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政府委員(
鎌田要人君) 御
指摘のように、府県税に対しまして市町村税のほうの伸びが少ない、これはもうまことに明瞭な事実でございまして、しかもその
原因も非常に明白でございます。要するに市町村税の、その一ページ前でございますが、四十四年度の決算で市町村税の三六%を占めておりますところの
固定資産税、これの特に土地、家屋、これの伸びが非常に小さいということがこの一番の大きな
原因で、
他方におきまして府県税の場合でございますというと、この四二%を法人
事業税が占めておるわけでございますし、
住民税で法人分が七%を占めておるわけでございますが、これが景気に応じて非常に伸びてまいっておる、いわゆる伸長性の強い税だ。結局シャウプ勧告の
考え方というものは、私は基本的には間違っておらないと思うわけでございます。基本的には間違っておらないと申しますのは、市町村は基礎的な自治
団体であるから、いわゆる
住民税を右の柱にし
固定資産税を左の柱にする、この二つで、住民が直接
負担をする税というもので市町村税というものをつくってまいる、府県は間接的な
地方団体という表現をいたしておったと記憶いたしておりますが、という
意味から、いわゆる付加価値税、見方によっては間接税ともいわれる付加価値税、これを中心にして、それに入場あるいは遊興飲食税、こういったもので
税制を組み立てる、国は直接税を中心として間接税で、補完をする、こういういわゆるシャウプ勧告の基本をなしておりますところの国、府県、市町村のそれぞれの役割りに応じた税源の分離という
考え方は、やはり一つの価値のある
考え方だというふうに私
どもは認識をいたしておるわけでございます。ただ、遺憾ながらこの
固定資産税、どうしても伸長性を欠くわけでございまして、特に土地の課税というものが伸長性が鈍いということから、
固定資産税に何らかのやはり改善というものを加える必要がある。と同時に、市町村に対しましてもやはり伸長性に富む税という
意味合いにおきまして、この
所得課税、特に法人
所得課税というものを付加してまいる、あるいは道路財源の充実という
意味で
自動車課税なりあるいは
燃料課税というものを付与していく、こういうことを私
ども基本的なねらいとして現在進んでまいっておるわけでございます。昨年、
法人税の
税率の引き上げに伴いまする
法人税割りの増徴分をすべて市町村に付与をした、これもそのあらわれでございますし、またことし、事はなりませんでしたけれ
ども、市町村の道路財源の充実のために
自動車税あるいは軽
自動車税の臨時増徴を行なってこれを市町村に付与しよう、それも実はそういうねらいでございました。そういった基本的な
方向で改善を加えながら、市町村の税源の充実をはかってまいりたいというふうに考えております。