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1971-05-13 第65回国会 参議院 地方行政委員会 第16号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
四十六年五月十三日(木曜日) 午前十時三十九分開会
—————————————
委員
の
異動
四月二十八日
辞任
補欠選任
鍋島
直
紹君
上田
稔君
森中
守義
君
加瀬
完君
市川
房枝
君 山高しげり君 五月六日
辞任
補欠選任
上田
稔君
徳永
正利
君 五月七日
辞任
補欠選任
徳永
正利
君
鍋島
直
紹君
五月十日
辞任
補欠選任
千葉千代世
君
秋山
長造
君 五月十一日
辞任
補欠選任
初
村瀧一郎
君
石原幹市郎
君 五月十二日
辞任
補欠選任
石原幹市郎
君 初
村瀧一郎
君 山高しげり君
市川
房枝
君
—————————————
出席者
は左のとおり。
委員長
若林
正武
君 理 事
熊谷太三郎
君 増田 盛君
山本伊三郎
君 藤原 房雄君 委 員
鍋島
直
紹君
初
村瀧一郎
君 安田 隆明君 山崎 竜男君 吉武 恵市君 竹田 四郎君 和田 静夫君
市川
房枝
君
国務大臣
国 務 大 臣
荒木萬壽夫
君
政府委員
警察庁長官
後藤田正晴
君
警察庁長官官房
長 富田 朝彦君
警察庁交通局長
片岡 誠君
自治省行政局公
務員部長
山本
明君
事務局側
常任委員会専門
員
鈴木
武君
説明員
警察庁交通局運
転
免許課長
鈴木金太郎
君
運輸省自動車局
旅客課長
棚橋 泰君
建設省道路局次
長 吉田 泰夫君
—————————————
本日の会議に付した案件 ○
道路交通法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提
出、
衆議院送付
)
—————————————
若林正武
1
○
委員長
(
若林正武
君) ただいまから
地方行政委員会
を開会いたします。 まず、
委員
の
異動
について御報告いたします。 去る四月二十八日、
森中守義
君が、五月十日、
千葉千代世
君が
委員
を
辞任
され、その
補欠
として
加瀬完
君及び
秋山長造
君が選任されました。
—————————————
若林正武
2
○
委員長
(
若林正武
君)
道路交通法
の一部を
改正
する
法律案
を
議題
とし、
趣旨説明
を聴取いたします。
荒木国家公安委員長
。
荒木萬壽夫
3
○
国務大臣
(
荒木萬壽夫
君) ただいま
議題
となりました
道路交通法
の一部を
改正
する
法律案
につきまして、その
提案理由
及び
内容
の
概要
を御説明いたします。 この
法律案
は、最近における
道路交通
の実情にかんがみ、
交通事故
を
防止
し、その他
交通
の安全と円滑をはかり、及び
道路
の
交通
に起因する障害の
防止
に資するため、
歩行者
の
通行
の安全をはかり、
都市交通対策
を
推進
するための
規定
を
整備
し、その他
交通方法
に関する
規定
を
合理化
する等
交通管理
のための
規定
を
整備
するとともに、
交通方法
に関する
教則
の作成及び
運転者等
に対する
講習
について
規定
する等
運転者管理
のための
規定
を
整備
することをその
内容
としております。 以下、各
項目ごと
にその
概要
を御説明いたします。 第一は、
交通管理
のための
規定
の
整備
であります。 その一は、
歩行者
の
通行
の安全の
確保
のための
規定
の
整備
でありますが、これは、
車両
の
通行規制
による
歩行者用道路
に関し、
歩行者
の
通行方法
の特例、やむを得ない
理由
があるため特に
通行
が認められる
車両
の特別の
注意義務等
について
規定
を設けること、
道路標示
によって
車道
と
路側帯
とを分離することができることとし、
一定
の
路側帯
を
歩道
と同様に取り扱うこと、
歩行者
の
側方
を通過する
車両
及び
横断歩道
に接近する
車両等
の
運転者
の
注意義務
を
強化
すること等がその
内容
であります。 その二は、
都市交通対策
の
推進
のための
規定
の
整備
でありますが、これは、
都市
における
交通
の
混雑
に対処するため、
広域通行制限
の根拠及びその手続について
規定
を
整備
すること、
駐車
時間の
制限
の
実効
を
確保
するための
パーキング
・
メーター
について
規定
を設ける等
駐車対策
を
強化
すること、
公共輸送機関
の
優先
を
確保
するため、
路線バス等優先通行帯
を設けることができることとすること等をその
内容
としております。 その三は、その他の
交通方法等
に関する
規定
の
整備
でありますが、これは、多
車線道路
における
通行区分
、
道路外
に出る場合の
方法
、
交差点
における
優先関係等
の
通行方法
に関する
規定
を
合理化
し、急
ブレーキ
の
禁止
、みだりに
進路
を
変更
することの
禁止
、
混雑交差点
への
進入禁止等交通
の安全と
円滑等
をはかるための
規制
を
強化
するとともに、
道路標識
及び
道路標示
の
活用
をはかるための
規定
を
整備
することをその
内容
としております。また、
警察署長
に
短期間
の
駐車禁止等
の
交通
の
規制
を委任することができることとすること、
道路管理者
との
権限
の調整をはかること等
交通規制権限
に関する
規定
を
整備
することとしております。 その四は、
交通方法等
に関する
規定
の
体系
の
整備
であります。これは、
交通方法
に関する
規定
の
理解
を容易にするため、
歩行者
及び
運転者
の
順守義務
に関する
規定
と
都道府県公安委員会
の
交通規制権限
に関する
規定
とを分離して
規定
しようとするものであります。 第二は、
運転者管理
のための
規定
の
整備
であります。 その一は、
運転者等
に対する
講習
についての
規定
の
整備
でありますが、これは、
運転免許証
の
更新
を受けようとする者の
講習
を受けるようにつとめる
義務
及び
指定自動車教習所
の
技能指導員等
に対する
講習
について新たに
規定
を設けようとするものであります。 その二は、正しい
交通知識
の
徹底
をはかるための
規定
の
整備
でありますが、これは、
道路
を
通行
する者に正しい
交通方法
を
理解
させるため、
国家公安委員会
が
交通
の
方法
に関する
教則
を作成し、
運転免許試験
もこれに基づいて実施することとするものであります。 その三は、
運転免許
に関する
規定
の
整備
でありますが、これは、
外国免許
を持っている者の
国内免許試験
の
免除
、
大型免許
の
受験資格等
について
規定
を
整備
することをその
内容
としております。 その四は、
事業所
における
安全運転管理
の
強化
のための
規定
の
整備
でありますが、これは、
安全運転管理者
の処理すべき
事項
を明確にし、これらの
事項
を処理するため必要な
権限
について
規定
するとともに、
安全運転管理者
に対する
講習
について
規定
を設けようとするものであります。 なお、この
法律
は、
改正点
が多く、
改正内容
の
周知徹底等
に相当の日数を要するものと考えられますので、公布の日から起算して六月をこえない
範囲
内で
政令
で定める日から施行することとしております。ただ、
運転免許証
の
更新
の際の
講習
、
運転免許試験
の
内容
の
変更等
に関する
規定
は、
昭和
四十七年四月一日から施行することとしております。 以上がこの
法律案
の
提案理由
及びその
内容
の
概要
であります。何とぞ慎重御審議の上すみやかに御賛同を賜わらんことをお願いいたします。
若林正武
4
○
委員長
(
若林正武
君) 次に、
補足説明
を聴取いたします。
後藤田警察庁長官
。
後藤田正晴
5
○
政府委員
(
後藤田正晴
君)
道路交通法
の一部を
改正
する
法律案
につきまして、補足して御説明いたします。 第一は、
交通管理
のための
規定
の
整備
についてであります。 その一は、
歩行者
の
通行
の安全の
確保
のための
規定
の
整備
についてであります。 まず、第八条及び第九条の
改正規定並び
に第十三条の二等の
規定
は、
歩行者
の
通行
の安全と円滑をはかるため、
車両
の
通行
が
禁止
されている
歩行者用道路等
を
通行
する
歩行者
については、
右側端通行
の
義務
、
横断歩道
による
道路横断
の
義務
、
道路
の
斜め横断
の
禁止等
の
歩行者
の
通行方法
に関する
規定
を適用しないこととするとともに、
警察署長
がその沿道に車庫がある等のやむを得ない
理由
があると認めて
許可
をした
車両
は
歩行者用道路
を
通行
することができることとするが、
警察署長
の
許可
を受け、またはあらかじめ
禁止
の
対象
から除外されていることにより
歩行者用道路
を
通行
する
車両
には、特に
歩行者
に注意して除行しなければならない
義務
を課そうとするものであります。 次に、第二条第一項第三号の四の
規定
は、
歩行者
の
通行
の用に供する等のため
歩道
の設けられていない
道路
の
路端寄り
に設けられた帯状の
部分
で
道路標示
により
車道
と区画されたものを
路側帯
ということとし、第十条、第十七条、第十七条の三、第四十七条等の
改正規定
は、
路側帯
のうち
歩行者
の
通行
に十分な幅員のあるものは
歩道
と
同一
に取り扱い、また、
車両
は
原則
として
路側帯
を
通行
してはならないこととするとともに、特に
道路標示
によって
禁止
される場合を除いて、軽
車両
は、著しく
歩行者
の
通行
を妨げることとなる場合のほかは
路側帯
を
通行
することができることとし、
路側帯
が設けられている
場所
において
車両
が
停車
または
駐車
をするときは、
路側帯
に入り、かつ、他の
交通
の
妨害
とならないようにしなければならないこととしようとするものであります。 次に、第十八条第二項、第三十八条第一項等の
改正規定
は、
車両等
の
注意義務
として、
車両等
が
歩行者
の
側方
を通過する場合には、
歩行者
との間に安全な間隔を保ち、または徐行しなければならないこととし、また、
横断歩道
に接近する場合には、
横断歩道
により
横断
しようとする
歩行者
がいるときは、
横断歩道
の面前で停止することができるような
速度
で進行しなければならないこととしようとするものであります。 次に、第十条第一項
ただし書き
及び第十二条第二項の
規定並び
に第十四条、第四十四条第三
号等
の
改正規定
は、
歩行者
の
通行方法
について、
がけ等
があるため
道路
の
右側端
を
通行
することが危険であるときその他やむを得ないときは、
道路
の
左側端
に寄って
通行
することができることとし、
交差点
において
道路標識等
により認められているときは
斜め
に
道路
を
横断
することができることとするほか、
横断歩道
の手前だけでなく先方についても、五メートル以内の
部分
については
停車
及び
駐車
を
禁止
する
場所
にするなど、
歩行者
の安全に関する
規定
を
整備
しようとするものであります。 その二は、
都市交通対策
の
推進
のための
規定
の
整備
についてであります。 まず、第四条第一項および第二項並びに第百十条の二第二項の
改正規定
は、
都市
における
交通
の
混雑
に対処するため、
車両
の
通行
の
禁止
その他の
道路
における
交通
の
規制
は、区域を定め、または
対象
を限定して行なうことができることとするとともに、
広域
にわたり
道路
の
交通
に著しい影響が及ぶおそれがある
自動車
の
通行
の
禁止
を行なおうとするときは、
都道府県知事等
の
意見
を聞かなければならないこととしようとするものであります。 次に、第四十九条及び第五十一条の
改正規定並び
に
新設
の第百十三条第二項及び第百十九条の二の
規定
は、
駐車対策
を
推進
するため、
駐車
時間の
制限
の
実効
の
確保
の手段として
パーキング
・
メーター
を用いることができることとし、
パーキング
・
メーター
が
設置
されているときは、これを作動させなければ
駐車
してはならないこととするとともに、
違法駐車車両
の移動、
保管等
に要した
費用
を定額によって徴収することができることとし、駐
停車違反
の
罰則
を
強化
し、これを三万円以下の
罰金
から五万円以下の
罰金
に引き上げようとするものであります。 次に、第二十条の二、第三十一条の二等の
規定
は、
公共輸送機関
の
優先
を
確保
するため、
路線バス等優先通行帯
を設けることができることとし、他の
自動車
は、
路線バス等
が
後方
から接近してきた場合に
混雑
のためその
優先通行帯
から出ることができないこととなるときは、そこを
通行
してはならず、また、その
優先通行帯
を
通行
している場合において、
後方
から
路線バス等
が接近してきたときは、すみやかにその外に出なければならないこととするとともに、停留所から発進する
乗合自動車
の
進路
の
変更
を他の
車両
は妨げてはならないこととしようとするものであります。なお、第二十条第二項の
規定
により、
路線バス等
の
専用通行帯
を設けることもできることとされております。 その三は、その他の
交通方法等
に関する
規定
の
整備
についてであります。 まず、
車両等
の
交通方法
に関する
規定
の
合理化
についてであります。 第二十条第一項
ただし書き
の
規定
は、多
車線道路
における
通行区分
を
合理化
するため、
同一
の
方向
に三以上の
車両通行帯
が設けられているときは、その最も
右側
の
車両通行帯
を
追い越し
車線
とし、それ以外の
車両通行帯
については、
自動車
はその
速度
に応じて
通行
することができることとしようとするものであります。 第二十五条の
改正規定
は、
車両
が
道路外
に出るため
左折
または
右折
をする場合の
方法
について
規定
するとともに、
道路外
に出るため
左折
または
右折
をしようとする
車両
が、
道路
の
左側端
、
中央
または
右側端
に寄ろうとして
合図
をしたときは、その
後方
にある
車両
は、その
速度
または
方向
を急に
変更
しなければならないこととなる場合を除いて、
合図
をした
車両
の
進路
の
変更
を妨げてはならないこととしようとするものであります。 第二十八条、第二十九条及び第三十条の
改正規定
は、
追い越し
を
禁止
する
場所
においては、
追い越し
のため、
進路
を
変更
し、または前車の
側方
を通過してはならないこととする等、
追い越し
に関する
規制
を
合理化
しようとするものであります。 第三十六条、第三十七条及び第四十三条の
改正規定
は、
交差点
における
優先関係
については、先に入った
車両等
の
優先
及びすでに
右折
している
車両等
の
優先
を廃止し、
優先道路等
を
通行
する
車両等
の
優先
、
左方
の
車両等
の
優先
、
直進車両等
の
優先等
に限るとともに、
交通整理
の行なわれていない
交差点
内において
車両等
が一時停止すべき
場所
を指定することができることとする等、
交差点
における
交通方法
を
合理化
しようとするものであります。 第二条第一項第三号の二の
規定
は、
本線車道
とは、
高速自動車国道
または
自動車専用道路
の
本線車線
により構成する
車道
をいうものとし、第七十五条の五、第七十五条の六、第七十五条の七、第七十五条の十等の
規定
は、
本線車道
における
横断
の
禁止
、
本線車道
に入る場合等における他の
自動車
との
関係
、
本線車道
の出入の
方法
、
本線車道
における
故障等
の場合の
措置等
について、
高速自動車国道
と
自動車専用道路
とを
同一
に取り扱い、それぞれ
規定
を
整備
しようとするものであります。 また、第二十四条、第二十六条の二第一項等の
規定
は、
車両等
の
運転者
は、危険を
防止
するためやむを得ない場合を除いて、急
ブレーキ
をかけてはならないこととするとともに、
車両
はみだりにその
進路
を
変更
してはならないこととしようとするものであります。なお、みだりに
進路
を
変更
してはならない
義務
の
違反
につきましては、
罰則
を付さないこととしております。 第五十条等の
規定
は、
交通整理
の行なわれている
交差点
において、
前方
の
交通
の
状況
により、その中に入った場合には停止することとなり、
交差道路
における
車両等
の
通行
の
妨害
となるおそれがあるときは、
車両等
は、信号が青の場合であっても
交差点
に入ってはならないこととし、また、
横断歩道
、
踏切
または
道路標示
によって区画された消防署の前等の
場所
についても、
前方
の
交通
の
状況
によりその中で停止するおそれがあるときは、
車両等
はその
場所
に入ってはならないこととしようとするものであります。 第五十二条第二項、第五十三条第三項等の
改正規定
は、他の
車両等
の直後を進行する
車両等
の燈火の
減光等
の
義務
を
新設
するとともに、
車両
の
運転者
が不要な
合図
をすることを
禁止
しようとするものであります。 第六十二条等の
改正規定
は、
交通公害
の
防止
の
徹底
をはかるため、
騒音防止装置
または
ばい煙等
の
発散防止装置
が
保安基準
に適合しない
車両
を直ちに
整備不良車両
とするとともに、これらの
装置不備
の
車両
の
運転
に対する
罰則
を現在の
整備不良車両
の
運転
に対する
罰則
と
同一
にしようとするものであります。 第七十一条第四
号等
の
改正規定並び
に同等第四号の二及び第五号の二の
規定
は、
運転者
の
遵守事項
として、
積載物
の
飛散防止義務
、
自動車
のドアを開き、または
車両等
からおりる場合の
安全確認
の
義務等
、現在各
都道府県公安委員会規則
で
規定
されている
事項
を
法律
に
規定
することとするとともに、
自動車
または
原動機付自転車
から離れるときは、その
車両
の
装置
に応じ、その
車両
が他人に無断で
運転
されないようにするため必要な
措置
を講じなければならない
義務
を新たに設けようとするものであります。なお、
自動車
または
原動機付自転車
から離れるときの
義務
の
違反
につきましては、
罰則
を付さないこととしております。 第七十五条の十一の
規定
は、
高速自動車国道
及び
自動車専用道路
においては、
自動車
の
運転者
は、
座席ベルト
を装着し、また
同乗者
に装着させるようにつとめなければならないこととしようとするものであります。なお、この
義務違反
につきましても、
罰則
を付さないこととしております。 次に、
道路標識
及び
道路標示
の
活用
をはかるための
規定
の
整備
についてであります。 第十七条第五項、第三十三条第一項、第三十八条第一項、第四十三条第一項等の
改正規定
は、
車両
が入ってはならない
道路
の
部分
を
しま状
の
道路標示
で表示することができることとし、また、
踏切
、
横断歩道
または
交差点
において停止する場合の
停止位置
を表示する
停止線
を設けることができることとしようとするものであります。 また、第八条第一項、第二十二条第一項、第三十条、第四十四条、第四十五条第一項等の
改正規定
は、その
場所
に適用されている
交通
に関する
規制
の
内容
を
運転者等
に明確に示すため、
交通
の
規制
は
道路標識
または
道路標示
によることを
原則
とし、
道路標識等
がない場合は
法定
の
規則
に従うこととするなど、
道路標識等
の
活用
をはかることとしようとするものであります。 次に、
交通規制権限等
に関する
規定
の
整備
についてであります。 第五条第一項の
規定
は、
通行
の
禁止
のほか
駐車禁止等
の
規制
についても、期間の短い
交通
の
規制
を、
都道府県公安委員会
が
政令
で定めるところにより、
警察署長
に委任することができることとしようとするものであります。 第百十四条の三の
規定
は、
高速自動車国道
または
自動車専用道路
における
道路使用
の
許可等
の
警察署長
の
権限
については、
都道府県公安委員会
の定めるところにより、これらの
道路
における
交通警察
に関する
事務
を処理する警視以上の
警察官
に行なわせることができることとしようとするものであります。 第二条第二項、第百十条の二第三項から第七項まで等の
規定
は、
道路法
の
規定
に基づいて
道路
の
管理者
が
設置
した
車道中央線
、
車線境界線
、
車道外側線等
の
区画線
を
中央線
、
車両通行帯
、
路側帯等
を表示する
道路標示
とみなすこととするとともに、
車両通行帯
の
設置
、
法定
の
最高速度
を越える
最高速度
の
指定等
、現在も
道路
の
管理者
の
意見
を聞かなければならないこととされているもののほか、
通行
の
禁止
、
横断歩道
の
設置等
についても
道路
の
管理者
の
意見
を聞かなければならないこととし、さらに、
高速自動車国道
または
自動車専用道路
における
通行
の
禁止
、
追い越し
の
禁止等
については、
道路
の
管理者
に協議しなければならないこととする等、
道路
の
管理者等
との
関係
について
規定
を
整備
しようとするものであります。 その四は、
交通方法等
に関する
規定
の
体系
の
整備
についてであります。 第一章から第三章まで、第四章第一節及び第四章の二につきましては、
交通方法
に関する
規定
の
理解
を容易にするため、全体の
体系
を
整備
し、
歩行者
及び
運転者
の
順守義務
に関する
規定
と
都道府県公安委員会等
の
交通規制権限
に関する
規定
とを分離して
規定
しようとするものであります。これに関連して、第四条、第五条及び第六条の
規定
は、現在各条項に別々に
規定
されている
都道府県公安委員会
、
警察署長
及び
警察官等
の
交通
の
規制
に関する
権限
をそれぞれ
同一
の条文にまとめて
規定
しようとするものであります。 第二は、
運転者管理
のための
規定
の
整備
についてであります。 その一は、
運転者等
に対する
講習
に関する
規定
の
整備
についてであります。 第七十四条の二第七項、第九十八条第六項及び第百一条の三の
規定
は、
運転免許証
の
更新
を受けようとする者が
講習
を受けるようにつとめる
義務
、
指定自動車教習所
の
管理者
が
技能指導員等
に
講習
を受けさせる
義務
及び
自動車
の
使用者
が
安全運転管理者
に
講習
を受けさせる
義務
を新たに設けようとするものであります。 また、第百八条の二の
規定
は、これらの
講習
を新たに
都道府県公安委員会
が行なうこととするとともに、
都道府県公安委員会
が行なうこれらの
講習
の実施を
総理府令
で定める者に委託することができることとしようとするものであります。なお、
運転免許
の
停止等
の処分を受けた者に対する
講習
についても、
規定
を
整備
することとしております。 その二は、正しい
交通知識
の
徹底
をはかるための
規定
の
整備
についてであります。 第百八条の
規定
は、
道路
を
通行
する者が正しい
交通方法
を容易に
理解
することができるようにするため、
国家公安委員会
が、わかりやすい表現を用いて
交通
の
方法
に関する
教則
を作成し、これを公表することとしようとするものであります。この
教則
の
内容
は、
法令
で定める
道路
の
交通
の
方法
のほか、
自動車
のエンジンの無用なからふかしをしないこと等、
法令
に
規定
されている
事項
以外で、
道路
を
通行
する者が励行することが望ましい
事項
及び
自動車等
の
構造
、
制動距離等
、
自動車等
の
運転
に必要な
知識
についても定めることとしております。 第九十七条の
改正規定
は、
法令試験
及び
構造試験
に分けて行なっている現在の
学科試験
を統合して、
自動車等
の
運転
に必要な
知識
の
試験
とし、その
試験
は、
交通
の
方法
に関する
教則
の
内容
の
範囲
内で行なうこととしようとするものであります。なお、これに伴い、
運転免許試験
の一部
免除
を定める第九十九条第一項について
規定
の
整備
を行なうこととしております。 その三は、その他
運転免許
に関する
規定
の
整備
についてであります。 第八十五条第五項、第九十六条、第九十九条第一項等の
改正規定
は、
運転資格
の
適正化
をはかるため、
大型自動車免許
の
受験資格等
として必要な
自動車
の
運転
の
経験
から
小型特殊自動車
の
運転
の
経験
を除外するとともに、
短期間
の
外国旅行
中に
外国免許
を取得した者については、
運転免許試験
の
免除
をしないこととするよう
規定
を
整備
しようとするものであります。 その四は、
事業所
における
安全運転管理
の
強化
に関する
規定
の
整備
についてであります。 第七十四条の二第五項及び第六項の
規定
は、
安全運転管理者
の処理すべき
事項
の
範囲
を明確にするため、これを
総理府令
で定めることとし、
安全運転管理者
を選任している
自動車
の
使用者
は、
安全運転管理者
に対し、その
事項
を処理するため必要な
権限
を与えなければならないこととしようとするものであります。 最後に、附則の
規定
についてであります。 第一条の
規定
は、この
法律
の
施行期日
について
規定
しようとするものであります。 第二条の
規定
は、
交通
の
規制
の
権限
に関する
規定
の
改正
、
違法駐車車両
に対する
措置
の
費用
の額に関する
規定
の
新設
及び
車両
総重量が十一トン以上の
大型自動車等一定
の
大型自動車
の
運転資格
に関する
規定
の
改正
に伴い、必要な
経過措置
を設けようとするものであります。 第三条及び第四条の
規定
は、
道路交通法
の
駐車
に関する
規定
の
改正
により、同法に現行の
自動車
の
保管場所
の
確保等
に関する
法律
の
内容
の一部が
規定
されることとなることに伴い、同法について必要な
改正
をし、これに伴う必要な
経過措置
を設けようとするものであります。 第五条の
規定
は、この
法律
の施行前にした行為に対する
罰則
の適用について、必要な
経過措置
を設けようとするものであります。 第六条の
規定
は、消防法、公職選挙法、
道路
整備
特別
措置
法等
道路交通法
の
規定
を引用している
法律
について、
道路交通法
の
改正
に伴う必要な
改正
をしようとするものであります。 以上が
道路交通法
の一部を
改正
する
法律案
のおもな
内容
であります。何とぞよろしく御審議をお願い申し上げます。
若林正武
6
○
委員長
(
若林正武
君) これより質疑に入ります。 御質疑のある方は順次御発言願います。
竹田四郎
7
○竹田四郎君 今日の
交通
混雑
というものはたいへんなものなんですが、車が込んでくると
道路
をつくれという話になりますし、今度
道路
をつくると、一、二年のうちにその
道路
というのはもうすでに
混雑
状態になってしまう。実際は車の増加量のほうが
道路
の建設投資に比べてずっと急
速度
だと、こういうふうになってしまっているわけなんですけれども、こういう形で、いまの形で進めていって、一体いつになったら、安全な
交通
あるいは
自動車
の機能を果たし得るような
交通
というものが一体できるのかどうなのか。これはもう、私ども全く悪循環と言うか何と言うか、この問題がひとつ解決されていかなければ、
交通事故
の起こる可能性というものも非常にふえてくるわけでありますけれども、この辺は、一体、警察庁もあるいは建設省も、一体どう考えているか。私どもは、とてもいまの形では、
道路
の建設投資と
自動車
の増加量というものを考えてみると、どうしたって
道路
