんぶり勘定になるということはまずいとは思いますが、しかし、いま鈴木さんのお考えになる方向というものも、一つの検討に価するという意味において私も研究をさしていただきたいと、こう思います。
  210. 鈴木強

    鈴木強君 わかりました。  で、私ちょっと時間の関係でこれで終わりますが、郵便事業の今度の財政ですね、財政再建というか、そういうために料金の値上げもされるようですけれども、基本的に考えて見た場合に、一種、二種以外が今度は省令に移っている。そういう点がございまして少し心配があるのです。  それは今後郵政審議会なら審議会のメンバーの中に、大口利用者だけでなくて、もっと大衆の人たち委員に入れていただくとか、要するに、国会のわれわれの審議にかわるようなバラエティーのある構成にしていただいて、そして、そこで十分に審議していただくということになりませんと、たとえば私が心配しているのは、こういう郵便近代化対策協議会というものが生まれましたね。これは曾山さんが行ってあいさつをしておったのだが、これを見ますと、委員人たちは全く大口利用者の方々ばかり、これは……。迫水久常、参議院議員をはじめ日本自動車会議所の会長さんとか、消費者協会の理事長とか、日本船舶協会の会長とか、大体財界なり、それらの人たちを中心にして、こういう人たちの力だけが郵政審議会に反映をするということになってしまうと、一般の人たち意見がどうも反映しないと思う。だからこれをやる場合には、郵政審議会の内容について根本的にメスを入れていただかないと、どうも心配があるのですよ。  私はきょういろいろまだ、省令委任事項とか、内容について聞きたかったのですけれども、時間がありませんから、その点だけ最後に伺って、若干あと質問がありますのでこれは次回に回していただきたいと思います。
  211. 井出一太郎

    国務大臣井出一太郎君) 今回一種、二種を法定にして、その余のものを省令に移すという改正をお願いするわけでありますが、その場合の歯どめとしておよそ二つございます。一つは、三種の場合などは少なくとも一種の料金を一つのめどにいたしまして、これがかんぬきになっておるということであり、かつまた郵政審議会を特に重要視して、この御審議を経るということが必要条件に相なっております。したがって、郵政審議会の職責は非常に重大でございます。現在四十五名の大委員会でございますが、御熱心に従来とやっていただきまして、りっぱな学識経験者をそろえておると思うのでございますが、今後にわたっては、いまおっしゃるような点は私どもも注意しなければならぬ事柄でございますから、そういう点、一そう拡充をしてまいろう、こういう所存でおります。  なおまた、お示しございました近代化云々という、この協議会ですか、これは言うならば全く任意的な団体でございますから、私もその代表の意見を聞くことはございましたけれども、これは郵政審議会とは全く別ものである、かように考えております。
  212. 白井勇

    ○白井勇君 自治省来ておられますか……。  住居表示に関する法律というものがございますね、これはいままでどのくらいこれが実施をされまして、今後何年間ぐらいでこれが実際具体的に完了するのか。この間自治大臣から二、三年これからかかるようなお話をちらっと聞いたように記憶しておるわけですが、その点に関してどうですか。
  213. 本江滋二

    説明員(本江滋二君) お答えいたします。  現在、住居表示に関する法律に基づいて事業の実施計画をつくっております市町村は全国で三百八十入団体でございまして、うち百二十九団体が事業を完了いたしております。で、残りました二百五十九団体が現在事業を実施中でございます。これら計画をつくりました団体全体につきましてその実施状況を見てまいりますと、昭和四十五年の十一月一日現在で約五四%が済んだということになっておりまして、残りました事業がいつごろ完了するかということでございますが、なるべく早く完了するように指導してまいっておりますけれどもあと二、三年はかかるんじゃないかと、かように考えておる次第でございます。
  214. 白井勇

    ○白井勇君 二、三年かかるとでき上がるという理由はどういうことなんですか。
  215. 本江滋二

    説明員(本江滋二君) 実は住居表示に関する法律は昭和四十二年に一部改正がございまして、従来、非常に市町村長と申しますか、市町村の執行部が一方的な町なり区画なりの定め方をしておった経緯がございますけれども、その場合に、従来の町の名称と縁もゆかりもないような画一的な名称をつけられるということが非常にございまして、このため各地方で住民感情を傷つけたり、あるいは由緒ある町名も消滅を招くというために、関係住民なり、あるいは世の有識者から批判を受けるという例があったわけでございます。いま申し上げました昭和四十二年の改正で、このような事態を改善するために、住居表示の実施のための町または字の区域の変更につきましては、できるだけ従来の区域及び名称を尊重するとともに、住民の意思を尊重しながら慎重に行なうような特別の手続、住民が五十人以上の請求書をもって市町村長がやろうとするものと違ったやり方をやっていくというようなことができるような慎重な手続が整備されたのでございまして、そこで住民の感情と、それから住居表示の進捗というものとを調和させようという規定が、これは国会修正でございますが、入ったわけでございまして、そのような手続が慎重になったこともございまして、あと二、三年はかかるであろうと見ておるわけでございます。
  216. 白井勇

