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鈴木強君 私は、まあやろうと思ったんだが、各方面からの
意見もあって、むしろ各
放送局が持っておる
番組審議会なりあるいは
番組向上委員会というものと二つありますが、こういうそれぞれの
放送法に基づいて設置されている、特に
番組審議会、あるいは
放送番組の
基準、こういったものを順守して、そうして自主的にそれぞれの
放送経営者というものが
番組をつくっていただくということが
基本でございますから、そういうことに
期待をするというお話なんですけれ
ども、もともと
現行放送法においても、いま私が申し上げましたような
放送番組の
基準、さらに
審議会においていろいろと
番組についての御協議をいただくということが法律的にもでき上がっておりますね。そうして
大臣は、それらの
放送番組基準なり、あるいは
審議会の
活動内容についても
資料として提出を求めることができることになっているわけです。ですからむしろ私はそういうところにもう少し力点を置いて、現在のわれわれも
番組を見ておりまして、
低俗化し下劣化し退廃化しているものがありますよ、これは
コマーシャルを含めて。ですからそれをそのまま置いてはいけないということはよくわかるのですけれ
ども、手だてとしてはやはり
基本的に
放送法に基づく
自主規制ということをやっていただくのがこれは
原則でありまして、何か
モニター制というものを副次的につくりまして、そこで
世論の
調査をし、
番組の牽制をするというようなふうにとられるような、あるいは
番組編集に介入するというようにとられるような方途をとったということは、私は愚劣だと思うんですよ。私はかつて党の
逓信部会のほうでこの話を伺ったときに、率直におやめなさい、こんなものは筋が通りませんということを申し上げたんです。一応われわれの
意見を無視して
予算編成の
段階ではこれを入れたわけですよ。たまたま大蔵からけられ、反発がだいぶ出てきて取りやめたというようなことですけれ
ども、これはやっぱりそこに
一つの
郵政大臣としてのねらいがあると思うんです。そのねらいがたいへん的をはずれておったと私思うんですよ。ですからして静観するということはやめたわけですからけっこうなことで、ですからいま申し上げた
原則に戻って、もう少し各
放送局の御
協力をいただいて、そうしてまた
番組に対する
意見等は、これは
国民の
世論として
向上委員会なり
審議会というものがそれぞれ把握できると思いますから、こういう中でやっていただくようにしたらどうかと、こう思うんです。たまたま昨年十月十三日、
皆さんのほうで
予算要求が出た
段階で毎日新聞が論説を出しているんですけれ
ども、この中に私も全く同感と思うような項目がありまして、それをちょっと読んでみると「この際とくに
郵政当局にいっておきたいことは、
番組向上というような問題は、
放送局自身が全
責任をもって当たるべき問題であり、
政府がとやかくいうべき筋合いのものではないということである。だが、ひるがえって考えてみると、
テレビ番組の
低俗化は、確かに目に余るものがある。
テレビの
番組や
コマーシャルの
低俗化が社会の
批判を浴びるようになったのは、すでに数年前からである。だが、
テレビ局、とくに
番組の
スポンサーたちは、こうした
批判に耳を傾けようともせず、こんにちでは低俗というよりも、下劣といった
番組がまかり通っている。地婦連や
日本視聴者会議など
市民団体が、低俗、
下劣番組を提供している
スポンサーの製品は買わないという、
不買運動を起こそうというところまできている。だからといって、
郵政省が、
モニター制度によって、
番組の
向上をはかろうとするのは、邪道であろう。
国民の中には、この
構想を〃やむを得ない〃と受けとっているものもないわけではなかろうが、このような問題が生じたことについて、
スポンサーは
責任を肝に銘じ、大いに反省すべきである。」、飛ばしまして
最後は、「
番組の
低俗化を防ぎ、
下劣番組をなくするには、まず
放送番組向上委員会と
番組審議会が十分に活動して、その機能を果たすことである。それには実際に活動できる人を
委員に委嘱すべきであろう。そして、
テレビ局も
スポンサーも
委員会、
審議会を尊重し、その
意見や結論には真剣に耳を傾け、
番組制作の面に反映することである。」、こう述べております。だから言論、表現の自由ということはあくまでも保障しなければなりませんが、ややもするとそのことに重きを置いて、いま言った
批判を受けておるような
番組をそのままにしておくのではいけないと思う。ですからその辺を深い理解の中でやっていただかないと、せっかく
電波法第一条で「
電波の公平且つ能率的な
利用を
確保することによって、
公共の福祉を増進することを
目的とする。」というので、
電波の
利用目的ははっきりしているんですから、この
目的に沿うようにやはり
番組を編集していただくというふうにしていただいたらどうかと思うんです。ですから
大臣もあまりあせらずに、時間をかけても、いま私の申し上げ、あなたもお述べになったような
基本的な立場に立って、今後
番組がほんとうに
国民の
期待に沿えるようなものにし、CMなんかもあまりくだらないものが流れないように、しかも私は、
番組審議会なりあるいは
放送番組の
基準についていろいろパンフレットを拝見しますけれ
ども、かなりきびしくこの中には
規制しているのですね。これをよく守っておればああいう
番組は出てこないはずなんですね。ところがせっかくおきめになっても、
番組基準というものが守られていないと思うのですね。私の持っているのは、
民間放送連盟が、各
民放局を拘束するかどうかわかりませんが、
一つの
基準をつくったのを持っておりますが、これは
放送法に基づいて公にすることになっておりますから、
基準をつくった場合に、これを変更した場合もまた公にしなさい、公表しなさい、こうなっているわけです。ですから、
郵政省では各
放送局別に
番組基準というものをつくられていると思いますから、これをわれわれは
参考のために
資料としてぜひほしいですから、ひとつ出していただけませんか。これはいずれ、私は
委員長にもお願いをし、
番組について
国民の
皆さんの声がどうなのか、ぜひ伺いたいと思いますから、
参考人を呼んでいただくように後日お願いしたいと思いますが、私のいま申し上げたような点、
大臣として回答を願いたいと思います。