の建設投資というものがおくれていることはいまの状態では明らかなんです。そうなってくると、やはり
自動車
のある程度の
制限
をしなければどうにもならないのじゃないか、こういうふうに思うのですけれども、こういうことについて、一体どういうふうにお考えなんですか。警察庁あるいは建設省のほうのひとつ御
意見
をはっきり聞いておきたいと思うのです。
片岡誠
8
○
政府委員
(片岡誠君) 警察庁といたしましては、与えられた
道路
条件、与えられた
自動車
数という、そういう要件のもとで最善の
道路交通
の管理をするのが私どもの立場でございます。しかしながら、そういう立場から見て、いま先生御指摘の問題について、私見ではございますけれども、私ども考えておりますのは、日本の
道路
面積そのものもまだ足りないのではないか。しかしながら、じゃ、一方、竹田先生おっしゃるように、
道路
の
整備
は車の増加台数に追っつかないというのがいままでの過去の現状だと思います。そうかといって、じゃ、車の生産あるいは販売を抑制することができるかどうか。現在、
自動車
そのものがわれわれの社会生活に根深く浸透しておりますし、経済的に見ても、国民経済上戦略産業として、関連産業を含めて、多くの国民がそれによって生計を立てているという現状から見て、これもなかなか問題があろうと思います。個々の
道路
の問題あるいは
自動車
の抑制の問題については、
関係
省からいろいろ御答弁があろうと思いますけれども、私どもとしては、
自動車
そのものがなくなるということも考えられないし、与えられた条件で、それを最も安全にかつ円滑に、そして
交通公害
も最小限にすべく努力をいたしますし、私どもの行政を通じての
知識
について、あるいは
意見
については、
関係
省庁に反映さしていくという、そういう立場であることを御了解願いたいと思います。
吉田泰夫
9
○
説明員
(吉田泰夫君) 近年の非常に急激なモータリゼーションに伴いまして、
自動車
が
道路
投資を大きく上回ってふえておるということ、まことに御指摘のとおりでございまして、その結果、近年におきましては
道路
の投資もかなり大幅に伸ばしてきておりますけれども、
自動車
の伸びには追いつかない
状況
でございます。したがいまして、大
都市
地域はもとより、地方
都市
等におきましても、
交通
隘路個所が随所に生じ、また、
交通事故
等も生じておるということはまことに遺憾に存ずる次第でございます。しかしながら、わが国の
自動車
の伸びの
状況
を見てまいりますと、欧米諸国と比べましても非常に近代国家としておくれがあった
自動車
が一挙に伸びつつあるという
状況
でございまして、これをいろんな施策によって
規制
したり地域的に押さえたりすることも、もとより過渡的には必要でございますが、この大きな伸びの勢いというのも、どこまでも続くというものでもないと存じます。まだもちろん当分は続くわけでございまして、建設省におきましても、現在千六百万台といわれております
自動車
が、
昭和
六十年には三千五百万台、まあいまの倍以上になろうという想定を持っておりますが、まあこの十五年間に
自動車
の伸びが逐次鈍化するのとタイアップしまして、
道路
のほうの投資を大幅に伸ばしていく努力をするならば、長期的には日本の人口十人に三人というくらいの普及率になったときを想定いたしましても、
都市
地域も含めまして、
道路
の容量はまず渋滞のない状態に持っていけるものと考えております。ただ、当面はもちろんそうはいきませんので、四十九年度までの
道路
整備
五カ年計画で十兆円余の計画を実行しようと計画しておりますが、これをやりましてもようやく現在の
交通
混雑
を維持する、悪化させないで五十年以後につなぐというのが精一ぱいでございまして、その間におきまして、特に
都市
部等のあるいは生活環境上問題を生じているような住居地等の
交通
のあり方につきましては、単に
道路
のみならず、地下鉄とか鉄道とかその他の諸種の
交通
機関ともタイアップしました総合的な
交通
政策を立てまして、各省協力してこれに対処する必要があると考えております。
竹田四郎
10
○竹田四郎君 私は、いまの御両者からの答弁というのは非常に不満です。いま一番困っているということは、
道路交通法
の
改正
もやらなくちゃならぬ、あるいは
交通
安全の教育もいまほんとうに幼稚園から小学校からやっているような事実というものは、
交通
の死傷者があまりにも多いと、こういうことだと思うのですよ。そういう中で、
昭和
六十年になったらもっと改善されるだろうとか何とかおっしゃっている。あるいは
自動車
の販売は
制限
できるものじゃない、そんなことはだれでも知っていることだと思うのです。私は、そこに政府の施策、行政指導の面が十分に生かされていく面があるんじゃないだろうか。いま一番ふえて困るのは、そしてまた事故も比較的多いというのは、やはり自家用車だと思うのですよ。この問題が少しも全体として解決されていないところに、
都市
におけるところの
自動車
の
混雑
というものが相当大きな原因に一つはなっていると思う。あるいは、この
交通
にいたしましても、大型車、小型車、そういうものが雑然と一つの
道路
の中に入ってしまっているということが、これがまた同時に
混雑
と
交通事故
の発生の原因でもあるわけですし、それから
道路
の
構造
そのものにしても、
道路
の
構造
から出てくるところの
交通事故
というものは非常に多いわけです。こういうものは、私は、いまのようなお話では、何かそれは
交通事故
を起こすやつが悪いのだ、だからおまえたちはもっと注意して
運転
しろという、
運転者
のみに対する
注意義務
というのですか、それを
強化
さしていくだけだと思うのですよ。しかしそういうことで問題が解決するならば、私は問題はいままでに解決されているはずだと思う。そういう点で、たとえば都心部に対する自家用車の乗り入れを少なくしていくという
措置
というのは私は別途の
措置
でとれるはずだと思う。確かに、いまのバスの専用レーンの問題なんかも明らかにその一つだと思うのですけれども、こういう施策というものは前々から言われているわけですね。通勤輸送を重点に置いた輸送政策というようなものはもうかなり前から言われていることなんです。そういうものに対する対策というのは非常におくれているのじゃないか。そして、どうもそれは私の
権限
ではない、それは向こうがやっていることだと、こっちのことになればそれば私の
権限
ではない、あっちのやっていることだと、こういう何というか各省庁のセクショナリズムというのか、
権限
争いというようなものが私はそれを倍加している。こういうふうに思うのですけれども、私ども今日
交通
の実態を見ていると、十五年先までの問題ではないと思う。おそらくいま
交通事故
の
経験
者というのは十人に一人ぐらいあると思う。そういうことに対してさっきのような御答弁では、これは、これだけいま問題になっている
交通事故
なり
交通
混雑
を解決しようとする政府の意図というものを私は少しも感ぜられないのですが、これは長官どうですか。
交通
局長以上に私はそういう意味では政府部内においても発言権のおありの方だと思う。いまのような形では、私はここでいま、その答弁でよろしゅうございますと言って引き下がるわけにいかぬのですが、いかがですか。
後藤田正晴
11
○
政府委員
(
後藤田正晴
君) 仰せのように、今日までの政府の
交通
政策のおくれが私は率直に申して今日の
交通
混乱あるいは
交通事故
の激増を招いたものである、こういうふうに考えております。そこで、私は、何よりも必要なことはやはり長期の総合
交通
対策を立てるということ、しかしそれには時間がかかる。しかも、日々
交通
の渋滞は激しくなり、
交通事故
は多くなる、この現実を直視して、当面の緊急対策を強力に
推進
していく。この二本建てで私はやっていかなきゃならぬと、こういうふうに考えております。 そこで、まず総合の
交通
対策の問題ですが、これはやはり政府もその点に着目をいたしまして、臨時総合
交通
問題閣僚協議会等を設け、経済企画庁長官を長にして、現在鋭意各
関係
省庁で対策を練っている段階でございますが、やはり、国全体の
交通
の需要がどのようになるか。それに対応して、全国的あるいは地域的、あるいは航空、海、陸上、こういったそれぞれの機関別、そういった需要を満たしていく手段、これをどのように考えていくか、こういうような観点から対策を立てなきゃならぬと思います。問題は、その際に、いま私が強く要望いたしておりますのは、とかくそういう政策を立てる場合に従来政府として忘れがちなのは、そういった積極面の行政をやるときに当然伴ってくるところのマイナス面に対する施策、これが従来忘れられがちであったと思います。そこで、私が強く言っているのは、そういった際の社会的な負担、社会的経費、これについての充足、これをぜひ忘れないで樹立をしてもらいたい、これを私は今日強く主張をいたしております。 それからまた当面の対策について申しますと、ともかく今日のこの
状況
は、御説のように、単位面積当たりで見ればすでに車がアメリカの単位面積の五倍程度に私はなっていると思います。いわんや
道路
面積当たりの
車両
台数になると、さらに多い。今日
自動車
が多過ぎるということは、これは私は否定できない事実だと思います。その結果が、かえって効率的にも悪い、また悲惨な事故も起こしておる。そういう意味合いから、今日はやむを得ない手段として、私は、ことばは悪いですけれども、車いじめの政策をどうしても私はやらなければならぬ、これにはいろいろ反対もありましょう、ありましょうけれども、やはり私はそれは必要である、こういう意味合いから、私どもの立場としてもでき得る限りの対策を講じていきたい。そこで、一番問題は
都市
交通
の問題だと思います。その
都市
交通
の私は基本は、今日やはりこういった
都市
集中が激しい、しかも消費生活がどんどん向上する、そうなれば、勢い消費物資の
都市
内における運搬、これは非常に激しくなると思います。多くなると思います。同時に人の
交通
も激しくなる。そうすると、この大量消費時代の大量の物の動きの時代に、その人と物資をどのように
確保
していくか、これはやはり
交通
の私どもの対策だけでなしに、車の政策の問題もありましょうし、あるいは
道路
の問題もありましょうし、あるいは運輸そのもの、
都市
内における
交通
の政策そのものもありましょうし、いろいろありましょうけれども、基本のやっぱり私はむだのない車による
都市
内の人と物の輸送をどうするか。そこで、人については、やはり公共大量機関を最
優先
させる、そうして不急不要の車については抑制をする、それがためには、御説の自家用
自動車等
の都心への乗り入れ
規制
、そのかわりに、住居地からもよりの駅等に対する通勤輸送のためのバスの
確保
、
優先
通行
、こういうようなことも当然の私は施策としてやらなきゃならぬだろう。あるいはトラック等について言いますれば、とかく大型トラックはけしからぬ、これをとめてしまえ、こういう議論もありますけれども、これは私は少し違うので、やはり裏通り等はこれは閉め出す、しかしながら、場合によれば幹線
道路
等については、
一定
の時間を限ってはこれを
確保
してやる。そうしなければ物の輸送ができない。大型をとめれば小さな車がどんどん走ってしまうということになりますので、そういう施策も講じていく、こういうことを私どもとしては考えざるを得ない。しかし、いずれにせよ、そういう際には
都市
生活者に対する非常な影響を与えます。そこで、こういうやり方については、私どもだけの判断ではこれはよろしくない。これはやはり住民の意向も聞かなければならぬ。同時にまた
関係
者の
意見
も聞く。ことに、それぞれの地域において責任を持っている都道府県知事の
意見
を何よりも聞かなければなるまい、そういったような考え方に立って、漸次車をいじめる、ことばは悪いですけれども、乗用車等は、車等はいじめていくという政策を私はどうしてもとらなければならぬ。これが当面の政策。しかし、それだけではものは解決しないので、やはり長期の観点に立った総合的な
交通
対策も相並行して進めていく、こういうようなことをぜひやってもらいたい、またやっていきたいということで、今日政府の
関係
機関に対して私どもの立場なりで要請をしておる、これが実情でございます。
竹田四郎
12
○竹田四郎君 まあ、長官の話はそれなりに私はわかるつもりなんですが、相かわらずまだ
自動車
の
交通
の円滑化をはかるということにどうも重点が私はあり過ぎるような気がします。これだけのものですから、私はどこかに摩擦が起こるのはしかたがないと思うのです。これまでに来てしまったのだから、ある一面はやはり相当犠牲を負ってもらわなければ、この問題というのは、私はあと十年待つか二十年待つか、自然に待つというほど待っていれない問題だろうと思うから、どこかに社会的な摩擦が出てきてもしようがないと思う。それは別の手段で補っていくべきだと私は思うのです。そこで、時間がありませんからあまり詳しくここで議論しているひまはないのですけれども、ひとつ、そういう点では、私は、まず
交通
の安全ということをはっきり、
優先
順位としたら
交通
安全ということをはっきりと第一位の
優先
順位に置いておいていただく、これをしなければ私はいけないと思うのです。なるほど社会のテンポも早まっておりますから、それは早くどこどこへ行きたいということはわかりますけれども、いままでの日本の経済全体として見れば、その速さの追求というのは、むしろ速さの追求ができなくてその効果を減殺している一番ひどいところはいま
道路交通
だと思うのです。速さの限界を求め過ぎたがゆえにその逆効果があらわれているということすら私は言えるのだろうと思いますが、この点では、ひとつ
交通
の安全というものを最
優先
に、
道路交通
のあり方としてその点をまず最
優先
にものを考えてもらう。速さの点は、私は率直に言って犠牲にしてもいいと思うのです。いまの経済だって、とにかくスピードが速過ぎたからこういういろいろな諸問題が起きているわけです。そういう点で、
道路交通
にいたしましても、やっぱり
交通
の安全あるいは人間の生命の安全ということをはっきりしてもらわなければ、けさの新聞でも驚いたのですけれども、相当広
範囲
に光化学スモッグがきのうあらわれた。こういう状態というのは、私はおそらく
自動車
の
混雑
というものが非常な大きな根源であろうと思うのです。そういう意味で、とにかく
自動車
交通
の円滑はもちろんそういうことにもなるわけですけれども、ポイントを置く
場所
をひとつぜひ変えていただきたいということをお願いをしておきたいと思うのです。 それから、最近における
交通事故
の死傷者というのが一体どういう
場所
で、どういう時間に、また、どういう人が、おもにどういう
交通事故
にあっているのか、その点をひとつ明らかにしていただきたいと思います。
片岡誠
13
○
政府委員
(片岡誠君)
交通事故
を考えます場合に、私ども、走る凶器型とそれから走る棺おけ型という二つの大きな分類をした角度でながめております。その走る凶器型と申しますのは、
自動車
が
歩行者
だとかあるいは自転車をはねて人がなくなったりけがをするというのが走る凶器型、つまり、弱い
道路
利用者に対して強い
道路
利用者である
自動車
が事故を起こす。それから走る棺おけ型と申しますのは、
自動車
が単独で、あるいは
自動車
同士がぶつかって、その中に乗っている人たちがけがをしたりなくなったりする、こういう二つに分けて考えられると思います。前者の場合、走る凶器型の事故による死亡者が、現在わが国では昨年度四七%、走る棺おけ型が五三%でございます。アメリカなどでは、この走る凶器型が一七、八%と聞いておりますけれども、わが国では、やはりまだ、弱い
道路
利用者に対する社会的な凶器である
自動車
が事故を起こしているというところにまだ問題があろうと思います。 それから時間的には、大体午前七時ごろから九時ごろが、構成率からいって一二・七%、それから九時から十一時に少し減りまして、それから大体横ばい状態で、また三時から五時ごろに一三・七%、それから五時から七時ごろ、これがピークでございますが一五・八%、大体その辺。それからあとは、夜間になりますと九・四、九・〇と減ってまいりまして、一番少ないのが午前五時から午前七時ごろ、これが構成率二%くらいというぐあいに、時間別になっております。 それから
場所
別でございますけれども、これにつきましては、市街地と非市街地を分けますと、市街地で六八%ぐらい、非市街地が三二%、そしてその中でも、市街地でも
交差点
が全体の三九・二%の率を占めております。これは市街地の場合。それから非市街地が、
交差点
がやはり九・六%でございますから、合計しますと約半分、半数近くが
交差点
で起きております。 それからあと車別でございますけれども、これは
昭和
四十四年の統計でございますけれども、
自動車
が第一当事者——主たる原因となった事故の合計、全部で六十六万七千件ばかりでございますが、その中で自家用車が四十八万七千件ばかり、それから事業用車が九万一千件ばかり、二輪車、これは自動二輪と原付と合わした数でございますが八万九千件ばかりでございます。自家用車の中で多いのが普通乗用とそれから普通の貨物、これがおのおの十九万一千件、あるいは十九万五千件といったぐらいの数を占めております。
竹田四郎
14
○竹田四郎君 人間の年齢的にはどうですか。
片岡誠
15
○
政府委員
(片岡誠君) 加害者でしょうか、被害者のほうでしょうか。
竹田四郎
16
○竹田四郎君 被害者。
片岡誠
17
○
政府委員
(片岡誠君) 被害者につきましては、老人層が全体の二割を占め、また幼児層が非常に増加してきております。特に、いまの
歩行者
をとりました場合には、
歩行者
の被害者、これが昨年も約六千人ばかりなくなっているわけでございますが、
歩行者
の被害者では三歳、四歳、五歳という幼児と、それから六十歳から七十歳あるいは七十歳以上の高齢者層、その辺が一番被害の率が高くて、一番問題のところだろうと思っております。
竹田四郎
18
○竹田四郎君 最近の人身事故、特に
歩行者
の人身事故というのは、おそらく大きな表通りよりもむしろ裏通り、そういう裏通りのまた
交差点
、そういうところの事故というのが非常にふえているというのが一つの特徴じゃないかというふうに私は考えるわけですが、まあ幼児の場合には、おそらくかなり飛び出しによる事故というものが多いだろうと思うのですが、実際、日本の市街地の
道路
を見ますと、なるほど表通りはある程度
歩道
もついているし、道幅も最近は広くなっているということでありまするけれども、裏通りというものは、大体十一メートルから九メートルくらいの
道路
しかおそらくないと思うのですね。そこを車が両方からずっと通っている。そういう点で、裏通りの
道路
の
構造
と
道路
の
通行
の
規制
というものは、
歩行者
の事故をまずなくしていくという上では私は相当大きいポイントじゃないかと思うのです。まあ今度は何か
路側帯
ということで、線だけ引けばそれでそこが
歩道
と同じような形になるということだろうと思う。私はちゃんと
歩道
をつくったらどうかと思うのです。そういうところにも
歩道
をつくれば、
自動車
が突っ込むというようなこともかなり私は
規制
できるのじゃないか。まあその辺に、先ほどの
自動車
の
通行
を円滑化することが
優先
なのか、人の命が
優先
するのかという問題がいま出ているのですけれども、これは
都市
局になりますか、あるいは
道路
局になりますかね。私は九メートルくらいの
道路
でも
歩道
をどんどんつけていったらどうかと思うのですね。さくなんかをつくったのを見ましても、きわめてお粗末ですね、現在。たとえば下水の上にふたをして防護さくをつくる。そのどまん中には電柱が立っている。こんなものはランドセルをしょっている子供なんて通れないです。われわれだって雨の日はそんなところ通れないですよ。私はそういうところをどんどん、もう少し人が通れるだけの幅をつくる。まあ防護さくでも当面しかたがないと思うのです。ちゃんとふちを上げて
歩道
をつけて、それで
自動車
が通りにくければ一方
通行
にしたらいいと思うのですよ。そういうふうなことをどんどん進めていくというお気持ちはないですか。何か去年あたりから、四十五年度あたりから
歩道
をつくるのに一割ばかり補助を出したそうですけれども、一割ばかりの補助なんか、こんなものではいつまでたったってできやしないですよ。どうなんですか。この辺は
徹底
的に改善していく、そういうところにひとつ建設省としても力を入れていってもらわぬと。そういうところが、もうすれ違いができないならこれはかえって一方
通行
にしたほうがいいと思うのです。どうなんですか。その辺。
吉田泰夫
19
○
説明員
(吉田泰夫君) 先ほどは勘違いしまして、長期のお話を申し上げましたが、ただいま御指摘のとおり
都市
内、特に裏通りの
交通
安全対策はきわめて重要でございます。
交通
規制
によって裏通りの車をとめるとかあるいは一時的にとめるとかいうようなことも有効な場合がありましょうが、まあそうもいかないという場合におきましても、一方
通行
等を行なえば、幅員がわりあい狭いところでも
歩道
を
設置
、あるいは防護さく等によって
歩道
が一応区画できるわけでございます。現在は
車道
の幅員が五メートル五十以上ありますところは
歩道
を
設置
することに計画いたしておりますが、これは両面
交通
の場合でございまして、もし一方
通行
にできる
道路
でございますと、この
車道
幅員が三メートル五十あればいいと考えておりますので、残りの幅で
歩道
をつくる。御指摘の、
歩道
とか防護さくによって区切った
歩行者
の歩く
部分
が電柱などがあって非常に通れないということもまことにごもっともでございます。極力、
歩道
の幅も十分とり、あるいは
歩道
上にある障害物等の障害も避けるような
方法
を研究したいと思いますが、まあ当面、狭い
道路
にとにかく分離したいというような場合に、間々従来そういうことがございました。 なお、
歩道
の補助率は、一般の場合は二分の一補助をいたしておりまして、特に通学路については、市町村道について三分の二の補助をいたしておる次第でございます。
竹田四郎
20
○竹田四郎君 それはおそらく
新設
なんかする場合だろうと思うんですけれども、実際既存の
道路
に
歩道
を
設置
するというのはほとんど市町村の負担に私はいままでは終わっていたと思うんです。最近、それに少しめんどうを見始めたということであろうと思うんです。ですから、いまそれは口ではこうおっしゃっているんですが、来年度からはその辺はもう少し予算をつけて、もう
徹底
的にやるというかまえを私はまず示してもらわなければしょうがないと思うんですが、どうですか。ここで答弁のがれみたいに言われるんじゃ困るんで、予算をつくるときにがくっと削られたんじゃ討議した意味がないんで、どうですか、あなたで来年度そういうことができると言えばあなたを信頼しますけれども、あなたではそういう答弁ができないというんなら、建設大臣でも何でも来てもらって……。どうなんですか。
吉田泰夫
21
○
説明員
(吉田泰夫君) かねて小刻みな交道安全事業三カ年計画を二回実施して、四十一年からやってきておったわけでございますが、現今のような
交通事故
の重大化、激増に対処するために、御指摘のとおり
道路
行政も精神を入れかえまして、
交通
安全がまず何と言っても第一だということに切りかえることにいたしました。 その第一歩といたしまして、
昭和
四十六年、本年度から五十年度までの五カ年の
交通
安全計画を閣議決定することにいたしまして、そのための
法律
改正
も今国会ですでに御審議をいただき、成立を見た次第でございます。この
内容
は御承知のとおりかと思いますが、市町村、県、国という段階を経まして、
道路管理者
と公安
委員
会が協議して、
交通
安全上必要な
道路
を拾い出し、その中でどういう施設をしていくかということをきめながら、その重要なものについては国庫補助
対象
にしようというものでございまして、
道路管理者
が行ないます分につきましては、何といっても中心の事業は
歩道
の
設置
、歩
車道
を分離するという、
歩道
の
設置
に最重点を入れております。中でも市街地
部分
、これが何といっても事故も多く、
歩行者
の
交通
も多いわけでございますので、これにまた最重点を置きまして実施したいと考えております。 現在、
交通
安全の必要な
道路
というのが全国で約七万キロ指定されておりますが、このうち市街部にある
道路
が二万八千七百キロでございまして、このうちですでに
歩道
も
設置
されている
道路
は八千六百キロにすぎませんが、これを残る五カ年で
整備
いたしまして、合計二万一千七百キロに持っていきたい。残る区間は、
道路
が狭くて
歩道
が
設置
できない
場所
とか、その他の
措置
によって
交通
安全がはかれるであろうという個所でございますので、一応、現在のところ、市街部の
交通
安全指定
道路
につきましては、五カ年計画が完了いたしました五十年度末において、必要な
歩道
は全部の
場所
に
設置
するという計画を立てております。その他地方部でも一部危険な個所には、市街部ほどにまんべんなくいきませんが、約二千三百キロ程度の
歩道
の
設置
を計画いたしておるわけでございます。
竹田四郎
22
○竹田四郎君 いまの五カ年計画で二万一千七百キロの
歩道
にすると、こういうことですが、これは全体の市街地の何割ぐらいになるのか、これが一つ。 それから防護さくというのも、私はもう少し考えてもらいたいと思うんです。あれ一体どっちが表でどっちが裏なのかわからないんですね、率直に言って。
自動車
のほうに表を出して、
歩行者
のほうに裏を出しているというのが私は現実じゃないかと思うんです。だから、
自動車
のほうは少しさわったって別にどうということはないけれども、人の歩く狭いところへ防護さくをつくられて、人の歩くところというのはその柱分だけ狭くなっちゃっているわけなんです。買いものかごを持っている人は、どうしても歩く幅はきまっちゃっているんですね。私はこれはむしろ逆にしてもらいたいと思うのですね。
歩道
優先
、
歩行者
優先
という立場をとるならば、まあほかにもやり方はあると思うのです。あんな、率直に言えば
都市
の美観からも私はあまり感心しないと思うのです。もう少し
歩行者
優先
なら
歩行者
優先
らしく、防護さくなんかも、してもらわないと、あれでは防護さくをつくったために人間はもっと道のすみに寄って歩く。天下の
道路
が
自動車
さまのお通りだわいというような、私はいまの防護さくのつくり方だと思うのですが、こういうものを私はもう少し考えてもらいたい。 それから第三番目の問題ですが、特に住宅街の
道路
ですが、これはいまどういうふうな
都市
のつくり方をしているかわかりませんが、公団の団地等に行きますと、袋小路になっているような
道路
のつくり方というのがかなり見えますね。私はあれは非常にけっこうなことだと思うわけです。いろいろ防災上の問題も若干ほかにあるかもしれません。住宅街の
道路
のつくり方ということに関しては、もう小さな
道路
には車は入れない。少なくとも車がそこを通過するようなあり方というものは、私はもう絶対避けさせていただきたいと思うのです。それからもう一つは、そうした小さな
道路
に実際いま大きな車がどんどん入ってきておるわけですね。そういうことで、その道を住民が閉鎖しようとしたって、これは警察はなかなか閉鎖させてくれない。そのうちに事故が起きてくれば、何ですか「徐行」なんという看板が出るだけで、それを現実にだれも取り締まれない。ですから住宅街の
道路
のつくり方というのは、私はもう少し研究をしてもらいたい。それから、最近少しやめてきたんだろうと思うのですが、大団地のどまん中を通過
交通
の
道路
をつけて平気でいるわけですね。これは神奈川県あたりもそういうことで、いまだにもって
道路
が通らないという団地がありますけれども、少なくとも団地のどまん中をビュンビュン通過
交通
が走る
道路
というものは、私はまず避けて迂回をさせるべきだと思う。 それから特にこれは都心では非常に少ないだろうと思うのですが、