    ○白井勇君 その点は改善をされたわけでありましょうけれども、三十七年から助成金が出て、四十二年度までで打ち切りになったわけですね。いまお話のとおりに、縁もゆかりもないような町でありますれば両方から一字とって名前をつけるというようなことでまるで味もそっけもないような町名ができて、その自治体では縁もゆかりもないということになっている。しかし、ことは市町村が当然やるべきことであるからこれは予算をつけないという考え方のようでありますけれども、町にしたって、市にしたって、道路を舗装いたしましたり、下水を直したり、そういうことも急ぐわけですね。住居表示なんか何も急いでやらなくてもいいのですよ。それから町民にしたって何も積極的にやってもらったっていいことはないわけですね。これは配達をする者、郵便関係なり、あるいは運送関係なり、そういった者の要請ですね、簡単に言いますれば。これは住民も市も何も直接関係ないわけです。こういうものこそ、やはり国である程度の助成費を出してやらせなければ、あなた、二年、年でできるだろうということは、どこからも立証されないだろうと思うのですね。これは自治省、二年、三年で必ずやると、あなた、責任を持って答弁できるのですか。
  217. 本江滋二

    説明員(本江滋二君) 市町村の本来の仕事というふうに住居表示の事務は位置づけられておりますので、私どものほうで二年、三年で必ず計画は実施させますということをお答えするわけにまいりません。ただ、私どものほうでは、ただいま御指摘がございました当初三十七年から四十二年までは奨励的な補助金というものを出しておったわけでございますが、この奨励的な補助金というものが打ち切られまして、その後は地方交付税におきまして必要な経費というものを見るような措置を行ないまして、補助金は打ち切られたけれども、それにかわるべき奨励的な意味合いというものを地方交付税において措置をいたしておるということで、この仕事をなるべく早くできるようなことを考えておるわけでございます。
  218. 白井勇

    ○白井勇君 みんな補助金を整理しまして交付税に移したというわけですけれども、もうちょっと何といいますか、はっきりした助成措置を講じてやりませんと、まあことに郵便なんというものは、郵政省は従来は草の根を分けても信書を届けるというようなことが郵政省の精神であるらしいのですけれども、このごろ、そういう信書というものは二割ぐらいしか出てこない。あとはほとんどダイレクト・メールですが、そういうようなものを配達をしていかなきゃならない。地番も入り組んでいれば、ポストもなければ何もない。それを全部郵政省がかぶってやらなきゃならないという姿、これは私は郵政省のサービスの行き過ぎだと思う。私は端的に言いますならば、こうして何も郵便を持っていって配る必要ないじゃないか、極論すればそのくらいに思っているのですが、やっぱり国民としてはやるべきことはやってもらわなきゃならない。自治団体にしてもやるべきことは当然やらなければいけない。しかし、いま申し上げたように、それ以上のいろいろなもっと目に見えたことをやる。道路の問題にしても、下水の問題にしても、水道の問題にしたって、私はこういうやりづらいものこそ、はっきりした予算措置を講じてやらなきゃならぬと思うのです。これはひとつ、いま郵便法改正の問題がかかって、これから審議段階がありましょうけれども、あなたを責めてもしようがありませんから、まだ、審議期間があるわけですから、自治省においてはどういう態度でこれに善処して、ほんとうに二年三年で責任を持ってやると、大臣はこの間確かに二、三年の間かかるということだが、ほんとうにやれるという自信を持って責任ある答弁できるのかできないのか。そういう点は帰って、この次の機会にでもはっきり答弁していただきたい、きょうはこれでけっこうです。  郵政省に伺いますが、郵政省では、このことについて自治大臣のほうに何か特に要請されたことないですか。
  219. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) 住居表示が整備されるということは、郵便業務の運行の上できわめてありがたいことでございますので、自治省にも十分連絡をとりまして、郵政省の立場といたしまして住居表示制度の実施の促進方を絶えずお願いをしているわけでございます。お願いすると同時に、郵政省としてできます範囲のお力添えをするということで、たとえば住居表示を実施いたしました場合の表示板、これは家ごとにつけます戸番の表示板でございますが、その分の経費は郵政省持ちとするということで今日まで来ておりますし、そのほか、いろんな連絡のための諸経費の一部を分担する。それから住居表示が実施せられました場合には、住民の方々がそれを縁者、友人等に知らせられるだろう。そのための用途に充てますためにはがきなどを無料で御用立てするといったようなことをやりまして、極力この住居表示をスムーズにかつすみやかに実施ができますように今日までつとめてきたわけでございますし、今後ともその方向でやってまいりたいと思います。
  220. 白井勇

