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政府委員(
坂元貞一郎君)
社会局のほうと両方でございますので、便宜
お答えさしていただきたいと思います。
心身障害対策の今後の方策ということでございますが、これは非常に広範にわたっております。
厚生省だけじゃなくて、文部省、労働省、各省にまたがる大きな問題でございますので、そういった各省間の総合調整はもちろん大事なことでございます。それはそれとしまして、
厚生省に関して申し上げますと、
先ほどお話しも出ておりましたように、まず心身障害の発生予防対策というものをもっと大がかりにやる必要がある、これはやはり私
どもは基本だろうと思います。したがいまして、そういった研究費等の
充実、それから研究体制の整備、こういうものがまず今後やるべき
一つの大きな課題だと、こういうふうに思っております。
と同時に、第二の点は、やはり心身障害の施設がまだ非常に数が不十分な
状況にございますので、施設の飛躍的な、計画的な増設というのが第二の課題でございます。またその施設の職員なりあるいは施設に入っている
子供さんたちの処遇の改善、これがやはりまだまだ十分なところまでいっておりませんので、そういう点を大きな柱として、今後私
どもも積極的に意欲を燃やしながらやっていく必要がある、こういうふうに考えておるわけでございます。
それから心身障害者の対策基本法の施行
状況でございますが、これは昨年、国会のほうで議員立法で制定をしていただきまして、これに基づきまして今年度、つまり四十六年度予算も、そのような対策基本法のおかげで心身障害者対策の新しい施策も入った予算が計上されております。この機会に感謝申し上げたいわけでございます。そこで、この施行
状況でありますが、これはいま申しましたように、関係する省が非常に多いわけでありますので、そういった関係各省とのまず
意見の交換、それから行政の総合調整、こういうものを私
どもはやらなきゃならぬわけでありまして、総理府のほうに、幸いにしてそのような協議会というものが設けられておりますので、そういった協議会の場を活用いたしまして各省間の連絡調整をやりながら、各省それぞれ独自の立場において、今後心身障害者対策基本法の
精神なり、趣旨に沿った新しい行政の展開をやっていく必要がある、こういうふうに思っているわけでございます。
それから心身障害者対策協議会でございますが、これは
法律に基づきまして総理府に付属機関としてつくられているわけでありまして、現在まで、実はことしになってから第一回の会合をやったわけであります。近く第二回の会合をやりまして、いよいよ本格的な、実質的な討議をやっていくことに実は段取りをつけております。
それから、精薄者
福祉法と
児童福祉法との一元化の問題でございます。これは実は長年の
懸案であったわけであります。およそ精薄児者ということを考えますと、これはおとなも
子供もやはり総合して一元的に処遇をしていくことが命題でございます。基本的な命題でございますので、そういう
観点からいたしまして、従来から所管の局も
社会局から
児童局に一元化するとか、
審議会も一元化するとかというようなこと、それから年齢につきましても、おとなの施設に
子供を入れることも考えます。
子供の施設におとなの精薄者を入れることも考えておりますが、問題はやはりそういった形式的なことだけではなくて、要は精薄児者のそれぞれの年齢なりあるいは障害の
程度等につきまして、それぞれ適切にやはりその
児童なり何なりに合った適切な処遇をしていく、これが一番大事なことでございます。要は、そういった処遇の
内容等についての今後くふう、改善をいたす必要があるわけでございまして、予算的に見ますと、このおとなの精薄者とそれから
子供の精薄児との措置費等の
内容も、逐年、
内容が格差が縮まりつつあるわけでございますので、まだまだ完全なところまでいっておりませんが、今後鋭意
努力する必要がある、かように考えている次第であります。