都市
の若干郊外へ行きますと、既存の市街地というのは、大体狭い
道路
に家並みが並んで、そこに商店があるというのが多かろうと思う。こういうところは、私は遠慮なしに通過
交通
はほかに回す。そのための
道路
をつくる。そのほうが私は、商店街としてもよければ、買いものの
歩行者
にもいいし、
自動車
の
運転者
にも私はそのほうがずっといいと思う。そういうような通過
交通
路というのを私はもっとどしどしつくってもらわなければ、とても
歩道
の
設置
くらいのこと、あるいは
道路
の拡幅くらいのことなんか、
費用
ばかりかかって、実際にはもう投資の効率もあまりないし、みんなからも喜ばれない。そういうものであるならば、私はもう進んで通過
交通
は別の
道路
を通させる、そういうような
措置
をどしどしつくって私はいくべきだと思うのです。それは同時に、私は
道路
投資に対する効率も高くするゆえんだろうと思う。そういうことを始めているとは思うのですが、私はもう少し重点的にやってもらいたいと思うのですが、どうですか。
吉田泰夫
23
○
説明員
(吉田泰夫君) 五カ年計画で、市街地部で
歩道
の
設置
を完了しようとする計画の延長二万一千七百キロというのは、市街地内部の
交通
安全指定
道路
二万八千七百キロの八割に該当いたします。残りは、先ほど申しましたように幅員が狭くて
歩道
が
設置
できないとか、あるいは信号機その他の
交通
標識等によって
交通
安全をカバーできるというような
場所
でございます。 次に、防護さくがどちらを向いているのかということでございまして、
構造
の安全上
自動車
がぶつかる場合の衝撃に強いような現在のような立て方になっておりますが、非常に狭い
場所
、もともと狭い
場所
などにおきましては、なお
構造
など研究いたしまして、せっかく防護さくで囲みながら通れないというようなばかなことのないように今後はつとめてまいりたいと思います。 次に、住宅団地内の
道路
で袋小路のようにいたしまして通過
交通
を排除するような方式は、最近の大規模な団地などでは採用されておるということでございますが、おっしゃるとおりでございまして、特に計画的に造成しております公的な団地などでは、せめて新しくつくられる住宅市街地内だけでも歩
車道
を完全に分離しようということから、車が通る大きな
道路
から直接に住宅に入らない方式で、必ず枝道に入って、それから個々の住宅に入るという方式が一部にとられております。全体として計画すればそういうことも可能なわけでございますので、そういったことはまことに望ましいことであるし、また車の入ってこない
道路
というものは安全でございますので、そういった安全な、いわば
歩行者
の専用の
道路
というものが団地内のポイントポイントを結んで、それだけで独立してある程度の生活
道路
として使えるならば、これにまさるものはないと考えております。建設省におきましても、このたび
道路法
の
改正
を行ないまして、そういった自転車専用
道路
とか、あるいは
歩行者
専用
道路
、
場所
によりましては自転車と
歩行者
の専用
道路
、こういう三種類の専用
道路
の
規定
を設けまして、今後この
交通
安全五カ年計画などともタイアップいたしまして、極力そういった
道路
の
整備
につとめてまいりたいと考えております。 それから、既存の大団地の中を通過
交通
を主として幹線
道路
が通ることにつきまして非常に問題を生じて、
道路
事業そのものも進まないという事態が最近は特にふえております。もちろん、ことさらにその団地を目がけなくても他に経路がとれる場合には、そのようなことは決していたさないつもりでございますが、いかんせんどこかを通らなきゃならぬというときに、こういった問題が生じているわけでございまして、これにつきましても、しかしながら、ほかに通るところがないからというだけの説得ではもちろん地元も快く応じていただけるはずはないわけでありますので、地下式にするとか、その他の
構造
面、振動とか騒音等が主なる問題でございましょうから、そういった点を十分協議しながら計画を進めてまいりたいと考えます。 なお、既成市街地内で買いものその他の近道通りを通過
交通
の用に供しないということがいいのではないかということでございまして、まあこの点は公安
委員
会の御判断が中心になるかと思いますが、もしそういうことで御相談をいただければ、私どもとしても十分御相談を受け、御協力してまいりたい。確かにそういうバイパス等によって通過
交通
がさばけるものならばそれに越したものはないと考えております。まあ、たとえ時間的にもしろそういうことが行なわれておりますが、そういった施策の
推進
については十分私どもも考えておるつもりでございます。なお、
道路
そのものの
都市
部を避けたバイパスの建設につきましては、従来から鋭意努力しているところでございます。
竹田四郎
24
○竹田四郎君 警察のほうにお聞きしたいのですがね。この住宅内のすべての
道路
というわけにはいかぬと思うのですがね、まあ住宅の中にだって、既存の中で比較的太い
道路
とそれから細い
道路
とあるのですがね、そういう
道路
というのは、まあ取りはずしのできる程度のものでなければ私はいかぬと思うのですけれども、あまり固定しちゃうといろいろの問題があると思うのですが、そういうことで、とにかくそこを通り抜ける車というようなものを何かチェックできませんか。そうすると、私は住宅の中で子供の飛び出し問題なんかもかなり防げると思うのですがね。たとえば、よく公園の入口かなにかに、何ですか、パイプの中にやってあるようなのがありますけれども、ああいうものを
場所
によってつくるようなことはできないものですか、どうですか。
片岡誠
25
○
政府委員
(片岡誠君) 先ほど来先生のお話を伺っておりまして、全く同感なのでございますが、先ほど申したその走る凶器型の
交通事故
を
防止
するためには、分離
交通
以外にないと私も思っております。人の通る道と、あるいは自転車の通る道と、あるいは
自動車
の通る道と完全に分ける。
道路
の
新設
のときには、今後はそういう
方向
でやる。既存
道路
についても同じ思想を生かしていくことだと私も思います。で、私ども今回御提出した
法律案
の中にも、
歩行者用道路
というのを設けることにいたしております。で、これは先生おっしゃる住宅街あるいは生活
道路
と申しますか、住居の周辺の狭い
道路
、裏通りあるいは細街路、そういう
道路
から通過
交通
を締め出す、通過を
禁止
してしまう。ただ、どうしても必要な車があろうと思います。たとえば郵便車であるとか清掃車、場合によると牛乳配達の車もあるかもしれません。あるいはそこに車庫を持って、車を持っている人の
通行
も考えざるを得ないだろう。そういう、一見もう明らかに郵便車とわかるような車は初めから
規制
の
対象
から除く。それからそこに、沿道に車庫を持っている方については、
警察署長
の
許可
を出して、ステッカーを渡す。そういうことで、最小限必要な、どうしてもやむを得ない車だけは通す。そのときに、その車の
運転者
は特に
歩行者
に注意して徐行しなければいけない、こういう
規定
が
法律
に盛り込まれております。で、その場合に、その
実効
を担保する
方法
として、先生のおっしゃるとおり、移動ができるさくのようなものを考えていくというのも一つの
方法
と私は思います。これは、今後この法案ができましてあと実施する場合に、
道路管理者
ともよく協議して、
実効
担保ができるような
方法
を考えていきたい、かように考えております。
竹田四郎
26
○竹田四郎君 次は、
交通
標識なりあるいは信号機なり、そういう問題に入っていきたいと思うのです。
交通
標識の中に、
管理者
が
設置
する
交通
標識とそれから公安
委員
会が
設置
する
交通
標識と、こういうふうにいろいろありますけれども、しかし、これも
設置
義務
になっているわけではないわけですね。まあそういう点で、私は、公安
委員
会あるいは
道路管理者
にしても、
自動車
を
運転
する人、
歩行者
だけにその
義務
を課するんじゃなくて、公安
委員
会自体も、公安
委員
会のかってな判断だけで信号機を
設置
したりあるいは信号機を
設置
しなかったりするようなそういうあり方というのは、やっぱりほんとうに
交通事故
をなくすということじゃなくて、どうも、おまえたちが悪いんだというようなそういうやっぱり発想から私は出ているんじゃないかと思う。ですから、信号機にいたしましても
交通
標識等にいたしましても、一つは、もう少し
設置
者を私は一元化していく必要があると思うんです。全部いまの形で一元化できるかどうかわかりませんけれども、なるべく一元化して、そして同時にそれは、
道路管理者
も公安
委員
会もある
一定
限度以上のものについては、これは
設置
しなければならないというような
規定
にすべきだと思うんですが、どうでしょうか。
片岡誠
27
○
政府委員
(片岡誠君) 現在、道交法の四条で、信号機につきましては「公安
委員
会は、
交通
のひんぱんな
交差点
その他
交通
の危険を
防止
するために必要と認められる
場所
には、信号機を
設置
するようにつとめなければならない。」、まあ努力
義務
はございます。現在私ども
設置
基準というものをつくりまして——これは行政基準でございますが、それで第一線をいままでも指導してまいっております。で、私どもの理想としていま考えておりますのは、六・五メートル以上の
道路
が交差する
交差点
、そこには必ず信号機をつけるというのを行政目標として努力をいたしております。その中で
優先
順位をきめて逐次つけていく。今回の五カ年計画の予算で、おそらく六・五メートル以上の
交差点
の八割近くが充足されていくんではないか。七、八割くらいが充足されていくんではないか。それだけではなくて、特に学校とか幼稚園とか、あるいは身体障害者の施設とか病院とか保育所とか、そういった特に保護を厚くすべき
歩行者
の
横断
するような
場所
については、押しボタン式の信号機といったような信号機も
優先
的につけていく、そういう行政基準をつくりまして、第一線を指導いたしております。それから標識につきましては、これは私どもの所管の
範囲
では、
規制
標識と指示標識がございますけれども、これは
交通
規制
をやるためには必ず必置の施設でございますので、一方
通行
にする等、
駐車
禁止
にするにしろ
速度
規制
をするにしろ、標識がなければできないわけですから、そういう意味で
義務
化されておるというふうに考えていただいてけっこうだと思います。
竹田四郎
28
○竹田四郎君 それからもう一つ、この
交通
標識等をつくる場合には、公安
委員
会だけの判断ではなしに、私は実際ある程度警察署ごとにはやっておると思いますけれども、私はやっぱりある程度住民の声というものを反映してそういうことをやるべきだと思うんですよ。ただ公安
委員
会だけの判断ではなしに、その地域の
交通
事情というのを一番よく知っているのはその地域の人たちだと思います。いま交番の数だって決して多いわけじゃありませんから、留守の交番がずいぶんあるわけですから、そういう意味では、やはり地域の住民がみずからそれに参加をしていく。それは同時に、地域の住民がきめたことは地域の住民もそれによって拘束をしていくわけです。きめられたことについては自分たちで守らなくちゃならぬという、そういう考え方というものもここにわいてくるわけであります。私はこれはぜひ、実際にある程度やっていることだと思います。ひとつそういう点も、
法律
なり
政令
なりの中で私は積極的に設けていくべきじゃないか。そして地域住民が、ただ上からこうしなけりゃいけないということではなくて、みずから、
交通
問題は自分たちでこういうふうに直していくんだというような、やっぱり国民運動といいますか、そういうものを生み出すような姿勢、そういうものも私は積極的に取り入れていかなければ、ただ単にこれは警察のほうで、こうしなくちゃいかぬ、ああしなくちゃいかぬという
義務
だけを課するという形だけでは、おまわりさんがいなければ、それじゃ通り抜けちゃいかぬ通りも通り抜ける。おまわりさんが見ていなければ青空
駐車
も平気だと、こういうことでは、おまわりさんが幾らいても私はできないと思うんですよ。行ってしまったら車を置いておく。来そうになったら車をどけると、こういうようなことに私はなってしまうと思うんです。そのかわり、地域においてここはこういう地域にしようじゃないかというきめにしていけば、やっぱりその人はだんだん置けなくなっていくと思うんですよ。そういうような、私は一種の
交通
道徳だろうと思います。そういうものを地域から生み出していくという努力というものがなければ、ただ一方的に
規制
するだけでは、私は、人が見ていなければやり、それが今度は逆に大きな事故に結びついていく場合が多いと思うんです。そういうものについてはどういうふうにお考えですか。
片岡誠
29
○
政府委員
(片岡誠君) それは仰せのとおりだと思います。現在も、ある程度広い
範囲
と申しますか、町あるいはその区の中といったような
広域
の
規制
をやる場合には、当然地元の住民の方の御
意見
も伺い、御相談してやっております。特に、今度裏通り対策、細街路対策を相当
広域
にわたってやる場合には、そのことがなおさら必要だと思います。この住民だけではなくて、住民の方、それから、そこに通常車を持ってきて生活必需物資を運ぶ方、その他タクシー会社も含めて、あるいは労働組合の人も含めて、そういう地域の関連者、地域の
交通
の関連者にお集まりいただいて案を示し、それの御
意見
も承るし、そうして納得づくで、先生おっしゃるような、自分できめたんだから自分で守るというような、そういう
方向
で第一線を行政指導してまいりたいと、そのように考えます。
竹田四郎
30
○竹田四郎君 それから、これは
道路
局のほうにお伺いしたいのですけれども、最近つくられていく
道路
が、
中央
分離帯のつくり方が私は非常にまずいと思うのですね。
中央
分離帯のつくり方というのは、私はもう少しくふうがあるのではないか。いまのところは何か下のほうに、何と言うのですか、何か標識みたいのをちょこちょこ置いてあるだけで、それ以上のものは——車は簡単にそれを乗り越えられるというような形になっていることが大きな事故を私は招いていると思うのです。私は、どうせつくるのならば、ほんとうに
中央
を分離していく。さくでもかきでも私はいいと思うのです。そういう形で分離していくということが、やはりこれから新しい高速
道路
、少なくとも六十キロ以上程度の
道路
にはそのことが私は必要だろうと思うのですが、いまの点ではまあ六十キロといっても、
規定
は六十キロといっても、実際出しているのは、十キロぐらいオーバーしているのは、どの車もほとんどオーバーしていると言っていいわけですから、ひどいのになると二十キロぐらいのスピードオーバーで、見ていなければどんどん飛ばしていくというのが現状でありますから、私は非常に危険だと思うのですね。そういう分離帯をしっかりしたものをはっきり分離して、車が簡単に乗り越えられないというような分離帯をつくる必要があると思うのですが、最近つくっている
道路
でも必ずしもそういう形じゃないと思うのです。あれは
費用
がうんとかかるものなんですか、どうなんですか。私は
費用
をかけてもそのくらいのものはすべきだと思うのですけれども、どうですか。
吉田泰夫
31
○
説明員
(吉田泰夫君) 御指摘のとおり、この
中央
分離帯をつくりますことは、正面衝突等の重大事故を防ぐのに一番重要な、有効な方策でございます。
道路
構造
令という
道路法
に基づく
政令
を
改正
いたしまして、新規につくります
道路
の場合、往復四
車線
以上の
道路
につきましては、
原則
として
中央
帯をつくるということにいたしました。この場合の
中央
分離帯というのは、おっしゃるとおりの本格的な
構造
のものでございます。しかしながら、既存の
道路
につきましても何とか幅員的に余地がある場合等におきまして、本格的な
中央
分離帯とはいかなくても、ある程度の効果はおさめられるような
構造
の分離施設を極力つくるべく、既存の
道路
についても考えておる次第でございまして、そういった
道路
におきましては、幅員によりましては、おっしゃるようなチャッターバーなどによります、まあないよりはかなり効果があるわけでございますが、本格的とは言いがたいものもあるわけでございますが、新規の
道路
につきましては、せっかくつくります以上は、
一定
の幅員をとりまして、
構造
的にも完全に分離できるようなものをつくっていくことにいたしておりますので、御了承いただきたいと思います。
竹田四郎
32
○竹田四郎君 そうすると、古い
道路
はそのままだということですか。たとえば私もあんまり広く歩いておりませんけれども、横浜新道あたりにいたしましても、あそこはほとんど線ぐらいのもんですわな、横浜新道は。それから第二国道あたりにいたしましても、せいぜい何か下のほうにがたがたとゆれる程度のものがあるだけですよ。ああいうところは私はもう少しはっきりと、
交通
量も多いところですから、私はさっそくはっきり、そういう古いのでも、すべきだと思うんですが、どうですか。ちゃんとさくぐらいやって、
自動車
が簡単に乗り越えられない程度のものはつくっていくべきだと思うんですが。
吉田泰夫
33
○
説明員
(吉田泰夫君) ただいま例としてあげられました個々の個所については、ちょっと私詳しく存じないのでありますが、一般論として、まず、幅員がどうしてもとれない、無理に
車線
を定めるということもかえって弊害があるのではないかというような個所もございますし、それから、特に
都市
内などにおきましては、現在の分離帯がない
構造
の
道路
の場合には、随所で
右折
したり
左折
したり、往復
車線
を曲がって
通行
するというような要請が多い個所もありまして、そういうところでは、分離帯をつくりましても、数多くの分断をしてその需要に応じなきゃならぬというような点もございますので、
交通
の流れのあり方等も十分研究いたしまして、できるだけ、お説のようなことができるような個所につきましては、さらに分離帯の適用のしかたにつきまして再検討いたしたいと思います。
竹田四郎
34
○竹田四郎君 時間がありませんから、たくさん問題点はあるんですけれども、全部やっていれば時間がどんどん過ぎ去っていきますから、若干まとめてお話をお伺いしたいと思いますから、そのようにお答えいただきたいと思いますが、鉄道の
踏切
ですね、これは非常にくびれてしまっている場合が多いわけですね。そのために、
踏切
の前後というのは必ず
交通
混雑
している。だから警報機が鳴っていても、いつまでも待っていればまたごたごたするから通っちゃうという問題もありますし、それから
踏切
の、あれはどういう意味でああいうことをしているのか知りませんが、さおですね、遮断の。普通、竹のさおか何かでやっております。ああいうのも半分くらいしかやってないですね。ですから、たとえばオートバイなんというのは、あいているところをななめに
横断
していくという例もありますし、小さな車でもへたするとそういうことをあえてやっているというのがあります。ああいうのは、やはり私はもう少し道を広げることも必要ですし、そういうところでなくても、半分というのはどうも不
徹底
でいけないと思うんですが、そういうのは建設省の
道路
局のほうからは文句は言えないんですか。あれは国鉄の自分かってな判断でやる以外には手がないんですか。
踏切
の改善というものを私はぜひやっていただかなければ、いたずらに車を混乱させるだけだと思います。
吉田泰夫
35
○
説明員
(吉田泰夫君)
踏切
道の立体交差化、それからいまおっしゃいましたくびれているところの拡幅等の、
踏切
道そのものの
構造
の改良、こういったことにつきましては、
歩道
等を中心とした
交通
安全五カ年計画とは別に、これまた今年度から五カ年計画をもちまして、運輸省と共同しながら事業を大規模に進めていくことにいたしておりますが、その中には、御指摘の、
踏切
道の
部分
が取りつけの両側の
道路
部分
よりもくびれて狭くなっているというところの拡幅なども入っておるわけでございまして、そういう個所がなくなりますように、各個所ごとに計画を立てまして改善する計画でございます。 なお、遮断機につきましては、全部締めると、たまたま
踏切
の内部にとまっておった間に遮断機が締まった場合の逃げ道がないというような
理由
から半分になっておると思いますが、建設省から別に法的にどうということはございませんけれども、実情の
意見
を述べたりすることはもちろん
道路管理者
側としてもできることですし、またしなければならないということでございますので、個個の個所ごとに研究いたしまして、半分ということがはなはだ好ましくないというような個所につきましては、そういった
意見
も積極的に出してまいりたいと思います。
竹田四郎
36
○竹田四郎君 警察庁のほう、どうです。
片岡誠
37
○
政府委員
(片岡誠君) いまの遮断機の問題、私もここで運輸省の鉄監局なり国鉄のほうに、あれ全部どうしてしないのだということで申し入れをしました。先ほど吉田次長からお話がありましたように、すでにもう中に入っていた車が全部遮断されてしまって、出るのに問題がある、こういう
理由
で困るんだ、こういうのがその当時の回答でございましたけれども、そういうことは、ぶっつぶして出ていけばあれぐらいならできるんじゃないかということを強く申しましたけれども、まだ改まっていないというのが現状だと思います。私はもう全部遮断したほうがいいという
意見
であります。
竹田四郎
38
○竹田四郎君 これはひとつぜひやってもらいたいと思うんですよ。なかなか地域で
踏切
を広くしろと言ったって、地域で言ったってなかなか広くしちゃくれないんですよ。それから
踏切
の遮断機だって、いまは大体警報機がついておりますから、警報機のついていないところはまた若干いろいろ問題があるんですが、警報機が鳴ってからかなりたってから遮断機はおりるものですから、鳴ってからすぐおりるというものじゃございませんので、大体うんと広いところにはそれぞれ国鉄のほうから監視員をつけておるわけでありますから、ああいう形なら車を押し出したって出られないはずはないと思うんですね。だからその辺はもう少しぴちっとしないと、そういうところから事故というものは私は起こりやすいと思うんですよ。その辺は特に強く要請しておきたいと思うんですよ。 それから、運輸省の方、お見えになっておりますか……。運輸省では、タクシーの午前二時帰庫ということをおそらく通達を出して、それを守らせるようにしているでしょう。それから一日の走行キロも、
一定
のキロ数をきめてそれをやらしていると思うんですけれども、実際そのタクシーの
運転
手さんの話を聞きますと、もう二時でそろそろ帰らなくちゃならない、あるいはもう反対のほうに行けないというような場合に、この車に乗り込まれてしまう。二時ごろになれば、人通りも少なくなってきますし、一ぱいでも飲んで、からだの大きいのでも来れば、それに抵抗して、おりろなんという、タクシーの
運転
手が引っぱり出すなんということも、これは実際できないと思うのです。そういうような場合に、一体どのように指導しているのか。そういうあとによく事故があるわけですよ。業者のほうとしては、午前二時という通達があるから、とにかく二時以降には帰ってきた車がないというふうに報告を出させる。そのためには、もし二時以降に何か事故が起きた場合にはそれは労災にかけないようにする。労災にかければ一つの証拠が残っちゃいますから、労災にかけない。自分で、けがをしてもそれをなおす、こういうような形にしているし、
運転
手としては、どうしても二時に帰る、あるいは走行キロが切れないうちに帰ってくるということになれば、当然、時間的な制約を受ければ、やっぱりスピードも出してしまうというのが私は人情になるだろうと思いますが、そうすれば、それによって事故も起きやすいということになろうと思いますが、その辺は一体どういうふうに指導されておるのか。警察のほうも、そういうものを一体どういうふうに——へたをすれば乗車拒否で
運転
手さんのほうがおこられるという場合が私は多かろうと思いますけれども、むしろそういう場合には、警察のほうでは、一体どういうふうに指導をすべきであると考えているのか。あるいは、具体的にどういう指導を指示しているのか。その辺のお話をしていただきたいと思います。
棚橋泰
39
○
説明員
(棚橋泰君) 先生御指摘のようなことは、従来から確かにいろいろ問題がございまして、いわゆる帰庫時間になりまして、帰庫
方向
へはお客を乗せていいが、その反対
方向
に行くと時間がない、オーバーする、ないしは帰庫時間に間に合わない、ないしは先ほど先生御指摘の、走行キロをオーバーするというような場合に、断わっていいかどうかという問題がございまして、かつて、帰庫
方向
の営業所名を表示させまして、ある
一定
の時間になりましたらそちらの
方向
しかお客をとらせないということをやらさせた時代があったわけでございますが、実はこれが乗車拒否に悪用されるというようなことから、これは途中で中止になりました。それ以来、その問題については、明快な取り締まりないしは
運転
手に対する指導等を行なっていなかったわけでございますが、昨年になりまして、いわゆるタクシー業務
適正化
法というものをつくりまして、
運転
手の登録取り消し等の処分をするという強い態度を出しました。その半面といたしまして、いま先生のおっしゃいましたような、
運転
手の権利の
部分
も認めなければいけないということで、実は従来も
道路
運送法の中に、公の秩序、善良の風俗に
違反
するようなことを強要されたような場合には乗車を断わっていいという
規定
がございましたが、その解釈が明確でございませんでしたので、昨年の十月に通達を出しまして、次のような場合には乗車拒否をしてもかまわないということを明確にいたしました。その中に一項目入れまして、その運送を引き受けることによりまして定められた乗務時間、乗務距離を越えるときは断わってもよいということを明確にいたしました。なお、その際に、先生おっしゃるように、強引に乗り込んできたときには困るではないかというようなお話がございますので、それにつきましては、帰庫時間になりましたら大きな回送板を出してまっすぐ車庫へ帰りなさい。従来は、その
方向
へのお客をとって帰るということをやっておったわけでございますけれども、それですと、おっしゃるようなトラブルがございますので、回送板を表示してまっすぐ車庫に帰るというようにすることにいたしまして、そのための運輸省令の
改正
をいたしまして、回送板を出しているときにはお客を乗せてはいけない、逆に回送板を出していないときに乗車を断わってはいけないということを
法令
的に明確にいたしまして、各タクシー会社に指示してございます。その点につきましては、一応、私どものほうといたしましては
措置
をした次第でございます。ただ、問題は必ずしもそう簡単にはまいりませんので、具体的な問題については、各陸運局を通じましてできるだけ今後指導していきたい、かように思っておるわけでございます。
竹田四郎
40
○竹田四郎君 警察の場合、どうですか。
片岡誠
41
○
政府委員
(片岡誠君) それは真実の帰庫時間であれば、当然
違反
にならないと思います。また、そういう点で指導しております。
竹田四郎
42
○竹田四郎君 なかなかそう、ここで論じているほどうまくは実際はいかないわけですよね。まあこれは、
運転
手は一人だし、三人ぐらい、酒に酔っているような場合、言ったところで、理屈になってしまって、どうにもならない。私は、そういうときには、たとえば、交番へ行けば交番でそういうものを処理してくれるということをしなければ、やっぱり文章でだけきめられていても、実際問題としてはなかなかそういかないものですよ。すごんで来られると、これはあとで何されるかわからないということになると、やっぱりそれは
運転
手のほうが降参になってしまうということになると、それは法文つくったって意味ないと思う。その辺は、やっぱり警察のほうでも、そういうものが来た場合にはひとつ積極的に指導をしてやるということがなければ、なかなか——それが私、警察