    ○白井勇君 私は、ちょっと考え方違うのですよね。はがきを配るということはそれはけっこうだと思うのですけれども、住居表示板というものを一括調製をして配布するなんていうことは、これは私は悪いとは言いませんよ、それは郵政省の従来のサービスの過ぎたるものである。これは当然自治団体がやるべきだ。単に郵政省は郵便物を配達すればいいのですから、それはちょっと見当違いじゃないでしょうか。ただ、通知がありましょうからはがきを出される、これは私はこういうことでいいと思うのですが、表示板までつくってやるということはこれは出過ぎだ。もっとやるべきことはたくさんある。本質のことをやられないで、こんなこまかいことばかりやるのはサービス過ぎるのじゃないかと思うのです。  そこで、ちょっと私郵政省に伺いますが、これは確認の意味合いで伺うのですが、種、二種、三種、四種というのは郵便業務を行なう上にそこに優劣の差がないものかどうか。今度の提案理由の説明の中に、たとえば一種、二種というものは国がその送達を独占しているものであり、また郵便物の大部分を占め、国民生活に密着しておるから、これは法律できめますなんていうことになってきて、一種、二種は何か特別扱いにするような表現もあるのですね。しかし法律上においては一種、二種、三種、四種というものは扱いについてそこに全然区別はないのです、こういうお話もあり、そこらあたりどういうふうにお考えですか。
  221. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) 郵便物には御指摘のように一種、二種、三種、四種、それに小包といったような種類がございますのですが、小包はさておきまして、通常郵便物におきましては、一種から四種までの扱いは法律上は何らの差別はございません。ただ実際の取り扱いは省令でもって、つまり郵便規則でもって多少の差別扱いをいたしております。これは法律の許された範囲内においてやっておるわけでございますが、たとえば三種、四種は飛行機には載せないということでございます。それから車中継送区分といったようなむずかしいことばを使いますが、鉄道にございますところの郵便車ですが、郵便車の中でこまかい区分を三種、四種についてはいたさない。一種、二種は車中でもって区分をするわけです。それで一刻も早く目的地に送達できるような措置をとるのでございますが、三種、四種につきましては車中区分をしないで、かつブロック区分、区域区分ということをいたしまして、そのある地域については一個所にまとめて送ってしまう、こういった多少荒い措置をいたしております。そういうことで省令の段階におきまして一種、二種、三種、四種との間においてはある程度の差別扱いをいたしておるというのが実情でございます。
  222. 白井勇

    ○白井勇君 わかりました。  そこで、一種のうちのいわゆる狭い意味におきまする、まあ家庭から家庭に参ります郵便物とそれからDMの関係、これは差別をするのでありますかどうですか。これは、お宅の専門家の書いたものによりますと、「先ほどダイレクト・メールのお話がありましたけれども、これを郵便事業における余計なもの、厄介なものとして受け取るか、あるいは本来の郵便の一つとして受け取るか、によって、これに対処する態度も根本的に変わってくるわけです」というような表現で、責任ある地位にありまする方々も、そこらあたりがどうしたらいいかというような態度がはっきりしないような面があるのじゃないですかね。そこはいまどういうふうにされておるのですか。やはり、こういう世の中になりますれば、DMであっても、これは当然いまの通信手段みたいなものであって、家庭から家庭に行きますものとこれは同じように扱わなければならぬのだ、こういうふうに考えなければならぬのじゃなかろうかという気もするのですがね。いま当局はどういうふうに考えていらっしゃいますか。
  223. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) DMの問題でございますが、これはお話がございましたように、料企画におきましては信書と全く同じでございますし、郵便の種類も一種郵便ということになっております。したがいまして、取り扱いにつきましては、信書とやはり同一の扱いをするというのが筋ではなかろうか、かように存ずるわけでございます。先ほどのお話のように、第一種郵便物の中には昔のいわゆる信書というものは二割見当でございまして、八割のものは広い意味におきまするダイレクト・メールでございます。これが実態でございますが、この傾向は今後ともいわゆる情報化社会の進展に従いまして傾向は強くなっていくのではなかろうかと思います。DMの中にはいろいろ種類がございまして、いわゆる宣伝広告等の類もございますが、また業務用書類というものもございまして、これは企業にとりましてはきわめて重要なる中身を持った郵便物のものもございます。また、単に宣伝広告でございましても、これはそれを差し出しまする企業から見ますと大事な郵便であって、あるいは社の命運がこれにかかっておるかもしれないということはやはり考えなければいけないと思いますので、取り扱いにつきまして、信書的な一種とこのダイレクト・メール的な一種との間に区別をつけるということは、これは今後の郵便事業の傾向を考えましてもやはり同一にやっていかなければいけないのではなかろうか、かように考えます。
  224. 白井勇

