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政府委員(朝日邦夫君) お答えを申し上げます。私
どもも住宅地造成事業に関する
法律、これは御
承知のとおり都市計画法の施行に伴いまして現在は廃止になっておりますけれ
ども、本件の宅地造成に関しましては、この
法律によって静岡県知事の認可を受けておりますことは、
先生御
指摘のとおりでございます。そこで、ただいまの御質問の土地でございますけれ
ども、この
法律の制定されました趣旨は、やはり人口の集中に伴いまして住宅用地等の需要が著しい地域で、相当規模の造成事業が行なわれることによって災害が生じたりすることを防止をする、あるいは環境を整備するために必要な規制を行なう、こういう趣旨で制定をみておる
法律でございまして、いわばそういう危険があると思われる個所について規制の区域を建設大臣が指定をいたします。これは各
都道府県知事の申し出に基づいて指定をいたすわけでございます。したがいまして、その地域がそういった危険があると
考えられる場合には、知事の申し出によって大臣が指定をし、そしてその区域におきます宅地造成事業について、主としてただいまの環境上あるいはその災害防止上必要な規制を加えることによって、いわば工事の施行並びにその結果について危険がないようにという観点で規制をするわけでございまして、その地域についてこういう工事が行なわれることが適当かどうかということについては、この
法律では直接的には判断をするたてまえになっておらぬわけでございます。
そこで、具体の本件に関しましては、ただいま
先生の
仰せのとおり、事業主といたしましては
先ほど来申されておりますところの三島箱根観光開発が事業主といたしまして、そこで宅地造成の認可を申請をいたしております。これにつきましては、四十四年の二月三日に知事が認可を与えております。その開発の
目的は別荘地の開発ということになっておるようでございます。そこで、しからば、その地域においてそういう工事を行なうことによって生ずるかもしれない災害を防止するために、どういう措置ができるのかということでございますが、これは、この
法律の五条の二項四号におきまして、「施行地区内の土地が地盤の軟弱な土地、がけくずれ又は出水のおそれが多い土地その他これらに類する土地である場合においては、地盤の改良、擁壁の設置等安全上支障がないように必要な措置が講ぜられていること。」という
規定がございまして、これも実は本日、県につきまして、県のこの
法律の所管の建築部局につきまして電話でもって聞き取ったわけでございますけれ
ども、やはりこの土地は規制区域に入っております、もちろんのことでございますが。沢の土砂流の流下によります災害発生のおそれなしとしないということで、これの未然の防止のために砂防堰堤を四ヵ所設けております。それから、これの排水のための側溝あるいは管渠につきましての設計につきましても、現地の実態を存じませんので、それが十分であったかどうか、私もここで申し上げるあれはございませんけれ
ども、少なくとも県といたしましてはその堰堤の設計について、大事をとるならなおまだ心配があるということで、勾配の裏勾配を直させ、あるいは水たたきにふとんかごを設置させるとか、石だだみ工を施工させるとかいうような、堰堤の補強策を講じさせております。それから側溝につきましては、急激な流れの速い水でございますので、しばしばこれがあふれ出るというおそれがございますから、これにふたをかぶせるとか、あるいはその下水路の補強をさせるとかいうような指示をいたしておるようでございます。
なお、
一般的に出水期を控えましてそういう災害の防止、宅地工事に伴います災害の防止についてはどうかということでございますが、これは、こういう指定区域内で認可をいたしました事業が行なわれている個所につきましては、極力早目に現場をパトロールいたしまして、もしも施工上あぶないという個所があるならば早急に手当てをするようにという指導をいたしております。したがいまして、当然その点は県当局も
承知をいたしておると思いますが、なおしかし、さらに
地元にそういう不安があるようでございますれば、私
どもといたしましては早急に、再度県が現場を確認をいたしまして必要な措置をとるように、指示をいたしたいと思います。