関係
でも下のほうの交番まで
徹底
しているかどうか、その辺は非常に疑問に思いますので、これはやっぱり、
交通事故
をなくしていくという立場から、私はどうしても必要だろう、こういうように思いますから、その点をひとつお願いをしたいと思います。 それから、教習所のことについてちょっと聞きたいと思うのですが、教習所の指導員が移動をした場合、たとえば神奈川県で指導員をやっていた。それが栃木県へ帰るという場合に、資格の統一の問題等も私はあると思いますし、それから資格証というものもおそらく交付されていると思うのです。その資格証というものが、一体それは指導員個人のものであるのか、あるいは
自動車
学校のものであるのか。私は指導員個人のものであると思うのですけれども、そういうものが渡されない。これは一つ、指導員を足どめする学校側の気持ちもあるだろうと思うのです。そういうことで、たとえばいなかへ帰って仕事をしたいと言っても、指導員の資格証をくれない。そのために仕事ができないというような場合がかなりあるというふうに思うのですが、その辺はどう指導されておりますか。
片岡誠
43
○
政府委員
(片岡誠君) 現在、指導員は、
法律
的には
自動車
教習所の指定の要件の一つになっております。そういう
一定
の資格を持った指導員がなければ教習所の指定が受けられないという要件になっております。
一定
の資格というのは公安
委員
会が審査をするという
法令
の
規定
になっております。現実の問題としては、各県で若干審査の
方法
が異なっております。私ども基準をきめて指導はいたしておりますけれども、若干異なっておる。そうして、したがいまして、現在、一つの県の公安
委員
会が審査をして認定をした資格でございますから、その県内は有効である。しかしよその県に行った場合には有効でないという行政解釈でございます。ただ、県間で、よその県下で審査を受けた指導員に対しても、全然審査を、書面審査だけで直ちに認めているような県もございますし、若干
試験
をやり直してみるというような県もございます。その辺で、若干不斉一でございますので、行政指導をいたしまして、全国的に審査のやり方も斉一にする、そうして、一つの県で資格を得た場合にはよその県にも通用するようにするという
方向
で行政指導をしてまいりたいと、そのように考えております。
竹田四郎
44
○竹田四郎君 資格証の問題はどうですか。
片岡誠
45
○
政府委員
(片岡誠君) それは、ですから、公安
委員
会で審査した、たとえば東京都なら東京都の公安
委員
会が審査して、審査に合格した証明書を出した場合に、その証明書で全国が共通できるような
方向
で指導していきたい、そのように考えております。
竹田四郎
46
○竹田四郎君 実はね、こういう問題があるのですよ。資格証というのを会社が預かっちゃっているわけですよ。渡さないのですよ、本人に。だから、本人は、いなかのほうへ帰りたくても帰れない。いやでもおうでもそこへとどまらざるを得ない。新しく資格証を取るということになると、またこれ相当な時間がかかる。そういう資格証というものを
自動車
学校側が持って、自分のところで保管してしまっているということは少し違うんじゃないかと思うんですけれども、そういうところはかなりあるようですが、どうなんですか、その辺は。
片岡誠
47
○
政府委員
(片岡誠君) 指定教習所のほうで預かっているということにつきましては、私初めて耳にしたわけでございますけれども、問題は、やはり一人の指導員を養成するまでに数カ月かかっているようでございます。したがいまして、企業者側から見れば、数カ月の投資をした人間が直ちに自由によそへ出ていくということに対しては、採算上、やはり問題は若干あろうと私思います。ただ、問題は、会社のほうが預かっていて、本人に渡さないということであれば、これは問題があろうと思いますので、至急調査して、善処していきたいと思っております。
竹田四郎
48
○竹田四郎君 その点はひとつそのように、やっぱり資格証というものは本人に与えられるものであって、学校側に与えられるものではおそらくないと思います。引きとめる方策は私はほかにあるはずだ。そういうことでひとつ御指導をいただきたいと思います。 それから教習専用の
車両
ですが、まあ、これからおそらく高速
道路
におけるところの路上教習というようなことも行なわれる可能性が出てくるだろうと思います。いまの形ですと、ただ
ブレーキ
だけだろうと思うんです。それから同時に席が、シートが一緒になっているというようなこともいろいろな操作の上で私は問題があろうと思うんです。もう少し教習用の
車両
というものを
整備
して、たとえばハンドルなり、その他のアクセル等にいたしましても、あるいはクラッチなどにしても別々に設けるというようなことが必要じゃないだろうか、こういうふうに思うわけですが、路上教習によるところの事故というものもかなりあるわけです。そういう意味で、確かにそれは教習生の第一次責任にはいままではなっていると思います。やっぱり路上教習というのは、そういう意味では重要な私は教習のうちの一つであろうと思いますから、その辺もひとつ
構造
的に考えていただかなければいけないんじゃないかと思いますけれども、どうでしょうか。
片岡誠
49
○
政府委員
(片岡誠君) 仰せのとおり、現在
ブレーキ
だけでございます。これはやはりハンドルについて、飛行機なんというものはハンドルも一緒でございますから、今後研究開発する
方向
で検討したいと思っております。
竹田四郎
50
○竹田四郎君 それからもう一つ。特に私は指導員の
講習
のあり方というものを、どうも学校側は技術教習よりも反組合的な教習をやったり、いたずらな思想教育をそこで施したりしている面がたいへんありまして、むしろ
自動車
学校のやる教習のおもな仕事というのは、私はやっぱり技術教習がまず第一義であるだろう。そういう精神的なものも私は全然いけないというわけではありませんけれども、やはり重点は技術教習ということに重点を置いていただかなければいけないし、それからもう一つは教習する人員ですが、やっぱりこれ、あまり過大な要求をさせるという指導は、私は一人一人に対する教習が薄くなってくるし、それから、指導員といえどもこれはやはり人間でありますから、かなりの疲労というものを覚えると思います。そういう点では、ある程度
制限
をして、営利会社が多いようではありますけれども、現在の
交通
事情から、営利のみを追求するということは私はあまりいいことじゃないと思う。特に、熟練した新しい
運転者
というものを見出していくことが私は重要であると思います。その辺についてのひとつこの
講習
の
規定
が新しくできてきているわけですが、そうしたものについても行政指導していただきたいし、それから、最近、教習生がふえるというか、アルバイトの、たとえばタクシーの
運転
手をやっている方が、一日あくから、そのときにひとつ教習の手伝いをする、あるいは若干遊んでいるからやるという、アルバイト
講習
指導員というものはたいへん多いと思います。私はこの辺にも問題があろうと思いますが、その辺についても十分御注意をいただきたいと、こういうふうに思いますが、いかがでしょうか。
片岡誠
51
○
政府委員
(片岡誠君) もちろん、指導員に対する
講習
の中核は、技能の指導員であれば技能でございますし、
法令
、
構造
の学科の指導員であれば、
法令
なり
構造
の技術あるいは
知識
だと思います。しかしながら、特に技能指導員の場合には、マン・ツー・マンで教えるという、いわば教育者の立場もございますし、それから企業でございますので、お客様であるという立場もあろうと思いますので、人間
関係
についての精神的な教育も当然必要だろうと私思います。 それからアルバイトの問題、これはまあそう普遍的な問題ではないと思いますが、その地域地域の特殊事情で、お客さんの、つまり教習生の量に変動の多い場合には、やむを得ざる
措置
としてとっておる
措置
だと思いますけれども、
原則
は、やはりアルバイトというのはあくまで例外的な存在だろうと、そういうように私は思います。また、そう指導してまいりたいと思っております。 その他いろいろございましたけれども、私ども、指定教習所の指導員、これはほんとうに入門者教育の一番中核になる人たちだと思っております。その人たちに対する指導の面、監督の面を含めまして、行政的に、十分りっぱな指導員ができるように、資質の向上をも含めまして今後とも指導してまいりたい、こういうように考えております。
竹田四郎
52
○竹田四郎君 バス・レーンの問題でちょっとお聞きしたいのですが、今度バス・レーンをつくられたということは、私、非常にいいと思うのですけれども、先ほどの事故の時間帯から見ましても、夕方の
交通事故
というものはかなりある。最近、横浜なんかでやっているのを見ますと、一時、朝の七時から夕方の十九時までやっておりましたが、最近、何か朝の七時から九時までにして、夕方は
優先
をはずしているのです。何か、つとめに来るときはおくれないでこい、家へ帰るときにはもう
混雑
した中で帰ってもかまわないという感じがするわけですけれども、やはり帰る時間といえども私は大切だと思うのですがね。朝だけやって帰りはやらないということは、どうも理屈に合わないように思うのですが、このバス・レーンというのは、昼間の比較的
交通
が
混雑
しないときは私はかまわないと思います。夕方なども私はバス・レーンというのはやっぱり
優先
通行
を認めさせるようにしたらどうかと思いますが、神奈川県の場合にはどうしてああいうふうにしたのか、事情は私はよくわかりませんが、夕方の七時までだから、これは通勤者に非常にいいことで、ほんとうに大衆の通勤輸送に役立つ。だが、片方削られちゃったんですが、これは一体どういうふうなお考えでこれから進めていこうとされるのか。やっぱり朝晩のラッシュは必ずバス
優先
のレーンに私はすべきだと思うのです。
片岡誠
53
○
政府委員
(片岡誠君) 私も
原則
的に朝晩のラッシュにすべきだと思います。ただ、おそらく朝のほうが特定時間帯に人の動きの集中率が高い。夜の場合はある程度分散するという前提があって、したがってバスの運行回数もそれに合うような運行回数になっておって、夕方のほうは比較的
運転
間隔が長くなっているとか、そういうおそらく事情で、そういうところの
道路
条件なり輸送条件のところで、夕方を解除したんではないかと推測いたしますけれども、一般的には、ラッシュ時間帯については朝夕を問わずやっていくのが基本的な考え方だと思っております。
若林正武
54
○
委員長
(
若林正武
君) 暫時休憩いたします。 午後零時四十分休憩 —————・————— 午後一時五十六分開会
若林正武
55
○
委員長
(
若林正武
君) ただいまから
地方行政委員会
を再開いたします。 休憩前に引き続き、質疑を行ないます。 御質疑のある方は順次御発言願います。
和田静夫
56
○和田静夫君 まず、この
法律
の目的でありますが、第一条は、「この
法律
は、
道路
における危険を
防止
し、その他
交通
の安全と円滑を図り、及び
道路
の
交通
に起因する障害の
防止
に資すること々目的とする。」、そこで、ここで言う「
交通
に起因する障害」とは何ですか。
片岡誠
57
○
政府委員
(片岡誠君) 典型的な例は
交通公害
でございまして、二条に定義がございますように、排気ガス、それから騒音、振動といった
交通公害
が典型的な例でございます。それ以外には、たとえばどろをはねる——未舗装
道路
の場合に
自動車
が通ることによってどろはねをして沿道の家に障害を与える。あるいは
交通公害
の中には、人の健康と、それを取り巻く生活環境までは
交通公害
の定義に入りますけれども、自然環境は
交通公害
の中には入りませんので、自然環境に対する障害といったものも一応考えております。大体そういうところでございます。
和田静夫
58
○和田静夫君 「
交通
の安全と円滑を図り、」となっているわけですね。そこで、
交通
の安全とそれから
交通
の円滑が矛盾する場合がありますね。それも考えられているわけですね。
片岡誠
59
○
政府委員
(片岡誠君) 仰せのとおり、
交通
の安全と円滑が矛盾する場合があると思います。で、私どもはできるだけ安全と円滑が矛盾しない
方法
で処理してまいりたいと思いますけれども、矛盾した場合には安全を
優先
に考えていきたい、そのように考えております。
和田静夫
60
○和田静夫君 いま言われたとおり、私たちも
交通
の円滑といった場合に、通常、渋滞がなくてスムーズに
交通
が運んでいる、そういうふうに概念をするわけですが、理屈を言えば、
交通事故
が起これば
交通
は円滑でなくなるわけですから、
交通
の安全と円滑というのは、そういう意味で一つだと言えるかもしれません。しかし、まあいま安全と円滑、二者択一の選択を迫られたときにはやはり安全を
優先
させる、こういうお答えですし、政策の当局者たちのとるべき基本的な姿であろうと私は考えるのです。さきの衆議院の
地方行政委員会
で、
踏切
遮断機のことが問題になっていました。で、欧米諸国では遮断機が鉄のとびらである。ところが日本では単なる竹の棒だ。まあ鉄のとびらのほうが非常にがんじょうであることは言うまでもないのですが、単なる竹の棒だから遮断機がおりてきてもまあ間に合うだろう、屋根で受けとめておけくらいの考え方が往々にして見かけられるわけですね。これで事故を起こした例が少なくないのであります。それに対して
交通
局長を呼んでみたら、竹の棒のほうが上げ下げが簡単だというふうにきわめて平然とお答えになっている——平然であったかどうかは別として、そういうような感じがするのですがね。鉄より竹のほうが軽いわけですから上げ下げが簡単である、それはわかっているわけですが、いま円滑よりも安全の
優先
という
交通
事情の現局面に対するところのいわゆる基本的な考え方が明らかになった以上は、衆議院における答弁というものは変える必要があるんじゃないかと、そういうふうに思うのですが、いかがですか。
片岡誠
61
○
政府委員
(片岡誠君) 私はそういう答弁をしなかったと思うんでございますけれども、あるいは前局長かと思いますけれども、先ほど午前中、竹田先生からも御指摘がございましたのですけれども、現在、
道路
半分しか竹の棒はおりてこない、あと半分あいている。それをどう思うかというお話がございましたが、私は全面的に
道路
をふさぐような施設がしかるべきであると、そういうことをかつて運輸省にも申したし、今後も申していきたい、そういう答弁をいたしたんでございますが、
踏切
はやはり物理的に
車両
が通れないような施設で遮断するのが理想的である。立体交差はもちろん理想でございますが、さもなければ、平面交差でやれば物理的に遮断していくのがあるべき姿であると、私はそう思っております。
和田静夫
62
○和田静夫君 いまのことを別の角度から考えてみますと、言い直してみますと、
車両
優先
か人間
優先
か、そういうことにもなると思うのですが、
交通
規制
が持つ体質上、常にジレンマがあるだろう。車を円滑に流したいし、安全は
確保
したいし、簡単に
交通
安全といっていますが、それはつまり車と物とが衝突等しないということであります。排気ガスとか騒音とかいった問題については含まれていません。むしろ
交通
規則
の目的として考えられなければならないのは、
交通
の流れの円滑化と、人間の快適な生活環境の
確保
という二点だろうと思います。この二つの条件を既存の
道路
を用いて両立させる、そういう
交通
の流れを処理するのがいままでの
交通
規則
の
原則
であろうと思うのです。しかし、これが両立できるのは車のほうも人間のほうも非常ながまんをしているわけであります。ことに人間のがまんのほうは、単なるがまんにとどまらずに、それが身体的に蓄積されていくということでありますね。
交通
規則
はさきに触れました二つの条件の間でこれは悩むのではなくて、人間の快適な生活環境の
確保
という点についてもっと積極的に取り組んでいくべきである。そのためには車に不自由をさせてもしかたがない、そうした姿勢をとらない限り、まあ完ぺきな環境開発の有力な方針というものはできないと思うのです。そこで、いわゆる
歩行者
天国というものになってくる、いろいろの発想があると思うのです。
歩行者
天国についてもいろいろな言われ方があると思いますが、いま触れましたような意味で、私は
歩行者
天国という考え方が出てきたことを、
交通
における人間
優先
の思想のあらわれとしてまず評価をしなきゃならぬ、こういうふうに考えているのですが、その点についてはいかがですか。
片岡誠
63
○
政府委員
(片岡誠君) いわゆる
歩行者
天国という中に、二つに分けて考えられるんじゃないかと私は思っております。一つは、新宿だとかあるいは銀座といった盛り場で、日曜日の午後、
車両
通行
どめをしている、ああいう形態の
歩行者
天国、これがいわゆる
歩行者
天国として大きく取り上げられた問題かもしれません。もう一つ、ほんとうの
歩行者
天国というのは、そういうのではなくて、生活
道路
と申しますか、裏通りなり自分の住居の近く、細街路、そういったところの生活
道路
を
歩行者
が安心して、車の危険を感じないで通れるような
道路
にする、これがほんとうの実質的な意味のある
歩行者
天国ではないかと私は思います。ただ、盛り場でやりました
歩行者
天国は、いわば裏通りの
歩行者
天国を象徴的にあらわすといったシンボルとして考えた場合に、非常な社会的あるいは政治的な意味があったのではないだろうか、かように考えております。
和田静夫
64
○和田静夫君 「
歩行者用道路
」ということばですね。いわゆる
歩行者
天国を積極的に合法化しよう、そういう
改正
案ですが、第一条を
改正
をして人間
優先
を積極的にうたう、そういう形にすべきだと思うのですが、それはどうですか。
片岡誠
65
○
政府委員
(片岡誠君) 一条は抽象的に「安全と円滑」、それから「
交通
に起因する障害」、抽象的な表現でございますけれども、そういう人間
優先
と申しますか、そういう思想はおのおのの条文のところに相当にじみ出て貫かれておるのではないかと思います。今度の「
歩行者用道路
」をつくるという条文にしてもそうでございますし、あるいは
横断歩道
の
歩行者
を車から保護する
規定
も、従前もございましたし、今回さらに
整備
をしていったというようなことで、
歩行者
の
優先
といいますか、あるいは
歩行者
の安全が第一であるという考え方は、おのおのの条文の中に貫かれてきておるのではないか、かように考えます。
和田静夫
66
○和田静夫君 いわゆる
歩行者
天国を全国的に実施した
状況
をちょっと示してください。
片岡誠
67
○
政府委員
(片岡誠君) ことしの二月末現在でございますけれども、
関係
府県が警視庁ほか十府県、個所としては四十二カ所でございます。これはいわゆる主として盛り場の
歩行者
天国でございますが、四十二カ所でございます。
和田静夫
68
○和田静夫君 第八条、第九条の
改正規定
、それから十三条の二ですね、この
規定
によって「
歩行者用道路
」、いわゆる
歩行者
天国が
法律
上明記されたわけですが、いままではどんな法解釈と手続でそれは合法化されていたのですか。
片岡誠
69
○
政府委員
(片岡誠君) いままでは道交法の七条に基づく
車両
の
通行
の
禁止
で大
部分
やっております。ただ名古屋の場合には、
道路使用
の
許可
、署長さんの名前による
道路使用
の
許可
ということでやっている例もございますが、大
部分
は第七条に基づく
通行
の
禁止
という
規定
でやっております。
和田静夫
70
○和田静夫君
改正規定
の第八条第一項に、「
道路標識等
によりその
通行
を
禁止
されている
道路
又はその
部分
」とあるわけです。この
規制
権者は公安
委員
会ですか、あるいは
警察署長
ですか。
片岡誠
71
○
政府委員
(片岡誠君) 公安
委員
会でございますけれども、あとの
規定
によりまして、
短期間
の
規制
に限りましては署長に公安
委員
会が
規制
を委任する
規定
がございますので、場合によりますと
警察署長
も
短期間
におきましてはやることが可能であります。
和田静夫
72
○和田静夫君 第八条第二項の「
警察署長
が
政令
で定めるやむを得ない
理由
」、これはおもにどんな
理由
ですか。
片岡誠
73
○
政府委員
(片岡誠君) その沿道に車庫を持って車を持っている人、そういうことで、自分の車で自分の家から出かけて行く場合はやむを得ない場合というふうに考えております。
和田静夫
74
○和田静夫君 第八条第五項の、
警察署長
が必要があると認めるとき、その
許可
に条件を付することができる、この付することができる条件とは、たとえばどういうことを想定されているのですか。
片岡誠
75
○
政府委員
(片岡誠君) たとえば、ある
一定
の様式のステッカーを渡してそれを掲示することを条件にする、そういうことを考えております。
和田静夫
76
○和田静夫君 近年、ニューヨーク五番街の
歩行者
天国のあとを受けて、日本の各市においても続続と
歩行者
天国が出現したわけですが、日本ではまだ
交通
規制
の観点からだけこの
歩行者
天国が考えられがちであります。しかるに、
自動車
文明の本家本元であり、
自動車
のはんらんに早くから悩んでいたアメリカでは、これはいわゆるいわれるところの都心の死の再生というそういうところに発想の基本があったわけですね。そうすると、アメリカの
都市
における都心というものの衰微のプロセスというものを見てみますと、まず第一段階は、都心への郊外からの出入りを容易にする目的でハイウエーがつくられた。ところが、その
都市
にはすでに
自動車
があふれていたわけですから、そこにより多くの
自動車
が進入してくれば混乱が加
速度
的に増大をするのはあたりまえのことです。この混乱を解決しようとして
都市
内高速
道路
がつくられた。
都市
内で
自動車
がスムーズに動けば動くほどまた外から入ってくるわけですから、まるで解決がつかない、イタチごっこ、こういう形になっているのがほんとうのところだと思うのです。そして
自動車
にたよる限りは
駐車
場の用地が必要になります。あるいは
駐車
場の用地の必要性というのは、資本力の弱い中小商店やあるいは一般住宅、あるいはマイカーを持った勤労者、そういうものを市外へ追い払うという結果になってしまう。で、都心に中小商店や住宅がなければ、都心にそのにぎわいを求めてきた人の大半はもはや来る必要がなくなる。都心は住民を失う、商売を失う、まあこういうことになった。都心は
自動車
とハイウエーと高層ビルのジャングルとなってしまって、そして人々は郊外へ逃避をして、すばらしいスーパーマーケットを獲得したけれども、まあダウンタウンのスラム的な
状況
ということを
経験
をする。そういう都心の死が現実世界的にあるわけですね。そこで、いろいろいわれるところの都心の再生を目ざす
都市
計画が考えられ始めて、その中から
歩行者
都市
の構想というものも出てきたのだと思うのです。つまり従来は
自動車
のドアから家のドアヘと、そういう発想だった。その発想が別の形式に置きかえられたわけです。すなわち、都心というのは人間的活動の空間であって、一つの大きな家のようなものでありますから、この都心のドア、つまり都心フリンジの
駐車
基地、そういうところに
自動車
は着くべきであると考えられるようになった。こうしてアメリカの
歩行者
天国というものは生まれて、成功をおさめたといわれているのでありますが、そこで、この法案を読みながらいろいろこう思ってみますと、おとなのためには、木陰のベンチやあずまや、あるいは風の強い日にはしゃれたモザイクの陰にすわる
場所
がある。子供のためには、すてきな遊び場があったり、その幾つかは商店の寄付により、母親が買い物をしている最中は遊びに夢中になっている、そういうふうになれるようになっている。
歩道
沿いには喫茶店もあったり、すぐれた彫刻も置く。これらの道具立てに加えて、静かに走る電気
自動車
があって、若い娘が
運転
をして好きなところに人々を運んでいく、そういう
状況
が現出していますね。ところが、さあまだまだ日本というところでは、狭義の
交通
規制
という観点からだけこの
歩行者
天国が考えられがちであります。しかし、旭川のたとえばお買い物公園の試みにも見られますように、おいおい日本でも都心の再生という
方向
に
歩行者
天国が進んでいくでしょう。その場合に、警察当局のいわゆる
歩行者
天国に対する
理解
が一時的な
交通
規制
程度のものでしかなかったとしたら、そのことが各自治体の都心の再生、
都市
づくりとしての
歩行者
天国づくりの障害になるのではないだろうか。私はその点を非常に心配をするわけです。警察としては、自治体の
都市
づくりとしての
歩行者
天国づくりに、いわば外部的にかかわる、援助するという、そういう観点を堅持すべきだと思いますが、いかがですか。
片岡誠
77
○
政府委員
(片岡誠君) 仰せのとおりでございます。
和田静夫
78
○和田静夫君 子供の夏休みの時期に、北海道旭川の大通り公園に行ってみますと、各ブロックでは毎日毎日スイカ割りがあったり、あるいはバンドの演奏会や野外映画会という形でアイデアを競って催しものが開かれています。自治省の今日の行政担当者の中ではこれらを高く評価するという状態もあるわけです。子供を連れた家族連れが続々と押しかけてくる。あるいは道のまん中のプールで水遊びをしたり、遊ぶ用具で遊んだり、アイスクリームをねだって食べたり、いつもなら飛んで出ると叱られる
道路
のまん中を走り回ったり、三輪車を乗り回したり、子供たちが非常に楽しそうです。そうした一環として、パラソルのもとで老人連がぼんやりとコーヒーを飲み、若者が大声で議論をしていてもいいと思うのですね。
昭和
四十五年七月二十日付の警察庁の
交通
部長より各所属長あての「盛り場地区の
車両
乗入れ
禁止
について」という通達には、「集会その他
道路
における
歩行者
交通
の障害となる行為は
許可
しない。」とあるのですね。こういうふうな通達がありますが、私は、この
規定
によって私がいま述べたような
歩行者
天国のイメージが圧殺されることがあってはいけないと思うのです。それはいかがですか。
片岡誠
79
○
政府委員
(片岡誠君) そういう、町の中にいわば広場ができ、そして
都市
計画としての広場ができた、市民のいこいの
場所
ができた場合、これは先生おっしゃるように、それが、子供も遊び、若人も集まり、年寄りも老人も高齢者の人もそこでいこいをとるという市民のセンターとなることは、私ども望ましいことだと思っております。ただ、現在やっております
歩行者
天国は、日曜日の午後なら日曜日の午後、車をとめて、そしてそこで
歩行者
に安らぎを与えるといいますか、排気ガスの少ない、そこで
歩行者
がのびのびと買い物をしたり、あるいは散歩をしたりできる、そういうことを考えて現在の
歩行者
天国はできておると思います。だから、その子供が遊んだり、お年寄りの人がいこいをとったり、若人が恋人と散歩をしているといったその雰囲気を保つ限度におけることはいいんじゃないかと思いますが、そういうほかの人たちの楽しみを阻害するような集会とか、そういう団体的な行動というものは避けるべきではないだろうか、かように考えております。
和田静夫
80
○和田静夫君 先ほど述べた限りのことについては別に否定的ではない、こういうことになりますか。
片岡誠
81
○
政府委員
(片岡誠君) 旭川の例のような
都市
計画としてのそういう
場所
については、全然否定的じゃございません。
和田静夫
82
○和田静夫君 次に、
自動車
教習所の
関係
で質問をいたします。 まず、第九十八条の第一項の字句の
変更
の趣旨ですね。
片岡誠
83
○
政府委員
(片岡誠君) これは従来、「
自動車
の
運転
に関する技能及び
法令
、
自動車
の
構造
及び取扱
方法
」とございましたのを「
自動車
の
運転
に関する技能、
知識
」というふうに改めて、つまり従来は、
法令
は
法令
、それから
自動車
の
構造
及び取り扱い
方法
は取り扱い
方法
、このように分けて考えておりましたけれども、単にそういうばらばらではなくして、