    ○白井勇君 そういうことになりますと、昔でありますれば、個人も郵便物が来ますれば、待っておった音信が来たということで、非常にいわゆる配達人に感謝をし、待ち受けておったような接し方をしておるわけですね。ところが八割にも達するダイレクト・メールが大部分であるというような姿になりすますと、そんなもの、やっかいなものばかり来ておるようなことですね、受けるほうで感謝の念というものはない。それからして配達します者は、あれだけの重いもの、しかもあれだけの雑多なものを持たされて、何のためこれデパートの広告宣伝みたいなものをやらなければならないかというようなことについての、私はなかなか若い者として割り切り方ができないのじゃないかという感じなんですよ。だから、先ほどお話があったように、郵便を配達しまする人というのはいま局長さんの考えられるような趣旨の徹底でどこまで理解してもらえるものかどうかわかりませんけれども、非常にむずかしいのじゃないかと私は思うのです。そうしてきますと、やはりこれは配達を担当する局員というものはよほどこれは待遇上は優遇をしなければ人の確保なんということは、先ほどもお話があったけれども、できないのじゃないか。いやな仕事、いままでは感謝をされた仕事、それがいやな仕事に、まあいなかならばまだいい点があるかもしれませんけれども、東京都内のようなこの交通の込んでいるところで非常に好ましくないような職場に考えられるのじゃなかろうかと思うんですよ。ですからやはりせめて待遇でも、この面において考えてやりませんと、これはもう方法はないんじゃないかという感じがするわけです。これはまあ私の感想を申し上げただけです。  そこで、今度の料金改定というものが、小包やら郵便物全体について行なわれるわけですけれども、これが全部一ぺんに行なわれますと、家庭経済に対しまする影響というものはどのくらいに見ていらっしゃいますか。
  225. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) 郵便値上げが家庭経済に及ぼす影響でございますが、その場合の家庭と申しますのは、一般消費家庭だと私は解釈いたしまして、その場合には、影響といいますか、一般家庭の家計に及ぼすところの影響はきわめて軽微であると、かように考える次第でございます。昭和四十四年度でございましたが、総理府でもってつくりました統計によりましても、郵便料金が一般家計に及ぼす比重といいますか、これは〇・一三四%というきわめて軽微なものでございます。このたびの料金改正によりましても、値上げには違いございませんが、諸物価も同時に底あげになっておる、全体が上がっておるということを考えますると、郵便料金が占める比率というものは、先ほどの比率と大体同じような数字を示すのではなかろうか、かように存じます。
  226. 白井勇

