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鈴木強君 残念だけじゃ困るんですね。ひとつできるだけ実態をつかんでいただいて……。これもまた確かにむずかしいですよね。部屋の中に行かなければわからないんですから。私が泊まったところは中か中以下のホテルですがね。これはりっぱな中流
程度以上ではそんなことはしないと思いますけれ
ども。調べるのは困難でしょうけれ
ども、全国網を動員して実態をまずつかんでいただいて、そうして、一番問題はメーカーですから、メーカー筋がつかめたらそのメーカーと直談判して、これは違法なんだということをよく理解していただいてやりませんと、せっかくテレビの横っちょに機械を置いてあるから、それに百円入れたら一時間とか二時間とか書いてあります。入れないと見えぬからしょうがないから入れます。ボーイさんに言ったって始まらぬから入れて見ますけれ
ども、えらい損害ですよ。これを四回やれば四百円でしょう。私はまだ
カラーテレビ持っていませんから、
白黒ですから、三百六十円なら四回くらいで一カ月分そこで取られてしまうんです。これは不法に収奪されたことです。私はそういうことを知ってて入れるんですから悪いかしらないが、とにかくそうは言ったってテレビみたいからしょうがないから、ほかのテレビを持ってきてくれと言うんだけれ
どもなかなか持ってきやせぬ、ボーイさんサービスが悪いから、だから入れて見るということになる。そういうお客の弱みをつかんでいる、彼らは。だからそういうことは違法だということをよく宣伝して理解していただくようにしてもらいたいと思います。
ところで、テレビが未収がないように、みんな
料金がよく入るようにというのには番組ですから、今度はこれから番組について若干聞きたいと思います。
まず、
NHKの場合には番組が総合、教育、UHF、それからラジオが第一、第二、FMと六つのチャンネルを持っているわけですが、これから教養、教育、娯楽、ニュース、ニュース解説、音楽、こういったものが流れていくわけです。そこでわれわれがいろんな資料を
NHKのお調べになっておるものを借りて勉強してみると、概して
NHKの場合は教養、教育等については大体よろしい。ただしせんだっても私が個人的に指摘をして
協会にも言っておきましたが、一部中国語の
放送で出演の講師との間にトラブルが起きまして、講師を辞退するほどの事件があります。これは川上さんのほうでいろいろ御配慮いただいたと思いますが、そういうことがありましたけれ
ども、まあ大体よろしい。それから評判がいいのは海外特派員報告とか、あるいは
日本史探訪ですね。それからルポルタージュなんかですね。これはいいんじゃないかという評判も聞きます。それから一番評判が悪いのはニュースとかニュース解説ですね。これは非常に評判が悪いように私も思います。せんだって衆議院のほうでも質問が出ておりますが、「暮しの手帳」の世論調査の結果を見ると、一番悪いのは
NHKだと、こういっております。きょうは、私は花森先生においでいただくように、
委員長の御高配、理事の皆さんの御高配で手配したのですけれ
ども、お忙しい先生ですからおいでいただけなかったので、いずれまた「暮しの手帳」が調査されたことについて別途またこの
委員会で花森先生においでいただいて、その意図とか御
意見を承って貴重なわれわれの資料にしたいと思いますが、きょうこの
委員会の
審議に花森先生おいでいただけなかったことは非常に残念ですけれ
ども、こういうことも出ております。それから特に政治座談会、それから時事問題に対する座談会、この場合に司会者の司会のしかた、これがどうも一方の
体制に片寄ったような形で司会をされる。こういうことに対しても、司会者の選定についてかなり問題があるように思います。それからまた「総理と語る」というような、
NHKよくおやりになっておりますが、あれも何か財界とか有名人を連れてきて、そしてその
人たちと対話をさせる出演者というものをもう少し下のほうにおろして、なまの一主婦の、一学生の、一農村の農民の、そうした
人たちの
意見も聞くようなことを
考えてほしいのですね。何か、一方的に総理の発言だけずっとやられちまって、かっこうのいいことだけ、片方のことだけ、都合のいいようなことで時間が終わってしまう。せっかくの総理と語るということに対して批判も出ぬように私は思うのです。
私は、皆さん方の
協会の労働組合が先般世論調査をされまして、私もそれを貴重な資料に持っておりますが、直接はがきで六百人の方から全国的に
意見を聞いたのが、「
NHKは
国民のために」、「真実の追求を」、「番組にのぞむ」、「社会的
責任を明確に」、「公正中立こそ重要」、「ニュース解説にのぞむ」、「かたよった
放送」、「
放送労働者にのぞむ」、こういう結果を発表しておりまして、非常に参考になりました。この日放労の組合がこれを集約して書いてあるところにも、この世論に対しては労働者であるとかいうことでなくして、その
放送に働くものとして謙虚に耳を傾けて
意見は聞き、自分
たちも同じ
立場に立って
責任を感ずるものは感ずるというきわめてりっぱな態度でこの集約をしているように私は思うのです。ですから、何か他意があって労働組合がこういうものを計画したとかなんとかいうことじゃ毛頭ないと私は判断いたします。したがって、そういうような番組に対するいろいろな批判がございますが、この日放労のアンケートの調査の結果を若干捨ってみますと、たとえばニュースの内容については
政府の御用機関化しているのではないかというような
意見も出てきておりますね。それからニュース解説が偏向しているという批判もあるのであります。それから公害報道に対しても、直接
国民の利益を守る
立場に立ったマスコミ機関の
使命が若干薄れている。そういうようないろいろな、時間がありませんからここでは読みませんけれ
ども、そういうふうなことが集約されているのであります。したがって、
NHKとしては一生懸命に努力をされて、金も相当これにつぎ込んで、よりよい番組をと思って苦労されているのですから、そのことはわかるのですが、また
国民の側から見れば、ああしてもらいたい、こうしてもらいたいという希望が出るのはあたりまえであります。私はきょうは言い過ぎることがあるかもしれません。ただ、しかしこの
NHKをささえている
国民、その
国民のわれわれがこの機会を通じて
協会に言うよりほかには、視聴者何千万の
人たちは言う機会はないのです。だから、私は皆さんに耳が痛いことがあるかもしれない、だけれ
どもあえて私は言っている。いいところはいいとして私は大いに評価する、そういう
考え方でおるわけです。
そこで、四十六
年度四月一日からいろいろな番組の内容についても変更をされておやりになるわけですけれ
ども、皆さんは、こういう過去一年間の
放送をやったその実績に対して、
国民が何を
考え、どういうことを
NHKに望んでいるかということを詳細に検討されて、その上に立って、この四十六
年度の番組をつくろうとされていると思いますが、過去一年間を顧みて、
協会としてこの点は足りなかった、こういう点はこうしようというような厳粛な
気持ちに立って反省をされて一つの問題を集約されておったら、その結論だけでもいいから教えてもらいたい。