法令
とそれから初歩的な
自動車
工学についても、また安全な
運転
に関する
知識
も、そういうものをすべて総合的に考えて、
自動車
の
運転
に必要な
知識
ということを総合的に考えて、今後教えるについてはそういうものを総合的に教える、それからさらに、
試験
の問題につきましても、
学科試験
も統一してやる、ばらばらではなくして統一した
知識
として考えていく、そういう意味合いでこの条文を
改正
しようとしております。
和田静夫
84
○和田静夫君 九十八条第一項の指定教習所として指定する、その
政令
で定める基準はどんな
内容
ですか。
片岡誠
85
○
政府委員
(片岡誠君) 現在、道交法の施行令三十五条で「(
自動車
教習所の指定の基準)」として考えておりますのは、一つは、
一定
の条件の
管理者
がいるということ、それから
一定
の条件の技能教習の指導員がいること、また
一定
の条件を持った
法令
教習の指導員がいること、それから
自動車
の
構造
及び取り扱い
方法
の教習をする指導員がいること、それから技能の検定に従事する技能検定員がいること、それから
一定
の規模の施設を有すること、その他教習に必要な種類の
自動車
を備えておることであるとか、いろいろそういう人的、物的の条件について基準を
規定
してございます。
和田静夫
86
○和田静夫君 九十八条に第六項が加えられたのですが、この
指定自動車教習所
の
管理者
にとって、指導員や技能検定員に
講習
を受けさせること、それが
義務
化されたわけですね。この趣旨をちょっと再度説明をしてください。
片岡誠
87
○
政府委員
(片岡誠君) 現在行政指導で、指定教習所の指導員とか、あるいは技能検定員であるとか、あるいは
管理者
そのものにつきましても
講習
を行なっております。しかし、そういう指定教習所が入門教育として非常に重要な施設でございますので、入門教育に従事しております指導員であるとか、あるいは技術、技能の検定員の資質を向上したいということで、いままでの行政指導を法的にも
整備
いたしまして、指定教習所の
管理者
の管理に属している指導員、検定員の
講習
をいたさせなければならない
義務
を課した、そうしてこれによって指導員なり技能検定員のレベルアップをはかりたいというのが私どもの考えでございます。
和田静夫
88
○和田静夫君 そこで、その
講習
ですが、百八条の二によりますと、「公安
委員
会は、
総理府令
で定める」とある、そうして行なうことにされておるわけですが、この
総理府令
の予想される
内容
を示していただきたい。
片岡誠
89
○
政府委員
(片岡誠君) これは
講習
の
対象
となる人はだれであるか、それから
講習
の
内容
はどういう
内容
であるか、あるいはさらにその
講習
の内訳でございますが、時間数であるとか、
講習
の実施の
方法
であるとか、そういうカリキュラムをこの
総理府令
できめてまいりたいと、そのように考えておるわけであります。
和田静夫
90
○和田静夫君 この百八条の二によりますと、この
講習
というのはあくまでも公安
委員
会がやることになっておりますね。
交通
安全協会や
指定自動車教習所
協会などに委託してやることもこれはあるわけですか。
片岡誠
91
○
政府委員
(片岡誠君) 百八条の二の第二項に、「公安
委員
会は、
総理府令
で定める者に前項に
規定
する
講習
の実施を委託することができる。」という
規定
がございます。これらの
講習
を行なうに足りる施設なり要員なりを持ち、しかも公共性のあるものに委託をいたしたい。具体的には、先生御指摘の安全協会なり、あるいは
指定自動車教習所
協会でその任にたえるものに対しては委託をしていきたい、このように考えております。
和田静夫
92
○和田静夫君 指導員など、一名について年間どのくらいの時間をお考えになっているわけですか。
片岡誠
93
○
政府委員
(片岡誠君) これは指導員になる場合の初任の教育と、それから現に指導員をしておられる人たちに対する再教養と申しますか、現任の教養と二つに分けて考えております。初任の教養につきましては現在もやっておりますし、また現任の教養につきましても現在やっておりますが、初任の教養につきましては大体百数十時間の教養を最低限度として実施する必要があろうと思います。それから現任の場合につきましては、現在まだ検討中でございますが、必ず年に一回やるようにするのか、あるいは三年に一回にするのか、その辺につきましては今後具体的に
指定自動車教習所
とも相談しながら、具体的な実現可能で中身のある教養を考えていきたい、そのように考えております。
和田静夫
94
○和田静夫君 その予算の
措置
はどうなりますか。
片岡誠
95
○
政府委員
(片岡誠君) これは
指定自動車教習所
の
管理者
のほうから公安
委員
会が
講習
の手数料をとり、公安
委員
会がみずから実施するときはその責任で行ないますし、委託で行なう場合にはそれに応じて委託費を支出してやらすということになろうかと思います。
和田静夫
96
○和田静夫君 その額はまだきまっていないわけですか。
片岡誠
97
○
政府委員
(片岡誠君) まだこれは現在検討中でございます。
和田静夫
98
○和田静夫君
昭和
四十五年七月一日付で各管区警察局長、警視総監、各都道府県警察本部長、各方面本部長宛に、「
指定自動車教習所
の指導員等に対する教養の
推進
について」という
交通
局長通達が出されております。そこで、まず、「
指定自動車教習所
の指導員および技能検定員に対する教養の実態については、さきに
昭和
四十五年五月二十一日付、
運転免許
実務資料第二四号により示したとおり、全般的に低調であり、」とありますが、
昭和
四十五年五月二十一日付
運転免許
実務資料第二四号に示された実態ですね。これを少し詳しく説明いただきたい。
片岡誠
99
○
政府委員
(片岡誠君)
昭和
四十五年七月以前の
状況
でございますが、たとえば技能指導員の場合、公安
委員
会の審査を受ける前には四十一府県しか
講習
をしていなかった。審査後は十八府県しかしていなかった。それから現任といいますか、現任の人に対しては三十八府県しかやっておらなかった。技能検定員の場合には、審査前二十九県、審査後二十九県、現任については四十四県で、これは大
部分
の府県がやっておったわけです。それから現任の
講習
をやります場合の受講
状況
はどうであったかと申しますと、技能指導員の場合には三〇%ばかり、それから技能検定員の場合、これは高うございますが、七四・六%というような状態であって、これでは指導員の資質の向上に欠けるところがあるということで、この通達を出した、そのようないきさつでございます。
和田静夫
100
○和田静夫君 さらに、この通達には、「警察庁としては、これらの者に対する教養が全国的に
推進
されるのをまって、その制度化について検討することとしたい」とあります。したがって、それを待って、結局今回の法
改正
は、ここで言われている制度化を意味すると思われますが、そこでその前提とされている指導員等に対する教養の全国的
推進
状況
ですね、これを示してください。
片岡誠
101
○
政府委員
(片岡誠君) まだ出したその後の全国的な集計はしてないようでございますけれども、たとえば警視庁の例を申し上げますと、昨年の七月から本年の四月までの間に新任教養を十一回やり、現任教養を八回、それぞれ実施しておるということでございます。
和田静夫
102
○和田静夫君 これは全国的にはいつごろですか。やられるわけでしょう。
片岡誠
103
○
政府委員
(片岡誠君) 一年たったら結果をとろうと思っておりましたが、いずれ結果を全国的に集計いたしたいと思っております。
和田静夫
104
○和田静夫君 集計が出たらあとで資料として……。 記の一の(2)に関連をしてちょっとお聞きをいたしますが、指定教習所協会及び各指定教習所、ここにおける教養
推進
委員
会または教養
推進
班を
設置
するように指導されたわけですが、この
設置
状況
はどうなんですか。
片岡誠
105
○
政府委員
(片岡誠君) これもどうも申しわけありませんが、正確に数を確認しておりませんけれども、各県に教養
推進
班か、
推進
委員
会はできておるものと私ども考えております。
和田静夫
106
○和田静夫君 この
法律
のここの制度の
部分
については、いま読み上げた文章にあるように、教養が全国的に
推進
をされるのを待って制度化するかどうかを考えて、その結果に基づいて制度化する必要があれば制度化する、したがって、法
改正
をする。そうすると、集約されていないということになったら、検討が終わっていないのだから、このいま出されておる
法律
の
改正
というのは、たいへん実態的なものではなくて希望的に出されておる、こういうことになって、ここの
部分
の
改正
というのはまだ早過ぎる。実態的にはもっともっと検討しなければならぬのだから、ここの
部分
というのは
法律
は要らぬのじゃないか。したがって、もう一ぺん衆議院に戻したらどうだ、こういうことになると思うのです、この通達の趣旨からいけば。
片岡誠
107
○
政府委員
(片岡誠君) この通達を出すと同時に、その時代からもすでにこの
法律案
の
改正
は御承知のように案としての準備作業は進めております。私どもはこの通達を出すことによってまず事実上体制を
整備
して、そして
法律
ができたあかつきには、それがスムーズに実行されるような、そういうことを期待して行政的に指導を進めておるというのが現状だと私は思っております。したがいまして、この指導員の資質向上のためには、やはり何と申しても
法律
的な
義務
化があれば、より
徹底
することであろうと思いますし、そういうことで今後とも進めてまいりたいと思いますので、御了承いただきたいと思います。
和田静夫
108
○和田静夫君 さらに、この通達には、「指定教習所協会に対し、各指定教習所の業務運営および
都道府県公安委員会
が行なう審査業務との
関係
等をも考慮させたうえで、指導員等に関する年間教養計画を策定させ、かつ、その実施に関し必要な予算
措置等
を講ずるように指導するとともに、可能な
範囲
内で、講師の派遣その他の便宜を供与すること。」とあります。東京
指定自動車教習所
協会が、この通達が出された四十五年七月一日以降行なったこのための予算
措置
というのはどの程度のものでしたか。
片岡誠
109
○
政府委員
(片岡誠君) 至急に調査して、後刻お知らせいたしたいと思います。
和田静夫
110
○和田静夫君 後刻というのは、いま
委員
会をやっている間ですか。それは間に合わないわけですか。
片岡誠
111
○
政府委員
(片岡誠君) いま電話で聞き合わせをやらせます。
和田静夫
112
○和田静夫君 そこで、警視庁がこの通達に基づいて、四十五年七月一日以降、東京指定教習所協会に対して講師の派遣その他の便宜供与を行ないましたか。
片岡誠
113
○
政府委員
(片岡誠君) 当然行なっているものだと思います。ただ、手元には具体的な数値については資料がございません。
和田静夫
114
○和田静夫君 そうすると、いま便宜供与の
内容
を示してもらいたいのですが、それはちょっと答弁できませんか。これちょっと私の質問に関連するから至急に調べてくれませんか。ほかのところを先にやりますから。
片岡誠
115
○
政府委員
(片岡誠君) いま至急に調べさせます。
和田静夫
116
○和田静夫君 それで、そこの調べが終わるまで、ちょっと自治省
関係
を質問いたします。 自治省は昨年の末に、
昭和
四十四年四月一日から四十五年三月三十一日までの地方公務員の分限、懲戒及び刑事事件者数に関する調査結果を発表されましたですね。これによる道交法
違反
の処分者の
状況
をちょっと知らしてください。
山本明
117
○
政府委員
(
山本
明君) お答えをいたします。 道交法
関係
で戒告を受けました者が千四百八十二人、それから減給になりました者が千六百三十七人、これは職務遂行中とその他を合わせておりますから。停職が二百九十二人、免職が四十人、これは職務遂行中ではなく職務外だけでございます。合計いたしまして三千四百五十一人、これが懲戒処分者数でございます。
和田静夫
118
○和田静夫君 そこで、いまの結果についての自治省の判断をお聞きしたいんです。
山本明
119
○
政府委員
(
山本
明君) 実は昨年、一昨年でございますか、前年もこういう調査をいたしたのでございますが、前年度に比べまして特異な傾向は、いわゆる汚職
関係
の処分は減っておりまして、逆に
交通
、道交法
関係
の
違反
関係
で処分される者がふえてきておるという傾向が一つあるようにわれわれは見ております。それから職務遂行中とその他職務外と比較をいたしてみますと、大体同じ程度の処分者が出ておる、こういう傾向が出ております。
和田静夫
120
○和田静夫君 ところで、
自動車
事故の非常にふえるのに伴って自治体の職場でいま非常に緊急な問題となっているのが、一般職員が公用車の
運転
、あるいは私用の車の公用への使用、利用というのですか、農業改良普及所やあるいは社会福祉のケースワーカーなど、
広域
にわたる職務を持つ職場で、車の利用が非常に高くなって増車要求が非常に強いわけですね。しかし、当局は経費削減策で増車要求にはなかなか応じてくれません。また、たとえ車をふやしてくれたところで、それに見合う
運転者
を増員してくれるわけじゃないのですね。勢い私用の車を便宜的に使うか、あるいは一般職員がふやしてくれた公用車を
運転
するか、こういう形にならざるを得ないんですね。実態です、これは。そこで、経費削減、
合理化
による一般職員の公用車の
運転
、あるいは私用の車の公の目的への利用、それが非常にふえる傾向がありますが、そうした傾向こそは、実は自治体における
自動車
事故の、先ほど述べられた数の伏線になっている、そういうふうに言えるんじゃないかと思うんですがね。どうですか。
山本明
121
○
政府委員
(
山本
明君) そこまで言えるかどうか、ちょっと私も断定がしにくいのでございますが、現に先生のおっしゃいましたように、私用車を公用に使うという傾向は、府県あたりでふえてまいっております。その場合に、いまおっしゃいました
交通事故
の問題もございますし、あるいは事故を起こした場合の責任の所在、賠償の問題等もございまして、実は私のほうで目下実態調査と、それに対します指導のあるべき姿というものを検討したいというので、昨年からこの問題に取りかかっておるのであります。といいますのは、先ほど先生もおっしゃいましたように、現にそういう傾向が多くなっていく実態をそのままほっておくわけにいきませんもので、それにつきましては検討しておる。一般的にやはり
交通事故
が、公務員だけでなしに全般的にふえていく、その中の一環として公務員
関係
もふえてきておるのではないだろうかという気がいたしますけれども、直ちにそれが結びつくかどうかということはちょっと断定がしにくいと私は思います。
和田静夫
122
○和田静夫君 いわゆる私用の車を公に使う場合ね。またガソリン代の補償があるわけじゃないし、いろいろあるでしょう。ガソリン代もくれないのに乗っておるという精神状態もありますわね。あるいは事故を起こしたときみ、いま言われたとおり、
自動車
補償してくれるのだろうか、などなどで、精神状態というのは公用車の専門
運転
員が
運転
している状態でないことは間違いない。私用車を公用に使わされている場合、そういう状態がまあ心理的に作用しているということは一面では見のがすことはできないと思います。そういう訴えがたくさんあります。だれもがあり余って持っているわけじゃない。安い賃金の中で、しかも親のすねをかじって買った
自動車
を。本人の賃金の中から買った
自動車
じゃない、こわしてしまったら二度と買えるか買えないかわからないようなものを持っていますから、この辺のところを考えなければなりません。したがって、補償その他のことについては、もうここまで広
範囲
に利用されてきますと、
一定
の明確な方針、指導というものを必要とすると思うのです。使っていかぬのなら使っていかぬし、使わせないためには、あとどうするかというようなことも含んで、やっぱり指導が必要だと思います。それがもう調査の結果はやれると、そういうふうに
理解
をしておいてよろしいですか。
山本明
123
○
政府委員
(
山本
明君) いま先生のおっしゃいましたように、われわれとしては、非常にふえてきましたので、この機会にはっきりしたい。だめならだめ、その場合にはどういう
措置
をとったらいいか。あるいは私用車をそういうかっこうで使うならばどういう限界まで、補償なり責任の所在なり、いろいろな問題が取り巻いておりますので、そういう問題の
措置
をしようということで、もうしばらくお待ちをいただきたいと思っております。いずれこれにつきましては基準をつくり、指導の方針をはっきりいたしたい、このように考えております。
和田静夫
124
○和田静夫君 最近のこの
交通事故
の激発に伴って、警察当局は厳罰主義で臨む。それから自治体の当局も年々処分基準は非常にきびしくなっております。公務中の
違反
であっても、その
違反
の程度によっては当局の裁量にゆだねられていますね。そこに本人の負担が強制をされていまして、一たび事故が起こると、公務中であっても本人の過誤として相当きびしい処分が行なわれる。これはまあ先ほどのこの自治省の調査結果が示すとおりでありますが、今日各自治体で、
違反
事故に対しての処分
事項
、処分の基準がつくられていますか。それはすでに集計的にはお持ちなんですか、
内容
を。
山本明
125
○
政府委員
(
山本
明君) 内規的につくっておるところの県、あるいは自治体はあるようでございますけれども、これを統計的に私のところにまとめておるということはいたしておりません。
和田静夫
126
○和田静夫君 それで、いま言いたいのは、この公務中の事故について非常に処分がきびし過ぎるような感じがするのです。これはまあ調査がその辺に立ち入った調査でないとよく判断をされないのかもしれませんが、いまどのようにお考えになっていますか。
山本明
127
○
政府委員
(
山本
明君) 先ほどもお答えいたしました資料からでございますので、あるいは具体の問題と直ちに結びつくかどうかは存じませんが、先ほどお答えいたしました統計資料の中で、免職につきましては、公務外が四十名で、職務遂行中はゼロでございます。それから停職につきましては、職務遂行中が二十五名でございまして、職務外が二百六十七名でございます。それから減給は、職務遂行中が九百八十一名で、その他が六百五十六名ということになっておりまして、戒告の方が、職務中が八百十名で、職務外が六百七十二名、これが同じ事故であるかどうかという問題はありますけれども、きびしい処分は少なくて、むしろ戒告とか減給とか、そういうほうがふえておるということで、この数字から見ますと、職務遂行中につきましては、かなり各自治体の当局が情状等につきましては十分な配慮をするという意向があるのではないだろうかという気がするわけでございます。
和田静夫
128
○和田静夫君 その減給の
部分
ですね、この公務中の事故と減給というもの、実際の処分ですよ、これがこういう状態であっていいのかどうかということを思うのですよ。ほんとうはこの辺は一ぺん精査をされながら、やはりもっと公務中のものについては、二重罰なんですから、自治体はその減給の
措置
というものが一体妥当であるかどうかということの検討を一ぺんやる必要がありませんか。それは免職はいまのところ出ておりませんけれども、その他のものについても同様です。言ってみれば、将来のいわゆる昇給、身分上に
関係
をそのことがしていくという形のそういう処分傾向というのはあまりよろしくない、公務中のものについて。そう思いますね。
山本明
129
○
政府委員
(
山本
明君) これは数字だけのものでございますので、
内容
的にいま先生のおっしゃいましたようなものがあるかどうかということは、これは実はなかなかわかりにくいのであります。しかも、これを調査をするといいましても、かなり内規でやっておりましたり、それから各自治体それぞれの事情の中でこういう判断をされているのではないか、したがって、職務遂行中が減給では九百八十一であり、公務外では六百五十六というこの数字から見ますと、そういうような考えもあるいは持たれるかもしれませんですけれども、ちょっと全国的な段階において精査をすることが非常にむずかしいのではないだろうかという気はするのでございます。
和田静夫
130
○和田静夫君 公務中の事故ですね、これに関連をするところの事故について
一定
の見解を示されるというお考えはあるのですか。これを、いま現状起こっているものを精査をすることがむずかしいとすれば、これまで行なわれているような調査結果に基づいて、あるいは先ほど私が述べたような形のもので、調査不十分な分についての補完的な調査の結果に基づいての処分そのものについて何か指針を出されるなどという考えはあるのですか。
山本明
131
○
政府委員
(
山本
明君) これも先ほどからお答えいたしておりますように、
交通事故
は多くなっていっております。
交通
事情が悪くなっていっている現実でございますが、これに対してどういう指導といいますか、懲戒処分のどの辺までの基準ということは非常にこれはむずかしい問題だと思いますので、観念的には先生おっしゃることはよくわかるのですけれども、はたしてこれを指導する場合、基準をきめるという場合、非常にむずかしい問題ではないだろうか、お気持ちはよくわかるのでございますけれども、この場で基準を示しますということもちょっと私自信がございませんので、今後の検討
事項
にさせていただきたいと思います。
和田静夫
132
○和田静夫君 特に当局の裁量にのみゆだねられているのはまことに不公平だと思いますですよ。もちろん当局が、たとえばそれを見ている、観察する状態にあった同僚を呼ばないなどということはないと思いますが、いろいろな角度からもちろん考えられると思うけれども、妥当な、いわゆる当局のみではなくて、たとえば職員団体の代表であるとか、あるいは職場の代表であるとか、そういうものの
意見
を徴するということを当然やはり指導すべきではないですか。
山本明
133
○
政府委員
(
山本
明君) 私は当局だけでやっておるというような認識はないのでございまして、過去、私たちも県におりましたときには、そういう事故を起こしました場合には、警察とか、
関係
者のできるだけたくさんの方に事情を聞きながら処分をしていく、これは本人の将来にも影響することでございますので、非常に慎重にやるべきだと私は思っておりまして、自分の即断だけでこれをきめるということはいけないことだと、そういうように考えております。だから、そういうかっこうのものもあまりないのじゃないかと思いますが、私も先生と同じで、できるだけ多くの人の
意見
を聞いて、客観的な事実の認識の上に立って、しかも十分情状酌量しながら処分すべきである、このように考えております。
和田静夫
134
○和田静夫君 まず何よりもそういう事態が起こらないことが一番いいのであって、
交通事故
全般に対する
防止
策、そのためには地方行政上、
道路
の
整備
、あるいは立体交差などの安全対策というものが自治体の責任で抜本的にはかられなければならないわけですね。また、自治体の職場の場合に、
運転
手の不足とか、それによる過重労働が事故発生の遠因になっている。で、
自動車
数に見合った人員の
確保
をまず第一にする。それから休憩施設の完備や走行キロ、走行時間の
制限
などの労働条件の改善、そういうものについては、やはり
一定
の配慮があってしかるべきだと思うのです。どうですか。
山本明
135
○
政府委員
(
山本
明君) おっしゃいましたように、最近非常に
交通事故
が多くなってまいりますから、職員の安全管理といいますか、そういう面からの、いまおっしゃるような問題につきましては十分指導してまいりたい、このように考えております。
鈴木金太郎
136
○
説明員
(
鈴木金太郎
君) 先ほどのお尋ねの問題につきまして、照会の結果を御報告申し上げます。 東京
指定自動車教習所
協会の
技能指導員等
につきましての年間の教養に関する予算の計上でございますが、これは総額百九十六万円、
昭和
四十五年度に計上しております。内訳は、細目は取っておりませんが、会場の借り上げ費、講師の謝礼、それから消耗品費等でございます。 それから、警視庁におきましてどのような便宜供与をしておるかということでございますが、これにつきましては、同年度におきまして、講師の派遣が二百六十八人、それから会場の提供が指導員に関して十六回、それからその他教養計画の作成についての協力、教養資料の作成についての協力をいたしております。 以上でございます。
和田静夫
137
○和田静夫君 四十五年七月一日以降、東京指定
自動車
協会の行なった
講習
というのは何回ありますか。
鈴木金太郎
138
○
説明員
(
鈴木金太郎
君) 新任教養につましては十一回、現任教養につきましては八回でございます。
和田静夫
139
○和田静夫君 そこで、便宜供与の中で、講師二百六十八名の派遣ですね、そこでいまの十一回と八回についての講師名と講義
内容
を知らせてもらいたいのですが。
鈴木金太郎
140
○
説明員
(
鈴木金太郎
君) 調査いたしまして報告いたします。
和田静夫
141
○和田静夫君 そこの
部分
はあとに回しますが、指導員の資格の取得について伺いますが、現在、指導員の資格を取得しようとする場合、大多数の県で、まず教習所に就職をして、そこの
管理者
の推薦を得なければ
試験
を受けられないようになっています。その法的根拠というのは何ですか。
片岡誠
142
○
政府委員
(片岡誠君) 先ほどもお話ししましたように、「(
自動車
教習所の指定の基準)」として
道路交通法
施行令の第三十五条がございます。その中で、三十五条の二号に、「次に掲げる要件を備えた
自動車
の
運転
に関する技能の教習に従事する者が置かれていること。」、これはいわゆる技能指導員でございます。それから、三号には
法令
指導員、四号には
構造
の教習の指導員、こういうふうに
指定自動車教習所
の指定の際の
設置
の基準として指導員の地位がきめられておる。したがいまして、
指定自動車教習所
の指定を申請しようとする
設置
者なり
管理者
は、公安
委員
会の審査に合格した指導員数が
一定
数置かれているということが要件になっておるわけでございます。したがいまして、推薦というわけではございませんけれども、技能指導員という人の
法律
上の地位は、
指定自動車教習所
の技能指導員であるという
法律
的な地位でございますので、申請をするのは
指定自動車教習所
の
管理者
あるいは
設置
者が公安
委員
会にその申請をする、そういう手続になっておるわけでございます。
和田静夫
143
○和田静夫君 一度資格を取得した人でも、
一定
期間教習に従事しないとその資格を喪失するわけですね。その期間が大体三カ月から一年の間、これは各県まちまちですね。これは非常におかしいんじゃないかと思うんですよ。
運転免許
の資格がたとえば有効期限三年ですから、それに準拠して、三年なら三年に統一するのが適当だと思うんですが、いかがですか。
片岡誠
144
○
政府委員
(片岡誠君) 免許の場合は自分で
運転
をするわけでございますけれども、指導員の場合は、自分で
運転
するだけではなくして、人に教えるという業務が加わっており、また
運転
能力も十分一般の人よりはすぐれておるということが要件かとも思います。それが
一定
期間業務に従事しておらなければ、やはり指導能力が劣っていく、忘れていくということになろうかと思いますので、その点を基礎として、
一定
期間業務につかなかった場合に再審査をしておるというのが現状だと思います。しかし、これは現在各府県の公安
委員
会の具体的な判断にまかされておりますので、県によりまして
一定
期間が相異なる、斉一でないというのが現状だと思います。この辺につきましては、今後できるだけ——各県の公安
委員
会の判断もあろうかと思いますけれども、全国的な斉一した
方法
に調整をしていきたい、そのように考えております。