    ○白井勇君 その次に、先ほども鈴木さんからるるお話があったんですけれども、まあだれが見ましても、この答申のやっぱり5が重点に取り上げられておって、一番大事な1のところの郵便本来の業務というようなものがどうもはっきりしないじゃないかということに国民は受け取らざるを得ないと思うんですね。まああれでしょう、汽車に乗ったって新幹線であれば東京から新大阪まで三時間ぐらいで着ける、こういうことで、四千円なら四千円で料金がきまっているのですね。ところがこの場合の料金改定は、サービスというものはさっぱり内容がわからないですね。むしろ低下しておるんじゃないかというような感じを国民は持っていると思うんです。この前の四十一年のとき、私、改定の趣旨説明、これを読んでみました。やっぱり「利用者に対するサービスの改善のため、」と書いてありますね。で、提案どおりに料金改正になれば、「郵便物の確実、迅速な送達につとめ、国民各位の御期待にこたえるべく、懸命の努力を傾ける所存でございます。」と、まことに念の入った態度表明までやっているわけです。それ以来はたして今日までサービスの改善というものはほんとうに一体やられたものであろうかどうかということは、どういうものでしょうかね、これは。
  227. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) 四十一年の郵便法改正で、主要都市間の翌日配達をお約束いたしました。そのために飛行機の搭載を大幅に広げるという措置をとったわけでございますが、そういうことをいたしました結果、今日、遠距離の主要都市間の郵便につきましては、四十一年以前に比べますと送達がよくなっていると思います。東京と北海道、あるいは九州、こういった遠距離でありまして、かつ飛行機の利用がきくところの郵便につきましてはだいぶよくなっておると思うのでございます。ただ飛行機の利用がきかない地域と、それから東京、大阪等の大都市の都市内の郵便、それと都市と近郊地の間の郵便がいろいろな事情のために思わしくございません。今度の郵便法改正によりまして料金値上げもしていただきまして財政基盤を確立しました上は、やはりこの郵便送達の上でのウイークポイントである大都市とその近郊地との間の送達の向上という面に必要経費を注ぎ込みまして、いろいろな条件をよくいたしまして、業務の運行を軌道に乗せるということをやらなくちゃいけないと考えております。標準送達速度というものもこれはすでにできております。できておりますが、今日ただいまはこれを発表いたしまして公約はできない状態であります。したがいまして、先ほど来お話がございましたように、やるべきことをやって能率をあげて、そして一刻も早く標準送達のダイヤグラムを公表ができるというふうに持っていきたいというふうに考えておる次第でございます。
  228. 白井勇

    ○白井勇君 いまのお話みたいなものは、大都市間のものは非常に前よりもよくなったというのだけれども、やはり私は現実にこうなりましたというものをお出しになってそうして進められたらいいと思うのです。ほんとうにそうなのか、だれもそうは思っておりません、受ける感じというものは。先ほどもお話が出ておりましたけれども、いま標準送達速度というのが出たわけですけれども、これはこの前四十一年のときもお出しになったのですよ。東京、大阪から主要都市あてにこういうふうに配達できますよというものはつくられたわけでしょう。委員会へお出しになっているわけです。   〔委員長退席、理事永岡光治君着席〕 そういうものをなぜ公表してそうしてそれを守っていくというような態度を示せないものか、私わからないのですよ。それはそれに対する準備ができ上がっていないから、環境が整備されてないからと、こう言われるけれども、むしろ逆じゃないかと思うのですね。そういうものを先にお出しになって、それをお互いに守っていこうじゃないかというような態度を示さないと、いつになってもそれは進まないと思うのですね。現にあなた方の大先輩がこの間も言っておりましたよ。これは山梨に明治の初年ですよ、二泊三日というのが飛脚当時の標準であった。ところが昭和の現代どうかといえば、甲府から東京まで三日だ。汽車で行けば、三時間足らずで行けるわけですよ。そういう姿ですね、東京−甲府におきましても。これはあなた方の先輩がそうおっしゃっておる。だから私は、やはりそれは念を入れておられるでありましょうけれども、標準なんだ、それをお出しになって、これを必ず責任を持ってやってまいりますよという、こういうような、少なくもひとつサービスのこれはやはり基本なんですから、郵便業務としては表示板なんてやるというようなことは枝葉ですよ。やはりこれが基本なんですからこれをやはり示されて、そうしてこういうことを必ずやっていきますからこういう料金が必要ですよと、これはサービスの内容だけはまず先に明示をすべきものであって、これはやはりあなた方の責任じゃないかと思うのですね。第一になかなか人員が足りないのだというようなことを言うのじゃしかたがないと思うのですよ。いかがですか、これはこの秋くらいまでにはっきり出せるのですか、あるいはもっと早く夏前に出せるのですか、出せる見通しはないのですか。
  229. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) なるたけ早く標準送達速度の公表ができるように努力したいと思います。いろいろな問題が実はあるわけでございまして、要員の面、局舎の面、運送施設の面、いろいろな面がございますが、その中で一番大きな面はやはり労働問題、労使関係の問題、これがあるのでございます。このことはあまり申し上げますと、私どもの力のなさを申し上げるようなことにもなりますので、気がひけるわけですが、したがってそうあってはいけないので、いろいろな努力をいたしておるわけでございますが、たとえば四十五年の、暦年ですが、一年間のうちで超過勤務協定がない日が四十九日ございました。その前年、四十四年は超過勤務協定の締結がない日が九十一日あったわけでございます。三カ月あったわけでございます。超過勤務協定がないということは、職員が超過勤務をしないというだけでありませんで、その間にいろいろな能率ダウン、サボタージュに類することが頻発しまして、職場が非常に荒れるわけであります。したがいまして、一昨年は反合理化闘争が非常に激化したときでございまして、非常に苦しんだわけでございますが、郵便の運行と申します中に、やはり労使問題というものが非常に大きい要素としてあるわけでございまして、一年の中でやはり四十日もそういう平和状態でない日があるということは、やはり一年の業務運行に非常な波が立つ、平静なる波が大きくゆれる、それが送達に鋭敏に反映する、こういったことがございまして、私は、業務運行、しかも標準速度を公表してお約束していくという中では労務問題の処理が一番大きいと思うのでございます。そういうことを十分踏まえつつ、かつなおそのほかになすべきことはもちろんございますから、要員措置、その他いろいろな条件づくりをやらなくちゃいけませんが、そういうこともあわせてやって、そしてなるたけ早く国民の皆さんに標準速度をお示しする、こういうふうにもつていかなくちゃいけないと、かように存じます。
  230. 白井勇

