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政府委員(降矢敬義君) ただいま
お話がありましたように、
都市におけるいろんな施設の面を、私たちは全体としての防災という面からぜひ
考えなきゃいかぬ、こう思っております。したがって
都市計画、それからそれを踏まえた
都市づくりの中で、そういう新しい建物というものを
道路とか緑地とか、そういうものとかみ合わせながら、
都市づくりの中で
考えていかなければ、これはかりに消防機関だけで市民の
生活を
災害から守るということはとうていできまい、こう私は思っております。で、水戸の火災、直接の問題といたしましては、やはりああいうビルにつきましては、二つの点からぜひ防災を
考えていかなきゃならぬと思っています。
一つは、建築
基準法その他の消防法を通じまして、建物自体がそれ自体人命の損傷をなくすという構造をぜひ今後進めていかなきゃいかぬ。したがって、この水戸の火災におきましても御
指摘のように自動火災報知器があったり何かしましたけれ
ども、構造とともにその維持管理を今後どうしていくかということを、ぜひ建物の所有者ないしその使用者において相当自覚をしておらなければいけませんが、水戸の場合におきましても、御案内のとおり、複合用途ビルと俗にいわれているところでありますが、防火管理者の設置もなければ、避難訓練もやっていない。消防は、査察は年一回やりまして、いろいろ勧告をしておりますけれ
ども、その実現の追跡も十分じゃない。こういう、こちらの消防のほうにも問題がありますけれ
ども、向こうの建物を管理し、使用している側におきましても、この特殊な大きな建物につきましての管理体制が十分でないと私は思っています。したがいまして、こういう点につきましては、今回消防法の一部を改正しまして、そういう事態に対しては消防機関は防火管理者の専任を義務づけて、そして消防
計画をつくらせ、特に私は先ほど申し上げましたように、早期発見と早期避難ということを
中心にした管理者の訓練をぜひ消防機関を
中心にやらせる。また、いままでの市町村の消防におきまして、特に消防
計画といいましても、もう少し私は具体の建物について具体の消防
計画というものを突き詰める
考え方、そういう
考え方が欠けておったと思います。したがいまして、私は今後
都市における、中小の
都市におけるビル、あるいはその他の地下街というようなものにつきましては当該地下街、当該ビルにおける具体の防災
計画というものを市町村、消防、その他の機関も一体となってやはり具体的につくっていくということをぜひ進めていくように、先般も指示いたしましたけれ
ども、そういう姿勢をぜひ
考えていきたい。反面、公設消防におきましては、こういう建物がどんどんどんどんできてくる場合に、やはりある
程度財政とにらみ合わすことになりますけれ
ども、特殊の消防機関をぜひ備えていただかなければなりません。それにはやはり化学消防車の充実ということを私たちは進めてまいる
中心の課題でありまして、これにつきましては消防施設補助金におきましても、四十六年度七十台を用意いたしまして、中小
都市並びにこの近辺の
都市を
中心に化学消防車の充実をはかっていきたい、こういうことでやはりそれに対応し得る科学的な消防施設というものを充実する。
もう
一つは、こういう特殊な火災、特殊な施設に対応して、消火並びに人命救助の技術というものを相当開発していかなければいけません。この点につきましては、最近御案内のとおり各中小
都市の大きなところにおきましては、いわゆる消防の中にもレンジャー部隊というものを特設いたしまして、こういうビル火災その他の特殊な火災に対しましては、特殊な訓練を受けた人間が人命救助と、それから早期の消火に当たるような、そういう隊員の訓練もやり始めておりますし、これは私は消防機関の訓練の中でも、わが消防大
学校におきましてもこういう訓練体制というものを充実いたしまして、そして
都市づくり、町づくりの中で消防がぜひ力を合わせて防災に努力する、こういうことを今後一そう進めていく
考えでございます。