和田静夫
145
○和田静夫君 ちょっと、私、午前中いなかったので、二、三重複するかと思うんですが、あとの質問との
関係
もありますので、もう一ぺん確かめますが、指導員の資格というのは
自動車
教習所にある、個人にはないんですか。
片岡誠
146
○
政府委員
(片岡誠君) 指導員そのものは、公安
委員
会が行なう審査に合格した者であるということ、それから二十一歳以上の者であるということ、それからもちろん
運転免許証
を持っておるという者がかかっておりますけれども、そういう要件を備えておる者を指導員と、このように言っております。その点では、公安
委員
会の行なう審査に合格したというのは個人が合格しておりますので、個人の資格だと私思いますけれども、
指定自動車教習所
の
設置
、存続の要件の一つであるという意味で、
指定自動車教習所
における指導員であると、そういう
法律
的な地位にあろうかと思います。
和田静夫
147
○和田静夫君 したがって、資格というのは個人ですね。
片岡誠
148
○
政府委員
(片岡誠君) 仰せのとおりです。
和田静夫
149
○和田静夫君 そうなると、指導員の資格証というのは、これは個人に交付されるわけでしょう。
片岡誠
150
○
政府委員
(片岡誠君) その本人が公安
委員
会の行なう
試験
に合格したということ、本人に対しての審査に合格したということは、合格証は当然本人に帰属するものだと思います。しかし、
法律
的に技能指導員というのは、繰り返して申しますけれども、二十一歳以上の者であるということと、
運転免許証
を現に持っておって、そうして公安
委員
会の行なう審査に合格した者であるというのが
法律
的には技能指導員の要件であるというふうに私ども
理解
しております。現行法の解釈でございます。
和田静夫
151
○和田静夫君 だから、端的に言って指導員の資格証というのは、その指定教習所が受けるんではなくて個人が受けるんですね。
片岡誠
152
○
政府委員
(片岡誠君) 資格証といいますか、審査に合格したという書面を資格証と
理解
すれば、それはもう本人に帰属するものだと思います。
和田静夫
153
○和田静夫君 したがって、その資格証というのは本人が持っているべきものですね。
片岡誠
154
○
政府委員
(片岡誠君) 資格証という要件があるのではなくして、その審査に合格したということ自体は本人に帰属いたしますので、たとえば、Aという
指定自動車教習所
に勤務しておろうが、今度Bという
指定自動車教習所
に勤務しておろうが、審査に合格しているということにつきましては全く
同一
である。現在も、したがいまして一つの
都道府県公安委員会
の管内においてはそのような取り扱いをしているのが現状でございます。
和田静夫
155
○和田静夫君 固有名詞がいけなければ、合格をしたことを証する証書は本人のものであって、いわゆる他の団体のものではない、これはもう明確ですよね。
片岡誠
156
○
政府委員
(片岡誠君) 仰せのとおりでございます。
和田静夫
157
○和田静夫君 ところが、これはまあ後ほど何ですが、たとえば教習所をやめるときですが、履歴書と一緒に教習所に出している資格証書、本来履歴書を出すときに写しを貼付して出して、したがって、大学の卒業証書なら卒業証書、学位証なら学位証なんというものを見せて、こうしてぽんと判を押せば、それで終わりですね。官庁だってそうです。ところが、どうもやっぱり人間が足りぬということもあったりして、資格を証する証書を教習所ががっちり握っておって、本人に自由がない、こういう状態がかなりある。この辺はやっぱり、ぼくは憲法上も少し疑義があるような気がするぐらい、かなりあくどいことが行なわれている。その辺の指導は厳格に一ぺんやってもらう必要があると思います。
片岡誠
158
○
政府委員
(片岡誠君) あまりそう多くある事例じゃないと思いますけれども、あるいはまれにある事例かもしれませんけれども、そういうことは厳に指導いたしたいと思います。
和田静夫
159
○和田静夫君 これは非常に多くある事例です。現状がそうなっていますから、その辺はやっぱりいま答弁があったように厳格に区別させるとかさせないとか——指導員がほかの教習所に移籍するというのは自由なわけですね。で、教習所協会というものが指導員の移籍を
禁止
あるいは
制限
する協定、申し合わせをどうもやっているらしい。これはもう職業選択の自由に私は抵触すると思う。憲法二十二条の
違反
が考えられます。で、これはそういうことのないような指導を求めたいと思うのですが。
片岡誠
160
○
政府委員
(片岡誠君) 移籍を禁ずることはもちろん憲法上の問題だと思いますけれども、
指定自動車教習所
間でお互いに、何といいますか、引き抜きをお互いにしないでおこうという空気はあるやに聞いております。これはもうお互いに引き抜き始めると、企業そのものとしても乱戦模様になると思われるし、ただ、本人が自由意思において移っていくのを
禁止
するというのは私は問題だと思いますので、その点については厳に指導したいと思っております。
和田静夫
161
○和田静夫君 現在、人手不足ですね。七〇年代、特にその辺の不足はずっと考えられることです。しかし、先ほど来指摘しましたように、一つは、どうもやっぱり指導員の資格が、三カ月とか六カ月とか教習に従事しないと喪失するという問題があって、握っておって、やり合っているうちに三カ月たつとか、具体的に訴えがありますがね。個人の名前をあげてもいいぐらい、明確に、署名されて判を押している。指導員たちにも私は会いましたから、これはもう明確です。退職願いを出して成規の手続でやめると言っている。ところが、それに対してまで、言ってみれば、資格を取ったことを証する証書を渡さないですからね。そうして係争していれば三カ月ぐらいでだめになってしまうから、本人は不利になるから無理やり残らなければならないなどというような形が起こっております。一例じゃないんです、調べてみましたら。教習所をやめるときには教習所からは当然、証書を返す。で、もちろん証書は教習所で何も持っている必要はないんで、採用のときにちゃんと庶務課が写しを確認すればいいんですから。そういう指導員の人権を守るという観点から考えても、指導員業務に少なくともかなりの年限——そんな長いということにはならぬでしょうけれども、少なくとも三年ぐらいが常識じゃないかと思うが、そういう資格がなくならないようにする、そういうことも含んで、先ほど来答弁がありましたが、十分にやっぱりこの機会に考えていただきたいと思います。
片岡誠
162
○
政府委員
(片岡誠君) 私ども、やはり指導員自身の資質の向上をはかっていくと同時に、その指導員のもちろん人権に影響を及ぼすような行為を
指定自動車教習所
の
管理者
がすることのないように、厳重に監督指導してまいりたいと思います。
和田静夫
163
○和田静夫君 それで、教習中の安全
確保
、事故
防止
のためにどのような行政指導をされているのか。
片岡誠
164
○
政府委員
(片岡誠君) 一つは、御承知のように、車に補助
ブレーキ
がついておること、それから、もちろん指導員自身に対する教育を
徹底
して行なっていくという指導をしておるわけでございます。それからもう一つは、車自身の
整備
点検を十分にやらせていって、
車両
自体の
整備
不良による事故の起こらないようにする、大体そういう点の指導をさせております。
和田静夫
165
○和田静夫君 セパレートシート、あるいは指導員用のいわゆるアクセルあるいはクラッチ、ハンドル、そういうものを備えた車というのを
義務
化されて、そういうような安全
装置
のないもので高速道教習をやるなどということは事故につながるものですから、そういうことはもうやめさせる、そういうお考えはありませんか。
片岡誠
166
○
政府委員
(片岡誠君) 現在、御承知のように、補助
ブレーキ
だけでございますけれども、これはやはりステアリング——ハンドルのほうも、同じように指導員のほうも機能するといったような問題とか、あるいはアクセルのほうもあろうかと思いますけれども、今後の技術開発なり研究の問題として考えていきたいと思っております。
和田静夫
167
○和田静夫君 まだちょっと調査が終わらないようですから、最後の総括的なもので四、五点確認しておきたいと思うのですが、この日本の
自動車
の保有台数、これは調査結果によると、
昭和
四十三年末で一千三百六十万台、四十四年で千六百二十万台、四十五年で千八百六十万台、こういうことで、年々約二百五十万台増加しておる、こういう趨勢で、
昭和
五十年には三千万台前後になると言われておりますね。で、
交通事故
による死傷者の数は、同じ年度で調べていくと、四十三年八十四万二千三百二十七、四十四年九十八万三千二百五十七人、四十五年九十九万七千八百六十一人となっていて、これは五十年には、
交通事故
による死者というのは二万二千人をこえることが予想されているというんですがね。政府として、こういうように悪化する
交通
事情に対応して、どういう施策を、長官、お持ちになろうとしておるわけですか。
後藤田正晴
168
○
政府委員
(
後藤田正晴
君) 午前中にもちょっとお答え申し上げましたが、どんどん車がふえていく、それに対応する各般の
交通
政策が非常におくれておる、そこで事故がどんどんふえる、これをどうするかということですが、私はこれは無限の問題ではないと考えています。やはり、車の増加というものについてもおのずから
一定
の限界が当然出てきます。したがって、そこらを頭に置いて、一つは、やはり長期的観点に立った総合
交通
政策を立てなければなるまい、そういう意味で、政府としても企画庁長官を長にしました臨時総合
交通
問題閣僚協議会をつくりまして、現在鋭意検討しております。で、その検討の
方向
は、やはり
一定
の目安の年度を置いて、そのときにおける
交通
総需要量はどれだけあるか、その需要量を全国的、地域的あるいは海、空、陸それぞれの
交通
機関別にどのように分担をさせるべきか、それに対応して、港なりあるいは
道路
なりをどのように
整備
をするか、あるいはまた、当該
交通
機関そのものをどのように、安全なりその他の観点からつくっていくかと、こういうような点を検討をしておるわけです。その際とかく忘れがちなのは、従来の各般の政府施策においてもそういった傾向が私はやや見られたということを率直に言わざるを得ないと思いますが、やはりそういった積極行政の
推進
の際に当然起こってくるマイナス面、これに対する対応策が忘れられがちだったと思います。そこで、私どもの立場としては、この長期総合計画の中では、やはり社会的な経費、社会的な負担、これをどのようにその計画の中に織り込んでくれるんだと、ここに力点を置いて私どもとしては主張しておるのが現状でございます。しかし、そういった長期政策もさることながら、やはり今日のこういった目前の
交通
渋滞、
交通事故
、こういうものを何とかせにゃならぬ。そこでやっぱり一番肝心なことは、従来の
交通
各般の施策、私どものやり方も含めてでございますが、とかく車中心のやり方になっておったと思います。これではいけない、やはり人中心のやり方に変えていかにゃいかぬ。これは机上の論議だけで言えば、人も車も双方うまくやるのが一番いいわけでございますけれども、実態はそうじゃない。実態は、やはりこの際は車を
規制
していく、そうして人を
優先
していくと、こういう施策に切りかえなきゃならない。そういう意味で、
都市
内における
交通
対策をどのようにするか、
都市
間
交通
の対策をどのようにやっていくか、いろいろとそういう観点で私どもとしては目前の対策を講じていく。その一環として、今回御審議願っておる道交法
改正
案の中にも、
公共輸送機関
の
優先
であるとか、あるいは
都市
内への
自動車
の乗り入れを大幅に
規制
をしていくとか、あるいは裏通りの対策をどうしていくかと、こういったことも御審議願っておるのは、私どものその考え方の一環のあらわれでございます。
和田静夫
169
○和田静夫君 昨年六十三国会で成立した
交通
安全対策基本法の二十二条に基づく
交通
安全基本計画の中の陸上
交通
の
部分
ですね——について説明を受けたいのですが、時間の
関係
もありますから、
交通
安全業務計画の作成、これはどういう程度に進んでるんですか。
片岡誠
170
○
政府委員
(片岡誠君)
交通
安全対策基本法に基づく
交通
安全基本計画というのは、政府の計画につきましては、御承知のように、三月三十日付でされております。府県は府県でおのおの計画を立てていると思いますが、私どものほうと
道路管理者
で一緒にやります安全施設等の緊急
整備
五カ年計画に基づく都道府県の計画につきましては、現在各府県で市町村段階から積み上げをやっております。そして六月の三十日までに
国家公安委員会
及び建設大臣の手元にそれが府県知事から上がってまいります。で、私どもは建設大臣のほうと協議をしまして、最終的には七月の末までに国の計画として確定をしていくと、そういう手順になっております。
和田静夫
171
○和田静夫君
警察庁長官
ね、国の新
道路
整備
五カ年計画に対応して
交通
安全施設
整備
のための五カ年間で三千七百億円の予算要求をされた。四十六年二月の閣議了解では、
都道府県公安委員会
分の補助事業費六百八十億、単独事業費九百二十億、当初要求額をはるかに下回りました。これでも死亡者半減の目標は達成できますか。
後藤田正晴
172
○
政府委員
(
後藤田正晴
君) 御質問のように、私どもの安全施設に対する予算要求が大幅に削られたわけでございます。まことに私どもの努力不足を遺憾に存じておるような次第でございます。私どもとしては、そこで、この千六百億の予算をどのように使うかということで、まず一番現在の
交通
被害者のうちでの弱者保護に重点を置いていこうということで、
歩行者
と自転車に乗っている人の被害を今日より半減をさしたい、この目的は達成できるであろう。そこで、大幅に予算を削られましたので、私どもとしては、
都市
の
交通
混雑
緩和、さらにはその
混雑
から来る事故の多発、これを防ぐという意味で、当初八十四
都市
、大きな
都市
に
交通
管制システムをつくる、こういう計画でございましたが、この面の予算を大幅に私どもとしては中身として削って、二十八
都市
に減らさざるを得なくなった、この点まことに努力不足で申しわけありませんが、実態はそのように計画変えをいたしております。そこで、全体としての
交通事故
が今回の予算で半減になるかということになると、私はこれはちょっとむずかしいであろう、かように考えております。しかし、
歩行者
と自転車の弱者保護についてだけは当初計画どおりぜひ達成をしていきたい。また達成することも、私どものやり方、知恵の出し方、努力のしかたによっては可能であろう、かように考えております。
和田静夫
173
○和田静夫君 公安
委員
会分のこの四十六年度の単独事業費は概算でどのくらいになるか、いまわかりますか。
片岡誠
174
○
政府委員
(片岡誠君) 単独事業は九十九億を一応予定をいたしております。
和田静夫
175
○和田静夫君 昨年の六十三国会の
改正
で
交通
巡視員制度がつくられましたが、その後の採用、活動あるいは効果についてはいかがですか。
片岡誠
176
○
政府委員
(片岡誠君) ちょっと古い資料でございますが、二月二十日現在でございますが、すでに採用済みの人員が千百二十六名、採用内定者が五百三十一名で、千六百五十七名。これは当初の二千五百名に対する千六百五十七名でございます。その後各県で採用をさらに進め、それから三カ月の教養を経て、新任教養を経て、現場に相当数出ております。男子もございますけれども、主としてその四分の三以上が女子職員でございます。それで、現実にこの春の
交通
安全運動にも、街頭に立ちまして、各府県の県版、つまり県の新聞を見ましても、非常にマスコミでも好評をもって迎えられているようなふうに私ども受け取っております。
和田静夫
177
○和田静夫君 六十三国会の
改正
で飲酒
運転
に対する
規制
強化
を行ないました。その効果は、事故統計上あるいはその他の面ではどのような形であらわれているのですか。それからさらに、ドライブイン等においてドライバーに酒類の販売を
禁止
する
措置
というのが現在どういうふうになっておりますか。それから、
政令
で定める程度以下の酒気帯び
運転
に対して、六十五条第一項のあれの
違反
のうちで、
政令
で定める程度のもの以下に対しても、この
罰則
を科していくというようなお考えはお持ちになっているのかどうか。
片岡誠
178
○
政府委員
(片岡誠君) いま統計を少し調べておりますが、私の記憶では、飲酒
運転
そのものも、飲酒
運転
による事故も減っているように記憶しておりますが、現在、数を調べております。 それからもう一つ、昨年の
改正
で、六十五条の二項でございますが、「何人も、前項の
規定
に
違反
して
車両等
を
運転
することとなるおそれがある者に対し、酒類を提供し、又は飲酒をすすめてはならない。」という
規定
ができたわけでございますが、これには御承知のように
罰則
はございません。しかし、訓示
規定
として有効でございますので、この
規定
をもとに、ドライブインその他につきましては行政指導をいたしております。ただ、たとえば
自動車専用道路
にありますドライブインにつきましては、酒類を提供しないということも現に励行されておりますけれども、それ以外の国道筋のドライブインにつきましては、単に
運転者
への休憩だけではなくして、その周辺の方々も、そこで食事をしたり集会をしたり会合をしたりするというのがこれが社会実態でございますので、酒類の提供そのものは一般的にはしていると思います。しかし
運転者
には酒類を提供したり飲酒をすすめてはいけないという行政指導は強くいたしておりますし、また、現にそういう事実を発見した場合に、それによって事故が起こった場合といったような場合に、共犯、教唆犯、幇助犯といった共犯罪で刑事上の責任を追及していくということは現にやっております。 それから、初めの酒酔い
運転
の取り締まり
状況
でございますが、昨年の
改正
道路交通法
の施行後一カ月間、八月二十日から九月十九日でございますが、検挙件数が一万百三十四件ございました。それの中で酒酔い
運転
が六千九百六件で、酒気帯び
運転
が三千二百二十八件、酒酔い
運転
の場合のみについて見ますと、それ以前の一カ月平均の検挙件数の一万千二百六十二件と比較いたしまして大幅に、三八・六%も減少しているということでございます。また、九月中における酒酔い
運転
による死亡事故の発生件数が六十八件で、一昨年同期に比較しまして十八件、つまり二一%減少しているというようなところで、
違反
そのものも少なくなり、酒酔い
運転
による事故も減少しているということで、
法律
の
改正
そのものが有効であったというふうに私ども思っております。 それから問題は、酒気帯びに至らない状態の飲酒
運転
に
罰則
を付してはどうか、そういうことでございましょうか。——やはり現在の酒気帯びの日本の基準というのは、世界的に見て一番きつい基準だと私は思います。アメリカの場合よりもきついし、フランスがきつくして前回
改正
したのよりさらにきつい。世界中で一番きつい酒気帯びの
規定
だと私思いますので、現在この状態で
罰則
につきましては適当ではないだろうか。ただ、酒気帯びの状態に達しない場合につきましても、もちろん警告し、指導していくということはあわせてやっていきたい、そのように思っております。
鈴木金太郎
179
○
説明員
(
鈴木金太郎
君) さきのお尋ねにつきましてお答え申し上げます。 外来講師にどういう人々が来ておるかというお尋ねでございますが、いま急場でございますが、一応調べました途中のものでございますが、浅野秀慶先生、これは本願寺の僧侶の方だそうでございます。それから川本直彦先生、これは
交通
心理、それからいま名前不詳でございますが、話し方の
関係
で桜井先生、渡辺先生、それから小学校の教頭をやっておられる多田三重子先生という方、それから笹井金治先生、これはマスコミ
関係
の方でございます。大学の教授で矢沢清博先生、それからインド人の先生でアンカサーカという方、これはドライバーとしての体験その他についてお話しいただく、こういうことでございますが、なお急場でございますので、詳しいことにつきましては後ほど先生に御報告いたしたいと存じます。
和田静夫
180
○和田静夫君 講師名と
内容
はあとで教えてもらいたいし、大体私の質問しようと思ったところの確認はできましたから、続けます。 いま言われましたように、本願寺の浅野秀慶という僧侶がおられます。僧侶のお説教と
交通
安全というのは、一体どんな
関係
なんですか。
片岡誠
181
○
政府委員
(片岡誠君) 私、先ほども申し上げましたように、主としてそれが技能指導員であれば技能の
知識
についての
講習
が中核ではあろうと思いますけれども、単に自分で
運転
するだけではなくて、いわば教育者でもあるわけですし、また一方ではお客さんに対するサービスをする立場にもあろう、そしてしかもマン・ツー・マンでやるという仕事でございますから、人間
関係
と申しますか、そういうものが非常に重要なファクターでもあろうというふうに思っております。したがいまして、僧侶でありましょうと、神父でありましょうと、あるいはそれ以外の一般的な心理学、あるいはヒューマンリレーションズの
関係
の専門家であろうと、そういう人たちが講師として入っていること自体は私は妥当なことだと思っております。
和田静夫
182
○和田静夫君 そうすると、たとえば、禅宗を呼びます、浄土真宗を呼びます、あるいは一ぱいありますがね、それぞれみんなお呼びになるということにならざるを得ないわけでしょう。その率は別として、国の予算的な裏づけを持っておるそういうものに講師としてお呼びになるわけですね。これはちょっと考えなければならない筋合いだと思うんですが、その点はさらにいまは深追いしません。自衛隊の新発田の場合に、たとえば今東光さんを呼んだ。それはだめですよ。憲法九十九条の
違反
ですよ。防衛庁長官はあれは間違いでした、こういう答弁。実は決算
委員
会で私とのやりとりではそうなっているんですが、宗教的な観点から述べて、その辺がちょっとたいへん疑問に思う一つです。 それからもう一つは、いま言われるように、精神訓話とかあるいはマナーの教育、これは
交通事故
の
防止
に不必要だとは言いませんけれども、ただ教育のやり方というのは、やっぱり考えなければならないことなんでしょう。それからマナーというものが、すべての人に一体他からあれをすべきものなのか、自発性にまつべきものなのかというものも一つあるでしょうし、それから、たとえばいまの論法でいきますと、通産省は百貨店員のマナーはどこどこのお坊さんを、運輸省は私鉄の職員のマナーはどこどこの神主をというような行政指導をすべきだということになるような危険性も一面からあるような感じがしますね。これは検討すべきことであろうと思うのであります。要するに私の言いたいのは、昨年七月以降、東京
指定自動車教習所
協会が行なった
講習
というのは、お寺の坊さんのお説教だとか、やれ労使はうまくやっていかなければならないとか、教習生徒はお客さんなんだから親切にせよとか、あるいは、いまの報告のありました江戸川区内の小学校の多田教頭だといわれる方は、どしゃ降りの雨の中をかさもささずに教えてくれた指導員というものは模範とすべきだ、こういう話をされておるわけですね。そうすると警察庁は、いまの答弁との
関係
でいえば、指導員がどしゃ降りの雨の中を傘もささずに教えて、かぜをひいてもよい、肺炎を起こして指導員がなくなってもそれがマナーだ、こういうことになるんですよ。この辺はやっぱりもっともっとあれする必要があると思うんですが、いかがですか。
片岡誠
183
○
政府委員
(片岡誠君) まあ、そこまで、この講義の
内容
まで私ども指導しているわけじゃございませんけれども、講師の選定についてかりに問題があるとすれば是正してまいりたいと思いますけれども、一般的に、申しましたような、単に
知識
とか技術だけでいいかどうかにつきましては、私ども、それだけではやはりまずいのではないか。ただ、講師の選定なり——講師を選定してしまいますれば、その講師におまかせすることになろうと思いますので、主として講師の選定の問題であろうと思いますが、その辺につきましては、今後、各府県の公安
委員
会のほうとも十分検討して、講師の選定をやるように指導してまいりたいと思います。
和田静夫
184
○和田静夫君 お尋ねをしますが、いまのあれで、さっきの通達なんですけれども、最後の締めくくりが、「
道路交通法
令の
改正
、技能
試験
採点基準の
改正
等があったときは、すみやかに指導員等に対する教養を実施してその
徹底
を図るほか、各指定教習所に対し、定期的に教習または技能検定に関する検討会を開催させる等の
方法
により、現場における機会教養が
徹底
して行なわれるように指導すること。」、こうなっているんです。私、これはあたりまえだと思うんです。そうすると、さきの国会でも道交法が
改正
されたんです。この「
徹底
」について、東京のどこで
講習
が行なわれましたか。
鈴木金太郎
185
○
説明員
(
鈴木金太郎
君) あとで調べたいと思いますが、とりあえず申し上げますのは、警視庁が講師派遣で年間二百六十八人やっておりますが、これは延べ人員ではございますけれども、この間の過程に行なわれておるものと考えております。
和田静夫
186
○和田静夫君 私の調査では、東京
指定自動車教習所
協会はもとより、どの指定教習所においてもこれは行なわれていません。そしていま言ったように、お坊さんによるところの訓話だとか、雨の中で肺災になってもいいと教えるような先生の訓話だとか、そういうことに力点が置かれているんです。したがって、さっき蛇足的に取り上げたのは、ここのところを実は指摘をしたかったからであって、本来的に、局長が先ほど来答弁をされているような立場に基づいたそういう
講習
になっていないんですね。
交通
法規の説明などもそうです。したがって、逆にいやみたらたら言えば、お坊さんの説教聞かせておいたほうが
交通事故
の
防止
につながるんですかという言い方にならざるを得ない。こういうことになるので、その辺はやっぱり厳格に、一ぺん、これこそ精査をする必要がありますね。で、一面では、労基法
違反
ではないだろうか、あるいは労働組合のあるところでは、それと、労使
関係
におけるところの第三者の、たいへんつまらない介入行為的なものにつながる講師を連れてくる、そういうことがいま行なわれている——行なわれていますと断言はしませんが、そう私たちが考えざるを得ないような形の講師陣になっている。その辺も十分やっぱり配慮すべきだと思うんですが、どうですか。
片岡誠
187
○
政府委員
(片岡誠君) この
法律
ができまして、それに基づく、
法律
に基礎を置いた
講習
をいたします場合には、十分その中身を精査しますし、カリキュラムの選定、講師の選択その他についても、私どものほうで方針を明確に打ち出して第一線のほうを指導してまいりたい、そういうふうに考えております。
和田静夫
188
○和田静夫君 時間があんまりたちますから、あと二つ三つだけ、集約的なことだけちょっとお聞きをしますが、六十四国会で道交法の一部
改正
が行なわれました。その施行日をきめる
政令
というのは、いつ公布されるのですか。
片岡誠
189
○
政府委員
(片岡誠君) 六月の下旬に施行したいということで、いま準備を進めております。
和田静夫
190
○和田静夫君 これは同じことですか、
交通公害
の認定基準を定める——総理府で。厚生省ですか。これも一緒ですか。
片岡誠
191
○
政府委員
(片岡誠君) 同じように考えております。
和田静夫
192
○和田静夫君
自動車
を利用した
一定
の犯罪を行なった者について、
運転免許
の取り消し等の処分を行なうことができるというやつの
改正
ですね、見送られました。何か
理由
があるわけですか。
片岡誠
193
○
政府委員
(片岡誠君) 見送りました。いろいろ検討いたしたわけでございますけれども、たとえば、
自動車等
を窃盗した、あるいは
自動車