    ○白井勇君 むずかしい労使問題なんで、大臣おっしゃるとおり、それは何も片一方だけに責任があるわけじゃない。労使双方に責任があります。それをこの秋まで待てば解決するとか、あるいは来年まで待てばそれが全然なくなってしまう、これはそういう筋合いのものじゃ私はないと思います。だからやはりやるべきことは、こういうことが私たちの標準でありますよということにしていって、やはりそれは労使関係で話がつかない場合にどうしたってあり得る姿ですから、その場合には標準を守り得ない場合があり得るでしょうが、常態の場合になぜ責任を持ったものを公表していかないか、国民はだれも納得できないですよ。サービスの内容がわからないで料金値上げと、こう言われたって、これはどうしたって納得できません。そういうふうに逃げてばかりいらっしゃらないで、とにかくなるたけ早くということばで、秋になり、来年になるということにしないで、一日も早くやはり最小限度のものをお出しになっていただきたい。何も一日二回配達するとか、三回配達するとか、余分のことをお考えにならずに、最小限度これだけのものは守れるという線をお出しになって、そして国民の前に堂々とこれだけは守る、そしてお互いに労使協調してやりましょう、こういう体制になすべきだと私はこう思うのです。これは私の考え方です。  それから、私は四十一年のときに定形のことを言ったのですが、まあしろうと何言っているかということで歯牙にもかけられなかったわけですが、事務当局には。あれをもうちょっとやはり整理をする必要があるのじゃないかと思うのです。いま私はあれだけの幅のある定形というものもどうかと思うのですね。それで実際区分機から読み取り機からずっとかけているのを見ましても、それはある程度の幅があるのはいいようなことに機械はつくられておりますけれども、やはり見ておりますとたいへんなことですね。区分機や読み取り機だけではないし、その次の配達の段階において輸送の途中における入れるものの問題からいたしましても、これはやはりもっと定形というものを一つにしてしまうというような合理化をしなければならないと私は思うのです。私が前に申し上げたことは、機械化をするならばまず規格をきめなさいよということを申し上げたわけです。ところがあなた方はそうではないのですよ。まず機械化、機械からやっていく。それである程度の定形のものをやったわけですけれども、私はやはり定形というものはもっと狭いものにして、そういうものはやはり料金の安いもので扱う。ほかのものは扱わないということはしないけれども、、それは料金が高いとか、あるいは配達がおくれるかもしれませんよと、こういうような姿でありませんと、八割も人件費を食っております郵便業務というものは、これはなかなかやれないと思うのですよ。私は四十一年に主張したことですけれども、いまもって私の主張が正しいと見ているのです。  それから小包にいたしましても、当時から私申し上げたのですけれども、おたくのほうで、段ボール箱とか何種類か、一つのものが二つになればまたそれがちょうど倍になるというようなコンテナ輸送をやっているでしょう。いま郵袋でやっているけれども、郵袋よりもあれにぴたっと入るような姿の段ボール箱なんかをあなたのほうで指定をして売りなさいと、そうしてやはりできるだけ合理化をしていって、それはほかのものもお扱いになることはいいですけれども、それは高いですよ、おくれて着きますよ、そういう姿を示しませんと、国民にかってなことをさせて全部そのとばっちりを受けているのはあなたのほうです。そういうやり方ではやはりいけないと思うのです。そこらあたりについてもうちょっと合理化するような考え方ないですか。
  231. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) 郵便物の規格統一化ですが、これは私どもは大賛成なんであります。従来封筒の規格は厳密に計算すると二百種類くらいあったらしいのですが、それを四十一年の郵便法改正以来いわゆる定形郵便物ということにしまして、定形、つまりこの大きさでございますが、これが最大のものでございますが、これにおさめたということで、やっと機械に乗るようになったのでございます。それで種類もうんと減りまして、JIS、日本工業規格で十六種ございます。その中で郵政省推奨規格といったものをさらに限定いたしまして、皆さんにおすすめをいたしておるわけでございますが、おっしゃいますように理想は一つの規格にしぼるということが一番理想かと思いますが、これはいまの段階におきましてはちょっと無理がございます。やはり利用者に対する強制を伴いますから、漸次もう少し時間をかけましてだんだんさらに統制化のほうへ持っていくという、利用者の皆さんに御協力を求めるという方向で対処したらいかがと思います。  小包につきましては、通常郵便物の規格化よりもさらにその必要性は大きいのでございますので、これは昨年でございましたか、一部のものにつきましては、たとえばシャケを送る場合の包装につきましては、規格品をつくりまして御利用いただいたこともございますが、小包につきましては、ひとつ前向きに規格を検討いたしまして、これも一種類に限定するということは無理があろうかと思いますから、数種類をかっこうのものをつくりまして一般市販もするでありましょうが、郵便局に備えまして、ここでも販売をするという態勢がとれればさらにけっこうだと思います。そういう方向で勉強したいと思います。
  232. 白井勇

