○二宮
文造君
参考人の方に、たいへんお忙しいところありがとうございました。私、一括して、順次、
参考人の方お三方に質問をさしていただき、御意見を伺いたいと、こう思うわけです。
最初に
松田参考人にお伺いしたいわけでありますが、これは四点ございます。その一つは、
契約締結の時期、それからまた
広告活動開始の時期のあり方について御意見を伺いたいわけです。といいますのは、従来、マンションの分譲とか
宅地の分譲などにおきまして、その大半が完成のはるか以前から、ほとんど
建築確認
申請が官公庁に受理されたときから、このようなマンションができますと、こういう青写真を掲げて、そしてその
販売を開始するのが通例となっておりました。この場合に、物件の引き渡し時期の遅延とか、あるいは大幅な設計
変更、あるいは会社の
経営不振、いろいろな
理由によりまして
購入者が
損害をこうむるという例も間々ございました。今回の
改正案におきましては、答申に沿いまして
開発許可あるいは
建築確認等があった後でなければ
広告をしあるいは
契約を
締結してはならないと、こういうふうになりましたけれども、まあ問題になった
業者の例をとってたいへん恐縮なんですが、日本建設協会の例を見ますと、
建築基準法による
建築確認は一応とっておりました。しかしそれでもなお
建築の着手を行なわないまま一般
消費者を勧誘し、あるいはまた建設
予定地を第三者に売ってしまったと、こういう例もあったわけです。そこで、マンションの
広告あるいは
契約締結の時点は、開発の
許可あるいは
建築確認をとった日以降という、こういう
改正ではまだ
消費者は十分に
保護されていないのではないか。そこで
広告とかあるいは
契約の時点を竣工の日に近づける。これによってデメリットが出ることもわかりますけれども、
消費者にとっては
所有権あるいは区分
所有権の確保の安全性のほうがいろいろ出てまいる、デメリットよりも比重が大きいのではないか、こういう考え方で、たとえば分譲共同住宅については保存登記の可能な時点、あるいは
宅地を
造成して分譲するものについては、
造成が
完了した時点をその
契約とかあるいは
広告開始の時期にしたらいいんではないかと、これはしろうとですから、まあ
消費者保護という立場からそう考えるのですが、この点について御意見をお伺いしたいのが一点。
それから二番目には、
改正案の第四十一条によりまして
宅地、建て売り住宅、マンション等の分譲
業者は買い主に物件を引き渡す前に
建設大臣が
指定する
保証機関の
前金保証を得なければ
売買価格の五%以上の
前金を受け取ることができなくなる、こういうわけでありますけれども、業界としてはどのような形態による
保証機関の設立を考えておられるか。同時に、
前金保証に伴う
保証料です。これにつきましては、当然私どもの理解は
業者が負担することになると理解をしておるわけです。しかしまた一説によりますと、そのために
業者の支出増が伴いまして、そこで
保証料に見合う
取引手数料を引き上げようという考え方も出てきていると、このように聞き及んでいるわけでありますけれども、極力この場合
消費者への転嫁は避けなければならないのじゃないかと考えますので、業界におけるこの
保証料をだれが負担するかということの理解のしかたについてお伺いをしたいわけです。これが第二点であります。
それから第三点は、
宅地の供給不足、それから地価、建設費の高騰などでサラリーマンや一般庶民が家を求めることはきわめていま困難となっております。このために買いあせりやあるいは安物に飛びつく傾向が、まあ残念ですけれども、非常に強くなってきている。そこで、言いにくいことですけれども、
誇大広告だとかあるいはインチキ
広告でお家さんをつって、
前金をだまし取るいわゆる悪徳
不動産業者というのも業界でも非常に悩んでいらっしゃるように、あとを断たない現状です。しかもこれらの
業者はアウトサイダーに非常に多いわけです。そこで、こうした
不動産にからまる犯罪を未然に防止して、業界団体による自主
規制、これを推進していくためにアウトサイダーの団体への加入を
義務づけたらどうだろうか。こうすれば業界自体の悩みも解決するんではないかと思うんですけれども、この点についての御意見を承りたいのが第三点。
それから
最後に
名義貸しの
禁止の
規定を新たに設けられたわけでありますけれども、この
名義貸しと並びまして、社名や代表者、
所在地などを再三にわたって
変更をして巧みに世間の目をごまかすといった事例がよくございます。これらの
変更にあたっては厳重な審査の対象とし、安易な
変更についてはこれを