を使って殺人、強盗をしたといったような場合に、免許証を交付しないというような問題だと思うんですけれども、罪の限界をどこまでにするかというような問題が一つあろうと思いますし、そういう罪を犯した人たちと、
道路交通
上から見た危険な
運転者
であるというところの相関
関係
を示す実証的な研究もまだ十分でないというような問題もございますし、その辺につきまして、今後さらに検討を深めて、実証的な関連がつき、そういう者も公道上から排除すべきであるという自信を持った結論が出れば、その際にまたあらためて
法律
の
改正
をお願いしたい、このように考えております。
和田静夫
194
○和田静夫君 もう一点だけですが、警察庁の
改正
試案では、路上教習を行なういわゆる教習員の指定、その他路上の教習の
強化
が盛り込まれていましたが、
改正
案で見送りになりました。これは何か
理由
がありますか。
片岡誠
195
○
政府委員
(片岡誠君) 路上教習を
義務
化していくということ、これはもう、御承知のように、現に
指定自動車教習所
で路上教習を
義務
化しております。問題は、その
指定自動車教習所
を卒業していないで免許証を取っている人が約一五%ぐらいあるわけでございますが、そちらのほうは、路上教習もしないで、路外だけの練習で免許証を取っているというところに問題があるのではないかということで、そういう人たちに対しても路上教習を
義務
化をし、公安
委員
会が行なう
試験
ももう路上
試験
にする、
指定自動車教習所
の
試験
も路上検定にしてしまうという
方向
につきましては、だれしも異論のないところでございまして、ただ問題は、指定教習所に行かない人たち、その人たちに対して、路上練習をただ
義務
化しっぱなしておいていいであろうかどうかということで、その人たちに対する便宜供与の意味を含め、また、路上で安全に練習できる意味も含めまして、個人の指定教習員制度というものを設ける案をつくったわけでございますが、これに対して、
指定自動車教習所
の
関係
者と、あるいはまだ指定になっていない教習所のほうの
関係
者もいろいろ異論がございまして、その辺で、十分にその人たちを説得するだけの時間的な余裕もございませんでしたので、さらにその趣旨を
徹底
し、さらに慎重に検討するというような意味も含めまして、今回の提出しました
法律案
の中からは見送ることにしたわけでございます。今後前向きの姿勢で検討を続けてまいりたいと、このように思います。
和田静夫
196
○和田静夫君 内閣広報室の国政モニターの結果では、
運転免許試験
をよりきびしくすべし、そういう
意見
が大多数であったと報ぜられたのですが、今回の
改正
案でそれはどのような
措置
がとられたのですか。
片岡誠
197
○
政府委員
(片岡誠君) 今回の
改正
では、特に
法律
そのものでむずかしく、きびしくした点はございません。ただ、近い将来に路上
試験
を実施する段階では、現在の仮免許の
試験
に当たるものをむしろ本
試験
にして、路外で現在の本
試験
程度の
試験
をきちっとして、そしてそれをとった人が初めて路上で練習ができるようにして、そして路上で安全
運転
できるかどうかをまた
試験
するという形で、実質的に
強化
していくという
方向
で考えてまいりたいと思っております。
和田静夫
198
○和田静夫君 先ほどの教習所のことも含んで、とにかく法を守って取り締まるべき立場にある警察として、先ほど来疑問に思う点を述べましたが、不当労働行為と思われることや、あるいは労働基準法に抵触をする疑いのある言動、
交通事故
の
防止
に直接の
関係
のない、そういうような精神訓話などというものは私はやめさせるべきであると思います。現在行なわれている
講習
は、そういう意味では、これから公安
委員
会が行なおうとしているそういうものも含んで、
道路交通法
令の
徹底
や、あるいはその技能の向上などを重点にして行なっていく、そういう実務的な
内容
に限ることが私はふさわしいと思う。そういう
意見
をつけまして、質問を終わります。
藤原房雄
199
○藤原房雄君 午前に引き続きまして、午後だいぶ問題がありましたので、なるべく重複を避けまして、三、四点だけお伺いしたいと思います。 最初に、午前中もいろいろ議論がございましたが、このたびの
道路交通法
の
改正
につきましては、まことに時宜にかなったものであり、また当然そうあるべきということで、大筋においては了解されるんでありますが、この
道路交通法
ということ、これは私どもの生活にどれほど密着したと申しますか、重要な
法律
であるかという、この法という、
道路交通法
という文言をまず考えてみたいと思うのでありますが、こういう点からいろいろ察してまいりますと、過日、わが党が去年の十一月、
交通
安全対策の実態調査をいたしましたが、その実態調査の中にも、
道路交通法
というものを知っているという人が九一・三%という、非常に
道路交通法
は多くの人たちに知られておりますし、また、それだけ生活に密着している
法律
であるということが言えると思います。ただその
内容
ということになりますと、どの程度知っているかということになりますと問題がある。そしてまた、
道路交通法
の
内容
を認識するにあたって、どういう機会にそれを知り得るのかという、こういうことになりますと、いろいろ問題が出てくるだろうと思うんであります。こういうことから考えまして、いまや一億総ドライバー化というか、非常に急増する車の量とともに、
交通
機関の発達、こういうことを考え合わせますと、この
道路交通法
というものはわかりやすいものであって、しかも多くの人たちがその
内容
を知るという、こういうチャンスというものをつくらなきゃならない、こういうふうに考えるわけでありますが、この点についてどういうふうにお考えになっていらっしゃるか、今後の対策等何かお考えがございましたら承りたいと思います。
片岡誠
200
○
政府委員
(片岡誠君) 先生おっしゃいますように、
道路交通法
があるということは国民の大多数が知っている。またそれだけに身近な、われわれの生活に身近な
法律
だと思います。しかし
法律
そのものにつきましては、この
法律
の、
昭和
三十六年でございますか、この新しい
道路交通法
ができましたそのとき以来、どのようにしてわかりやすくしようかと、国民にわかりやすくしようかという努力がそのとき以来ずっと十年来続けられてきたわけでございます。しかしながら、御承知のようにこの
法律
そのものに
罰則
が相当数ついておりますし、
違反
の取り締まりをやりました結果が裁判にかかりますと、これが裁判規範になるということで、構成要件を明確にするというような要請もございまして、どうしてもかた苦しい表現にならざるを得ない、限界があるということが、この十年間でつくづくわかってきたわけでございます。もちろん今回の
法律
改正
案につきましても、役所の
権限
に関する
事項
と、
運転者
の順守
事項
に関する
事項
とはなるべく分けるようにして、その辺を明確にしていくというような努力もいたしております。しかしながら最終的に、何と申しても法文でございますので、かた苦しいわけでございます。 そこで、今回の
改正
案では、
国家公安委員会
が、この中で
運転者
なら
運転者
の順守
事項
、
歩行者
の場合も含めまして、
交通
のルールに関する
部分
と、それからこの
法律
にはございませんけれども、マナー、エチケットに類する
部分
、あるいは
自動車
の初歩的な工学的な
知識
、そういうものを含めまして
国家公安委員会
が
教則
をつくるという仕組みを考えますと、イギリスにございますハイウエーコードなどというものも参考にいたしたわけでございますが、その
教則
をつくりまして、これを官報で告示して公表する。そしてその
運転免許
の
学科試験
は、その
教則
の中から出るという仕組みにしたわけでございます。したがいましてその
教則
さえ読んでおれば、そのルールに従って行動しておれば
運転者
は十分である、あるいはそれさえ読んでいれば
試験
が受かるというものをつくりまして、これを入門者教育の場でも、あるいは
運転者
の
更新
時の
講習
の場合にも、この
教則
によって十分
徹底
をしたい。 それから、申し落としましたけれども、この
教則
というのは、文章だけではなくして、絵を入れたり色刷りにしたりということでわかりやすくする。イラストレーションも考えてやるわけでございますが、それをいま申しましたように入門教育、
更新
時の
講習
だけではなくして、運行
管理者
とか
安全運転管理者
のある組織を通じたり、あるいは一般の本屋の店頭でも販売をする仕組みをして、そういう形によりまして趣旨を十分
徹底
をしてまいりたい、このように考えております。
藤原房雄
201
○藤原房雄君 いまいろいろお話ございましたこの
教則
は、いままでにないこととして非常に期待もされるわけでございますが、いつまでにつくられる御予定か。
片岡誠
202
○
政府委員
(片岡誠君) できますればこの今回の
改正
法が、
道路法
の一部
改正
が施行されるまでにつくって、今回の
改正
の趣旨の
徹底
にも役立つようにいたしたい、かように考えております。
藤原房雄
203
○藤原房雄君 それから最初に申し上げましたように、車を
運転
する人だけの問題ではなくして、もう道を歩く人にとっても
道路交通法
は重要な
法律
であるという、先ほども申し上げましたことの例から言っても言えると思うんでありますが、いまのお話ですと、ドライバーの方に対してはこういうことを考えておるということでございますが、一般の方々についても、むずかしい法文は別としまして、その人その人の人生
経験
である程度のことは知ってるわけでありますが、よりこの
道路交通法
に即したきちっとしたものを、こういう
知識
を与えるということが必要ではないか、こういう点については何かお考えございますか。
片岡誠
204
○
政府委員
(片岡誠君)
運転免許
の保有者が現在二千六百万ございますけれども、
昭和
五十年には三千万になるという時代でございます。したがいましてほとんどの国民、十六歳以上の国民が免許証を持つという時代になろうかと思いますけれども、もちろん
運転者
以外の、
歩行者
の立場だけの方にも読んでいただきたいと思いますので、書店の店頭販売ということも当然考えておりますし、あるいは企業なり学校その他団体についても、買って読んでいただくというような手もあわせ考えてまいりたいと思います。それから子供さんたちに対しては、あるいはもう少しさらにわかりやすくしたような別の、中身は子供さん用にしたものだと思いますけれども、さらにわかりやすくしたようなものを別途また考えていくのも手ではないだろうか、このようなことも考えております。
藤原房雄
205
○藤原房雄君 それから、このデータによりますと、知る機会がなかったというのが四一・八%。それはまあ
道路交通法
そのものが
運転免許
をとるのでなければ必要がなかったとか、必要性とかいろんなことがあると思いますけれども、やはり知る機会がなかったというのが大きなウエートを占めておる。こういうことからいたしまして、いまお話のように、
教則
、そしてまた、子供さんにわかりやすくというそういう趣旨はよくわかりましたが、そこをどう
徹底
させていくかということでございますが、その点についてはどうでしょうか。
片岡誠
206
○
政府委員
(片岡誠君) ちょっと最後のところを……。
藤原房雄
207
○藤原房雄君 確かにいまお話のように
教則
をつくってわかりやすくした本をつくるということですが、それをみんなにわからせる機会——
道路交通法
というのはあることは知っている。知っているけれども、それを話を聞く機会がなかったという人のパーセントは非常に多いわけですね。
道路交通法
という
法律
があることはわかる、しかしどういう中身かというそういうことを知る機会がない、こういう人が大体四一・八%おります。これは
運転免許
をとるとかそういう必要性があって知るわけなんで、なかなかその
道路交通法
の中身について話を聞くということは一般の方にはそういう機会はなかなかないわけですが、せっかくりっぱなものをつくる、
内容
もわかりやすいものをつくるんだということでありますから、それを周知
徹底
させるためには、いろんなことを考えていかなければやはり皆さん方に知っていただくチャンスというのはないのじゃないかと思うのですが、こういうことについて具体的にお考えがありましたら。
片岡誠
208
○
政府委員
(片岡誠君) 一番
徹底
させる
方法
はマスコミ、特にテレビの媒体を利用することが一番
徹底
すると思います。そういう意味で、NHKはじめ民放を含めましてテレビを通じての教育で周知
徹底
ということは十分考えられる。それから、都会ではなかなかむずかしかろうと思いますけれども、地方の場合には、社会教育も相当地域的に行なわれておりますし、公民館活動であるとか、あるいは母親学級であるとか、社会の成人教育講座であるとか、あるいは有線放送を通じてやるとか、いろいろそういうコミュニケーションの媒体を十分
活用
して、ハンドルを握らない人たちにも周知
徹底
をしてまいりたい、このように考えております。
藤原房雄
209
○藤原房雄君 最近の
交通事故
の年齢別ですか、先ほどもお話ございましたけれども、幼児それから老人に多いということ。まあ一般の働き盛りの方ですといろんな機会にいろんなことを学ぶチャンスはあるわけですが、子供さんそれからまた年老いた方々については、なかなか社会教育といったような施設、こういうところで学ぶチャンスもないだろうと思います。で、そういう人たちに事故が多いということで、保護者ということにもなるかもしれませんけれども、もっときめのこまかい処置というものが
徹底
されなければならないのじゃないかと思います。 それから、最近言われておりますが、学校教育に
交通
安全教育というものを正科として取り入れる。今度の調査にいたしましても、非常にその要望が強く、大体
交通
安全教育を正科にすべきだという人が六六%ほどあったわけでありますが、これは現在のように保健体育の中に入っておるという、それからまた精神教育的なものではなくして、やはりこれは実地に即したものでなければならない。冒頭申し上げましたように、現在の
道路交通法
そのもの自体が生活に密着した
法律
であるということであるならば、幼児のころ、子供のころからそういうものが
徹底
されていくということでなければならないと思います。教育ということになりますと、たいへん時間もかかることでございますし、本来ならばこれは文部省の方にお聞きしなければならないことだと思うのでありますが、警察当局としてもそういうことに対してどれだけの認識をしていらっしゃるかということをお聞きしているわけでございますが、この
道路交通法
ができて十年といいますか、何回か
改正
されまして、この時代に即応した
方向
に進んできたと思うのでありますが、しかし事故の急増というものは
法律
だけでは防ぎ切れない。こういう現況を見るにつけて、やはりもっと根本的な問題を考えてみなければならないのじゃないか。そこに一番欠けているのは、この生活に密着したこれほどの
法律
でありながら、子供のころからしっかりとした教育をするという——保健体育の中の一部なんていうのじゃなくして、これは欧米等においては実際されておるわけでありますから、日本においてもできないわけではないわけでありますし、今日このように急激に増大したモータリゼーションの今日でありますれば、ことのほか
徹底
しなければならないことだと思います。 いろんな対策を講じながら五年、十年経過してまいりました。依然として事故が減少しないという、いろんな問題があると思いますけれども、しかしあくまでもその
運転
する人、また
歩行者
、いずれにしましても人間の意識というものが高まることが大事だと思います。五年といいますと、もう中学生の人がやがては社会に出るような年数でもあります。十年といいますと、小学校の方ももう大体大きくなり成人に達するわけでございますから、実際の教育、それは非常に年数のかかることではございますけれども、地道な対策としてこれは真剣に検討しなければならないことだと、このように考えておるわけでありますが、その点について、これはほんとうは文部省に聞かなければならないと思うのでありますが、警察としてどのようにお考えになっていらっしゃるか、その点の考え方をお聞きしたいと思います。
片岡誠
210
○
政府委員
(片岡誠君) それは仰せのとおりだと思います。現在文部省で考えておりますのは、現在の段階では主として保健体育の問題として考えておる。しかも年間十一時間ばかりの時間を割り当てておるというのが現状だと思います。ただ、少なくともその小学校教育につきましては相当効果をあげてきておると私どもも思います。現に小学校に入って教育を受けた子供は急速に事故率が減っていっております。まだ完全とは言い切れないと思いますけれども、ここ十年ぐらいの間に相当効果はあがってきておると思います。問題はむしろ中学、高等学校の教育課程にどのように組み入れていくかということのほうに大きな問題が残っているのではないか。つまり子供を、児童を輪禍から守るという角度だけではなくて、社会人として将来ハンドルを握る、そういう、おとなになったらハンドルを握るということを予定して、子供のときから
体系
的に
交通
という問題あるいは
自動車
の
運転
という問題を掘り下げて総合的に教育をしていくという仕組みがまだ完全ではないというふうに私どもも考えております。それで、中学の教育課程なり高等学校の教育課程の
改正
の手続をやっております場合に、私どものほうからも文部省のほうに相当申し入れもいたしましたし、案の作成にある程度専門の
委員
として加わりもいたしました。しかしながら必ずしもまだ満足すべき状態ではないと思います。で、外国の例を見ましても、やはりそういう教える先生をどのようにしてまず教育していくかという、こういう問題があるようでございます。それから時間割りの中にどのように独立の科目を設けるか、どのように割り振っていくのかという問題もあるようでございます。そういう問題につきましては、今後とも私どもの立場からしても文部当局のほうにいろいろ中し入れもいたし、協力もいたしてまいりたいと思っておりますが、単に体育局でなくして、やはり初中局なら初中局で真剣に取り上げてやっていただきたい問題だと考えております。 もう一つ私たち頭を痛めておりますのは、小学校に行く前の子供さんたち、それが問題であるということで、学校に行き始めてからは学校の先生方もよくやっていただくわけですが、学校に行くまでの子供さんたちに対してどうやるべきか。イギリスではタフティー・クラブというのをつくりまして、子リスのようでありますが、小学校に行くまでの子供を組織化して教育するということを始めているようでございます。われわれも何らかの
方法
でやるべきであるということで、現在第一線でも検討を命じておりますし、全日本安全協会でもどのようにしてやるかということの検討を進めてもらっておるわけでありますが、何かいい知恵が出次第、それを
徹底
してやってまいりたい、そのように考えております。
藤原房雄
211
○藤原房雄君 いずれにしましても、
交通事故
は人と車と
道路
という、これらの諸条件がきちっと相整わなきゃならぬことだと思います。そういうことで、やはり長期といいますか、根本的な対策、そしてまた、粘り強い、いまもお話がありましたような教育というようなことについてじっくりとかからなきゃならないことでございまして、
道路
を直した、標識をつけたと、それで簡単に解決することでは決してないと思います。いろいろお話を聞きますと、中学、高校という、上に進むに従ってやはり乗り物も変わってまいります、中学は自転車、高校になるとオートバイというように。それで、学校によっては熱心に講師を招いて教育をした、それが大きな効果を生んだという、そういう経過も私聞いておるわけでありますが、いずれにしましても、たまたま熱心な方がいらっしゃって、学校で安全教育の教育を全校生徒にしたという、それが大きな結果を生んだというのじゃなくて、最近は非常に
交通事故
の危険性というものが私どもの周囲にはあるわけでありますので、やはりある程度制度化して、こういう多発する事故を未然に防ぎ、そしてまた幼い、そしてまた将来のある青年たちが命を失うなんということのないように万全を期する、そういう
方向
で積極的に対策を講じていただきたい、こう思うわけであります。 さらに、先ほどお話がございましたが、やはり
交通
安全のことにつきまして、きちっと指導する立場の人が不足しておるということが言えるんではないかと思います。西欧のお話を聞きますと、学校の教師は少なくとも
交通
安全教育の単位をとっていなければならないという、そういう形から言いますと、日本は安全教育というものについては、現状というものは非常に弱いといいますか、おざなりではないか、こういうように考えるわけでありますが、現在
交通
安全ということをきちっと指導し得る人というのはどういう立場の方でしょう。
片岡誠
212
○
政府委員
(片岡誠君)
交通
安全をテクニックの面で指導し得る人は、
指定自動車教習所
の指導員、それから白バイ、パトカーに乗っている
警察官
、これはテクニックの面では指導を十分できると思います。それから、もちろんプロではなくして、アマチュアの人の中でも相当自分自身で研究もし、されておる人たちのグループもございます。そういう点で、私どもまあ一つ考えておりますのは、とりあえず、四輪はこの次の段階として、二輪につきましては
試験
も比較的四輪に比べれば簡単でございますし、原付の場合には
学科試験
だけでございます。そういう二輪の
自動車
なり
原動機付自転車
については、乗っている人がほんとうにテクニックを知らないために事故を起こしているという場合が相当数ございます。精神問題ではなくして、ほんとうにとめ方を十分に知らない、それからコーナリングといいますか、曲がり方を十分に知らないで
運転
している、そういう事態をなくするようにしたいと思いまして、私どもも従来からも
自動車
工業会のほうにも働きかけまして、自分で二輪車を売るだけではなくて、お客さんに対するサービスとしても、当然教育の手助けをすべきではないかということもずっと話してまいったわけでございますが、大体計画がまとまりまして、全日本安全協会と
自動車
工業会とで一緒になりまして二輪車の教育を
徹底
的にやる計画を現在立てまして、これはまず教育者といいますか、指導者をまず教育する、そして指導者の数を逐次ネズミ算式にふやしていく、そしてその指導者の中には、学校の先生、高等学校の先生も入ってもらう、
警察官
もいる、それからディーラーの指導者もいる、そしてそのほか、みずから自発的に協力しようというオーナー・ドライバーもあっていいというようなことで、指導者を十分に養成して、それによっていま高等学校の上級生、あるいは高等学校を出て実社会に入ろうとする、あるいは入っている人たち、そういう人たちに十分マナーと同時に技術も教えていくという教育計画を持っております。これが実現すれば、二輪車の事故は半分に減らすことが可能ではないかというぐらいの考えを持っております。これがうまくいきますと、今度は四輪車についても同じような発想で、アメリカでやっておりますようなディフェンシブ・ドライビングといいますか、防衛
運転
の
講習
を全国的な規模で進めるほうへその次の段階としては考えていきたい。そういう計画をもって、学校教育なり、単なる
試験
で補えない点についても補っていくということを考えていきたいと思っております。
藤原房雄
213
○藤原房雄君 いまのお話はまことに、ぜひ進めていただきたいことだと思いますが、ところで、現在指導の立場にある方ですね、いまお話がございましたが、およそどのくらいの数でいらっしゃいましょうか。白バイとか、指導的な立場といいますか、安全
運転
を指導し得る人、およそどのくらいの数でございましょうか。
片岡誠
214
○
政府委員
(片岡誠君) 指定
自動車
の技能指導員が三万六千人ばかりおります。それから
交通警察
官が二万二、三千おりますが、これは全部というわけにはいきませんが、大
部分
白バイまたはパトカーの
運転
の
経験
者が占めております。したがいまして、おそらく五、六万の数は十分にあろうかと思います。それからいま二輪車のメーカー、ディーラーが相当数教育をし始めておりますので、このほうにもやはり、全部合わせますと一万近くの数がいるのではないかと思いますが、そういう人たちの中から次第にリーダーを選び出して、教育の、
講習
のしかたを教えていくというやり方で進めてまいりたい、このように考えております。
藤原房雄
215
○藤原房雄君 それは具体的にいつからやるという、そういう計画はできておるんですか。
片岡誠
216
○
政府委員
(片岡誠君) 先般も全日本安全協会で各府県の安全協会の
事務
局長、専務理事を集めまして具体的な計画の打ち合わせをいたしております。私ども、先般、全国
交通
部長会議がありました際にもその計画を示しております。したがいまして、今後もうすでにその実施の段階にぼつぼつ入り始めているというのが現状でございます。
藤原房雄
217
○藤原房雄君 まあ、こういろいろ考えてみますと、
交通
安全というのは一体どういうことなのか、また正しい車の
運転
——みんなが正しい
運転
でなきゃならないということになるわけですが、正しい
運転
とは一体どういうことなのか、こういうことに突き当たるわけなんですけれども、その点についてはいかがでしょうか。
片岡誠
218
○
政府委員
(片岡誠君) 正しい
運転
というのは、ルールを守り、事故を起こさない、
違反
も起こさない安全な
運転
ということだと思いますけれども、これは何と申しますか、法規は十分知っておる、それから技術的にも十分その能力がある、それからそれだけではなくして、他の
道路
利用者との
関係
も十分のみ込んだ
運転
ができる、つまり
交通
の流れに乗っていける、それから
交通
の将来の予測も——
前方
の変化の予測もできるというふうなことかと思います。で、一番
自動車
の先進国であるアメリカで言われているのが、そのディフェンシブ・ドライビング——自衛
運転
あるいは防衛
運転
ということでございます。これは結局、少し極端な表現をすれば、相手——他の
道路
利用者が他の
交通
者がどんな態度に出ようとも事故を起こさないような
運転
、人を信用するなという、極端に言えばそういう
運転
だと思います。どんな事態にあっても事故を起こさない
運転
、それを教育の中心にしているようでございます。それから最近、たとえばディフェンシブ・ドライビングの中の違った表現でおもしろい表現を使って言っておりまして、なるほどなと思いましたのは、スペース・クッション・ドライビング、まあ直訳すれば空間座ぶとん
運転
というのでございましょうけれども、車間距離も十分にとるし、横の距離も十分にとって、うしろの距離も十分にとるということで、相手の車が急にとまろうと、急に近づこうと、それからうしろの車が急に接近してこようとも事故を起こさないような、間合いを十分とった
運転
をすすめておるようにも聞いております。その点、私どもまあ免許行政をいたします面で、そういう
自動車
のほんとうにりっぱな安全
運転
の模範的な
運転
をしている方々のいろいろアドバイス、忠告助言も受けながら、その辺の安全
運転
の教育の
内容
をさらに固めてまいって、その
内容
が固まり、その教育のしかたが固まり次第、四輪車についても次第に中身をよくしていきたいというふうに考えております。
藤原房雄
219
○藤原房雄君 いまお話がございましたけれども、やはり正しい
運転
というものを身につけるためには、いまお話のような諸条件があろうかと思います。そうすれば、ことのほか
短期間
でいまのような一つ一つが身につくわけでありませんで、やはりそういう
知識
、技術、またマナー一つ一つが身につくためには相当な時間も必要だろう、こういうことを考えるにつけても、学校教育の中にも
交通