    ○白井勇君 くどいようですけれども、第三種にしたって、折り方によってこれだけいろいろあるわけですな。おたくで無料郵便物やっている、こういうものがあったのですよ。これなんというものは、機械にかけないからいいようなものでしょうけれども、これはたいへんなことですね。それから定形の中にしたって、必ずしもその定形どおり幅の多少狭いものであってもやっぱり定形の第一種として扱われる。現実にあるのです、比較してみますと。そこらあたりはもうちょっと合理化するようなことを考えなきゃいかぬと思いますね。  それからその次の問題ですが、郵便物をアルバイトさんが入ってきて、こんなばかばかしいデパートの広告なんかいやだといってほうっちまえというようなことがたまにあるような記事がありますね。そうかと思うと、今度私書箱を局員があばくというのですか、ああいう場合においては捨てられた郵便物というものは、これは自業自得、それから私書箱においても何か荒らされた場合においては郵政省では、わかったものだけは何か、それぞれ弁償するか、何かやるでしょうけれども、わからないものはそのままになるわけですね。そういうことですね。
  233. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) 書留扱い、保険扱い以外のものにつきましては、おっしゃるとおり何も措置を講ずることができません。
  234. 白井勇

    ○白井勇君 そうしますとね、今度おやりになることに、ここにありますとおりに速達便を配達をしたところが、そこにいなかった。それを今度速達料金とらないで届けてやると、こういうこともサービスの一項に加えて表現しているのですね、大臣に言わしているわけだ。こういうことも私は何といいますか、前のやつは郵便局員の、おたくのほうの都合で、結果は郵政省の落ち度なわけですね、郵便物を廃棄するとか、私書箱をあばくなんというのは。ところが速達というものは差し出し人からあて名人まで届けるべきものでしょう。行ってみたところがいないものですね、これは受け取り人の責任ですね。そんなものに郵政省で何も責任持つ必要ないじゃありませんか。そういう私はものの考え方が、やって悪いということじゃないけれども、何もそういうところにサービスのあれとしてやってやろうというのはちょっとおかしな話だと思うのですが、その点どうですか。
  235. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) 速達郵便物の転送の問題でございますが、いままでは転送いたします場合には、速達扱いをしないで普通扱いでやっておったわけです。それを今度の法改正で、転送します場合には、速達料を取らないで速達扱いをして送達しましょうと、こういうことでございますが、これはおっしゃるように筋からいたしますると、やはりその場合は転送料を取るべきだと思います。しかし、それを取らないで送達して差し上げる意味合いにおきまして、やはりこれは一種のサービスかと思うのでございますが、これに踏み切りましたにつきましては、いろいろ実情等も調査して検討した結果でございますけれども、速達郵便物をあて所に配達しましても、転居して、いない場合には、そういう場合が間々あるわけでございますが、やはり速達で転送してもらいたいという希望をされる人がかなりおられます。ところが、もうその場合には速達の効果はないのだから、別に速達でもって転送してもらわなくてもいいんだと、こういうグループと、はっきり二つに分かれるわけでございまして、一部のまあ速達でもってやってもらいたいという人たちの御意思に従うためには、いろいろ考究いたしました結果、やはり今度の措置、つまり料金を取りませんで配達して差し上げる方法しかないじゃないか。料金を取りますると、それを好まないグループの人もいらっしゃるわけですから、そうなると、まあ料金を徴しないで配達して差し上げることしか落ち着く手はないではないかというわけでございまして、これはまあ一種のサービスにつながるかと私どもは考えておるわけでございます。
  236. 白井勇

