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吉田忠三郎君 かなり時間を経過をしておりますことと、それから労災問題については
小柳委員から詳細に
質疑が行なわれましたから、私は、端的に三、四点だけ伺って答えを求めておきたいと思うのです。これは非常に
労働省側から見れば、いやな
質問だというふうに思うかもしれませんが、そういう意味じゃありませんから、誤解のないようにして明快な答弁をしていただきたいと思います。
いままでの労働災害について
小柳委員の
質問、答弁を聞いておりまして、岡部
局長はなかなか答弁をじょうずにされています。肝心なところにくると非常にわれわれ理解できないような答弁が出るので、そういうことを含みながらひとつ、建設
労働者についての災害の状態は答えられたとおりだと思いますからあえて伺いませんが、その中にやはり幾つかの原因があるけれ
ども、
労働省の監督官の
責任が一体あるかないかという問題、私はあると思う。やはり監督官が厳重に監督
指導、
調査、欠陥の指摘、つまり突っ込みが足りない。こういう問題がこの災害の幾つかの原因の一つにやっぱりなっていると思う。この点一つ。
それから二つ目は、いまの
質問の中にもございましたけれ
ども、非常に
関係者、つまり被害者あるいは遺族の方、
関係の労働
組合の方、問題が発生したあとの処理の問題として当然補償の問題あるいは諸条件の問題等々、いわゆる
交渉といいますか、話し合いといいますか、そういうことが行なわれますね。その場合に常に問題になる
——いまの
質疑の中でも私
どもちょっと理解できませんが、その
責任の所在というのが非常に不明確です。ですから非常に問題が複雑化をしている。水かけ論になっちゃう、こういう問題が現在あるわけですね。そのために
関係者は非常に困っておるという実態は、これは岡部
局長、全国的な問題取り扱っていますから、
経験していると思う。こういう問題を解明するには一体どうしたらいいかということについては、さっぱり具体的でなく、納得のいくような理解が私
どもできませんが、これもそんなにむずかしいことではないわけですから簡潔に明快に答えてもらいたい。これが二つ目。
それから三つ目は、いまの
質問にもありましたが、ここが岡部
局長の答弁が非常にじょうずで、大事なところにいくと何かさっぱり私
どもの
能力では判断のできない、理解できないような答弁になっている問題の一つでありますが、被害者であるとかあるいはその代理人、あるいは
関係している労働団体、
法律的には労働
組合ですね。こういう方々が
調査を求めるというのは一体何かという、
法律の問題じゃないのですよ、これは。あなたは
法律上問題があるというような答え方をしておりますが、私
どもの理解では、われわれの
経験した勉強の範囲では
法律の問題じゃない、これは。
法律的には監督官ですよね、権限を持っているわけですから。ですから労働
組合なり、いま申し上げたように、被害者なりあるいはその代理人が
調査を求めるというのは
法律的な問題ではなくて、これもあなた方非常に耳ざわりが悪いかもわかりませんよ。私はざっくばらんに申し上げますけれ
ども、あなた方のほうとすれば、先ほ
どもちょっと
小柳さんも触れたけれ
ども、なかなかこのところはいままでどういう
指導をしているのかわかりませんけれ
ども、それが出てこない、
調査の結果が。ですからそこに不審がある、疑問点が生ずる。わかりますね、不満が生ずる。だから自主的にさいぜん申し上げた
関係の方々が
調査を求める、こういうことになる最大のやっぱり原因は、業務上知り得た秘密であるということでその
理由を明らかにしない、明示をしない。
労働者側とすれば、されてないというところに問題があるのであって、これは
局長ね、
法律の問題ではない。ここが解明されたら、こういう問題は発生しないのですよ。ですからここのところをもうちょっとわかりやすいように解明していただきたいと思う。私の
経験と私の
意見を申し上げれば、この
程度の問題は、それはいろいろな何といいますか、事例によって多少の相違はあると思いますよ。あるけれ
ども、一般論としては、常識的には少なくとも
当事者には当然この種の問題はすべて知らせてあげなければならないであろう
——これは私の
意見ですよ。そうしてあげることがつまりまた
労働省としての行政の親切であり、ほのぼのとした私は行政ではないかと思う。なぜ私がこういう
意見を申し上げるかというと、これは釈迦に説法でありますけれ
ども、自賠責にいたしましても、
災害補償法にしても、これは被害者保護の立法精神なんです。
法律を制定したときの精神というのは、被害者の保護なんです。ですからそういう立場から私は
意見を言っているのでありまして、そういう点で考えてみると、少なくとも
当事者にはその点は知らせておくべきものではないか、こう思うのです。これが三つ目ですね。
それから四つ目は、何といたしましても、いまのような
現状、いまのような体制、その中における仕組みの状態では、どうしても被害を受けた、特に死亡したというような方々は、いかに
法律上あるいは労災法上それぞれ所定のきめられた補償額があるとしても、人の命というのは金にかえられないですよ。そうでしょう、
局長。だとすれば、残るのはやはりその
当事者、遺族にしてみればたいへんなやはり感情が残りますよね。そういう点で、われわれが考えている以上にやはり不審の点であるとか、あるいは疑問の点が残りますね。そういう場合においても、いまの
労働省の監督行政の中で、再
調査をするということはほとんどないですね。それはたまにはありますけれ
ども、ほとんどないといっても過言ではないくらいの実績しかございませんね。ですからこういう点についても、やはりそういうものが出てきた場合は再
調査をしてあげる
——結果はもちろんわかりませんよ、結果は。やはり再
調査をしてやるというぐらいの積極行政、これがほんとうの労災法についてのいわゆる法の精神、たてまえから見ると、その行政というのは血の通った行政になるのではないか、こう思う。
それから先ほど申し上げたように、繰り返して言うけれ
ども、業務上の秘密といったって、そこで知り得た秘密だからといったって、その
関係当事者、これは先ほど
小柳委員は、われわれ国会の
調査権なり、
審議権を持っておりますが、そこのところさえもはしょってくるのではないかという意味のことを言っておりましたが、ここのところはいろいろなあれがあると思いますよ、特に裁判上の問題になってきますからね。しかし、まあわれわれはかりに少なくとも除外したとしてもいい、これは百歩譲って。やろうと思えば、われわれは
調査権を持っていますからできますけれ
どもね。しかしこれは百歩譲っていいが、
当事者間ぐらいこの点は明らかにするということは当然じゃないでしょうか。これが四つ目です。
答弁のしかたによっては
質問しますけれ
ども、これはほとんど
小柳委員が詳細
質問していますから、なるべく私は時間をとりたくないのです。