○
国務大臣(
根本龍太郎君) この問題は、私は実はどこの省がどうこうというよりも、むしろ私は地方自治体、特に府県が中心になって
考えるべきだということを提案しているのです。
まず第一に御
指摘になりました労働人口の移動、それから農村がいまの大きな転換期のために非常に混迷しておる。それで結局どんどんどんどん過疎化されていくということに対する不安感、これを解消するために、私はむしろ現在では
都市再開発に投資するメリットと、むしろそうした農山村に投資した場合における比較
検討をもっと冷静に国として
考えてみるべきである。たとえばいま
東京都で大量輸送機関としての地下鉄を
考えますと、いま一キロで六十数億かかるのです。
日本の里数で一里つくるのに二百五十億もかかる。しかもそれはわずか四キロです。それだけの金をかけるならば、二百数十億かけましたならば、
相当の国道なりあるいは鉄道さえこれはできるんじゃないか。しかもそちらには土地もある、労働力もある、公害にわずらわされないものもある、水もある。こういう観点から、私は高山
先生も御承知のように、昨年から北
関東の三つの
都市機能と、それから環境に恵まれておる百万
都市を三つつくるべきだ。それには私は思い切って横断道路をつくりましょう。そうして
東京湾にあらゆるものが集中して、いまもう
東京港の浦賀水道は全く麻痺状態。それをむしろ水戸の射爆場あたりを外港にして、そこに持っていきなさいということで、いま三県の知事並びに国
会議員の諸
先生と話をしているのです。そういうふうにして持っていくことが私はいま必要な時期であって、その場合においても私は土地問題を、一々今度はこれを買うとなるとたいへんな金で、地価を暴騰さして何にもならぬ。そこでこれは賃貸でいこうじゃないか。農民もそのほうが楽だし、財産を持って、はっきりした定収入があるのだから、五十年、六十年の長期契約で、ただし地代は現在農業をやっているだけの粗収入は完全に補償するということでできるのじゃないかということで、だいぶんこれは伸びてきているのです。私はそういうような意味で、これは何も北
関東のみならず、
日本全国においてやっていいんじゃないか。その場合には、去年から実は私が
相当、保留してあったけれ
ども、あまりこれが活用されなかったのですが、私は道路政策としてはいままでは国道何号線にはどれだけの
予算、あるいは地方道には何と、みんな長くすることだけに
予算を使っている、固定してしまっている。そうじゃなくて、社会的には社会構造の変化に伴うところの道路政策もやっていいはずだ。だから、たとえばあるところの農村に五十ヘクタール単位の工場団地をつくるのだ、そうして農業と工業とをバランスのとれたものをつくるとなれば、たとえそれが市町村であろうとも公共事業で道路つけましょうということも申し出て、通産、農林でとにかく農工一体のプロジェクトをつくりなさい、こうすすめておるのだけれ
ども、まだあまり効果がないのですがね。それと私は道路政策でそういうふうな誘導までしようと思っておる。ただしかし、私のほうが全部それを
指導権を握ってやるようなことになると、なかなか役所のほうはそうはいきませんので、まあこれこそ国会でそうしたようなふうな十分なひとつ誘導してもらいますれば非常におもしろいじゃないか。
それからもう
一つ申し上げたいことは、ややもすれば従来先行投資先行投資というのです。ところが先行投資をすると実は地価を上げて、それからいまのいわゆる民間の不動産屋が買い占めて何にもならない。新産
都市がその失敗の端的な例なんですね。だから何よりもまず
一つプロジェクトを地方自治体が土地を持ってしまうことです。そうすればやってもいいけれ
ども、そうでないうちに下水道をつくり、道路をつくり、
公園をつくったらべらぼうに上がっちゃって、そうしてみんなそのプロジェクトが着手する前にもうお手上げになっちまうというので、その点はよほど
考えなきゃいけないというので、自戒している次第でございます。