規制すべきだ、こう考えるんですが、業界の意見はどうでしょう。またこれも悪い例ですが、日本建設協会、あるいは日本住宅総合センター、あるいは中央高層レジデンス、国際
不動産等々と、こういう名称だけではその
業者の信用状態というものも
消費者が理解することは非常に困難でございます、名前だけでは。そういう意味で市民の
利益と財産を守るという立場で、
業者の信用状態を市民の要望にこたえて提供できるような機構の確立、これはやはり業界全体の信用を高めていくためにもやったほうがいいんではないか、こう考えるんですが、そういう機構をつくろうじゃないかという御意見が業界の中にありますかどうか。またつくるとすれば、どういう形態に仕上げていったほうが適当か、御意見がございましたらこの点をお伺いしたい。以上四点を
松田参考人にお伺いしたいわけです。
それから、その次は
東郷参考人にお伺いしたいことが二点ございます。
一つは、現在
積立式宅地建物販売業を営んでいるといわれている
業者が十九社あると伺っております。先ほど大手四社のその
契約残高とか、あるいは何といいますか
消費者、お客さんに対する残高、これは伺いましたけれども、もしおわかりでしたら十九社、いわゆる業界全体の年間の
契約高あるいは
積み立て金の累積額、それからまたこれはまあ複雑ないろいろな方法があると思いますが、代表的な積み立て方法はどういうものか、これをまずお伺いをしたい。
それからこれはたいへん失礼な御意見を伺うわけですが、かりに営業不振などによりまして
業者が倒産をした、そういう場合に今回の法案では最低限度買い主はすでに
支払った合計額の三分の一の
返還が受けられることになっているわけでありますけれども、業界発展のためにもできればもっと還付率を引き上げたほうがよろしいんではないか、こういうふうに考えるわけですが、これについての御意見。
以上二点を
東郷参考人からお伺いいたしたい。
それから
最後に
藤巻参考人にお伺いいたしたいことは、先ほど建設省あるいは公取等とのやりとりを通じまして、すでに私の意のあるところはお聞き取りいただいたと思います。また、昨年八月に私がわからずながらずいぶん失礼な推量をしまして、またその中で
日本保証マンションのほうも鋭意努力をされて、建設省並びに公取なんかとも密接な連絡をとりながら今日まで非常に
改善に努力をされてきた、その努力については私は敬意を表します。なおまたこれから会社の発展あるいは健全な
経営というものを心から望んでおるわけで、それにつきまして三点お伺いをしたいわけでありますけれども、先ほど実態をお伺いしたところによりますと、
契約戸数に対する利用者の——すでに利用しておる入居数ですね、これが案外率が低い。一体
保証マンションがこれからずっと健全な
経営を続けていくためには、大体何%くらい入居されればできるのか、この点の目安をどこに置いておられるかということが一点。
それから先ほども問題にしましたけれども、大体分譲マンションでは生活環境がどうかわからない、特に賃貸しマンションではちょっと賃借り料が割高だが、出ていくときにはいつでも
保証金は返してくれる、しかも家賃が要らないということが取り柄で、利用者というのは関心を深めていると思うんですが、したがって、いま利用されておる方あるいはこれから将来利用されようとする方は、出るときにお金が返ってくる、
保証金が全額現金で返ってくるということが魅力だろうと思います。またそれを宣伝していらっしゃるだろうと思います。そこで施主の場合あるいは
保証マンシションの場合、やっぱり退居する人に対する準備金というものは、これは
法律にも何にもありませんけれども、そういう
契約になっている以上は会社の経理として準備金というものをある程度置かなければならない、こういう感じがするわけですが、そういうことをお考えになっておるかどうか。あるいはまた施主にもそれを望んでおるものか、
保証マンション自体それを経理
内容に明確にしておるかどうかということをお尋ねしたいのが第二点。
それから
最後に第三点は、やはり何といってもおたくの宣伝が、出るときに全額現金でお返ししますということになっているわけです。抵当権の設定とかあるいは代物弁済とかあるいは
所有権移転の仮登記とか、そういうものは全額現金でお返ししますという、そういうのは
保証にはならないわけです——補完にはなりますが、
保証にはならない。やはりこういうメリットを強調していくためには、
銀行保証というものに努力されるべきではないかと私は思うんですが、その点について会社ではどういう考え方を持ち、また今後どういうふうに変えようとなさっておるか、これが第三点。以上三点をお伺いして終わりたいと思います。よろしくお願いいたします。