安全教育というものが必要であり、そしてまた現在の免許法自体も、数時間、十数時間か二十数時間か知りませんが、一カ月足らずのうちに免許をとれるということではならないという、やはりもっと基礎的なものがあった上に、一カ月の練習期間で免許がとれるというならよろしいわけですけれども、現在ほとんど学校教育ではなされていないわけでありますから、まあ場当たり的であって、そういうところから事故が起きる、こういうことは十分に考えられることだと思います。そう考えますと、どうしても学校教育の中にぜひ入れていただいて、小さい子供のときからこういう教育というものをしっかりしていただいて、それが身についた上に成人になって免許をとる、こういうことが必要だろうと思います。それは先ほどの話に戻るわけなんでありますが、そういうことをお考えの上、ぜひひとつ社会教育、それからまた学校教育、現在も実生活の中に密着した
道路交通法
というものを小さいときから身につけていかれるような体制というものを強力に進めていただきたい、こう思うわけであります。 次はドライバーの教育ということになりますが、これも先ほどいろいろお話があったと思うのでありますが、これからこうありたいということはいまいろいろお話申し上げたわけでございますが、現在免許をとっていらっしゃる方々についてどう教育をするか、これはまあ免許の
更新
時に
講習
をということになっておるわけですが、先ほど来のお話を聞きますと、およそ一千七百万からの免許を持っている方がいらっしゃる、この方々が三年ごとに免許
更新
で
講習
を受けるということになりますと、たいへんな数でございます。これからの子供たちについては十分なカリキュラムをつくって教育をしていくにいたしましても、現在免許を持っている方々に対する指導というか、
講習
、教育というものはたいへんなことだ、こう考える。また年々免許取得者がふえるということを考えますと、この対策も十分考えなければなりませんし、さらに、三年に一回
講習
を受ける
講習
のカリキュラムにつきましても、十分な対策が講じられなければならない。一日を費やして
講習
を受けに行く方々に一番大事なことは何か、この一日で三年分大事なことを
講習
することになるわけで、これも非常に大事なことです。人数が多いということ、そういうことから、何をどう
講習
するのか、この点についてはどうお考えになっていらっしゃるか、この点についてお伺いしたい。
片岡誠
220
○
政府委員
(片岡誠君) 何ぶん全体の数が多うございます。二千六百万ですが、これが三千万になるとすれば、三年に一回でも毎年一千万人の
対象
であります。またその人たちに長時間
講習
をするということも、
講習
を受ける立場に立っても問題があろうと思いますし、するほうの能力からいっても非常に限界があろうと思います。しかしながら、三年に一ぺんのチャンスは、確実にもうすでに免許証を持っておられる
運転者
に対して接触するチャンスでございますので、これを有効に使っていく。現在大体二時間ばかりしかやっておりませんが、おそらく
更新
時
講習
を、努力
義務
にいたしましても一日中やるというわけにはまいらないのじゃないか、せいぜい二、三時間の
講習
ではないだろうか、それを最も有効にするためには、一つは、三年間に
法令
がどのように変わったか、この点は一つのポイントだと思います。それからもう一つは、一ぺんハンドルを持ってからなら、すぐわかるような
交通事故
との関連の問題点があると思います。たとえばいま言った前の車なり、あとの車との車間距離のとり方、
追い越し
のしかた、一番危険なのは
追い越し
のとき、そのときが危険なチャンス、それからもう一つは
交差点
の
左折
、
右折
、直進する
交差点
の前後の
関係
、それから
踏切
の問題、夜間走行の問題あるいは雨天の走行の問題とか、高速
道路
の走行の問題とか、一番事故につながる問題点について、そこを強調した教育を映画とかスライドでやっていくというような点も考えております。それから場合によるとショック療法的な——いままでもやっておりますけれども、
交通事故
自身の悲惨さ、それからみじめさといった、そういったものを通じて心情に訴えるといったような視聴覚教育もあわせやっていっていいんではないだろうか。さらによく言えば、その地域の
交通事故
の現状といったような点も含めてやってまいりたいと思いますけれども、何ぶん時間が少のうございますので、しかも一方的に
警察官
の話をしても、なかなか居眠りばかり起きてだめだろうと思いますので、できるだけ視聴覚教育を使って、飽かずに見ながら得るところが多いといったような教材の
整備
なり講師団の編成といったような点について、十分これから準備をしてやってまいりたいと、かように考えております。
藤原房雄
221
○藤原房雄君 それでは、次は
交通
環境のことについて二、三お聞きしたいと思いますが、これも午前中いろいろお話があったと思いますが、
横断歩道
橋のことでございますが、わが党の調査にいたしましても、
横断歩道
橋の利用
状況
、それからまた
横断歩道
橋が適当であるかどうかという、こういうことにつきまして意識調査したわけでございますが、意外に
横断歩道
橋について改良したほうがよいというパーセントが多いわけなんで、これはどういうことかいろいろ聞いてみますと、やはり地域住民の方々のほうと十分な対話がなかったのではないか。これは午前中にも指摘されておりましたけれども、やはり行政上考えておるのと現実に地域住民の方々の利用の度合いからと、
意見
の違いがこういうパーセントにあらわれていると思うのです。およそ五八・六%といいますから、相当な方々が、改良してもらいたいというような、一たんできた
横断歩道
橋についてこういう
意見
を述べておるのです。
横断歩道
橋を建設するにあたりましては、十分な地域住民の声、対話というか、こういうものがあるかどうか、これは建設省のほうにお伺いしたいと思います。
吉田泰夫
222
○
説明員
(吉田泰夫君)
交通
安全施設につきましては、かねてから二回にわたる三カ年計画、さらに本年度から新規に五カ年計画などを実施いたしまして、おくればせながら
道路
通行
者、特に
歩行者
の事故の減少に向かって努力してきているところでございます。いま御指摘の
横断歩道
橋につきましては、
交通
安全対策事業の当初のころには、最も緊急を要する事業と考えられ、地元
関係
にもそういう御要望が強かったものですから、かなり大幅に実施してきたように思います。その結果、相当、重要な
場所
には通学路等も含めまして
横断歩道
橋ができてまいりました。今後はいままでのようにはそう数多くつくることもないのじゃないかというふうに考えられるわけですが、さて、でき上がった
横断歩道
橋は、これは立体的に歩
車道
を分離する効果があるわけでございますので、そういう意味で事故の撲滅には非常に効果があるわけでございますが、しかしながら、日常生活の便利さ、特に老人とか、うば車、あるいは買いもの袋を持ったような方にとりまして、急な階段を上がっておりなければならぬという点に非常な御不満が、つくってみて起こってきているという
状況
だと思います。もちろん個々の
場所
につきまして
横断歩道
橋をつくりますときには、相当の経費を投ずるものでもありますので、地元のほうとは十分お打ち合わせもし、個所をきめ、実施してきたわけでございますが、でき上がってみて、思いのほかにのぼっておりる苦痛が激しい、こういうことであろうかと思います。そういった声は率直に私どもも開くべきだと考えておりますので、今後におきましてはできるだけスロープ式のものにするとか、あるいは同じ階段にしましてもできるだけゆるやかにするとか、それからまあ地下式にすればいいという
場所
も、声も非常に強いのでございますが、これはやはり相当の
交通
量、
横断
歩行者
の
交通
量がございまして、地下式にしても風紀上あるいは治安上支障がないとか、ほんとうにそういう意味で利用しやすいとか、そういったやや限られた
場所
になるかと思います。具体的にいえば、たとえば駅前とか繁華街等で、
横断
歩行者
が五千人以上あるようなところ、こういうところはできるだけ地下式のものも今後はつくっていきたい、このように考えております。従来つくりました
横断歩道
橋はそれなりの効果はあると思いますが、いろいろ御指摘の点がございまして、御不満がある点を今後において生かして、改善された施設にできるだけ持っていきたい、このように考えている次第でございます。
藤原房雄
223
○藤原房雄君 その
理由
はいろいろございまして、いまもお話ございましたような、階段が急だとか、自転車やうば車が利用できない、こういうことが
理由
になっておりますし、また希望としてはスロープ式にしてもらいたい、地下式にしてもらいたい、こういうパーセントが非常に多くなっておりますが、いずれにしましても、建設は、どの地点にどういうものをつくるかということにつきましては、予算面とか、いろんなことがございますでしょうけれども、最初申し上げましたように、地域住民との話し合いというものが大事なことだと思います。それで、つくってしまってから改良の声が多いという、こういう従来の行き方ではなくて、やはり話し合いをするチャンスというもの、ぜひそういう機会をつくっていただきまして、十分にその地域住民の声が反映するような、そういう
方法
で建設していただきたい、こう思うわけでありますが、そういうことについて具体的に何かお考えがございましょうか。
吉田泰夫
224
○
説明員
(吉田泰夫君) 今後一そう御趣旨に沿いまして、地元とのお話し合いを十分いたした上で建設にかかりたいと思います。
藤原房雄
225
○藤原房雄君 それから次は通学路、児童通学路のことでございますが、これも非常に学童に事故が多いということで、
整備
を要する、これはまあ建設省のほうで児童通学路というものを十分に
整備
してくだされば一番よろしいわけなんですが、そうもいきませんでしょう。大体、現在学校へ通学するにあたりまして、七割以上の方々が危険を感じながら通学しておる、そういうデータが報告されておるわけでございますが、現在までも通学路につきましてはいろいろ対策を講じてきたようでございますが、さらに建設省としましてこの通学路に対するお考えがございましたらお聞かせいただきたい、こう思うんですが。
吉田泰夫
226
○
説明員
(吉田泰夫君) 通学路につきましては、
交通
安全五カ年計画の中でも特に重点を置いておりまして、またその一端としては、市町村道である通学路について特別に三分の二という高率の国庫補助をするような制度もかねてから開かれているところでございます。問題は、施行の
対象
を大幅に広げて、危険感を起こさないで通学できるようなところばかりにすべきだと、こういうことでございますが、そういう意味もございまして、今度の五カ年計画では、児童の通学人数が四十人以上の個所はすべて
歩道
をつくる——四十人というのは、往復通うとすれば片道二十人ということでございます。なお、四十人に満たない通学路でございましても、学校などから一キロ以内の個所の通学路につきまして同様に
歩道
をつくると、こういうことで、各県等を通じまして、教育
委員
会、それから各学校とも個別に
場所
を打ち合わせつつ、積み上げました個所につきまして施策を実施する計画でございます。なお、どうしても現道が狭くて
歩道
が分離できないという
場所
も間々あるわけでございますが、そういうところにつきましては、今回の
道路法
の
改正
と相まちまして、裏道などを利用し、自転車、あるいは自転車、
歩行者
だけの専用
道路
といった形で、かわりの通学者のための専用道をつくるというようなことにより、現道の
歩道
のかわりの機能を果たすようなことも考えている次第でございます。
藤原房雄
227
○藤原房雄君 いまお話がございましたように、
歩道
と
車道
と分離するという、こういうことを希望するし、また信号機や
歩道
をふやしてもらいたい、これは圧倒的に多いようで、まあいろいろお話しのありましたことは、ひとつ前向きで進めていただきたいと思います。 その次に、車の乗り入れを
制限
してもらいたいというのが非常に多いわけですが、これは警察庁のほうの
関係
だと思いますが、通学路につきましても非常に危険な状態に放置されている。現在ある程度通学路の指定ということがなされているわけでありますけれども、まだ十分でない。こういうことから、ぜひ何らかの対策を講じられるまでの間、車の乗り入れを
制限
してもらいたい、こういう希望も非常に多いわけですが、この点については現在、対策、何か
方法
を考えていらっしゃるかどうか。ありましたらこれもひとつお聞かせ願いたいと思います。
片岡誠
228
○
政府委員
(片岡誠君) 通勤通学路につきましては、通勤通学の時間帯について、たとえば大型車の
通行
どめをするなり、あるいは
自動車
すべてを
通行
どめするという
措置
も現在とっておりますし、そういう条件のところはそういう
措置
をとることをさらに
徹底
してやってまいりたい、かように考えております。
藤原房雄
229
○藤原房雄君
交通
安全運動について最後にお聞きしたいと思うんですが、二十三年からずっと回を重ねて今回で四十六回だといわれております。前にも、去年の暮れですか、当
委員
会でいろいろ、マンネリ化しているんじゃないかということでお話ししたことがございますが、ことしの春の
交通
安全運動、運動の成果といいますか、経過についてお伺いしたいと思います。
片岡誠
230
○
政府委員
(片岡誠君) 仰せのように、
交通
安全運動を春秋二回やるという形式でずっとまいったわけでございますが、確かにマンネリ化したということがあると思います。私どもも何とかこれは心を新たにして、新しいやり方をすべきではないかということでいろいろ考えたわけでございます。ただ、今回は少しその目先を変えて、春の安全運動につきまして前期と後期に分けて、しかも前期は学童の入学時をとらえて、学童の事故
防止
、それと関連して
歩行者
、特に子供と高齢者の事故
防止
というところに焦点をしぼってやったわけでございます。それから後期はちょうどゴールデンウイークの前をとらえまして、ゴールデンウイークの場合にレジャーにたくさん出ていくマイカーを
対象
とした安全教育、安全運動のキャンペーンなり、あるいはまた
警察官
をそのゴールデンウイークにはたくさん街頭に立てて事故
防止
をはかりたいというキャンペーンをやったわけでございますけれども、不幸にして、結果は必ずしもいい結果ではなくて、死者数においても、昨年の同期に比べまして五十人多い、幸いその事故件数なり負傷者は大体横ばい状態でございましたけれども、死者数においては五十人も多いという結果に相なったわけでございます。で、私どもも何とかそのマンネリ化した安全連動を脱皮したいということでやったわけでございますけれども、結果がこういうことでございますので、現在、今後どのようにするかというようなことについて反省、検討を加えている次第でございます。さしずめ秋にどのようにするか、あるいは来年——まあ年間通じてどのように安全運動をやっていったらいいかというような点につきまして、十分私どもも今回の結果についての第一線の
意見
も聞きまして、また
関係
省庁とも十分打ち合わせをして、今後何かその斬新な考え方でしかも
実効
のある考え方を考えてまいりたいと、そのように現在考えております。
藤原房雄
231
○藤原房雄君 四十五年の死亡事故増減の問題につきまして、警察庁の
交通
局でまとめた各都道府県の実態を拝見いたしますと、山口県では、四十四年度、四十五年度を比べますと七十三人死亡事故が少なくなったと、こう出ております。その
理由
としまして、多発地点に対して重点的に
交通
取り締まりをした。それから各家庭に対しての
交通
安全の意識を高揚したといいますか、
徹底
した。また愛知県でも六十一人少なかったわけですが、これは信号機を中心にした
交通管理
施設を大幅に
整備
した。あるいは取り締まりの
強化
、広報活動。福島におきましても六十一人程度、これは多発路線には常時監視の体制を確立、また悪質犯の
徹底
的な摘発、
道路管理者
と一体となって安全施設を総点検し
整備
したと、こういうことがずっとあげられておりまして、こういうところから見ますと、
交通
取り締まりを
強化
すれば、ある程度の
交通事故
は防ぐことができるという、ある程度じゃなくして相当の効果があがるというデータにもなるのではないかと思います。それから、この信号機といわゆる
交通管理
施設の不備と言いますか、それを充実したということで、大幅な
整備
をしたということによって事故を防ぐことができたんではないだろうか、こういうデータも出ておるようであります。非常に貴重なデータでございますが、こういうことを考えますと、また、いま局長のお話にありましたように、安全運動の期間中十分な効果があがらなかったということでございますが、
交通
安全運動というのは春秋やるわけですけれども、従来のようなやり方でいいのかどうか。期間を区切ってやることがはたしていいのかどうか。こういう点、非常に考えさせられると思います。特に
交通
安全のことにつきましては、ただ警察の問題だけではなくして非常に複雑な
状況
もあります。おのおのが一体となって協力しなきゃならないと、こういうことからいたしまして、どちらかと言うと、いままでの
交通
安全運動は警察が中心になって行なっておる。警察は取り締まりを中心にするところでございますので、そこが中心になって安全運動を
推進
するということはどうも現状にそぐわないんではないか、こういう気がするわけでありますが、やはり国民の全体の意識を高揚するということから、一般の方々も参加しやすいような
方向
、それから、ただ取り締まりの期間なのでつかまりやすいということではなくして、実際に効果のあがるような、各種いろいろな団体があるようでありますけれども、それらのものが有機的に協力していくような運動の
推進
というものがぜひ必要ではないかと、このように考えるわけでございますが、このマンネリ化を打破するというにはどうしたらいいのかということについて、御構想なりお考えがございましたらお伺いしたいと思います。
片岡誠
232
○
政府委員
(片岡誠君) 現在、歴史的に見ますと、初め警察なり安全協会というものが中心になって安全運動をやっておったと思います。しかしながら、
交通事故
が次第に多くなりましてから、それだけではなくして、やっぱり知事、市町村長、こういった地方公共団体の長を中心に、
関係
の機関が集まってやっていくという体制が次第に強くなって、現在は大体そういう体制で各県では安全運動をやっていると私は思います。しかしながら、やはり知事さんなり市町村長さんなりの熱の入れ方いかんによって、その地域社会の様相が非常に違っていると私は見ております。警察本部長なり、公安
委員
会なり、
警察署長
だけが熱心であっても、とても全般的な連動としては盛り上がらない。どうしても市長さん、町村長さん、あるいは知事さんが中心になって、その地域住民が一体になった、また各種団体が一緒になった運動というものが一番効果のある運動だと思います。さらにマスコミの協力なりバックアップを受けた運動というものが一番趣旨の
徹底
をいたしているというように私どもは見ております。 期間を限ってやることについては、私どももこれでいいのかどうかということで現在反省し、また検討をいたしているところでございます。ただ、その即効薬と申しますか、対症療法としては、多くの
警察官
を街頭に配置して、パトカー、白バイをたくさん走らせれば、なるほど一時的に事故は抑制できると思います。しかし、警察が
交通警察
ばかりに集中してやりますのにも限界がある、そういうことで、対症療法もやりながら、同時に、けさ来お話がございましたように、分離
交通
と申しますか、人の通る道と自転車の通る道と
自動車
の通る道を完全に分離してしまう、それに必要な公共投資は十分つぎ込んでいくというのが理想ではなかろうか。そうすると、車が人をはねるということはゼロに近づけることが可能ではないだろうか。ただ、車と車同士がぶつかる問題については、車を安全車にしていくということ以外にはないのではなかろうか、基本的にそうではないか。しかし、長期的な問題の処理をすると同時に、やはり短期的な対症療法もほしい。そのためには、やはり私ども一人でも多くの
警察官
を街頭に配置をして、
交通
の監視をし、あるいは指導取り締まりをしていくというやり方が事故抑制には有効である、そのように考えております。
藤原房雄
233
○藤原房雄君 信号機を中心にした
交通管理
の施設を大幅な
整備
をして事故を防ぐことができたという愛知県のお話もございますが、わが党の調査によりましても、信号機を改良すべきであろう、こういうことを主張する方が非常に多い。さらにまた、その
内容
としては、わかりやすいものにしてもらいたいという、こういう
意見
も相当なパーセントを占めております。それから、
交通
信号というのは、だれかれかってにつけることはできませんで、これは公安
委員
会がしなければならないことになっております。またドライバーの人にとりましては、この信号は唯一の情報提供といいますか、大事なものでございますが、こういうことを考えますと、こういう施設的な問題についても安全施設の不備ということも一つは言えると思います。この点については五カ年計画で、十分かどうか知りませんが、改良されると思います。もう一つは、対症療法的なことかもしれませんが、十分な
交通警察
官がそれぞれの主要なところにいるという監視体制を
強化
することが大きな成果を生むことはお話のとおりだと思いますが、しかし、
交通警察
官につきましても、
交通
安全運動の期間、さらにまたゴーデンウイーク、こういうときには相当無理をしいるといいますか、たいへんな負担になっているという現状も聞いておりますけれども、こういうことからいたしまして、確かにこれはかなりの効果はあるとは思いますけれども、より抜本的な対策というものを考えていかなければ、この車のどんどんふえる中にありまして、やはりある程度の限界にくるのではないか。
警察官
をたくさん増員するということであれば別でしょうけれども、限られた中でのことでございますので、取り締まりの
強化
という、こういう面だけではなくして、もっと大所高所から運動をやらなければだめだ、こういうことで
交通
安全運動というのは再検討しなければならないときにきたと、こう思います。こういうことで、かつてはお祭り騒ぎといいますか、相当いろいろの方々が参加をして行なわれた、パレード等をやったこともございました。そんなことはどうかということで、またいろいろな形になってきたと思うのでありますが、少なくとも現在のように取り締まりの
強化
ということだけで——だけではないと思いますけれども、それが中心になるという安全運動というものは再考しなければならない、こう思います。まあ秋の運動もやがてやってまいります。より効果的な、そしてまた新しい
方法
の
交通
安全運動というものをぜひ
推進
していただきたい、こう思うわけでありますが、これらのことにつきまして、
警察庁長官
はいかがお考えか、お伺いしたいと思います。
後藤田正晴
234
○
政府委員
(
後藤田正晴
君) 御説のように、今日の
交通
安全運動は曲り角にきたと思います。そういう意味合いにおきまして、先ほど局長からお答えいたしましたように、私どもとしても、この際衆知を集めて根本的に考え直そうということで、今日検討をいたしております。したがって、しばらくの間、ひとつお時間をかしていただきたい。しかし、何ぶんにも、これは私はむずかしい問題である、かように考えておりますけれども、いずれにいたしましてもこのままではいけない、何とかして今日のこの袋小路を打破したい、こういう決意で検討を進めてまいる所存でございます。
藤原房雄
235
○藤原房雄君 現在モータリゼーションの時代を迎えまして、少なくともこの車を
運転
する人、また道を歩く人、いずれにいたしましても九割以上の方が事故の危険を感じておるという、こういうデータが出ております。これは単に、先ほど来いろいろ質疑を重ねてまいりましたが、
運転
する人だけ、また
歩行者
のみではなくして、特にまあ五年前、十年前とは、およそ時代が大きく変わった今日であると、こう思います。これは人と車と、また
道路
という、これは三位おのおの対策を講じなければならない重要な問題ではございますが、いずれにしましても、何度か
道路交通法
の
改正
をし、それは少しでも
交通事故
の減少することを願いつつ
改正
がなされてきたと思うのであります。今回もまた、条文の整理ということが中心ではございますけれども、現実に即した
改正
がなされたわけであります。これらのことが三位一体となりまして、人の教育の問題、取り締まりのこと、特に施設の充実ということ、これらを通しまして、
交通事故
の一日も減少
方向
にいくことを私はひたすら願うわけでありますが、今後のあり方について、大臣から一言決意のほどをお伺いしたいと思うのですが、いかがですか。
荒木萬壽夫
236
○
国務大臣
(
荒木萬壽夫
君) お示しのとおり、教育の問題はもちろん、
自動車
の欠陥車をなくすることはもちろん、
道路
の
整備
をいたしますことはもちろん、ありとあらゆることを時代の進展に応じて万全の考慮を払って善処しなければ問題は解決しないものと心得ます。十分その辺を念頭に置きまして、全力を尽くしたいと存じます。
若林正武
237
○
委員長
(
若林正武
君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
若林正武
238
○
委員長
(
若林正武
君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより討論に入ります。 御
意見
のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御
意見
もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
若林正武
239
○
委員長
(
若林正武
君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより採決に入ります。
道路交通法
の一部を
改正
する
法律案
を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
若林正武
240
○
委員長
(
若林正武
君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって可決すべきものと決定いたしました。
増田盛
241
○増田盛君 私は、ただいま可決されました
道路交通法
の一部を
改正
する
法律案
に対して、自由民主党、日本社会党、公明党及び第二院クラブの各派共同による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読します。 以上でございます。 何とぞ
委員
各位の御賛成をお願いいたします。
若林正武
242
○
委員長
(
若林正武
君) ただいま増田盛君から提出されました附帯決議案を
議題
とし、採決を行ないます。本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
若林正武
243
○
委員長
(
若林正武
君) 全会一致と認めます。よって、増田盛君提出の附帯決議案は全会一致をもって本
委員
会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、
荒木国家公安委員長
から発言を求められておりますので、この際、これを許します。
荒木国家公安委員長
。
荒木萬壽夫
244
○
国務大臣
(
荒木萬壽夫
君) ただいま全会一致で御決議いただきました附帯決議につきましては、きわめて緊要な
措置
であると信じておりますので、万全の
措置
を講じまして遺憾なきを期したいと存じます。
若林正武
245
○
委員長
(
若林正武
君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを
委員長
に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
若林正武
246
○
委員長
(
若林正武
君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時八分散会 —————・—————