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参考人(
石田正君) いろいろとむずかしい問題をかかえておりますことは先生御指摘のとおりでございまして、私が
輸出入銀行に参りましたときにおきましては、いわゆる四大
案件と称しまして大きな問題があったわけでございます。これには苦慮いたしましたですけれども、その四つのうちで、いわゆる
インドネシア関係の北スマトラ石油、これにつきましては、油が初めの約束どおり出ないでなかなか予定どおり入ってこないという問題で相当滞りができるのではないかということを非常に心配したわけでございますが、結局、北スマトラの石油とそれからして
インドネシアのペルミナとの間に話がつきまして、石油の量というものの取り分の問題につきましても多少調整を加えますし、それからして、また、油を供給する期間も延ばすということをやりまして、いまのところでは全部その油が入ってまいりまして、予定どおり全額完済されまして、私のほうとしましては、北スマトラにつきましてはもう何ら問題はないと言えるような状態になって愁眉を開いている次第でございます。
それからついでに、油の問題でございますが、アラビア石油につきましては、これは、御
承知のとおり、油自身はうまくとれたわけでございまするけれども、硫黄分が多いというような問題がございまするし、そういうふうな問題からして販路をどうするかという問題がございます。
日本の中でも評判が悪いというようなことで、このいわゆるリパーカッションがどういうふうにわれわれのほうへ来るであろうかということを心配しているというのが
実情でございます。
それからまた、ウジミナスの問題につきましては、私が国会でまあ大体うまくいくのではないかと申し上げたとんたに二年間にえらい赤字を出しまして、これはたいへんなことだということで私自身もウジミナスに参りましていろいろ
お話をいたしまして、その結果、向こうのウジミナスのいわゆる鉄鋼製品の売り上げ価格というものにつきまして
政府統制をゆるめていただくとか、あるいは向こうの
開発銀行の出します金利を安くしていただくというような手を打ちまして、大体期間損益としては黒字が出るようになりまして、いま現在のところは相当好況になっておるところでございます。しかしながら、これがよくなりますると、また大いにこれを拡大したいという
お話がございまして、初めは五十万トンのところで始めたわけでございますが、実績はもう六十万トン以上出しておりまして、その成績自身というのは非常によくなっておるわけでございます。しかしながら、大いに拡大しようといたしますると、やはり
資金が要るということになりまして、どのくらいやったらいいかということで向こうのほうは大きな希望を持っておられますが、それをどのくらいにしようかということでもっていま頭を悩ましておるというのが
実情でございます。
それからアラスカパルプの問題につきましては、これは針葉樹が
日本にない、これがなくてはたいへんだということで事業をやるということで始めたわけでございますけれども、その後、向こうからは、要するにいわゆる素材のまま持ってくるということができなくなりまして、材木にして持ってこなければならないというような問題も起こりましたし、それからして、また、人絹のほうにいたしましても、針葉樹でなくて広葉樹を使ってもよろしいと、こういうふうな問題が起こってまいりました。それからして、また、人絹というものがわりあいに不況産業なものでございますから、値段が予定したところの値段では買えないというようなこともございました。いろんなことがございまして、私が参りましたばかりには期間損益は少し黒字になったのでございますけれども、それがまたちょっとその後材木の値が下がったり、それからしでいろいろな経済状況が
日本の中で変わってきたものですから、四苦八苦しているというのが
実情でございまして、これをどうするかということについてわれわれも非常に頭を悩ましておるというのが
実情でございます。
インドネシアだけが問題であってほかには何も問題がないかと申しますと、いろいろな問題がございます。たとえばチリに政変が起こりますと、銅の買い入れのために
融資をいたしておりましたものがどうなるか、こういうような問題につきましてもまだはっきりとした見通しがついておりません。出したときは回収は確実であろうと思って出したのでありますが、これが長い時間かかっておりますうちにいろいろな問題が起こっております。そのうちに非常に頭を悩ませながら仕事をやっておるというのが
実情でございます。