    ○白井勇君 それはサービスに違いないけれどもね、本質のサービスというものは、さっき申しました標準送達速度とか、普通のものは二日かかれば届けますよと、これが本質のサービスであって、そういうところにサービスとして逃げておるというような態度はどうも私はふに落ちぬのですよ。  もう一つは、今度の料金改定におきましていまの話にありましたとおりに、なかなかこういうものをつくられてもこれはそのとおりにいくということは容易でないし、実際問題としていろいろな問題出てくるでしょう。ですから、間違いなく、しかも必ず早く届けるというやっぱり制度・速達ですね。そうしますとね、速達はいまの五十円であってもそれは黒字なんですから、ああいうものはね。そういうようなことを含めてですよ、値上げをしないとかですね。もう一つは、官製はがきというものはね、年賀郵便以外は、これはほんとうのまあ会合の通知であるとか、あるいはほんとうの、まあ昔からの信書に類したものが多いでしょうそうでないものは大体、まあここにもありますとおりですね、色刷りするとかなんとかするものは官製はがき使わないのだから、もうそういうものは十円でなくても十五円でも二十円でも、これは国民に直接影響しないわけですよ。まずこれはほとんどダイレクトメールと、こう考えていいわけですから、だから、国民に直接つながりまする通信ということで、せめてはがきくらい七円でとめておくとか、こういうような何か総理がどう言ったか知らぬけれども、総理が配慮するくらいの配慮があってしかるべきじゃないかと、こう私は思っておるのですがね。そういうようなことにつきましても、どうも配慮が私は足りないように見受けるのですがね。そこらの点はどういうのですか。
  237. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) はがきの料金の設定につきましてはいろいろと問題が多いのでございまして、日本の場合は、いろいろ沿革的な事情もあり、国民の皆さんがはがきをよく使うのですね。そういう大衆性、はがきの大衆性ということも十分考慮いたしまして、一種の二十円に対して十円と、二分の一ということです。これは何も今回に始まったことではありませんで、昔から大体封書の半分ということできておりますが、たいへん日本的な料金の設定のしかただと思います。しかし、原価的に見ますると、封書とはがきとは原価の上では幾らも違わないのでありまして、よその国におきましてはそういう点を見まして、封書に対してはがきは八割見当にするといったようなことをやっている国が相当多うございますし、イギリスでは封書とはがきの区別を最近は撤廃いたしました。同じ四ペンスと五ペンス、第一種郵便と第二種郵便、これは急ぐ郵便とそうでない郵便と分けたのですが、はがき、封書の区別をなくした国も出てきているわけでございます。四ペンス、五ペンスは最近少し値上げをしたようでございますけれども、そういうことを考えますと、その筋としては、はがきというものをそんなに安いところに置くということは、事業の経営の上からいいますと通りにくいように思います。私どももできたら原価に忠実な数字でやってほしいと思いますが、これはいろいろなはがきの特質、沿革的な事情等も考慮いたしまして十円と、こういうようになったわけでございますけれども、たいへん安い料金だと私どもは考える次第でございます。
  238. 白井勇

    ○白井勇君 これで私、終わりますが、自治省に先ほどお願いしておきましたが、住居表示のことをこの審議の途中におきまして、正確なる、二、三年でできると言うのですから、二、三年ならそれでけっこうですが、しっかりした返事がいただければ幸いだと思いますが、委員長におきまして、それをもしできたらお願いしたいと思います。
  239. 永岡光治

    ○理事(永岡光治君) 次回において発言の機会をぜひとっていただく、そして明確にしていきたいと思います。  他に御発言がなければ、本案に対する本日の質疑はこの程度にとどめて、本日はこれにて散会いたします。    午後五時三分散会      —————・—————